■ ニュース ■
2009年11月27日、国連環境計画(United Nations Environment Programme: UNEP)は、ナイジェリアのニジェールデルタのOgoni地域において、油汚染土壌の調査を開始すると発表した。[1]
調査費用:950万ドル(約 9億円)
費用負担者:Shell Petroleum Development Company. (ナイジェリア国営石油会社、Shell、Total、ENIのJV)
調査期間:1年間(2010年にレポート発表)
調査実施者:UNEP及びナイジェリアのRiver state知事。
■ 解説 ■
土壌汚染の原因は何か?-----ナイジェリアの石油の探鉱・生産は1950年代から本格的に始まった。古い油田は操業が中止になっているが、古い資機材からが放置されている。操業中のパイプラインは、「盗油」のため穴があけられているところがある。盗人は穴を防ぐこともなく、原油は漏れて土壌を汚染している。
被害の大きさは?-----どの程度の量の原油が土壌を汚染しているのか?-----2006年に第三者専門家の評価によると、150万トンの原油が土壌に含まれている、と推定している[2]。ちなみに、最大級の原油タンカーはおおよそ30万トンである。
<ビデオ> (地味です)
Another day, Another Oil spill by SHELL in Nigeria
■ コメント ■
日本企業には、工場跡地、ガソリンスタンドの跡地の処理で培った油汚染処理技術があるようだ[3]。この技術をナイジェリアに使えないだろうか。
これは政府による「援助」ではなく、民間会社の「ビジネス」として成立するはずである。資金を負担するのは、ナイジェリア政府、国際石油会社(メジャー)なので、資金は持っているからである。評価作業が終えた後、本格的な土壌改良が開始されるはずだが、それは途方もない巨額の事業になると想定される。
■ 参考資料 ■
[2]「Niger Delta bears brunt after 50 years of oil spills」(Independent紙、2006/10/26)
[3]鹿島建設 清水建設 三井金属資源開発
大気汚染(フレア)については以下を参照。
世銀のプログラム(GGFR)
ビデオ
続報あり:2010/01/02、ナイジェリアの民事事件をオランダの裁判所が裁く
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