2010/12/25

中国与非洲的経貿合作 (中国とアフリカの経済貿易協力)

【 ニュース 】

中国、中国とアフリカの協力に関する白書を発表 (2010/12/23) [1]

中国国務院報道弁公室は23日『中国とアフリカの経済貿易協力』と題する白書を発表しました。白書は貿易、投資、インフラ整備、発展能力向上、民生改善などの面で、近年来の中国とアフリカの経済・貿易の協力と発展をまとめたものです。
白書は「2000年中国・アフリカフォーラムが発足したことをきっかけに、双方の経済貿易協力はより強化され、より活気に満ち溢れ、貿易、投資、インフラ整備、発展能力向上、金融、観光などの分野における双方の協力がさらに拡大された。同時に、南南協力の重要な構成部分として、中国・アフリカフォーラムは南南協力に新たな活力を注ぎ込んだ。更に国際政治経済枠組みにおける発展途上国の地位を高め、公正かつ合理的な国際政治経済新秩序の構築にも重要な役割を果たしている」としています。(翻訳:コオリ・ミン)


【 解説 】

『中国とアフリカの経済貿易協力』(China-Africa Economic and Trade Cooperation)の白書の英訳が公表されている[2]。 白書は7章で構成されており、シングルスペースで12~13頁の長さである。以下、数字で説明されている部分を列挙する。


第1章  均衡がとれた貿易を促進する

(1)中国とアフリカの貿易総額
・1950年:US$12 百万
・1960年:US$100 百万
・1980年:US$1,000百万
・2000年:US$10,000百万
・2008年:US$100,000百万超(中国の輸出額US$50,800百万、輸入額US$56,000百万)
2000~2008年の中国アフリカの貿易伸び率:33.5%
・2010年(11月まで):US$114,810百万(前年比43.5%増)

図: (クリックで拡大)


中国の全世界の貿易量に占めるアフリカとの貿易量:2.2%(2000年)→4.2%(2008年)
アフリカの全世界の貿易量に占める中国との貿易量:3.8%(2000年)→10.4%(2008年)

(2)輸出の変化
①中国の対アフリカ輸出:
1980年代~1990年代は、軽工業品、食品、化学製品等
2000年以降は、機械、自動車、電気用品。(機械と電気用品は50%を占める。)

②アフリカの対中国輸出:
以前は、綿花、リン鉱石、一次産品
近年では、スチール、銅、化学肥料、電気製品、農産物

中国は、アフリカの45ヶ国と二国間貿易協定の締結した。2010年7月までに、アフリカからの輸入品の4,700品(輸入品の95%)、US$1,320百万(累計ベース)が非課税扱いになった。


第2章  投資領域を相互に拡大する

(1)中国からアフリカへの直接投資額
・2003年迄:US$490百万
・2009年末:US$9,330百万

相手国は、49ヶ国(内、主要投資先は、南アフリカ、ナイジェリア、ザンビア、スーダン、アルジェリア、エジプト)
投資案件は、鉱山、金融、製造、建設、観光、農業、林業、畜産。
投資形態は、第三国の会社とJVを組んで、アフリカで資源開発するなど、多様化している。
投資家は、国営の大・中規模の会社、個人企業など広範囲にわたる。

二カ国間投資協定締結国:33ヶ国
二重課税防止協定締結国:11ヶ国

中国企業によるアフリカ進出を支援するため、「中国アフリカ開発基金」を創設した。既に、農業開発、機械製造、発電、建設資機材等、30プロジェクトを支援した。第一段階としてUS$1,000百万を支出済で、更にUS$5,000百万まで支援する予定。

海外経済貿易協力地帯(overseas economic and trade cooperation zones)を作り、中国企業を誘致する。現在、ザンビア、モーリシャス、ナイジェリア、エジプト、エチオピアにおいて協力地帯を建設中である。ザンビアが最初のケースだが、既に13企業が進出し、US$600百万を投資して、6,000人の雇用を創出した。


第3章  インフラ建設を重視する

2009年末までに、中国は500以上のインフラ・プロジェクトを支援した。2007~2009年にかけてUS$5,000百万を、2010~2012年にかけてUS$10,000百万(予定)の低金利融資を供与した。


第4章  発展する能力を強化する (capacity building)

2009年末までに、107の学校が建設され、29,465人のアフリカ人が奨学金を得て中国で勉強している。年間5,000人に奨学金を受け取っている。2010年6月末までに、30,000人が、20の分野で教育訓練を受けた。

・104人の中国人農業専門家(シニアクラス)が33ヶ国の農業発展計画立案を支援した。
・600人以上の農業専門家・技術者がモーリタニア、ガーナ、ガボン等で支援した。
・312人が、中国語教育、医療・衛生、体育、PC教育などの分野で奉仕活動に従事した。



第5章  民衆の生活水準向上を支援する

・2009年末までに、142の農業プロジェクトを実施した。14の農業技術デモンストレーションセンターを開設した。
・2009年末までに、54の病院、30のマラリア予防・治療センターを建設し、35ヶ国に200百万元相当の坑マラリア薬を援助した。
・1963年以降、46ヶ国に医療団(累計18,000人)を派遣した。現在、41ヶ国において1,000人以上の医療従事者が働いている。
・アフリカ35ヶ国向けの融資(312件、18,960百万元)の返済を免除した。


第6章  中国とアフリカの協力の領域を拡大する

28のアフリカ諸国が、中国から「観光目的対象国(ADS:APPROVED DESTINATION STATUS)」として認定された。
2009年の、中国本土からアフリカへの観光客は、381,000人(前年比18.5%増)、アフリカから中国を訪問客は401,000人(前年比6%増)。


第7章  中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の精神を達成する

この章ではFOCACについて説明あり。


【 コメント 】

1.中国はアフリカ諸国に「安かろう悪かろう」の製品だけを売っているのではない。「中国とアフリカの経済貿易報告2010」で発表されたように、金融、電信、エネルギー、観光、航空など新しい分野に投資の分野を拡大しつつある。[3]

2.中国は、白書の前文において、平等、互恵互利、結果重視、共同発展の原則でお互いに発展する、ということを謳っているが、大前提として、「中国とアフリカ」という枠組みで考えている。しかし、「アフリカ」は53ヶ国で構成されており、トータルにしてやっと中国と対等になれる。また、中国との関係で、出超の国、入超の国などいろいろある。それぞれの国は、「自国と中国」あるいは「小国である自国と巨大な中国」という枠組みで考えているはずである。そのことを中国が認識できれば、中国の行動も変わるのではないだろうか。

3.白書の最初に「中国是世界上最大的発展中国家」(中国は世界で最大の発展途上国である」と書かれている。中国は、世界で3番目に有人宇宙船の打ち上げを成功させた国であるし、ミサイルで衛星を破壊できる技術力を保有する国である。そんな国が「発展途上国」とは・・・。


この白書が発表されるの2ヶ月前の2010年10月14日に、商務省の国際貿易経済協力研究所が『中国とアフリカとの経済貿易報告2010』[4] を発表している。中東・エネルギー・フォーラムが概要を発表しているので参照されたい[5]。


お役に立ちましたら クリックお願いします。
にほんブログ村 海外生活ブログ アフリカ情報へ 人気ブログランキングへ
【 参考文献 】

[1] China Radio International (CRI) (2010/12/23)
[2] 中国語  英語 
[3] 「中国とアフリカの経済貿易報告2010」が北京で発表 (中国国際放送局、2010/10/15)
[4] 原文(英語)『China-Africa Trade and Economic Relationship   Annual Report  2010』
[5] http://www.energyjl.com/2010_folder/October/10new1019_8.html

3 件のコメント:

  1. 日本も一時期、先進国としての自覚を持っていないと指摘された時期がありますが、同様のことが中国にも当てはまるようです。ある意味、過渡期というところでしょう。国が巨大なので、ギャップが大きいでしょうが。ここはきちんと指摘をしていくべきだとおもいますが、ODAの増額なんて話が出るようでは日本はキチンと指摘する資格はなさそうです。アフリカでも各国、また各階層で様々な対中国感があるので一概には言えませんが、ご指摘のように中国ーアフリカという図式だけで見ると大きな感情のずれがおきそうな気もします。

    返信削除
  2. Satoさん、「ここはきちんと指摘をしていくべき」というご指摘、そのとおりだと思います。日本が中国にODAを供与するということは、「貴国はまだ発展途上国ですね。困っているので、助けてあげましょう」というメッセージを与えてしまいます。
    中国奥地の農村部は貧しいと報道されています。どうしても日本から援助を受けたいというのであれば、自国の国民に対し日本から援助してもらっていることを知らせて、それなりに感謝するのが礼儀というものです。

    返信削除
  3. あけまして、おめでとうございます。今年も有意義な情報を是非お願いします。

    礼儀、そうですね、そう思います。ま、生き馬の目を抜くような今の時代に難しいと思いますが、今のような態度を取られるような日本にも問題があるとおもうので、まずはこちらの居住まいを正してきちんとメッセージを出していくべきだと思います。

    返信削除

コメントを確認してから公開する設定にしてありますので、公開を望まない方はその旨書いておいて下さい。Spam-like comments will NEVER be made public.