この記事を書いて1日が経過しました。下記の原文はそのままにし、追加でコメントします。
カダフィは、遅かれ早かれ引退するのは間違いありません。大統領や首相がいない国で、カダフィの「次」をどうするかが問題ですが、理論的には、①クーデター、②選挙(ただしその制度がない)、③権力移譲----この3つの方法が考えられます。カダフィとしては、息子に移譲するのが最善の方策でしょう。噂では、二男のSaif al-Islam、またはMutasim-Billah Gaddafiと言われていいます。
現在リビアが抱えている最大の外交問題は、スイスと断絶状態にあることですが、名目的には国際仲裁裁判所で審議されるでしょうが、やはり外交的に解決するのが妥当です。リビアでそれができるのは、ロッカビー事件で有罪判決を受けたal-Megrahiを帰国させた実績があるSaif al-Islam氏以外にはいないと思います。
そのためには、リビア人民会議(議会)に彼に役職を与えなければならない-----これが今回のニュースの背景にあったと考えます。後継者レースの先頭を走っているのは間違いないのですが、まだ後継者に「決定」したわけではありません。
従ってこの記事の題は、 「カダフィ大佐の後継者としてSaif al Islam氏が有利」 に変更します。「後継者に決定」というレポートを書く日ができるだけ早く来ることを期待しています。(2009/10/16, 00時05分)
カダフィは、遅かれ早かれ引退するのは間違いありません。大統領や首相がいない国で、カダフィの「次」をどうするかが問題ですが、理論的には、①クーデター、②選挙(ただしその制度がない)、③権力移譲----この3つの方法が考えられます。カダフィとしては、息子に移譲するのが最善の方策でしょう。噂では、二男のSaif al-Islam、またはMutasim-Billah Gaddafiと言われていいます。
現在リビアが抱えている最大の外交問題は、スイスと断絶状態にあることですが、名目的には国際仲裁裁判所で審議されるでしょうが、やはり外交的に解決するのが妥当です。リビアでそれができるのは、ロッカビー事件で有罪判決を受けたal-Megrahiを帰国させた実績があるSaif al-Islam氏以外にはいないと思います。
そのためには、リビア人民会議(議会)に彼に役職を与えなければならない-----これが今回のニュースの背景にあったと考えます。後継者レースの先頭を走っているのは間違いないのですが、まだ後継者に「決定」したわけではありません。
従ってこの記事の題は、 「カダフィ大佐の後継者としてSaif al Islam氏が有利」 に変更します。「後継者に決定」というレポートを書く日ができるだけ早く来ることを期待しています。(2009/10/16, 00時05分)
■ニュース
2009/10/13、リビアのカダフィ大佐は、二男のSaif al-Islam氏を国家第2位の地位に任命し、国家人民会議(=議会)と政府を監督する権限を与えた。[1]
■解説
カダフィ大佐は40年リビアを統治してきたが、これでSaif al-Isram氏が後継者になることがほぼ確定した。Saif al-Isram氏は、1972年6月生まれ、37才、リビア国際慈善基金総裁、 London School of Economics で博士号取得。[2]
■コメント
Saif al-Islam氏は、リビアだけでなく、アフリカ大陸のリーダーになる素質がある。
国際社会(あるいはリビアにとって)、以下のようなの貢献をしている。
①リビアの国際復帰
②AIDS問題で逮捕されたブルガリア人看護婦達の解放
③チュニジアで拉致された外国人旅行者の解放
④ロッカビー事件の囚人のリビア帰国。
彼にとって、以下のような課題がある。
①独裁者カダフィの息子であることが自体がハンディキャップである。反カダフィの民衆から支持されるか。
②リビアを近代化させるために、憲法制定したり(実際にそのように発言している)、政治機構、官僚機構など全てを改革する必要があるが、改革を急ぎ過ぎると保守派と摩擦が生じる。
③弟(四男)とうまくやれるか。
④率直に発言する性格だが[3]、言動を慎むことができるか。
■参考文献
[1]
「Libya leader names son 2nd-in-command」(Press TV, 2009.10/13)
「Kadhafi names son second-in-command: report」(AFP)
[2] Saif al-Islam氏のプロフィール
Wikipedia, BBC
その他参考資料
ビデオ Sky News (2009/09/07)
「影響力の後退を噂される改革指向の子息セイフ・イスラム氏の公式な肩書きを求めたリビアのカダフィ大佐」最近の中東・エネルギー情勢から(2009/10/14)
「NO・1421 カダフィ大佐も人の親か、息子がかわいい」 中東TODAY 佐々木良昭 2009/10/08
「ポスト・カダフィ体制へ模索が続くリビア」 畑中美樹 石油・天然ガスレビュー 2009/07
「リビア国際慈善基金総裁の総理表敬」2005/04/04
Gaddafi International Charity and Development Foundation (GICDF) のホームページ
(参考)カダフィの子供達
長男:Muhammad Gaddafi: オリンピック委員会。通信会社。政治には無関心。 (母親が、次男以降の息子の母親とは違う。次男の母親のほうが影響力があるので、政治に無関心なのかもしれない。)
二男:Saif al-Islam Gaddafi
三男:Al-Saadi Gaddafi:サッカーに熱心
四男:Mutasim-Billah Gaddafi:軍人。national security adviser。カダフィの後継者として競っていた。
五男:Hannibal 乱暴者。欧州各地で酒に酔って暴力事件を起こしていた。スイスでの暴行事件をが契機になって、スイスと断交状態になった。
六男:Saif Al Arab
七男:Khamis:警察官
娘Aishaは弁護士であり、サダムフセインを弁護した。Hannaという養女がいたが、米国のトリポリ攻撃(1986年)の際、死亡した。
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すごく良いサイトですね。
返信削除国際関係学を専攻中で日本語の資料を読む機会が少なく、探していた所でリビアの記事を見つけました。とても分かりやすくてビックリしました。また来させて頂きます。
ありがとうございます。週に2回更新するのが目標ですので、また訪問して下さい。
返信削除英語のニュースは多いですので、Google Alertsで登録すると良いと思います。