2010/01/23

中国のアフリカ政策

中国のアフリカ政策については、このブログでいつかは取り上げなければならないと考えておりましたが、大きなトピックであるため、躊躇しておりました。最近になり、中国の上層部の3人がアフリカ諸国14ヶ国を訪問するというニュースに触れ、事実関係を押さえておく必要があったので、以下、これを機会にまとめてみました。

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【 ニュース 】

中国、3閣僚級がアフリカ14カ国を歴訪 1月
2010/01/13 23:13   日経新聞
【北京=佐藤賢】中国が対アフリカ外交に一段と力を入れている。年明けから楊外相ら閣僚級の3人がそれぞれ現地を歴訪し、訪問国は1月だけで合計14カ国に達する。中国は各国で新たな無償援助や低利借款の供与など経済援助の拡大を約束。中国は鉱物資源の確保や途上国の連携を深める外交戦略を強化しており、金融危機の影響で主要国の一部で対外支援が停滞する中、アフリカで存在感をさらに高めそうだ。
中国外相の年初のアフリカ歴訪は20年連続となった。楊外相は10日、アルジェリアのブーテフリカ大統領との会談で、地球温暖化問題で途上国の権益を守るため連携を強化することで一致。地球温暖化対策を巡る国際交渉をにらみ「途上国連合」の結束固めにも力点を置く。
陳徳銘商務相もアフリカを歴訪中で、王家瑞共産党対外連絡部長も15日からアフリカ入りする予定。中国国営の新華社によると、エチオピアを訪問した陳商務相は11日、同国のスフィアン財務・経済開発相との会談で、貿易拡大に向けた優遇策を説明した。5000万元(約6億7000万円)の無償援助と1億 7200万元(約23億円)の優遇借款を柱とする援助や、関税免除の協定に調印した。
中国政府はアフリカの最貧国からの輸入品のうち60%について2010年中に関税を撤廃し、12年に95%を無関税とする方針。12年までの3年間でアフリカ諸国に100億ドル(約9100億円)の低利借款も供与する。エチオピアの場合、今回の協定で無関税の対象は約400品目から約4700品目に拡大する。
世界的な金融・経済危機を受けて主要国は景気刺激を狙った財政出動を拡大。国内に歳出を振り向けるため対外支援を見直す動きが広がり、金額としてはアフリカ向けも圧縮される傾向にある。国際社会は将来の成長に期待してアフリカを注視しているが、閣僚級を集中訪問させる中国の対応は異例だ。
今年も8%成長を目指す中国にとって、石油やレアメタル(希少金属)など資源確保の重要性は一段と増している。資源国の多いアフリカとの関係を以前から重視している。金融危機で逆風下にある主要国の支援姿勢をにらみながら、むしろ緊密ぶりをアピールして優位を確立したい意向とみられる。
ただ援助の中身については批判もある。12日、陳商務相は中国が支援してエチオピアで建設中のアフリカ連合(AU)会議センターを視察し、中国人労働者らを慰労した。同センターは中国がアフリカで建設を支援する最大規模のプロジェクト。目に見えやすい「ハコモノ」が依然として多く、企業と労働者を引き連れて経済利益を狙う実態も浮かび上がらせた。


【 解説 】

以前「アフリカに関する日本・中国・韓国の政策協議」のエントリーで述べたとおり、中国とアフリカとの関係は、「中国・アフリカ協力フォーラム」(FOCAC:Forum on China-Africa Cooperation)という「枠組み」において決められている。3名の閣僚級のアフリカ訪問も、その枠組みの中の訪問である。

2000年10月:第1回FOCAC@北京
2003年12月:第2回FOCAC@エチオピア アディス・アベベ
2006年11月:第3回FOCAC@北京
2009年11月:第4回FOCAC@エジプト シャルム・シェイク

①楊潔チ(Yang Jiechi) 外相
1月6~12日:ケニア、ナイジェリア、シエラレオネ、アルジェリア、モロッコ (サウジアラビア)
②陳徳銘(Chen Deming) 商務相
1月11~17日:エチオピア、モザンビーク、タンザニア
③王家瑞(Wang Jiarui) 中国共産党対外連絡部長
1月15~26日:コンゴ民主共和国、マリ、セネガル、ベナン、中央アフリカ、ジブチ




















【 コメント 】

以下の順番でコメントする。

 1.中国のアフリカ支援の「強み」と「弱み」
    ・中国のアフリカへの支援策
    ・中国 vs.イスラム社会
    ・内政不干渉
 2.中国とアフリカ諸国の考え方のズレ
 3.中国のアフリカへ進出は「新植民地主義」か?
    ・中国のアフリカへの進出の度合い
    ・中国当局による反論
    ・筆者の考え方



1.中国のアフリカ支援の「強み」と「弱み」

(1) 中国のアフリカへの支援策

「強み」は、中国政府が具体的な支援策を定め、それを着実に実行できることである。(日本は、政府と民間は別々で、投資に関しては民間が意思決定するので、中国のような機動力はない。)最近の支援策は以下を参照されたい。

①2006年1月 中国の対アフリカ政策文書
     日本語:http://www.china-embassy.or.jp/jpn/zgbk/t230934.htm
     英語: http://www.fmprc.gov.cn/zflt/eng/zfgx/dfzc/
②2006年11月 FOCACで発表:「アフリカに対する8項目の支援策」(末尾「参考-2」)
③2009年11月 FOXACで発表:「アフリカに対する新8項目の支援策」(末尾「参考-3」)


(2) 中国 vs.イスラム社会

最大の「弱み」は、中国国内のムスリム問題であると思う。2009年7月に新疆ウイグル自治区で発生した暴動事件は、「中国 vs.イスラム社会」という対立軸をもたらしたし、それが拡大する可能性がある。アルジェリアに本拠地をおくアルカイダの支部組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)は「中国人に報復を行う」と宣言した[1]。アフリカのムスリム人口は40%以上である。[2]


(3) 内政不干渉
この問題は「強み」でもあるし「弱み」でもある。欧米諸国と違い、中国はアフリカ諸国の内政には干渉しない。そのため為政者にとっては都合がよいので、中国は歓迎される。ただし民衆に歓迎されているかどうかは別問題である。

人民日報(2006/7/27)は次のように報じている。
「早くも1964年1月に、周恩来総理はアジア、アフリカの14ヵ国を訪問した際、「中国の対外援助の8つの原則」を打ち出し、その基本的な主旨は次のとおりである。(1)平等に付き合い、互恵を目指すこと(2)他国の内政に干渉しないこと(3)被援助国が自らの力で振興することを助けるために、実のある援助を提供すること(4)被援助国の受益を確保すること(5)被援助国の負担をできる限り軽くすること(6)担うべき義務を厳しく履行すること。これは中国の対外援助の性格と主旨を明らかにしたものであり、対外援助の事業を通じて中国の外交政策の具現でもある。「中国の対外援助の8 つの原則」はこれまでの中国の対外援助の行動を導き、現在においても現実的な指導的意義があると見られている。」[3]


2.中国とアフリカの考え方のズレ

温家宝は、中国とアフリカの友好関係を『古き友情は黄金の如し、百錬色褪せず』( "A time-honoured friendship is like the gold. After repeated smelting, it keeps its true colour.")と表現した。[4,5] しかし、アフリカ諸国がどのように考えるかが問題である。

「A friend in need is friend in deed.」これは全世界共通の考えであると思う。しかし、イスラム教における「喜捨」にあてはまる場合は別である。裕福な者が貧しい者を助けるのは義務であるし、喜捨を受けても別に恩義にも感じなくてもよいことになっている。

中国は自国を「発展途上国」と思っているようだが[6]、GDPでもうすぐ世界第二位になり、自動車の生産・販売台数が世界一の国なので[7]、アフリカ諸国は中国を発展途上国とみるとは思えない。アフリカ諸国が「中国は資源が欲しいから援助している」と考えているならば、中国の考えとズレが生じることになる。

シンガポールのStrais Times (2010/1/19)が「China's welcome in Africa cools」という記事を掲載したが、そこにはアフリカ諸国の冷めた意見が書かれている。[8]

①中国に滞在するアフリカの外交官は、「(中国の外相がアフリカを毎年訪問しているが)それはシンボルであり、あまり意味がない。」 「我々は中国とは友達だが、中国は、台湾を外交的に孤立させることと、アフリカの資源が目的であることを知っている。」と発言している。[9]
②エジプトで開催されたサミットで、リビアとエジプトからは、「アフリカ大陸への侵略に似ている」「新植民地だ」との発言があった。
③ナイジェリアの外務大臣は、中国がギニアとニジェールの独裁者を支援している、と批判した。


3.中国のアフリカへ進出は、「新植民地主義」か?

中国のアフリカにおけるプレゼンスが大きくなるにつれ、西側のメディアは中国を「新植民地」であるとの報道が散見されるようになった。英国、米国、EUなどでも研究されるようになっている。(参考文献を参照。)

(1) 中国のアフリカへの進出の度合い

中国とアフリカ諸国の貿易額の推移[5,10]
2001年:8,920百万ドル
2005年:50,000百万ドル
2007年:73,000百万ドル
2009年:100,000百万ドル

図 [11]

中国のアフリカ諸国との貿易額推移(1998-2006)











アフリカの対中国輸出構成(2006)

















アフリカの貿易相手国(2006)





アフリカ諸国にいる中国の会社は、①中国政府の「息」がかかっている会社と、②小規模の民間会社があるようだ。中国の会社数は、2006年の公式数は800社で、その内、85%は純粋民間会社である。しかし、ある学者が中国大使館、中国企業のインタビューをした推定値は2000社以上である。[12]

アフリカ諸国にいる中国人は75万人~100万人と推定されている。中国のプロジェクトで現地人が雇用されるのは30%程度であり、中国は現地に食堂、ホテル、店などそっくり持ちこみむため、現地の経済には貢献しない[10]。 今後、アフリカの人口が増えるにつれて摩擦が大きくなると想定される[13]。(下図)


















(2) 中国当局による反論

当然のことながら、中国は反論している。
中国を透視する ---- その一問一答(2007年) [14]
②2006年6月 温家宝総理「中国は新植民地主義にあらず」(末尾「参考-1」参照)
③2009年11月 Full text of Chinese Premier Wen Jiabao's press conference in Egypt[5]



(3)  筆者の考え
私は、現在のところ、アフリカ諸国は中国の投資によりインフラ整備などの恩恵を受けていると考えているので、「新植民地主義」には賛成しかねる。

ただし、西側諸国のメディアによる中国批判が、多少なりとも中国の政策に影響を及ぼしたのではないかと思う。具体的には、中国の2006年版「8項目の支援」と、2009年版「8項目の新支援」を比べると、後者は「ハード的援助」だけでなく、人材育成など「ソフト的援助」が増えたと考えられる(末尾「参考-2 & 3」参照)からである。

中国との関係においては、次のような点に注目しておく必要があると考える。
①中国の対アフリカ諸国の融資の返済が重荷にならないようにする。
②透明性を確保するよう働きかけることで、汚職などを少なくする。

中国がアフリカに進出しているからといって、神経質になる必要はないし、無理に中国と競争する必要はないと考える。中国と同じ土俵に上がって競争するのは得策ではない。中国は資金力があり、政府と民間の関係が強く、行動が迅速であるが、残念ながら日本はそのような「強み」はないからである。日本は中国とは別の土俵で、アフリカ諸国を援助したり投資したりすればよいのではないか。その際は、アフリカの民衆のニーズにこたえるようにすることが重要なことだと考える。

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【 参考資料 】


[1] Al-Qaeda Group Vows to Avenge Uighur Deaths in China (Bloomberg, 2009/6/14)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=al7LH65DbCXA
[2] アフリカ諸国のムスリム人口
http://www.nationmaster.com/graph/rel_isl_in_afr_isl_pop_in_afr_and_pop_per_pop-islam-africa-islamic-population-percentage
http://www.pupr.edu/hkettani/papers/ICSSH2009Africa.pdf
[3] 調和の取れた世界構築を促す中国の対外援助 (人民日報, 2006/7/27)
http://j.peopledaily.com.cn/2006/07/27/jp20060727_61735.html
[4]温家宝総理の目の中の「黄金」(人民網、2009/11/12)
http://j.people.com.cn/94474/6808735.html
[5]Full text of Chinese Premier Wen Jiabao's press conference in Egypt
http://news.xinhuanet.com/english/2009-11/11/content_12427606.htm
[6]中国国家統計局の会見要旨(ロイター、2010/01/21)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK857799220100121
[7]中国、自動車生産・販売台数が世界一 (中国網、2010/1/11)
http://japanese.china.org.cn/life/txt/2010-01/11/content_19214940.htm
[8] China's welcome in Africa cools (2010/01/18)
http://www.themalaysianinsider.com/index.php/world/49771-chinas-welcome-in-africa-cools

[9] 現在、台湾は、台湾を承認しているの4ヶ国に大使館を設置している。また2ヶ国には事務所を置いている。
ブルキナファソ              (大使館)
ガンビア                       (大使館)
サントメ・プリンシペ     (大使館)
スワジランド                 (大使館)
ナイジェリア                  (Trade Office)
南アフリカ                    (Liaison Office)
http://www.africa.org.tw/introduction_english_2.asp?M=2
チャドは2006年8月に、マラウイは2008年1月にそれぞれ台湾ではなく中国を承認した。

[10] CHINA'S INVOLVEMENT IN AFRICA」 by ELIZABETH C. ECONOMY
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CHRG-110shrg649/pdf/CHRG-110shrg649.pdf
[11]China’s Engagement in Africa - Opportunities and Risks for Development
by Dr. Helmut Asche, Dr. Margot Schuller
September 2008 (94頁)
http://www.giga-hamburg.de/dl/download.php?d=/english/content/ias/pdf/studie_chinas_engagement_in_afrika_en.pdf
[12] Lizards follow the Dragon
http://www.royalafricansociety.org/index.php?option=com_content&task=view&id=579
[13] 国際連合人口部 World Population Prospects: The 2008 Rivision
http://esa.un.org/unpp
[14] 中国を透視する ---- その一問一答(2007年)
http://japanese.china.org.cn/life/archive/wenda/2008-03/19/content_13056937.htm
[15]しんぶん赤旗、2006/11/5
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-05/2006110507_01_0.html
その他、英語版は
Full text: Address by Hu Jintao at the Opening Ceremony of the Beijing Summit of The Forum on China-Africa Cooperation  2006-11-04
http://english.focacsummit.org/2006-11/04/content_4978.htm
[16]人民網 (2009/11/10)  http://j.peopledaily.com.cn/94474/6807657.html
英語版は
Eight new measures to enhance co-op with Africa
http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-11/08/content_8929420.htm


その他参考資料

中東、アフリカも自分の庭にしてしまう中国
中国人は常に世界を見て動く~「中国株式会社」の研究~その40
2010.01.08(Fri) 宮家 邦彦
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2516

Department for International Development
China and Africa
http://www.dfid.gov.uk/Where-we-work/Asia-East--Pacific/China/China-and-Africa/
※英国の中国への取り組み方が書いてある。

Understanding China’s Engagement with Africa & How the UK can Build Relationships with China In Africa
23rd June 2009- 25th June 2009, Centurion Lake Hotel, Pretoria
Conference Report
http://www.dfid.gov.uk/Documents/publications/uk-china-africa-report09.pdf
※19頁

How China delivers development assistance to Africa
Dr Martyn Davies with Hannah Edinger, Nastasya Tay & Sanusha Naidu
A research undertaking by the Centre for Chinese Studies, prepared for the Department for International Development (DFID), Beijing
Centre for Chinese Studies, University of Stellenbosch
First released: February 2008
http://www.dfid.gov.uk/Documents/publications/china-dev-africa.pdf
※86頁

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参考-1:温家宝総理「中国は新植民地主義にあらず」

2006年6月20日 CHINA HEADLINE 経済日報

温家宝総理は18日、エジプト訪問終了にあたり開催した記者会見で、「中国がアフリカとの関係を強化しようとしているのは石油、エネルギー獲得のためであり、中国は新植民主義を実施しようとしている」との一部の論調に対する見方を問われ、以下のように答えた。

「中国が新殖民主義であるということは絶対にない。1840年のアヘン戦争以来、中国は約110年にわたり殖民主義の侵略を受けており、中華民族は殖民主義が人民にもたらす苦痛を知っており、これと戦わなければならないことも知っている。中国が長年にわたってアフリカの民族解放と振興を支援してきたのはこのためである。中国はアフリカ諸国との石油貿易を行っているが、これは公開、透明でまた正常かつ互恵的なものである。中国が2005年にアフリカから輸入した石油は一部大国の3分の1に満たない。ザンビア鉄道建設支援など、中国は自らが困難に状況にある時でもアフリカを支援してきた。経済が発展した今日、中国は古い友人を忘れることはない」。


参考-2: 2006年の約束

(1) 2006年版 アフリカに対する8項目の支援[15]

2006年11月5日(日)「しんぶん赤旗」

中国とアフリカ48カ国首脳会議
中国の援助策
【北京=菊池敏也】中国の胡錦濤国家主席が四日、中国・アフリカ協力フォーラム首脳会議で示したアフリカ援助の八項目は次の通りです。
(1)対アフリカ援助を拡大し、二〇〇九年の援助規模を〇六年比で二倍化
(2)今後三年間に三十億ドルの優遇借款と二十億ドルの優遇バイヤーズクレジットを供与
(3)五十億ドル規模の中国・アフリカ発展基金を設立
(4)アフリカ連合(AU)会議センター建設を援助
(5)重債務国・最貧国に対して〇五年に返済期限を迎えた政府無利子借款の債務を免除
(6)最貧国の対中輸出商品に対するゼロ関税品目を百九十から四百四十余りへ拡大
(7)今後三年間にアフリカに三―五カ所の海外経済貿易協力区を設立
(8)今後三年間に一万五千人の各種人材の養成をはじめ、農業・医療・教育分野での援助

参考-3: 2009年の約束

2009年版 アフリカに対する8項目の新支援 [16]

「温家宝総理、中国・アフリカ会議で演説: 今後3年で、中国・アフリカ協力推進のため8つの新措置を」

「今後3年で中国政府は、中国・アフリカ協力を推進するために8つの新措置を講じる」と述べ、以下を挙げた。
 (1)「中国・アフリカ気候変動対策パートナーシップ」を構築し、不定期の高官協議を実施し、衛星による気象観測、新エネルギーの開発と利用、砂漠化対策、都市環境の保護などの分野で協力を強化することを提唱する。中国は、太陽エネルギー、メタンガス、小型水力発電所など100件のクリーンエネルギー事業で、アフリカを支援することを決定した。
 (2) 科学技術協力を強化する。「中国・アフリカ科学技術パートナー計画」を始動し、合同科学技術研究モデル事業を100件実施し、アフリカからポストドクター100人を中国での科学研究に受け入れることを提唱する。
 (3) 100億ドルの特恵的借款を実施するなど、対アフリカ融資を強化する。中国の金融機関による10億ドルのアフリカ中小企業発展特定融資の設立を支持する。中国と国交を樹立しているアフリカの重債務国や後発発展途上国に対し、2009年末までに期限を迎えながら中国側に返済されてない政府無利子借款債務を免除する。
 (4) アフリカの生産品に対して市場開放を拡大する。中国と国交を樹立しているアフリカの後発発展途上国の95%の生産品に対する関税免除措置を段階的に実施する。まず2010年内に、60%の生産品に対して関税免除措置を実施する。
 (5) 農業協力を一層強化する。中国が支援するアフリカの農業モデルセンターを20カ所に増やし、農業技術チーム50組をアフリカに派遣し、農業技術者2000人をアフリカ諸国のために育成し、アフリカの食糧安全確保能力を高める。
 (6) 医療衛生協力を深める。病院とマラリア予防治療センター各30施設に5億元相当の医療設備や抗マラリア物資を提供し、医療要員3000人をアフリカのために育成する。
 (7) 人材開発や教育面の協力を強化する。アフリカ諸国のために、中国・アフリカ友好学校50校の建設を支援し、校長や教師1500人を育成する。アフリカ向け中国政府奨学金の定員を2012年までに5500人に増やす。今後3年で計2万人の人材をアフリカのために育成する。
 (8) 人・文化面の交流を拡大する。「中国・アフリカ共同研究交流計画」を始動し、学者やシンクタンクの交流や協力を促進し、発展のノウハウを共有することを提唱する。

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