2009/10/30

Dr.Jeffery Sachs と 国際援助

今回のエントリーは、ジェフリー・サックス氏の国際援助活動について紹介します。2009年10月29日に開催された「第2回 日経GSRシンポジウム:地球の問題解決に向けた企業と国連、NGOの連携」の特別ゲストとして、竹中平蔵氏と対談されましたが、そこでの発言をまとめました。

●ジェフリー・サックス氏とは?
・コロンビア大学地球研究所長 兼 国連事務総長特別顧問。
・20代でハーバード大学のテニュアー(教授として終身的地位をもつ)になった。
・竹中氏曰く、「この30年間で最も世界を変えた経済学者」である。また、「アフリカの大統領は皆、彼に会いたがっている」とのこと。

●何をしている人?
・「Millennium Villageプロジェクト」を実施している。一言でいうと「援助のモデル村」あるいは「援助の実験村」である。(末尾のビデオ、参考資料を参照して下さい。)

●講演では何を話したの?
1.  アフリカなどの貧しい人たちは、自分達ではどうしようもない程に貧困状態から抜け出せなくなっている(trapされている)。だから我々先進国の人々が助けなければならない。しかし、その方向性を変更させる役割については、米国にはできないし、世界政府もない。

2.  企業、NGO、政府・国際機関、大学の4つが関与する必要がある。
①企業は自分が得意とする技術やノーハウを提供する(寄付する)。単にお金を寄付するのではなく、相乗効果(multiplier effect)があるものを提供する。日本にはいろいろな技術があるので、企業一社、一社が持ち寄り、貧困層に届くようにすればよい。
②NGOは企業が提供した技術などが援助として役立つかどうかを検証する。
③政府・国際機関は、NGOが検証して有効であることを確認したプロジェクトに、大規模に援助する。
④大学は、援助について分析し、提案する。

(私なりに考えて、図1のように図式化してみました。)
図1 援助モデル (図をクリックすると拡大)


3.  具体的な例を話された。
①住友化学の例
住友化学は援助の成功物語だ。同社はアフリカではタンザニアとナイジェリアで防虫剤練り込み蚊帳「オリセットネット」を生産している。現地企業に技術を無償供与し、5,000人を雇用している。
住友化学からは、Millennium Villageプロジェクトのため、「オリセットネット」を約35万張り寄付してもらい、そのマラリアに対する有効性を検証した。
私は、国連に何度も説明した結果、国連が大量購入して200万人に配布した。
②エリクソン
携帯電話を普及させるために、高さ100mの電波塔を建てた。
③GMは病院の機材(1000万ドル相当)を寄付した。
④KPMJは会計事務所です。同社はmillennium villageの経理を手伝ってくれてます。

このブログに書いたことに若干の間違いがあるかもしれません。速報ベースということでお許し下さい。なお、本日の講演会は、11月中に日経新聞が記事にするそうです。

●参考
住友化学のアフリカでのCSR

関連ブログ
黒川清オフィシャルブログ
「Jeffrey Sachs教授とMillennium Village」(2007/03/13)

Wanaki Jiji
「未来への提言 経済学者 ジェフリー・サックス ~貧困のない世界を目指して~ 」(1)  (2)

ビデオ (全てお勧めですが、最初のビデオにはアンジェリーナ・ジョリーがでてます。)
Angelina Jolie & Jeffrey Sachs- Part 1 Part2 (登録2006/09/06)

GOOD: The UN Millennium Declaration (登録2007/06/12)

Millennium Village Ruhiira, Uganda  (登録2008/05/23)


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