発展途上国の子供たちにも同じような教育を受けさせたいものですが、そろばん教育が広がりつつあるようです。
【 ニュース 】
そろばん 海を越え1020丁再利用
そろばんの町・小野市が昨夏から始めた不用そろばんの回収が、年末までに5744丁に達した。当初予想していた「1年間で500丁」を大幅に超えた。思い出の詰まったそろばんは、海を越えて南太平洋のトンガと米国に計1020丁贈られ、再び利用される。(中略)
伝統産業会館にそろばんの回収箱が置かれたのは昨年8月末。旅行で小野市を訪れた千葉市の男性から「家庭で使わなくなったそろばんを海外へ贈ってはどうか」と提案されたのがきっかけだ。
そろばんの海外普及を進めるNPO法人・国際珠算普及基金(本部・東京)によると、海外ではトンガ、中欧のハンガリー、北アフリカのチュニジアなどに珠算教育が広がっている。しかし、頑丈で高品質な日本製は足りず、プラスチック製や手作りのものを使う学校もあるという。(中略)
市は、まず11月に国際協力機構(JICA)を通じてトンガに1千丁届けた。トンガは、小学校の授業で珠算を採用するほどそろばんに熱心な国だ。さらに、インターネットのニュースで知ったという米国アリゾナ州の日本人女性から「小学生に指導している。今後は大人にも広げていきたい」とメールが届き、12月に20丁を贈った。
「大きな反響でうれしい限り」と市の担当者。今後はチュニジアなどに届ける予定だ。回収は継続中。問い合わせは市産業課(0794・63・1928)へ。
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【 解説 】
1.そろばん回収運動
日本のそろばんの産地は、①兵庫県小野市で生産される「播州そろばん」と、②島根県仁多町・横田町(合併後名称は奥出雲町)「雲州そろばん」である。上記のニュースは小野市による不要そろばんの回収である。後者の島根県横田町は、1994年より「タイへそろばんを送ろう」運動を実施している。[2]
2.トンガのそろばん教育
30年以上前から、大東文化大・中野敏雄名誉教授はトンガからの算盤留学生を、毎年受け入れ教育してきた。教授は、珠算教育普及活動の功績が認められ、2009年9月、トンガ王国ツポウ5世陛下から「Commander of Order of the Crown」の勲章が授与された。[3][4]
JICAはトンガに珠算教師を派遣するようである。[5]
3.外国へそろばん普及運動
(1) 社団法人 大阪珠算協会は、『外国人のための珠算講座』を20年以上開催しており、この間82ケ国936名の外国人がそろばんを学び、たくさんの人が高い水準の珠算技術を身につけているとのこと。[6]
(2) NPO法人 国際珠算普及基金は、トンガ、チュニジア、ブラジルなどに使節団を派遣したりしている。[7]
(3) トモエ算盤㈱も啓蒙のために専門家派遣に協力している。[8]
【 コメント 】
1.発展途上国に、古着、古靴、サッカーボールなどが送られている。しかし、そろばんは物(ハード)というよりも教育(ソフト)そのものであることが決定的に違う。青年海外協力隊員の派遣前の研修でそろばん技術を磨き直してもらい、現地で教えることができる。あるいは、現地の先生を日本に招聘して訓練することもできる。
2.計算力をつけて、数字に馴染むようにするために「100マス計算」を広めてはどうだろうか[9]。 インドは高度の九九を教えているようだが、算数・数学は国の発展のための基礎である。
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【 参考文献 】
[1]朝日新聞 2011/1/21
その他報道 産経新聞 2010/11/08
[2] 日タイ修好120周年 姉妹都市・交流都市
そろばんを活用した国際協力 ~島根県横田町の取組み
[3]保坂さんぞう ブログ
[4]大東文化大学ニュース「中野敏雄名誉教授がトンガ王国勲章受章」
[5]平成22年度 秋 募集ボランティア要望調査票
[6]http://www.osaka-abacus.or.jp/
[7]http://www.geocities.co.jp/NeverLand/8812/isdf-top.html
[8]海外でのそろばん
藤本トモエ社長チュニジアへ算盤指導に行く
[9] 学び舎 基礎学力向上サイト
南アフリカが「アジアにおける日本」になる日は来るか?「そろばん」の教育からはじめよう
「タイの国 JICAそろばん先生奮闘記」 by 西野啓子
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