2010/06/13

アフリカのインターネット・Wi-Fi事情

クアラルンプールへの出張の機会を利用し、iPhoneでSkypeが使えるかどうか試してみました[1]。ホテルや空港など、無線LAN(Wi-Fi)を利用できる場所からSkypeを起動して、事前に登録している相手を呼び出すと、PCに入れたSkypeと同じように、非常に良い音質で通話できました。なによりうれしいことは、どれだけ話しても無料!

蛇足ですが、成田空港に到着後、Wi-Fiでのネット接続を試したところ、有料でした。マレーシア国際空港よりサービスが悪いとは、残念なことです。政治家や役人は頭の切り替えが必要だと思います。

さて、そこで、アフリカのインターネット事情/無線LAN事情がどうなっているか、調べてみました。

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【 ニュース 】

ITエンジニアのPaul English氏はアフリカ全土でWiFiが使えるようにするプロジェクトを、今年(2010年)の夏に立ち上げる、と発表した。ビジネスモデルとしては、①基本サービス(メール、ネット検索、ニュース)などは無料とし、②付加価値サービス(ビデオ等)は有料とする。[2]


【 解説 】

Paul English氏は、ボストン在住で、Kayak(世界最大の旅行関係の検索サイト)[3] を立ち上げたメンバーの1人である。このWi-Fiプロジェクトは巨額の資金が必要であるが、English氏は、Kayakで得た利益を使って、このプロジェクトを立ち上げる。

インターネットを第三世界に提供する大型プロジェクトは、今回紹介したプロジェクト以外でも、O3b Networks がある[4]。O3bとは「"the other 3 billion"」(インターネットにアクセスできないその他の30億人)という意味である。光ケーブルではなく、サテライトを通じて高速で低コストのインターネット接続を提供することを目標としており、Googleなどが出資している。


【 コメント 】

約50年前の日本で、田舎の家が電話に加入するために、受益者負担として電柱設置費用を払わせられたと聞いている。約30年前の日本では、一般人は、携帯電話というものを考えてもいなかったはずだが、今では小学生も持つようになった。インターネットにおいては、電話線を使うダイヤル回線から始まって(モデムの接続音が懐かしい)、ADSL、光ケーブル、そして無線LAN、というように段階を経て普及してきた。

しかし、後進国が先進技術を導入する時は、そのような段階を一切経ない。いわゆる「後発性の利益」と呼ばれ、最新技術が導入される。アフリカでは、一気に携帯電話から普及するようになったし、インターネットも最新の光ケーブルやWi-Fiが導入され普及するだろう。そして、アフリカの田舎にある診療所の医者や看護婦がインターネットを利用できれば、病院の専門医から簡単に助言を得ることさえできる。また、米国等の大学が提供するインターネット授業も聴講できるようになる。

現時点での普及率は小さいが、今後爆発的に普及するであろう(図1&2参照)。インフラ整備、安価なPC販売、PC用太陽電池パネル販売など大きなビジネスチャンスがある。遅かれ早かれアフリカの裕福層がインターネットショッピングをする日が来るはずである。

参考まで、このブログを立ち上げてから約9ヶ月が経過したが、アフリカ内陸部からのアクセスが少ない(図3参照)が、これは日本人が少ないこととネット環境が著しく悪いからである。

図1 アフリカ諸国のインターネット普及率(図)

図2 アフリカ諸国のインターネット普及率(データ)


図3 このブログへのアクセス状況



【 参考文献 】

[1]Skypeとはインターネットを利用した電話ソフト(無料)で、iPhoneとはアップル社のPC兼電話です。http://www.skype.com/intl/ja/get-skype/

注意事項:
・ホテル内ではWi-Fiの電波の強弱があり、弱い場所ではSkypeを利用できませんでした。
・Skypeを起動していないと相手は呼び出すことができません。iPhoneの場合は、PCのように常にSkypeを起動しておくことは難しいので、発信専用だと考えて下さい。
・iPhoneでなくとも、小型PCにSkypeを入れておき利用できます。

[2]「Kayak.com Cofounder Paul English Plans to Blanket Africa in Free Wireless Internet」(2010/5/12)
http://www.fastcompany.com/1645485/kayak-co-founder-starting-initative-to-blanket-africa-in-free-wireless-internet
[3] http://www.kayak.com/
http://www.kayak.com/about
[4] http://www.o3bnetworks.com/

●Wi-Fiを普及させようとしているNGO
Join Africa http://joinafrica.org/
Green WiFi http://www.green-wifi.org/

Inveneo http://www.inveneo.org/ (太陽発電とWi-Fiを組み合わせる)
Inveneo紹介のビデオ
http://video.google.com/videoplay?docid=-6733739048402407738&hl=undefined#

●アフリカのネットワーク環境
http://www.sekai-purapura.com/info/04digital/d_africa1-1.htm
http://www.sekai-isshu.com/data/net_info/net2.htm
(南ア) http://www.freewi-fi.co.za/wi-fi-locations

●iBust Africa社が提供するWi-Fiの利用可能地域
コンゴ(ブラザヴィル&キンシャサ)
http://www.iburstafrica.com/index.php?c=cd〈=English&content=coveragemap
ガーナ
http://www.iburstafrica.com/index.php?c=gh〈=English&content=coveragemap
ケニア
http://www.iburstafrica.com/index.php?c=ke〈=English&content=coveragemap
モザンビーク
http://www.iburstafrica.com/index.php?c=mz〈=English&content=coveragemap
南アフリカ
http://www.iburst.co.za/business.aspx?link=services_coverage

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