tag:blogger.com,1999:blog-54295353550636741422024-03-05T13:41:42.079+09:00アフリカのニュースと解説African News & Commentary: A Japanese viewMiyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.comBlogger100125tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-79029582891538999902013-05-07T14:06:00.003+09:002013-05-07T14:42:44.183+09:00LNG輸入価格を下げるための方策2013年4月26日、政府は「燃料調達コスト引下げに向けた当面のアクションプラン」を発表した。いくつか基本的な問題点があるので指摘しておきたい。<br />
<br />
アクションプランは、同年4月17日に経済産業省が開催した「総合資源エネルギー調査会 総合部会 電力需給検証小委員会(第3回)」を基にしているので、最初に紹介する。次にアクションプランの内容を紹介し、最後に問題点を指摘する。<br />
<br />
<br />
<b>1.原子力発電の稼動停止の影響と今後の取り組み </b>[1]<br />
<b><br />
</b> <b>(1) 原子力発電の稼働停止に伴う火力発電の焚き増しによる燃料費の増加</b><br />
<br />
原子力発電所停止による電力9社合計の燃料費の増減(2010年と2013年の比較)<br />
<br />
<table align="center" border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="width: 100%px;"><tbody>
<tr> <td>石油</td> <td>2兆4000億円</td> </tr>
<tr> <td>LNG</td> <td>1兆6000億円</td> </tr>
<tr> <td>石炭</td> <td> 1000億円</td> </tr>
<tr> <td>原子力</td> <td>▲3000億円</td> </tr>
<tr> <td> 計</td> <td>3兆8000億円の増加(1年間で)</td> </tr>
</tbody></table>
<br />
<br />
<b>(2) 今後の取り組み</b><br />
<br />
①米国で安価に生産されるシェールガスをLNGにして早期に輸入する。民間事業者が日本の年間輸入量の20%に当たる1500万トンを輸入する契約を締結したが、米国政府の承認が必要であるし、承認を得られたとしても輸入できるのは早くとも2017年になる。<br />
②供給源を多角化して、競争を促進する。ロシア・ウラジオストクLNGプロジェクトやモザンビークのLNGプロジェクトに参加する日本企業を支援する。また、オーストラリアで日本企業がオペレーターとなって実施しているLNGプロジェクトを支援して、「メジャー・産ガス国企業による寡占状態に風穴を開ける。」<br />
③バーゲニングパワー強化する。具体的には、LNG輸入価格は石油価格にリンクしているのを改める。また、LNG輸入価格の引き下げにつながるプロジェクトを支援する。そして石炭火力を導入して日本の交渉ポジションの強化する。<br />
<br />
<br />
<b>2.アクションプランの内容</b><br />
<br />
アクションプランには4つの項目がある。[2]<br />
<br />
1.低廉なLNG確保に対する支援強化<br />
(1)米国からの LNG輸入の実現<br />
(2)供給源の多角化による競争の促進<br />
(3)LNG輸入価格の低減に資するプロジェクトの支援の強化<br />
(4)LNG消費国間の連携強化<br />
2.国内制度改革の推進<br />
3.エネルギー選択肢増強による交渉ポジションの強化<br />
4.戦略的かつ効果的な情報発信の展開<br />
<br />
アクションプランは、経済産業省だけでなく、外務省、環境省、内閣官房の共同で発表されている。外務省は、「外交日程・在外公館・ODAの戦略的活用等による資源国との包括的かつ互恵的な二国間関係の強化を図るとともに、戦略的かつ効果的な情報発信の展開を行っていきます。」と発表している[3]。 また、環境省が関与しているのは、石炭火力には「環境面に課題がある」ためである[4]。<br />
<br />
<br />
<b>3.アクションプランの問題点</b><br />
<br />
<b>(1) LNGの調達先を増やしても、LNG価格を下げるのは困難である。</b><br />
<br />
LNGは特殊な商品であるからである。石油はLNGの開発と違い相対的に短期間で生産でき、費用も安く、世界中どこにでも販売できる。一方、LNGは、巨額の生産設備資金が必要であるため、買い手が一定期間、一定の価格で購入することをコミットした場合に限り、投資決定される。そして買い手が約束した数量を供給できるだけの規模の液化施設を建設する。洋服でいえば、既製服でなく、注文服のようなものである。<br />
<br />
参考まで、通常は、突然需要が増えたからといって供給できる余剰能力はない。福島の原発事故のためLNGの需要が増えたが、たまたまカタールなどで余剰生産能力があったため、対応してくれているのである。<br />
<br />
<b>(2) 日本企業に資金援助しても、安いLNGを買えるわけではない。</b><br />
<br />
LNGユーザー(電力・ガス会社)が、自らガス田権益を取得して、日本に持ち込む場合に限ってのみ、LNG価格が安くなる。商社や石油開発企業が関与してもLNG価格は安くならない。なぜならば、市場価格で販売するより安くすると、安くした分利益を失うため、株主から訴えられる危険性があるからである。<br />
<br />
<b>(3)日本市場の根本的な問題点について言及していない。</b><br />
<br />
現状では、電力・ガス会社は、メジャー、産ガス国企業、商社などからLNGを国際価格で購入しており、自らがガス田権益を取得しようとしない。その理由は、電力、ガス会社の料金設定は、総括原価方式なので、LNG価格が高くとも、料金に転嫁できるし、地域独占なので競争がない。あえてリスクが高いガス田の探鉱・開発事業に参加する必要はないのである。(一部の電力・ガス会社も上流権益を取得している例があるが、取得権益は数%である。)経済産業省としても、無理強いはできないのだろう。<br />
<br />
<b>(4)価格交渉力を持たせる仕組みについて言及していない。</b><br />
<br />
日本の電力・ガス会社がLNGを調達する際は、各社が別々に交渉している[6]。日本は世界のLNGの33%を輸入しているので[7]、一致団結して交渉する仕組みにできれば、価格交渉力を持てるはずである。アクションプランでは、「日韓ガス対話を実施する等により、韓国との連携を深化させる」と書かれている。悪い考えではないが、先ずは国内で新たな仕組みを考えるべきであり、そのほうが現実的かつ効率的である。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgxJbgy2VsxdtA0BuHeBWqyP0qQCz_ZR4PQYE0Hf46bRx4xmElneMxp9CR64ehbuC1O5kXY0_ImLKsUtQdEZ77qWHP_hJlJmKOMo6TMmT36eupTbsrJP9yOv3hV0BjKYfGUf-JN2YS9TcLF/s1600/LNG%E8%BC%B8%E5%85%A5%E5%9B%BD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="245" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgxJbgy2VsxdtA0BuHeBWqyP0qQCz_ZR4PQYE0Hf46bRx4xmElneMxp9CR64ehbuC1O5kXY0_ImLKsUtQdEZ77qWHP_hJlJmKOMo6TMmT36eupTbsrJP9yOv3hV0BjKYfGUf-JN2YS9TcLF/s320/LNG%E8%BC%B8%E5%85%A5%E5%9B%BD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<b>(5)資源外交でLNG価格を下げるのは困難である。</b><br />
<br />
外交努力をすることで、日本企業がガス田の権益を取得する際の産ガス国の承認を受けやすくなったり、各種トラブルがあった際に解決しやすくなるのは確かである。しかし、産ガス国、特にカタールやロシアにとってはガス資源は国の財産なので、日本向けに特別に安くすることはできない。<br />
<br />
<br />
以上、LNG輸入価格を下げるためのアクションプランの問題点を指摘した。経済産業省は、既存の枠組みのなかにあるツールを強化するだけで、抜本的な改革をあえて避けていると考えられる。<br />
<br />
<br />
<br />
<b>参考資料</b><br />
<br />
<a href="http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/jukyu_kensho/pdf/003_03_00.pdf" target="_blank">[1] 燃料コスト増の影響及びその対策について(平成25年4月17日、第3回電力需給検証小委員会 資料3)</a><br />
<a href="http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201304/__icsFiles/afieldfile/2013/04/26/nenryouhikisage_shiryou_1.pdf" target="_blank">[2]「燃料調達コスト引下げに向けた当面のアクションプラン」(平成25年4月26日、内閣官房・外務省・経済産業省・環境省)</a><br />
<a href="http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page2_000014.html" target="_blank">[3] 燃料調達コスト引下げに向けた当面のアクションプランについて(2013/4/26、外務省発表)</a><br />
<a href="http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/committee/130502/item1.pdf" target="_blank">[4] 東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ(2013/4/25、経済産業省・環境省)</a><br />
<a href="http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/page11_000001.html" target="_blank">[5]安倍総理のモンゴル訪問(概要)平成25年3月31日</a><br />
[6]一部の会社では連携の動きがある。<br />
<a href="http://www.nikkan.co.jp/dennavi/news/nkx0820130327qtkd.html" target="_blank">「東ガスと東電、来月からLNGを相互融通-熱量に応じ交換、燃料費軽減」(2013/3/27、日刊工業)</a><br />
<a href="http://www.igu.org/gas-knowhow/publications/igu-publications/LNG%20Report%202011.pdf" target="_blank">[7]World LNG Report 2011</a><br />
<br />
<br />
<b>その他の資料</b><br />
<br />
1. ガス価格の決め方の種類、ガス価格の推移など<br />
<a href="http://www.igu.org/gas-knowhow/publications/igu-publications/IGU_GasPriceReport_2012_for%20the%20web.pdf" target="_blank">Wholesale Gas Price Formation 2012</a><br />
2. 世界のLNG液化設備、LNG受入れ設備の一覧<br />
<a href="http://www.globallnginfo.com/World%20LNG%20Plants%20&%20Terminals.pdf" target="_blank">World's LNG Liquefaction Plants and Regasification Terminals (As of January 2013)</a><br />
3. アジア向けLNG価格が原油価格とリンクしているグラフ(Sカーブ)<br />
<a href="http://www.ey.com/Publication/vwLUAssets/Global_LNG_New_pricing_ahead/$FILE/Global_LNG_New_pricing_ahead_DW0240.pdf" target="_blank">Global LNG: will new demand and new supply mean new pricing? </a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-74107979210373911272013-01-24T13:36:00.000+09:002013-01-24T13:36:05.761+09:00政府は、テロリストに身代金を支払うのか?今回のアルジェリアでの人質事件では、いくつかの課題を残した。たとえば、<br />
<br />
①企業は、海外進出をする際に、どのようにリスクを回避するのか?<br />
②在外公館は、どのようにリスク関連の情報収集・分析能力を高めるのか?<br />
③政府は、海外での動乱などに巻き込まれた在外邦人をどうやってに救出するのか?<br />
④国際社会は、どのようにテロを撲滅するのか?<br />
⑤政府は、邦人が人質にとられた場合、身代金を支払うのか?<br />
<br />
<br />
企業と政府は、危機管理にあたり、様々な事態を想定し、シミュレーションをしなければならないが、2つの報道から、現時点で次のような想定をすることは、非現実的ではないと思われる。<br />
<br />
<b>「日本人の1名はチュニジアあるいは別のところで生存しており、テロリストは身代金を要求してくる。」</b><br />
<br />
報道1:1月24日時点での日本人の安否情報は、生存7名、死亡9名、安否不明1名。<br />
<br />
報道2:1月16日、テロリスト犯人が車両2台でチュニジアに逃れた。<br />
<br />
<blockquote class="tr_bq">
<div style="background-color: #cfe2f3;">
アルジェリアで拉致された日本市民5人を含む外国人労働者らは、イスラム過激派に連れられて国境を越え、チュニジアに入った。EFE通信によるインタビューの中でリビアの国境警備員が伝えた。<br />
この国境警備員によれば、アルジェリア、リビア、チュニジアの国境地域では、リビアの治安部隊と武装組織との間で、オフロード車で並走しての銃撃戦が行われた。銃撃戦の後、武装集団はチュニジアに向っていった。[1]</div>
</blockquote>
<blockquote class="tr_bq">
<div style="background-color: #cfe2f3;">
Islamists, who kidnapped 8 foreign workers in Algeria, have escaped to Tunisia.<br />
This is what a Libyan border guard says. He claims that he was a witness of how a group of armed people in two cars appeared from the Algerian side at a point where Algeria's, Tunisia's and Libya's borders meet. Although the border guards opened fire at them, they managed to flee to Tunisia.[2]</div>
</blockquote>
<br />
報道によると、アルジェリア軍は、29人の犯人を殺し、3人を逮捕している。しかし、実際に犯行に直接加わらなくとも、指示したグループが存在しているはずである。<br />
<br />
どこの政府も、「テロリストとは交渉しない」という立場をとっている。しかし、多数の犠牲者が出たことを確認した後で、実は人質が生きている、ということになれば、その立場を貫くのはなかなかできないだろう。<br />
<br />
2004年4月に発生した「イラク日本人人質事件」では、3人の日本人が人質になり、最終的には解放された。政府は水面下で支払ったのではないか、との噂が流れたが、政府は支払いはなかったと否定しており[3]、その真偽は不明である。<br />
<br />
今回のアルジェリア人質事件は最後の事例ではなく、将来も類似の事件が発生するだろう。今のところ言えることは、危険地域に派遣される社員は、リスクに見合った給与を受け取るべきだし、万一の場合に備えた保険に入っておくことが、当面できることである。<br />
<br />
<br />
[1] <a href="http://japanese.ruvr.ru/2013_01_16/101315677/" target="_blank">The Voice of Russia(2013/1/16)「アルジェリアで拘束されている日本人、チュニジアに連れ去られる」</a><br />
[2] <a href="http://english.ruvr.ru/2013_01_16/Kidnappers-of-8-BP-workers-flee-from-Algeria-to-Tunisia/" target="_blank">The Voice of Russia(2013/1/16) 「Kidnappers of 8 BP workers flee from Algeria to Tunisia」</a><br />
[3] <a href="http://www.47news.jp/CN/200404/CN2004042001000658.html" target="_blank">共同通信(2004/04/20)「身代金一切ない-逢沢氏 イラク日本人人質事件」</a><br />
<br />Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-23934854152028268952012-12-19T15:22:00.000+09:002012-12-19T15:22:11.924+09:00ルワンダはコンゴ反政府勢力(M23)を支援しているのか??コンゴ民主共和国(以下「コンゴ」)では、2012年11月20日から12月1日にかけて、反政府勢力(M23)が東部の都市を占拠した。現時点では「嵐の前の静けさ」の状況にあるが、これから内戦に突入して多数の住民に死傷者がでる危険性がある。<br />
<br />
日本のメディアはあまり報じていないが、欧米のメディアは5月頃から報道している。本件は次のような重要な問題を惹起している。<br />
①政治的・軍事的な脆弱国において、国内紛争を回避するにはどうすべきか?<br />
②一部の有識者は「ルワンダがコンゴの反政府勢力を支援している」と注意喚起しているが、安保理、当事国、国際社会はどのように対処すべきか?<br />
<br />
ルワンダがコンゴの反政府勢力を支援しているのか否かの認定は、公平な立場にいる第三者が関係者の意見を聞き、事実確認をしなければならないほどの難しい問題である。このブログでは、有識者とルワンダ政府の両方の意見を紹介し、ネットに掲載されている第一次資料のURLを紹介する。<br />
<br />
ルワンダに対する援助を凍結するか否かで、英国の「国際開発省」と「下院国際開発委員会」が議論しているが、日本の政治システムを改善するために参考になるはずである。多くの衆議院選挙の立候補者は「官僚支配を打破する」と主張していたが、そのヒントを得られるはずである。<br />
<br />
<br />
<br />
<b><span style="color: red;">【 ニュース 】</span></b>
<br />
<b><br /></b>
<blockquote class="tr_bq">
<span style="background-color: white;"><b>英国、ルワンダへの資金援助を凍結へ </b>[1]</span><span style="background-color: white;">2012.12.01 (CNN) </span></blockquote>
<blockquote class="tr_bq">
<span style="background-color: white;">英国は、アフリカ中部ルワンダ共和国が隣のコンゴ(旧ザイール)の反政府武装勢力を支援しているとして、ルワンダへの資金援助の凍結を決めた。英閣僚が30日に明らかにした。英国は12月に、ルワンダに総額2100万ポンド(約28億円)の資金援助を予定していた。</span><span style="background-color: white;"><br /></span><span style="background-color: white;"></span></blockquote>
<blockquote class="tr_bq">
<span style="background-color: white;">コンゴの反政府武装組織M23は10日前、数日間に及ぶ政府軍との激しい戦闘の後にコンゴ東部の都市ゴマを制圧。その後、アフリカ連合(AU)や周辺諸国の首脳はM23をゴマから撤退させる計画を練り、M23も撤退を示唆していたが、30日になってもゴマにとどまっていた。</span><span style="background-color: white;"><br /></span><span style="background-color: white;"></span></blockquote>
<blockquote class="tr_bq">
<span style="background-color: white;">英国のグリーニング国際開発相は、「ルワンダがM23に関与しているとの信頼性のある複数の報告があり、英政府は懸念を示してきた」とし、さらに「われわれは、この地域の紛争の持続的な解決策を模索しており、コンゴ東部の状況を打開するための平和的解決策を確保すべくルワンダ、コンゴ両政府と連携していく」と述べた。</span><span style="background-color: white;"><br /></span><span style="background-color: white;">国連や多くの援助国は、ルワンダが武器や兵士の供給を通じてM23を支援していると非難してきたが、ルワンダのカガメ大統領はこの疑惑を繰り返し否定してきた。</span><span style="background-color: white;"><br /></span><span style="background-color: white;">ルワンダのムシキワボ外相は今回の英国の措置について遺憾の意を示した。</span><span style="background-color: white;"><br /></span><span style="background-color: white;">外相は「英国の(援助凍結の)決定は誤った疑惑に基づいている。われわれは半年前からこの疑惑が誤りだと指摘してきた」とし、さらに「援助を政治目的に利用すべきではない。コンゴの平和はルワンダに依存していない。英国の措置は逆効果だ」と付け加えた。</span></blockquote>
<br />
<b><span style="color: red;">【 解説 】</span></b><br />
<br />
<b>1.コンゴ東部の現状</b><br />
<br />
M23を説明するには、本来であれば少なくとも1990年代まで遡らないといけないが、ここでは直近の事情を説明する。ただ、植民地の傷跡、多数の部族の存在と部族間の怨念、豊富な資源の存在、腐敗・独裁・民主主義が欠如しており、コンゴ内戦では 540万人以上、ルワンダ虐殺では 80万人以上が死亡している---という歴史があることを、覚えておく必要がある。(簡単だが、図1に、コンゴとルワンダの「相関図」を描いた。)<br />
<br />
<b>(1) M23の構成員</b><br />
<br />
2006年12月、CNDP(人民防衛国民会議)という反政府勢力(ツチ族)が ヌクンダ(Nkunda)将軍により組織された。2009年1月、ヌクンダ将軍がルワンダに拘束された後は、ンタガンダ(Ntaganda)将軍が代表となった。同年3月、カビラ(Kabila)大統領は融和政策をとり、CNDPとの間に「3月23日合意」が結ばれ、CNDPはコンゴ国軍に合流した[2]。だだし、実際には、国軍はCNDPを同化・統合できずにおり、実質的に2つの軍隊が存在していた。<br />
<br />
なお、ンタガンダ将軍は、2006年以降2回にわたり国際刑事裁判所により逮捕状が出されている人物であるが、カビラ大統領は「正義より平和」という理由で彼を保護していた。しかし、国際社会の圧力などがあり、2012年4月、カビラ大統領がンタガンダ将軍を逮捕する可能性があると発表した。<br />
<br />
2012年4月、元CNDPの兵士は国軍を離脱し、自らの組織を「March 23」(M23)と名乗った。3月23日の合意内容が満たされていないという不満、そして、ンタガンダ将軍を守ることなどが主な理由だと言われている。<br />
<br />
当初のM23の人数は300名で、軍のリーダーはマケンガ(Sultani Makenga)将軍、軍以外のリーダーはルニガ司教(Bishop Jean-Marie Runiga Lugerero)である。<br />
<br />
<i>図1:コンゴの軍と反政府勢力の相関図</i><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgMaLUWUELZZA6BAHGtk2Q3dFQb1-DHFg9mRHy7BaYVsojCr-DWU-POqwC4ZiGFopNDZ0WxaeNYk5FSZnd-zw4vnCoyMrV-aTS6anMSmSYxP_I__ltMfo54Og3oNBSSmcc4P9d47bDEu_4/s1600/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B41%E3%80%80%E8%BB%8D%E3%80%80%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%80%80%E7%9B%B8%E9%96%A2%E5%9B%B3.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="316" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgMaLUWUELZZA6BAHGtk2Q3dFQb1-DHFg9mRHy7BaYVsojCr-DWU-POqwC4ZiGFopNDZ0WxaeNYk5FSZnd-zw4vnCoyMrV-aTS6anMSmSYxP_I__ltMfo54Og3oNBSSmcc4P9d47bDEu_4/s320/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B41%E3%80%80%E8%BB%8D%E3%80%80%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%80%80%E7%9B%B8%E9%96%A2%E5%9B%B3.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<b>(2) M23の勢力拡大</b><br />
<br />
2012年5月になると、人権NGO団体、米国国務省、安保理などが注目し、警告を発するようになった。2012年5月、BBCは国連の内部資料に基づき、ルワンダがM23を支援していると報道した。[3]<br />
<br />
M23は勢力範囲を広げるに伴い(図2 参照)、住民が避難した。現在では50万人以上とも推定されている[4]。そして、2012年11月20日、東部の都市ゴマ(Goma)を制圧した。<br />
<br />
ルワンダとウガンダの仲介があり、12月1日にM23はゴマから20Km程度離れた場所に移動して、現在待機中である。最新の報道では、コンゴ政府はM23と交渉する用意があると発表した。もし交渉が決裂して内戦になった場合、M23が使える武器・弾薬が問題になるが、ゴマを占拠した際にM23兵士の一人が「ゴマだけで、我々は500トンの武器を手に入れた。ミサイル、武器、戦車さえ手に入れた。」と発言している。[5]<br />
<br />
<i>図2: M23の勢力範囲(2012年6月と9月)</i><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg4HmVjOntPYrRMlMd4w1JgnIA7kNVlSSGUhvlz2X-8a8bW3dJFoQfErwJEcjoKXDRWvyUy56pPbrcYCjmZl4-6kyetBx-d49pxdBCLVdBLPYVK8mMAWfbaIDAobDI1JjtbGKz21kJ3YS0/s1600/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B42+M23%E5%88%B6%E5%9C%A7%E5%9C%B0%E5%9F%9F.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="223" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg4HmVjOntPYrRMlMd4w1JgnIA7kNVlSSGUhvlz2X-8a8bW3dJFoQfErwJEcjoKXDRWvyUy56pPbrcYCjmZl4-6kyetBx-d49pxdBCLVdBLPYVK8mMAWfbaIDAobDI1JjtbGKz21kJ3YS0/s320/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B42+M23%E5%88%B6%E5%9C%A7%E5%9C%B0%E5%9F%9F.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<b>2.国連専門家グループの主張</b><br />
<br />
コンゴ内戦を再発させないために、国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)が派遣されている。武装勢力への武器禁輸を強化するために、専門家グループ(Group of Experts)が設置され、年に2~3のレポートが安保理・制裁委員会に提出されている。レポートには、5~6名の専門家の名前が列挙されている。<br />
<br />
<b>(1) 専門家グループの主張</b><br />
<br />
・ルワンダ国軍(RDF)が訓練した兵士がM23に入隊している。<br />
・ルワンダはM23に武器・弾薬を供給している。<br />
・M23を支援している中心人物(准将)はGisenyi(コンゴとの国境に近いKivu湖畔の町)に滞在しており、M23はGisenyiからBakavu(コンゴ)に船で移動している。<br />
・コンゴのビジネスマンがルワンダを訪問し、M23への資金援助について話し合った。<br />
・ルワンダ防衛省の将軍が資金、後方支援をしている。<br />
・Bosco Ntaganda将軍は、ルワンダで家を所有している、など。<br />
<br />
<b>(2) 専門家グループによるレポート一覧</b>[6]<br />
<br />
①安保理が公開しているもの<br />
<span class="Apple-tab-span" style="white-space: pre;"> </span>2012年6月21日付「中間報告書」(137頁)<br />
<span class="Apple-tab-span" style="white-space: pre;"> </span>2012年6月27日付「中間報告書の添付資料」(48頁)<br />
<span class="Apple-tab-span" style="white-space: pre;"> </span>2012年11月15日付「最終報告書」(204頁)<br />
②現在のところ未公開のもの<br />
<span class="Apple-tab-span" style="white-space: pre;"> </span>2012年11月26日付レター (16頁)<br />
③米国上院外交委員会が公開しているもの<br />
<span class="Apple-tab-span" style="white-space: pre;"> </span>2012年12月11日 Steven Hegeの証言 (11頁)<br />
<br />
<br />
<br />
<b>3.ルワンダの対応</b><br />
<br />
専門家グループの報告書に対し激怒したルワンダは、下記の一連の手段で対抗している。<br />
<br />
ルワンダは、ニューヨークの法律事務所を雇い、7月下旬には長文の反駁レポートを国連に提出した。10月中旬、外務・協力大臣(Louise Mushikiwabo)は、専門家グループを提訴する用意があると発言した[7]。しかし、国際社会はルワンダの主張を無視している。12月上旬、財務・経済計画大臣(John Rwangombwa)は、「ルワンダは国連の資料に反駁しているにもかかわらず、援助国はルワンダに対し反応を示さない。これは援助支援国と被支援国との間の『援助の効果向上(aid effectiveness)とパートナーシップに関する原則』に反している。」と発言している。[8]<br />
<br />
<br />
<b>(1)国連専門家グループの報告書を否定</b><br />
<br />
①2012年5月28日のBBCの放送があった当日に外務・協力大臣は、反論のコメントを発表した。[9]<br />
・ルワンダ政府はコンゴ東部には如何なる関与もしていない。<br />
・MONUSCOはコンゴ東部に於ける一触即発の状況悪化を狙って、誤った噂を広めている<br />
・ヒューマン・ライツ・ウォッチのようなロビー団体の無責任な言葉は、銃弾やナタに劣らず危険である。<br />
②2012年7月27日、安保理に対し、反論書 (131頁)を提出した。[10]<br />
③2012年10月9日、安保理に対し、米国の法律事務所(Akin Gump Strauss Hauer & Feld LLP)が作成したレポート(9頁)を提出した。[11]<br />
④外務・協力大臣は、ビデオでも情報を発信している。[12]<br />
<br />
<br />
<b>(2)安保理非常任委員の地位獲得</b><br />
<br />
2012年10月18日、国連安全保障理事会の非常任理事国にルワンダが選ばれた。5ヶ国の常任理事国に加えて10ヶ国の非常任理事国があり、内、5ヶ国の任期(2年間)が2012年12月に終了するので、今回選挙があった。[13] なお、5議席の再選の内、1議席はアフリカに割り当てられており、ルワンダ以外に立候補がなかった。[14]<br />
<br />
<br />
<b>(3)Agaciro運動の推進</b><br />
<br />
2012年8月23日、カガメ大統領はアガチロ開発基金を開始を宣言した。それは、2011年の国民対話で提唱されたもので、広く国民から寄付が集められる。この基金を財源とした開発プログラムを通じ、長期開発目標(Vision 2020)の達成に貢献しようとするものである。(ただし、カガメ大統領は、この基金は先進国の援助凍結を代替するものではないと発言している。)[15]<br />
<br />
<br />
<br />
<b>4.援助国の動向</b><br />
<br />
2012年6月に発表された専門家グループの「中間報告及び添付資料」を受けて、米国(7/22)、英国とオランダ(7/26)、ドイツ(7/28)、スウェーデン(8/13)、EU(9/27)の順番で、ルワンダに対する援助が凍結された。<br />
<br />
<b>(1) 英国</b><br />
<br />
マスコミを賑わしたのが英国であった。英国は、2012-2013年度の援助金37百万ポンドを2回に分けて供与する予定であった。(1回目は2012年7月に16百万ポンド。2回目は12月に21百万ポンド。)しかし、ルワンダがM23を支援しているとの疑惑がでたので、英国国際開発省のAndrew Mitchell大臣は、1回目の供与を凍結した。調査のために大臣自らがルワンダを訪問し、カガメ大統領に面談した後、半分の8百万ポンドを供与することにし、残りは2回目で調整することになった。[16]<br />
<br />
一度凍結を発表しておきながら、内閣改造(9月4日)でその職を離れる直前に駆け込みでその決定をしたこともあり、野党や世論の反対の声が上がった。議会や国際開発省を監督する下院国際開発委員会の審議を経て、後任者のJustine Greening大臣は、11月30日、第2回給付を凍結すると発表した。[17] (この間の議会等の審議は、文末「コメント欄」を参照。)<br />
<br />
英国が援助を凍結する決定を下す前、ブレア元首相は、11月24日、以下の趣旨の声明を発表した。[18]<br />
「ルワンダは衛生と教育部門で急速に発展しており、援助を有効に利用している国の一つである。<br />
コンゴ(東部)の問題はICFLRと国際社会が向き合う問題であり、ルワンダの人々への援助を停止させるのは反対である。ルワンダの人々の生活を向上させる援助は継続されるべきである。」<br />
<br />
ルワンダが援助国の支援を有効に使っているという点は、下図をみても判る。2000/2001年と2010/2011年の10年間を比べた場合、貧困層は59%が45%に、極貧層は40%が24%に減少している。[19]<br />
<br />
<i>図3:ルワンダ貧困層削減の成果</i><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhmGSrg15qXRKIhCep8euQ2UyCD_A5lMv6l6Qvvj-Ca-_x5LLWBE2StPy0hf8hmZWWtKAqTQ_Cr4U9h9ia7G6w-fkyxaRUAF3HA6B9Hw04ioe2JaHcz8yqNjuGIkuc6M4FijwkXX4LvO2o/s1600/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B43%E3%80%80%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E5%B1%A4%E5%89%8A%E6%B8%9B%E3%81%AE%E6%88%90%E6%9E%9C.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="256" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhmGSrg15qXRKIhCep8euQ2UyCD_A5lMv6l6Qvvj-Ca-_x5LLWBE2StPy0hf8hmZWWtKAqTQ_Cr4U9h9ia7G6w-fkyxaRUAF3HA6B9Hw04ioe2JaHcz8yqNjuGIkuc6M4FijwkXX4LvO2o/s320/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B43%E3%80%80%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E5%B1%A4%E5%89%8A%E6%B8%9B%E3%81%AE%E6%88%90%E6%9E%9C.png" width="320" /></a></div>
<br />
<b>(2) 米国</b><br />
<br />
ルワンダに対する援助を最初に凍結したのは米国であるが、それは軍事費に限定したものであり、金額は20万ドルであった。過去10年間に1,000百万ドル 10億ドルを援助していることを考えれば20万ドルなどは「バケツのなかの一滴だ」との批判がある。[20]<br />
<br />
米国のスタンスは、国務省アフリカ局Johnnie Carson次官補が発言しているように、「公開の場でカガメ大統領を非難するよりも、静かな外交のほうが良い(quiet diplomacy was better than publicly calling out Mr. Kagame)」というものである。<br />
<br />
2012年11月20日、安保理は、M23がゴマから即時撤退する決議(決議2076)を採択した。審議では、コンゴ代表がルワンダを避難しているが、決議文には「M23を支援している外部の支援者(any and all external support to the M23)」と書くだけで、ルワンダを名指しで非難していない[21]。Susan Rice米国国連大使が強く働きかけていた、との指摘がある。[22]<br />
<br />
2012年12月、議員の一部やNGOなどは、コンゴの不安定な情勢に対し、オバマ大統領が積極的政策をとるよう要請した。<br />
①下院委員会が公聴会を開催し、4人の証人からヒアリングをした。[23]<br />
②下院民主党議員(13人)が大統領宛にレターを提出した。[24]<br />
③NGO(14団体)が大統領宛にレターを提出した。[25]<br />
<div>
<br /></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<div>
<b><span style="color: red;">【 コメント 】</span></b></div>
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<br /></div>
<div>
<b>1.「専門家グループ報告書」の取り扱い</b></div>
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<br /></div>
<div>
ルワンダは、既に報告書の内容に反駁し、また、国連が「専門家」を選任する際の審査方法にも問題を提起した。ルワンダは2013年1月から2年間、安保理の非常任理事国となるが、どのように説明責任を果たすのか?</div>
<div>
<br /></div>
<div>
国連専門家グループの代表者(Steve Hege)は、2012年12月11日に開催された米国上院外交委員会において、「個人の資格」で証言し、再反駁している。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
組織としての安保理はどのように対応するのか?</div>
<div>
① 専門家グループは11月30日に任期切れになっているが、更新するのか?</div>
<div>
② ルワンダが非常任理事国になる以上、安保理はルワンダの要求を無視できないはずだが、どのようにして報告書の事実関係を検証するのか?</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>2.ルワンダへの援助国の対応周辺国と英米の対応</b></div>
<div>
<br /></div>
<div>
コンゴ正規軍とM23との間の内戦を防ぐには、国連、周辺国と先進国の圧力が必要である。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>(1) 国連</b><br />
<br /></div>
<div>
残念ながら、国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)には過度の期待はできない。 MONUSCOのマンデートは市民、NGO、国連職員・施設を守ることであり、19,000人以上(その内、東部に6,000人)の制服組が派遣されている[26]が、日常的に発生しているレイプ事件さえ解決できないでいる。(一説には1日平均1,100件発生している[27]。)ましてや、ゴマのような市街地を反乱軍から守ることではないのである。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>(2) 周辺国とルワンダの援助国</b><br />
<br /></div>
<div>
現実には、ルワンダ、コンゴ、タンザニアなどの周辺国による外交力と軍事力が果たす役割が大きいが(例えば、大湖地域国際会議(ICGLR) )、その力を発揮させるには、援助国による後押しが必要である。援助国は以下の選択肢の中から、どれを選ぶべきか?</div>
<div>
<br /></div>
<div>
① M23を支援しないように圧力をかける。(ルワンダがM23を支援しているという前提で。)</div>
<div>
現在、メディアや一部の国は、ルワンダがM23を支援しているという嫌疑を前提にしており、ルワンダの反駁を無視している。このような状況で、ルワンダから最大の協力を引き出すのは困難だろう。</div>
<div>
② M23を支援しないように圧力をかける。(M23が支援しているとの前提には立たない。)</div>
<div>
これは一般論であり、必ずしもルワンダを敵視していないので、特段の問題はないだろう。</div>
<div>
③ 内戦そのものが発生しないように関係諸国の協力を求める(圧力をかける)。</div>
<div>
これが最も重要であると思うが、これまでのところ、この立場で書かれている記事はあまり見ない。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
欧米諸国は「援助」をテコにして圧力をかけようとしている。ルワンダの国家予算の40%を援助に依存しているので[28]、軍事予算だけでなく、貧困層も影響を受けるのは必須である。また、ルワンダだけでなく、周辺国の経済にも影響があるだろう。そのため、欧米諸国は援助凍結のメリットとデメリットのバランスをとりながら圧力をかける必要がある。今回の出来事でルワンダは国の発展を「援助」に頼るのはリスクであることを痛感したであろう。今後は、外国の「投資」を誘致するはずである。</div>
<div>
<br /></div>
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<br /></div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>3.英国に学ぶ</b></div>
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<br /></div>
<div>
本件を調べていくなかで、英国と日本の政治家のレベル、政治体制の違いを改めて認識させられた。英国では、議員には専門知識があり、自分の言葉で議論できる能力がある。また、議会は委員会に権限を持たせ、情報収集・公開に努めている印象を受けた。議会が省庁を監督し、方向性を示している。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>(1)省と委員会</b><br />
<br /></div>
<div>
英国下院は、「国際開発省」(Department for International Development)の支出、業務、及び大臣の政策を監督(examine)するために、「下院国際開発委員会」(International Development Committee)を設置している。この関係は他の省でも同じである。</div>
<div>
<br /></div>
<div>
<b>(2)情報収集と公開</b><br />
<br /></div>
<div>
同委員会が下院に提出する報告書には、問題の所在と背景、結論、議会への勧告、会議録(oral evidence)、参考意見書(written evidence)が添付されている。参考意見書は専門家やロビー団体が委員会に提出したものだが、英国の議会には「Have your say (意見を言おう)」というスローガンがあり、意見書を提出できるシステムになっている[29]。 報告書は委員会のホームページで公開されている。[30]</div>
<div>
<br />
<br /></div>
<div>
<i>委員会・議会の様子(各画像をクリックすると、新しいウインドウを開いて、ビデオのページにジャンプします。)</i></div>
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<br /></div>
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ビデオ-1:委員会:Andrew Mitchell前大臣がルワンダに対して本年度第1回の援助金を交付したことに対し、委員会が長時間にわたり事情聴取している。(2012/11/8)[31]<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9766000/9766571.stm" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEione0df0kGcZk3IZX2kYr3T45nhqp7KBO2_u9dPdFpvcztBurx2-zv65lRS0Bq_kbcP4QnQRmsF1pisJTd-JPzetiTD0I2elaxAeUBxSUSZ3u8xmdW9-BGBc2swgEOCGDfxYCCiIYyKpI/s1600/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B4%E5%86%99%E7%9C%9F1%E3%80%802011118%E3%80%80Andrew+Mitchell%E3%80%80%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A.png" /></a></div>
<br />
<br /></div>
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<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
ビデオ-2:委員会:Justine Greening現大臣に対する事情聴取(2012/11/13)[32]<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9768000/9768757.stm" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh7nnFj4zmpR6PS-VO71XS1p-fIEARBeHtP31nkAuWjSQyb8qhMko0N-xR-nkpKGO0yVFhNuaekwkxGqkdEuY7BFISU0Z-ISZmU29o6zDIwHBbtmZ8z2eYH022_JcXEgZIzSfcyAUZTcGE/s1600/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B4%E5%86%99%E7%9C%9F2%E3%80%8020111113%E3%80%80Justine+Greening%E3%80%80%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A.png" /></a></div>
<br />
<br /></div>
<div>
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<br />
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<br />
<br />
ビデオ-3:議会:Justine Greening大臣(2012/10/31)[33]<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9764000/9764855.stm" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgIkILvmgUh9k0K1LXeecMRozj9-SjAk9w27puN0pFqfbaIj8nI0c7_6HoDT8X6Gct61_qW7dQQI6guKUhDslMDrvGqaedAnFaeUKGzvOnoyjdqsIDjHEOH2H7u42LrPD7o4lEAl-yu80E/s1600/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B4%E5%86%99%E7%9C%9F3%E3%80%8020111031%E3%80%80%E8%AD%B0%E4%BC%9A.png" /></a></div>
<br />
<br />
<br /></div>
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<br />
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<br />
ビデオ-4:議会:Justine Greening大臣(2012/11/19)[34]</div>
</div>
<div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9770000/9770795.stm" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh83U8dyLTfw7kDPOKBN6IUUPSmEJIKGCNR5T9ZfiBnnziF9xIjYeddH977KlO_9hqgdX0vK9dmp1uuySdbZ_j0q5ovxuhsaLaBWe_BuDHFklN64q4pi6M92FH1OwjSO5UfZySET1X6gUE/s1600/201212%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B4%E5%86%99%E7%9C%9F4%E3%80%8020111119%E3%80%80%E8%AD%B0%E4%BC%9A.png" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
<br /></div>
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<br /></div>
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<br />
<br />
<br />
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<br />
<br />
<b><span style="color: red;">【 参考資料 】</span></b><br />
<br />
[1] <a href="http://www.cnn.co.jp/world/35025134.html" target="_blank">CNN記事(2012/12/1) 「英国、ルワンダへの資金援助を凍結へ」</a><br />
[2] <a href="http://congosiasa.blogspot.jp/2012/05/cndp-changes-its-tune.html" target="_blank">Mach 23 Agreement の内容</a><br />
[3] 国際社会による最初の警告<br />
<a href="http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-18231128" target="_blank">BBC(2012/5/28)「Rwanda 'supporting DR Congo mutineers'」</a><br />
<a href="http://www.hrw.org/news/2012/06/03/dr-congo-rwanda-should-stop-aiding-war-crimes-suspect-0" target="_blank">HRW英語版(2012/6/4)「DR Congo: Rwanda Should Stop Aiding War Crimes Suspect」</a><br />
<a href="http://www.hrw.org/ja/news/2012/06/12" target="_blank">HRW日本語版(2012/6/12)</a> <br />
[4] <a href="http://foreignaffairs.house.gov/112/HHRG-112-FA16-WState-CarsonJ-20121211.pdf" target="_blank">米国国務次官補Johnnie Carsonの証言(2012/12/11)</a><br />
[5] <a href="http://axisoflogic.com/artman/publish/Article_65199.shtml" target="_blank">2012/12/8記事「A Moment of Dialogue in the Chaos of Congo」</a><br />
[6]専門家グループのレポート入手先<br />
①<a href="http://www.un.org/sc/committees/1533/egroup.shtml" target="_blank">安保理が公開</a><br />
2012年6月21日「Interim report of the Group of Experts」(S/2012/348)<br />
2012年6月27日「Addendum to the Interim report of the Group of Experts」(S/2012/348/Add.1)<br />
2012年11月15日「Final report of the Group of Experts」(S/2012/843)<br />
②未公開<br />
<a href="http://www.therwandan.com/wp-content/uploads/2012/12/goe-letter-to-unsc-27-nov-2012-copy.pdf" target="_blank">2012年11月26日付レター</a> <br />
2012年11月26日「Letter dated 26 November 2012 from the Coordinator of the Group of Expert」(S/AC.43/2121/COMM.64)<br />
③米国上院外交委員会が公開<br />
<a href="http://foreignaffairs.house.gov/hearings/view/?1482" target="_blank">米国上院外交委員会</a> <br />
<a href="http://foreignaffairs.house.gov/112/HHRG-112-FA16-WState-HegeS-20121211.pdf" target="_blank">Steve Hege</a> <br />
[7]<a href="http://www.metro.us/newyork/national/article/1154384--exclusive-interview-louise-mushikiwabo-rwandan-foreign-minister" target="_blank">Metro(2012/10/16) 「Exclusive interview: Louise Mushikiwabo Rwandan Foreign Minister」</a><br />
[8] <a href="http://www.globaltimes.cn/content/748578.shtml" target="_blank">Global Times (2012/12/6) 「Rwanda concerned with no response to DR Congo accusations' rebuttal」</a><br />
[9] <a href="http://www.gov.rw/Rwanda-rejects-false-and-dangerous-claims?lang=en" target="_blank">Rwanda Rejects Fulse and Dangerous Claims May 28</a><br />
[10] RWANDA'S RESPONSE TO THE ALLEGATIONS CONTAINED IN THE ADDENDUM TO THE UN GROUP OF EXPERTS INTERIM REPORT<br />
(a)<a href="http://www.minaffet.gov.rw/fileadmin/templates/minaffet/doc/Rwanda%27s%20Response.pdf" target="_blank">完全版(添付資料あり)</a><br />
(b)<a href="http://allafrica.com/stories/201208020326.html?viewall=1" target="_blank">2012/8/2 All Africa記事 「Rwanda's Response to the Allegations Contained in the Addendum to the UN Group of Experts Interim Report」</a><br />
[11] <a href="http://rabbitsliketrumpets.typepad.com/AkinGumpRwanda%20-%20GoE%20methods.pdf" target="_blank">METHODOLOGICAL AND INVESTIGATIVE SHORTCOMINGS OF THE GROUP OF EXPERTS' INTERIM REPORT</a><br />
Review of the Interim Report (S/2012/348) and Addenda (S/2012/348/Add.1 and S/AC.43/2012/Note.14)<br />
(Prepared at the Request of the Government of Rwanda by Akin Gump Strauss Hauer & Feld LLP) October 9, 2012<br />
[12]<br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=ULpKLOPYV3s" target="_blank">2012/6/25「Rwandan Foreign Minister - Press Conference at UN about situation in eastern DRC」 </a><br />
2012/8/29「Rwanda's Mushikiwabo Tells Inner City Press UN Looks for Excuses」<br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=sQPTuK2wq8Q">http://www.youtube.com/watch?v=sQPTuK2wq8Q</a><br />
<a href="http://www.innercitypress.com/rwanda5hege082912.html">http://www.innercitypress.com/rwanda5hege082912.html</a><br />
<a href="http://www.france24.com/en/20120905-louise-mushikiwabo-rwanda-foreign-minister-democratic-republic-congo-crisis" target="_blank">2012/9/6「Louise Mushikiwabo, Rwandan Foreign Minister」 </a><br />
[13] <a href="http://www.asahi.com/international/update/1019/TKY201210190112.html" target="_blank">朝日新聞(2012/10/18)「安保理理事国に韓国など5カ国 任期満了による改選で」 </a><br />
[14] <a href="http://www.securitycouncilreport.org/special-research-report/security-council-elections-2012.php" target="_blank">Security Council Elections 2012</a><br />
[15] <a href="http://allafrica.com/stories/201210050389.html" target="_blank">All Africa記事(2012/10/4) 「Nyaruguru District - Muganza Residents Raise Rwf 5 Million in Agaciro Development Fund」</a><br />
<a href="http://www.rw.emb-japan.go.jp/image/rwanda_news_2012.8.docx" target="_blank">在ルワンダ日本大使館「ルワンダ月報」(2012年8月号)</a><br />
[16] <a href="http://www.publications.parliament.uk/pa/cm201213/cmhansrd/cm120904/wmstext/120904m0001.htm#12090433000094" target="_blank">英国下院議事録(Written Ministerial Statements)(2012/9/4)</a><br />
[17] <a href="http://www.dfid.gov.uk/News/Latest-news/2012/UK-aid-to-Rwanda-and-DRC/" target="_blank">国際開発省プレス発表(2012/11/30)「Rwanda: UK freezes budget support to government」</a><br />
[18] <a href="http://www.tonyblairoffice.org/news/entry/statement-on-rwanda/" target="_blank">ブレア事務所(2012/11/24)「Statement on Rwanda」</a><br />
[19] <a href="http://eeas.europa.eu/delegations/rwanda/documents/press_corner/news/poverty_report_en.pdf" target="_blank">ルワンダ国立統計研究所(2012/2) THE EVOLUTION OF POVERTY IN RWANDA FROM 2000 T0 2011: RESULTS FROM THE HOUSEHOLD SURVEYS (EICV)</a><br />
貧困層とは年間一人当たりの収入が2001年価値で、100ドル以下、極貧層とは71ドル以下をいう。<br />
[20] <a href="http://articles.washingtonpost.com/2012-12-11/politics/35767926_1_congo-m23-rwandan-president-paul-kagame" target="_blank">(2012/12/11) 「Obama administration defends Congo policy, rejects congressional criticism」</a><br />
[21] <a href="http://www.un.org/News/Press/docs/2012/sc10823.doc.htm" target="_blank">SECURITY COUNCIL, ADOPTING RESOLUTION 2076, DEMANDS IMMEDIATE WITHDRAWAL OF ‘M23’ REBELS FROM KEY CONGOLESE CITY, END TO ‘ANY AND ALL’ OUTSIDE SUPPORT</a><br />
[22] <a href="http://www.nytimes.com/2012/12/10/world/un-envoy-rice-faulted-for-rwanda-tie-in-congo-conflict.html?pagewanted=all&_r=0" target="_blank">NY Times(2012/12/9)「U.N. Ambassador Questioned on U.S. Role in Congo Violence」</a><br />
<a href="http://turtlebay.foreignpolicy.com/posts/2012/12/03/susan_rice_dialed_down_the_pressure_on_rwanda" target="_blank">Foreign Policy(2012/12/3)「How Rice dialed down the pressure on Rwanda」</a><br />
[23] <a href="http://foreignaffairs.house.gov/hearings/view/?1482" target="_blank">The Devastating Crisis in Eastern Congo 下院外交委員会(2012/12/11)</a><br />
[24] <a href="http://karenbass.house.gov/press-release/ranking-member-house-subcommittee-africa-global-health-and-human-rights-joins-house" target="_blank">議員のレター (2012/12/11)</a><br />
[25] <a href="http://www.enoughproject.org/files/NGOJointLetter_PresObamaDRCNov2012.pdf" target="_blank">NGOのレター (2012/12/10)</a><br />
[26] <a href="http://www.un.org/en/peacekeeping/missions/monusco/facts.shtml" target="_blank">国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)</a><br />
<a href="http://www.theage.com.au/world/neutral-force-proposed-to-replace-muchmaligned-un-peacekeepers-20121209-2b3mt.html#ixzz2EijPggnq" target="_blank">「Neutral force proposed to replace much-maligned UN peacekeepers」(2012/12/10)</a><br />
[27] <a href="http://www.france24.com/en/20110511-thousand-1100-women-raped-every-day-american-public-health-report-un-democratic-republic-congo" target="_blank">AFP記事(2011/5/11)「More than 1,100 women raped every day, report says」</a><br />
[28] <a href="http://www.reuters.com/article/2012/11/09/us-africa-rwanda-afdb-idUSBRE8A80OH20121109" target="_blank">ロイター(2012/11/9)「West must lift Rwanda aid freeze or risk crisis: AfDB」</a><br />
[29] <a href="http://www.parliament.uk/get-involved/have-your-say/" target="_blank">Have your say</a> <br />
[30] 国際開発省作成の報告書「UK Aid to Rwanda」<br />
<a href="http://www.publications.parliament.uk/pa/cm201213/cmselect/cmintdev/726/726.pdf" target="_blank">Volume I </a><br />
<a href="http://www.publications.parliament.uk/pa/cm201213/cmselect/cmintdev/726/726vw.pdf" target="_blank">Volume II</a><br />
[31] <a href="http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9766000/9766571.stm" target="_blank">Andrew Mitchell前大臣</a><br />
[32] <a href="http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9768000/9768757.stm" target="_blank">Justine Greening現大臣</a><br />
[33] <a href="http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9764000/9764855.stm" target="_blank">International development questions</a><br />
[34] <a href="http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9770000/9770795.stm" target="_blank">Ministers deny 'profound error' on Rwanda aid</a><br />
<br />
<br />
<b><その他></b><br />
<a href="http://www.ohchr.org/Documents/Countries/ZR/UNJHRO_HRVMasisi_en.pdf" target="_blank">MONUSCOとOHCHRの共著 北部キブにおける人権侵害調査(2012年4月~9月)報告書</a><br />
<a href="http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/KillingsInEasternDRCongo.aspx" target="_blank">報告書に関するプレス発表</a><br />
<br />
「世界最悪の紛争『コンゴ』― 平和以外に何でもある国 ― 米川正子(創成社)<br />
<br />
<a href="http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Periodicals/Africa/pdf/200703_02.pdf" target="_blank">コンゴの平和構築と国際社会-成果と難題- 武内進一 (2007/3)</a><br />
<br />
</div>
Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-51786333222303990082012-09-30T16:43:00.000+09:002012-09-30T16:51:27.201+09:00アフリカ投資を加速する豊田通商日本企業がアフリカに進出する件数は、まだまだ少ない。新聞が取り上げる件数は、月に平均4、5回程度である[1]。内容をみても、テスト的なものであったり、ODAを利用したものが多い。しかし、本格的に投資する企業が現れた。豊田通商だ。<br />
<br />
今回のブログ記事では、最初に南スーダンで産出する石油を輸出するための新規のパイプラインに関するニュースを取り上げ、以下の3点を説明し、最後に若干のコメントを付け加えることとしたい。<br />
(1) Kenya Vision 2030 と LAPSSET<br />
(2) ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想<br />
(3) アフリカに本格的に投資する豊田通商<br />
<br />
<span style="color: red;"><b><br /></b></span>
<span style="color: red;"><b>【 ニュース 】</b></span><br />
<br />
<blockquote class="tr_bq">
<b>日本の豊田通商、パイプライン建設に向けた調査を実施 </b>(2012年6月17日)<br />
<br />
南スーダンは、同国で産出する石油を国際市場へ、販売するルートを確立するため、ケニアに接続できる、新たな石油パイプラインの建設をもうすぐ開始する予定だ。<br />
<b><br /></b>
<b>ケニア、新たな石油パイプラインの経由地へ</b><br />
<br />
南スーダンは、北側の隣国、スーダンを経由して、紅海港へ続く、石油パイプラインを使用してきたが、スーダン側とそのパイプラインの使用料をめぐって対立、今年1月に石油の生産を停止させた。<br />
南スーダンは、東アフリカを経由して、インド洋へと続く、新たな石油パイプラインの建設を計画、ケニアが、新たな石油パイプラインの経由地となることを承諾した。<br />
日本の豊田通商は、パイプライン建設に向けた調査を実施、南スーダン政府と契約を交わす準備が整ったという。<br />
スーダンの新聞社、Sudan Tribuneによると、南スーダンのRiek Machar副大統領の報道官、James Gatdet Dak氏は、豊田通商は、プロジェクト資金を担う準備が整い、政府による返済方法に関する契約について、石油鉱山省とともに案出するという。 [2]</blockquote>
<br />
<br />
<span style="color: red;"><b>【 解説 】</b></span><br />
<br />
<b>1.Kenya Vision 2030 と LAPSSET</b><br />
<br />
ビジョン2030とは、ケニア政府が2006年に発表した2030年を見据えた長期戦略である。「Kenya Vision 2030」というホームページで、ケニアをどのような国にしたいか、という国民の『夢』を列挙している。[3]<br />
<br />
・権利と自由が保障され、民主主義が機能する国<br />
・食料に困らず、働く場所がある国<br />
・道路が整備されており、商売に支障がない国<br />
・多くの観光客が訪れて、観光の仕事がある国<br />
・経済を発展させて、より多くのケニア人が働ける国<br />
・訓練された教師が子供達を教育し、潜在能力を引き出してくれる国<br />
・全ての国民が設備の整った病院で、資格のある医者から診療を受けられる国<br />
・他国から技術的助言を求められる国<br />
<br />
それらの夢を実現するため、100のプロジェクトを実行することで、経済・社会・政治を変革していこうとしている。(表1参照)<br />
(1)経済:2030年まで毎年10%のGDP年平均成長率を達成することで、全国民を豊かにする。(19プロジェクト実施)<br />
(2)社会:人材に投資するという形で、個人・社会に生活の質を向上させる。(55プロジェクト実施)<br />
(3)政治:1つの国として団結するために、民主主義を確立して、政府が国民に対し責任を取るシステムをつくる。(6プロジェクト実施)<br />
(4)Vision 2030の基礎:国際クラスのインフラ設備とサービス普及するため、20の大プロジェクト実施する。特に費用がかかるのがインフラ整備に係る分野であり、発電、港湾、空港、道路、鉄道、パイプライン、製油所のプロジェクトがある。ケニアは、隣国の南スーダン、エチオピア、ウガンダと協力してインフラを整備しようとしている。それがLAPSSET (Lamu Port and New Transport Corridor Development to Southern Sudan and Ethiopia: ラム港開発、及び ラム港から南部スーダン・エチオピアへの新回廊開発)である。(表1、図1&2参照) <br />
<br />
表1:Kenya Vision 2030 と LAPSSET<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjzkE2iQZSEs7vS1EDtoEtY03hn5fbyOFTYHdMH4RR-grxWebkvDJ03Cd1WBpioaHYoe_IrXeag9IYTbVwruks2ZnH7_N8xVsGt-8shmt0kHLVVgfJuUTl0sRJ71JCAo08a68-lOoCepCM/s1600/%E8%A1%A8%EF%BC%91Kenya+Vision+2030%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%95%B0%E3%80%80LAPSSET.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="178" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjzkE2iQZSEs7vS1EDtoEtY03hn5fbyOFTYHdMH4RR-grxWebkvDJ03Cd1WBpioaHYoe_IrXeag9IYTbVwruks2ZnH7_N8xVsGt-8shmt0kHLVVgfJuUTl0sRJ71JCAo08a68-lOoCepCM/s320/%E8%A1%A8%EF%BC%91Kenya+Vision+2030%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%95%B0%E3%80%80LAPSSET.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
図1:LAPSSETのルート<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjM5TD9YdNObXcxUnqlLL5zDc72RfMnFvA__Kipia3salp-pkh4Hh0VIXX02SvdMUBovy8L6_4eHpwtFm_bOXLOJqBcbJUVVKFU_SHoRVJZAfr0YREI6tx6hvSX5F3xSfbU65BU4bgus3M/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%91LAPSSET+BBC.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="318" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjM5TD9YdNObXcxUnqlLL5zDc72RfMnFvA__Kipia3salp-pkh4Hh0VIXX02SvdMUBovy8L6_4eHpwtFm_bOXLOJqBcbJUVVKFU_SHoRVJZAfr0YREI6tx6hvSX5F3xSfbU65BU4bgus3M/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%91LAPSSET+BBC.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
図2:鉄道と道路の概念図<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiPcRomVDWJOPNYAs7Cm21iKaMjYToE3xT2xAw-xArS1tMiQBp0CxlKbH6FKj013E8rnmRiPsAbEUYaC6weZVUz6Z008aWKdcdQOvtoFHzi9RGmTWAFUivS6TsT2G_POzW8GsyHOB0pIBU/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%92LAPSSET%E3%80%80%E9%89%84%E9%81%93%E3%80%80%E9%81%93%E8%B7%AF.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="208" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiPcRomVDWJOPNYAs7Cm21iKaMjYToE3xT2xAw-xArS1tMiQBp0CxlKbH6FKj013E8rnmRiPsAbEUYaC6weZVUz6Z008aWKdcdQOvtoFHzi9RGmTWAFUivS6TsT2G_POzW8GsyHOB0pIBU/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%92LAPSSET%E3%80%80%E9%89%84%E9%81%93%E3%80%80%E9%81%93%E8%B7%AF.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
<b>2.ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想</b><br />
<br />
LAPSSETの7つのプロジェクトの1つが、ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン構想である。現在、南スーダンは石油輸出をスーダンの石油パイプラインに依存しており、その通油料についてなかなか合意できないでいる。しかし、ケニアを通すことができるようになると、スーダンとの交渉が有利になるし、安全保障でも有利になる。<br />
<br />
ケニアにとってのメリットは、南スーダンから通油料をとれる。また、2012年3月にケニア北部で原油が発見されたが[4]、数年後に生産された場合に、新パイプラインを使うことができる。(図3参照)<br />
<br />
図3:ケニア北部Ngamia油田<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhPi2M0pzuv8InXzUZLISBkd0m_WSii-LawGy9v_bWDPzwQFCGGsJQwL3oBp7YdiNjMzJEpm9t-XbFfVeLpSB0k1ujrKs-HcbwqXIs-6OjMcne3nuYKgexNgI_DIoZ00bCT0tYxcg9N1tk/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%93%E3%82%B1%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%80%80%E6%B2%B9%E7%94%B0%E7%99%BA%E8%A6%8B%E5%A0%B4%E6%89%80.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhPi2M0pzuv8InXzUZLISBkd0m_WSii-LawGy9v_bWDPzwQFCGGsJQwL3oBp7YdiNjMzJEpm9t-XbFfVeLpSB0k1ujrKs-HcbwqXIs-6OjMcne3nuYKgexNgI_DIoZ00bCT0tYxcg9N1tk/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%93%E3%82%B1%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%80%80%E6%B2%B9%E7%94%B0%E7%99%BA%E8%A6%8B%E5%A0%B4%E6%89%80.png" width="264" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
<b>3.アフリカに本格的に投資する豊田通商</b><br />
<br />
<b>(1)石油パイプライン</b><br />
<br />
石油パイプラインの関係者(ケニア政府、南スーダン政府、豊田通商)に係る報道を列挙することで、経緯とその概要をみてみよう。<br />
<br />
2010年3月、豊田通商はケニアのパイプライン建設について発表した。[5]<br />
2012年1月、南スーダンとケニアが南スーダンからケニア北部ラム港まで原油パイプラインを敷設することに合意した。業界のアナリストによると、パイプライン建設には少なくとも3年間かかり、費用は最高で40億ドル(3,120億円)。[6]<br />
2012年3月、南スーダンとエチオピアが石油パイプラインに係る覚書(MOU)に調印した。[7]<br />
2012年4月、豊田通商はパイプラインのコスト調査を計画している。[8]<br />
2012年6月、豊田通商は南スーダン石油省に対し、F/Sの結果を提出した。[9]<br />
2012年8月、南スーダンの財務大臣は、「ケニアまでの 2,000Kmのパイプライン建設費用には 3,000百万ドルかかる。南スーダンは現在のところ建設費用を負担できないが、パイプラインの権益は持つ」と述べた。[10]<br />
2012年8月、豊田通商はケニアと包括的な覚書を締結した。内容は、Kenya Vision 2030の実現に向け、自動車分野、電力・エネルギー分野、石油・鉱物資源分野、環境保全分野、農業産業化分野において、両者が協力して包括的に取り組むというもの。今後、各事業分野でプロジェクトチームを組成する。[11]<br />
2012年8月、豊田通商はケニアに対し30億ドル(2,340億円)を投資するとの意思表示した。[12] 注:50億ドル(3,900億円)という報道がある。[13]<br />
2012年8月、F/Sの結果、パイプラインの長さは2,000 kmで、資本支出額は30億ドル(2,340億円)。豊田通商と南スーダン政府は、EPC(設計・調達・建設)についての契約について議論している。[14]<br />
<br />
<br />
<b>(2)自動車関連事業</b><br />
<br />
豊田通商はアフリカを「成長著しいアフリカを重点地域の一つと位置付け」おり[15]、アフリカでの基盤を強化するために、フランス系の商社であるCFAO社を傘下に収めるため、公開買付を実施中である。完全子会社化できた場合、買収金額は約2,270億円(2,307百万ユーロ)である。[16]<br />
<br />
CFAO社は、西アフリカを中心に 自動車(2011年の売上げの60%)、医薬品(同28%)、消費財(同12%)を手掛けている。[17] 同社の連結売上高は推移は2,970億円(3,124百万ユーロ)である。(図4「連結売上高推移」参照)。また、2011年12月期の連結総資産は 2,315百万ユーロであり[18]、買収金額とほぼ同額である。 <br />
<br />
2012年9月、豊田通商は、アフリカでの売上高を2017年度までに12年度見通しの2倍にあたる1兆円に増やす計画を発表した。[19]<br />
<br />
<br />
図4:CFAO社の連結売上高推移<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgu7sIjKN7C1G9U3NzsJHIWHIHupKETkShh-MKvqxXNlD2KQmGXiNxpzmy3fp1DVyzJNidfFcxFir1IQgdYh5tvCW-IZDfCDPGSfY5w8NgLyhQoSrcBfPymDI3adh-M1TpEBYwZsCfr_KM/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%94CFAO%E3%80%80%E9%80%A3%E7%B5%90%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%8E%A8%E7%A7%BB.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="258" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgu7sIjKN7C1G9U3NzsJHIWHIHupKETkShh-MKvqxXNlD2KQmGXiNxpzmy3fp1DVyzJNidfFcxFir1IQgdYh5tvCW-IZDfCDPGSfY5w8NgLyhQoSrcBfPymDI3adh-M1TpEBYwZsCfr_KM/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%94CFAO%E3%80%80%E9%80%A3%E7%B5%90%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%8E%A8%E7%A7%BB.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
<span style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></span><br />
<br />
<b>1.援助よりも民間投資</b><br />
<br />
上述したケニア国民の『夢』は、基本的なものであり、要求度は高くないので、実現は可能だ。先進国がケニアをどのように支援するかが問題になるが、ケニアは最貧国の段階を卒業しておりビジネスができる段階になっていると思われるので、ODAで援助する割合を小さくして民間企業の投資の割合を増やすべきである。実際、ケニアのオンゲリ外務大臣が来日した際、「LAPSSET回廊の開発は日本とケニアの政府間だけではなく民間の相互協力の非常に大きな機会となる」と述べている。[20]<br />
<br />
日本政府の役割は2つあると思う。1つは、民間企業の投資を促進するような環境を作ること。2つ目は、開発に係るマイナス要因を克服するための援助をすることである。ケニアの田舎が開発されることで、雇用の機会ができて、ケニアや近隣諸国の経済に貢献することができる。しかし、ケニアの人々の生活水準は底上げされるとしても、貧富の差が大きくなるだろうし、環境にも悪影響があるだろう。また、隣国のソマリアが無政府状態にあることがリスク要因である。それらのマイナス要因を克服する施策を一緒に考えることが大切だ。<br />
<br />
ちなみに、最近(2012年9月) 南アフリカのRand Merchant Bankが発表した「Where to Invest in Africa(2012年版)」によれば、アフリカ諸国の投資先として、ケニアは第9番目にランキングされている。[21]<br />
<br />
図5:投資先ランキング<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhVwObkCfGtpMhOhlGscwHqSZUo5dmv5G3Gn7zSib5MNEiO32fDl83ifsZThyphenhyphenrJV05rObrH52tr6pncGEUd_gm-849zFeNts-4elvmb60_meu642Rsm17qjKbAotYIz2HX9B8X1qcyhhE4/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%95Where+to+invest+in+Africa.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="306" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhVwObkCfGtpMhOhlGscwHqSZUo5dmv5G3Gn7zSib5MNEiO32fDl83ifsZThyphenhyphenrJV05rObrH52tr6pncGEUd_gm-849zFeNts-4elvmb60_meu642Rsm17qjKbAotYIz2HX9B8X1qcyhhE4/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%95Where+to+invest+in+Africa.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<b>2.パイプラインの意義</b><br />
<br />
このパイプラインを使って石油を輸出できるのは、当面は、石油を生産している中国、マレーシア、インドの企業である。日本企業がパイプラインの建設に投資したとしても、南スーダンの生産中の鉱区にファームイン(権益の一部を買う)することは簡単ではないだろう。しかし、パイプラインの近辺(エチオピア南部を含む)における石油探鉱事業が進むと予想されるので[22]、それに参加することはできるだろう。<br />
<br />
<b>3.豊田通商</b><br />
<br />
豊田通商は社運をかけていると思えるほどの金額を投資しようとしている。吉と出るか凶と出るか判らないが、勇気ある「最初のペンギン」に対し、エールを送るとともに、幸運を祈りたい。<br />
<br />
<br />
<span style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></span><br />
<br />
[1]<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.jp/" target="_blank">「アフリカのニュースと解説」の「日本企業 in アフリカ」</a><br />
[2]<a href="http://www.africa-news.jp/news_BGdM3p0S3.html" target="_blank">新石油パイプラインの建設計画 (アフリカビジネスニュース、2012/6/17)</a><br />
[3] <a href="http://www.vision2030.go.ke/index.php/vision" target="_blank">Kenya Vision 2030のホームページ</a><br />
[4] Tullow Oilのプレス発表<br />
<a href="http://www.tullowoil.com/index.asp?pageid=137&newsid=752" target="_blank">2012/3/26付 Ngamia-1 oil discovery in Kenya Rift Basin</a><br />
<a href="http://www.tullowoil.com/index.asp?pageid=137&newsid=758" target="_blank">2012/5/7付 Ngamia-1 well in Kenya Rift Basin discovers further oil</a><br />
[5]<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.jp/2010/03/blog-post.html" target="_blank">豊田通商のパイプライン建設計画(南部スーダン~ケニア) </a><br />
<a href="http://www.businessdailyafrica.com/Company%20Industry/Japan%20China%20rivalry%20leaves%20Kenya%20with%20contract%20billions%20/-/539550/888252/-/5np27qz/-/index.html" target="_blank">Business Daily(2010/3/29)</a><br />
[6] <a href="http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-16720703" target="_blank">South Sudan in Kenyan oil pipeline deal (2012/1/25)</a><br />
[7]<a href="http://allafrica.com/stories/201203051139.html" target="_blank">South Sudan, Ethiopia Sign MoU (2012/3/4)</a><br />
[8]<a href="http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2FY3S6JTSE801.html" target="_blank">豊田通商:南スーダン・ケニアのパイプラインでコスト調査へ(2012/4/13)</a><br />
[9] <a href="http://catholicradionetwork.org/index.php?option=com_content&view=article&id=7109:south-sudan-pipeline-starts-after-intergovernmental-deal&catid=2:south-sudan&Itemid=84" target="_blank">SOUTH SUDAN PIPELINE STARTS AFTER INTERGOVERNMENTAL DEAL(2012/6/22)</a><br />
[10] <a href="http://www.reuters.com/article/2012/08/10/us-kenya-sudan-south-oil-idUSBRE8790JU20120810" target="_blank">South Sudan says oil pipeline via Kenya to cost $3 billion (2012/8/10)</a><br />
[11] <a href="http://www.toyota-tsusho.com/press/2012/08/20120815-4049.html" target="_blank">豊田通商プレス発表 (2012/8/15)</a><br />
<a href="http://www.vision2030.go.ke/index.php/news/readmore/106" target="_blank">Vision 2030 Delivery Board (VDB)プレス発表 (2012/8/15)</a><br />
[12] <a href="http://bake.or.ke/blog_feed_item/21329" target="_blank">Toyota bids for Juba-Lamu Oil Pipeline (2012/8/20)</a><br />
[13] <a href="http://kenyaengineer.co.ke/index.php/n-e/nu/ln/526-motor-firm-bids-5bn-to-build-the-juba-lamu-pipeline" target="_blank">Motor firm bids $5Bn to build the Juba-Lamu pipeline (2012/8/17)</a><br />
[14] <a href="http://www.2b1stconsulting.com/toyota-tsusho-to-build-south-sudan-kenya-3-billion-pipeline/" target="_blank">Toyota Tsusho to work on the $3 billion Kenya pipeline(2012/08/23)</a><br />
[15] <a href="http://www.toyota-tsusho.com/ir/timely/uploadfiles/201207311340.pdf" target="_blank">平成25年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)平成24年7月31日</a><br />
[16] <a href="http://let-us-know-africa.blogspot.jp/" target="_blank">買収金額の試算は、「アフリカのニュースと解説」の「日本企業inアフリカ」(2012/8/28)というタブページを参照。</a><br />
[17] <a href="http://phx.corporate-ir.net/External.File?item=UGFyZW50SUQ9MTQxNjE0fENoaWxkSUQ9LTF8VHlwZT0z&t=1" target="_blank">Annual Shareholders' Meeting (2012/5/25)プレゼン資料</a><br />
[18] <a href="http://www.toyota-tsusho.com/ir/timely/uploadfiles/201207311340.pdf" target="_blank">平成25年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)平成24年7月31日</a><br />
[19] <a href="http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD140LC_U2A910C1TJ1000/" target="_blank">豊田通商、アフリカ事業を5年で1兆円に (2012/9/14) </a><br />
[20] <a href="http://www.kenyarep-jp.com/news/12/120615.html" target="_blank">ケニア共和国外務大臣の日本公式訪問(2012/6/15)</a><br />
[21] <a href="http://www.rmb.co.za/GlobalMarkets/pdf/whereToInvestInAfrica/RMB_wtia.pdf" target="_blank">Where to Invest in Africa(2012 Edition)</a><br />
<a href="http://www.politicsabroad.com/news/trade-and-investment/rmb-latest-report-on-where-to-invest-in-africa/">http://www.politicsabroad.com/news/trade-and-investment/rmb-latest-report-on-where-to-invest-in-africa/</a><br />
<a href="http://www.africa-news.jp/news_FFgC0ekVM.html" target="_blank">投資先として魅力的な国はどこ?(2012/9/22)</a><br />
[22] <a href="http://let-us-know-africa.blogspot.jp/2011/11/blog-post.html" target="_blank">大化けする東アフリカの天然ガス事業 (2011/11/8) の図1参照</a><br />
<br />Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-3580761612889691572012-07-16T13:20:00.002+09:002012-09-25T23:20:08.979+09:00台湾の外交政策: 中国との付き合い方のモデル中国(中華人民共和国)の大物政治家達は頻繁にアフリカを訪問し、大盤振る舞いで援助している。企業も積極的に投資しており、中国とアフリカ間の貿易額は指数関数的に伸びている[1]。物や金だけでなく、多くの中国人がアフリカに入っている。僻地で活動している日本の青年海外協力隊員のブログを読めば判るが、彼らはいつも中国人に間違えられるという[2]。<br />
<br />
一方、台湾(中華民国)と外交関係があるアフリカ諸国は4ヶ国にすぎない。馬英九(Ma Ying-jeou)氏は、2008年5月に台湾総統に就任し、2012年5月に2期目に入る直前の4月に初めてアフリカを訪問した。当初4ヶ国を訪問するはずであったが、土壇場でキャンセルされ、3ヶ国を訪問した。<br />
<br />
今回の記事で 馬英九氏の外交政策 及び アフリカ歴訪について概観してみたが、本件は日本外交のヒントになると思う。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
<blockquote class="tr_bq">
馬総統、外遊の成果強調 アフリカ訪問終了<br />
<br />
(2012/04/18) (桃園 18日 中央社)アフリカ歴訪を終えて帰国した馬英九総統は18日、外遊の成果を強調するとともに、スポーツを通じて友好国の国家元首と異なる関係を構築したことについて「意外な効果があった」と喜んだ。<br />
12日間の日程でブルキナファソ、ガンビア、スワジランドの3カ国を訪問した馬総統は、これら友好国との関係強化や共同コミュニケ調印など、外遊の成果をアピールする一方、台湾がアフリカで進める職業訓練の実績に驚いたとし、「スワジランドの公共工事担当閣僚も台湾の訓練を受けていた」と説明した。<br />
また、ガンビアのヤヤ・ジャメ大統領、スワジランドのムスワティ三世との腕立て伏せ競争など今度の「スポーツ外交」については「異なる関係を築いたのは予想外の効果だ」と喜びを語った。[3]</blockquote>
<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<br />
台湾と外交関係があるのは、世界中で23ヶ国あるが、アフリカでは4ヶ国である[4]。馬英九総統が訪問したのはブルキナファソ(3泊)、ガンビア(4泊)、スワジランド(2泊)であり、「仁誼の旅」(思いやりと友好の旅)と位置づけた。残り1ヶ国はサントメ・プリンシペであるが、直前にキャンセルになった(後述)。 以下、①台湾の外交政策、②台湾とアフリカ友好国との関係について述べる。<br />
<br />
<br />
<b>1.台湾の外交政策</b><br />
<br />
馬英九総統は節目節目で彼の考えを公表しており、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)のホームページ(HP)、国民党(政権与党、彼が主席)のHPにおいて、日本語で読むことができる[5]。 なお、以下は台湾の外交政策というより、馬英九総統の外交政策である。<br />
<br />
<b>(1)外交政策の基本</b><br />
<br />
①「先急後緩、先易後難、先経後政」 の原則<br />
・急ぎのものを先に、その他の問題はゆっくりと、<br />
・解決しやすい問題を先に、難しい問題は後から、<br />
・先に経済に対処し、後から政治問題を話し合う。[6]<br />
<br />
②「和解休戦」と「活路外交」<br />
・「和解休戦」とは、台湾と中国が和解して両国関係を安定させること。<br />
・「活路外交」とは、台湾と中国が和解したことを、他国との「外交領域へ延伸させる」ことである。[7]<br />
<br />
以下は馬英九総統の2008年8月の発言である。<br />
<blockquote class="tr_bq">
われわれは常に相手を驚かせるようなことをしてはならず、国際的なパートナーが新聞を見てはじめて事情の変化に気づくようであってはならない。できる限りハイレベルの相互信頼を構築し、われわれの動向を相手方に知らせなくてはならない。われわれは一方的に海峡両岸の現状を変更することはなく、「統一しない、独立しない、武力を用いない」の政策を推進する。その他の方面においてもわれわれは注意を払う。但し、これは事を恐れたり争う勇気がないのではない。われわれは自己のはかりが必要であり、小さなことに拘るあまり大きなものを失ったり、また得ることより失うことの方が多いようであってはならない。[7-後半]</blockquote>
<br />
<br />
<br />
<b>(2) 対中融和政策の目標</b><br />
<br />
馬総統は、台湾と中国がお互いの友好国を奪おうとして「金銭外交」をするという「悪性競争」[7-前半] を止めるように路線変更した 。<br />
<br />
台湾と中国の関係が改善すると、中国は台湾の友好国と実質的関係(substantive relations)を持つことになる。同様に、台湾は中国の友好国と同じような関係を持つことができる[8]。それが台湾にとってメリットになる。<br />
<br />
ちなみに、今回の外遊において、「人道的援助を提供する役割を果たす」[9] と発言しているが、それは、①中国と競争しているわけでない、という中国へのメッセージと、②独裁的色彩が強い国への援助は人道的なものだ、という世界へのメッセージであると考えられる。<br />
<br />
<b>(3)活路外交の成果</b><br />
<br />
馬総統は第2期目の総統就任演説(2012/5/20)で、第1期(4年間)を総括し、台湾と中国との和解は実質的な利益をもたらしていると発言している。[7]<br />
<br />
「過去60年で最も平和な台湾海峡情勢を作り出し、長期的なパートナーたちの信頼と国際社会の評価を得て、中華民国の国民は127の国と地域に、あらかじめビザを取得せずに行けるようになったのです。」なお、馬総統が総統に就任した2008年5月には54ヶ国であった。[10]<br />
<br />
図1はアフリカ諸国の台湾と中国に対するビザ免除待遇の状況を表示したものだが、台湾は政治的には劣勢だが、経済交流の面からは優勢であることが判る。<br />
<br />
図1<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEirfEGsqvHbezDgi2XuyV5ZXr7_szvdc3v4eJPapiU08UnxSrHIPsdAYalqfo2eS8fQbWD8Kgo0TlmYWciCFRcV15m69A_LdT7pHHj24uBUtH3eBC2rX5fgP_1ZUzEcWJqKezGI6EHwefs/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2591%25E3%2583%2593%25E3%2582%25B6%25E5%2585%258D%25E9%2599%25A4%25E5%25BE%2585%25E9%2581%2587%25E3%2580%2580%25E5%258F%25B0%25E6%25B9%25BE%25E3%2580%2580%25E4%25B8%25AD%25E5%259B%25BD.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="219" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEirfEGsqvHbezDgi2XuyV5ZXr7_szvdc3v4eJPapiU08UnxSrHIPsdAYalqfo2eS8fQbWD8Kgo0TlmYWciCFRcV15m69A_LdT7pHHj24uBUtH3eBC2rX5fgP_1ZUzEcWJqKezGI6EHwefs/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2591%25E3%2583%2593%25E3%2582%25B6%25E5%2585%258D%25E9%2599%25A4%25E5%25BE%2585%25E9%2581%2587%25E3%2580%2580%25E5%258F%25B0%25E6%25B9%25BE%25E3%2580%2580%25E4%25B8%25AD%25E5%259B%25BD.png" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<b>(4)外交課題</b><br />
<br />
台湾が国連に加入(復帰)することが最終目標だが、現在は国連の専門的機関へオブザーバー資格で参加することが当面の外交目標となっている。そのために、台湾は友好国の推薦を必要としている。なお、専門的機関とは、国際民間航空機関(ICAO)と国連気候変動枠組条約(UNFCCC)である。[11]<br />
<br />
<br />
<b>2.台湾とアフリカ友好国との関係</b><br />
<br />
台湾は国際合作開発基金(ICDF)を通じて援助を実施している。アフリカ 7ヶ国で実施中のプロジェクトは表1のとおりである。[12]<br />
<br />
表1<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiVCaDtMlez_rdnIUYfDmQZn9KvdO4acPC9Cr605JcHmNz051jb63elb8Kh_eDospY04LJ8iw6CMvwHiHz8hmali655NZ6oEGhFqwz7HbhDgK5vx0nz9QkeCPa67L1fJHs6Eij6c6KqGHU/s1600/%25E8%25A1%25A8%25EF%25BC%2591%25E5%258F%25B0%25E6%25B9%25BEICDF%25E3%2580%2580%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E3%2580%2580%25E5%25AE%259F%25E6%2596%25BD%25E4%25B8%25AD%25E3%2583%2597%25E3%2583%25AD%25E3%2582%25B8%25E3%2582%25A7%25E3%2582%25AF%25E3%2583%2588%25E6%2595%25B0.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="178" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiVCaDtMlez_rdnIUYfDmQZn9KvdO4acPC9Cr605JcHmNz051jb63elb8Kh_eDospY04LJ8iw6CMvwHiHz8hmali655NZ6oEGhFqwz7HbhDgK5vx0nz9QkeCPa67L1fJHs6Eij6c6KqGHU/s320/%25E8%25A1%25A8%25EF%25BC%2591%25E5%258F%25B0%25E6%25B9%25BEICDF%25E3%2580%2580%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E3%2580%2580%25E5%25AE%259F%25E6%2596%25BD%25E4%25B8%25AD%25E3%2583%2597%25E3%2583%25AD%25E3%2582%25B8%25E3%2582%25A7%25E3%2582%25AF%25E3%2583%2588%25E6%2595%25B0.png" width="320" /></a></div>
<br />
<b>(1)ブルキナファソ (布吉納法索)</b><br />
<br />
今回の訪問に際し、台湾は、マリから4万人の難民に対処する資金として、160万ユーロ(150百万円)を寄付した[13]。<br />
<br />
台湾とは、1961年12月に国交樹立し、1973年10月に断交し、1994年2月に回復している。[14]<br />
<br />
在台湾ブルキナファソ大使館によれば、ブルキナファソの米生産量の34%が台湾の農業技術協力援助によるものであるとのこと。[15]<br />
<br />
台湾は、「A Light for Africa」プロジェクト(BOPビジネス)を推進している。台湾製のLED太陽光発電ライト(価格10ドル、充電時間30~40分、使用時間4時間)を販売するものである。ブルキナファソの都市部において停電しない世帯は15%に満たないし、全土の電気普及率は5%以下である。[16]<br />
<br />
<br />
<b>(2)ガンビア(甘比亞)</b><br />
<br />
今回の訪問に際し、台湾は、食料危機対策として、3百万ドル(240百万円)を寄付した。[13]<br />
<br />
台湾とは、1968年1月に国交樹立し、1974年12月に断交し、1995年7月に回復している[14]。ガンビアは、台湾と同様な国際関係問題を抱えているため、親近感をもって接していると考えられる。というのも、1982年当時、ガンビアと隣国セネガルは関係が良かったので、「セネガンビア国家連合」を形成したが、方向性の不一致により1989年に解消した。2000年に陳水扁総統がガンビアを訪問した際、ジャメ大統領は、「ガンビアはセネガルのが一地方政府だと見なされていた。外部の圧力にもガンビア国民の主権独立を求める意志は変わらなかった。台湾も同様に、中国の圧力に負けることなく国連復帰の決意を貫くにちがいない」と語っている[17]。その他の背景は、ジャメ中佐(当時)は1994年にクーデターにより大統領になったが、西側諸国が冷たく扱った時に台湾から恩を受けたということが考えられる。<br />
<br />
台湾は、農業、教育、医療保健、科学技術の分野でガンビアに協力している。過去10年間で300人以上の留学生を受け入れており、現時点で約200名の学生が留学中である[18]。なお、ガンビアは中国にも留学生(本年は12名)を送っておいる。[19]<br />
<br />
<br />
<b>(3)スワジランド(史瓦濟蘭)</b><br />
<br />
今回の訪問に際し、台湾は30万ドル相当(24百万円)のノートブックPC 300台、周辺機器、ソフトを寄付した。[13]<br />
<br />
台湾とは、1968年9月に国交樹立した。[14]<br />
援助に関しては、農耕団、手工芸団、医療団が訪問して、職業訓練をおこなっている。台湾企業(約25社)が縫製工場などに投資をして、同国に1万余の就労の機会が創出されたとのことである。ただし、低賃金を問題として訴訟が起こされているようだ。[20]<br />
<br />
<br />
<b>(4)サントメ・プリンシペ(聖多美普林西比)</b><br />
<br />
台湾とは1997年5月に国交樹立した[14]。<br />
<br />
ポルトガルから独立した1975年、初代大統領Mannuel Pinto de Costa(任期:1975~1991年)が中国と外交関係を樹立した。1997年5月、Miguel Trovoada首相は、政府の反対を押し切って、台湾と外交関係を樹立した[21]。現在の首相(2010/8就任)のPatrice Emery Trovoadaは、Miguel Trovoadaの息子である。一方、現在の大統領はMannuel Pinto de Costa(初代大統領で2011年8月に返り咲いた)であり、中国派である。要するに、首相は台湾派、大統領は中国派であり、台湾にとっては不安定要因であると考えられる。<br />
<br />
1997年5月に外交関係を樹立してから、台湾は140百万ドル以上を援助している。2009年の援助額は、台湾(13百万$)、ポルトガル(3百万$)、EU(2百万$)、国連(1.3百万$)であり、台湾の比率が際立っている。[22]<br />
<br />
馬総統がサントメ・プリンシペの訪問を取り止めた理由は、Mannuel Pinto de Costa大統領がキューバを訪問するので不在であるということであった。台湾としては訪問に係る事前交渉に合意してから発表しているはずなので、大統領が土壇場でキャンセルしたに違いない。(最近の台湾とサントメ・プリンシペの出来事にいては末尾参考文献を参照のこと。)<br />
<br />
<br />
<br />
<b><最近の台湾とサントメ・プリンシペの出来事></b><br />
<br />
2011年1月14日、サオトメ・プリンシペの首相(Patrice Emery Trovoada、2010/8/14首相就任)が初めて台湾を訪問した。[23]<br />
3月14日、総統府は馬総統はサントメ・プリンシペを含む4ヶ国を訪問する旨発表した。[24]<br />
3月26日、外交部は馬総統はサントメ・プリンシペを訪問しない旨発表した。[25]<br />
3月29日マカオの新聞は、「中国は3月28日に『中国とポルトガル語諸国経済貿易協力フォーラム』の事務レベル協議をマカオで開催したが、サオトメ・プリンシペからも参加した」と報道した。[26]<br />
4月6日、外交部は「サオトメ・プリンシペはマカオでの会議に参加しなかった。ただし民間部門が参加したかどうかは不明」と発表した。[27]<br />
4月7日、馬総統は、アフリカ諸国訪問のため出発。(18日に帰国)<br />
5月20日、Trovoada首相は、馬総裁の第13代(2期目)の総統就任式列席のため台湾を訪問した。[28]<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;"><br />
【 コメント 】</b><br />
<br />
<b>1.台湾の外交(アフリカ関連)</b><br />
<br />
<b>(1) サントメ・プリンシペと中国</b><br />
<br />
サントメ・プリンシペの大統領が馬英九総統の訪問をキャンセルしたことは、台湾ではなく中国と関係を持ちたいという現れであると思う。台湾の活路外交は「中国との関係が悪化しない」という前提に立っており、中国もそれを認識しているはずである。中国は台湾を刺激しないよう安易にサントメ・プリンシペと外交関係を樹立することはないと思うが、今後の動向に注目したい。<br />
<br />
<br />
<b>(2) アフリカへの援助</b><br />
<br />
馬英九総統はアフリカ歴訪から帰国して次のように発言している。<br />
<blockquote class="tr_bq">
<br />
・「国際社会に参与するためには、台湾が評価に値する実力を備え貢献のできる良質な国であり、台湾が国際社会に参加することで実質的な利益がもたらされることを示さなければならない。実際、民主的で開放され、世界に進んで報いようとする台湾は、さまざまな面で国際社会からの評価を受けている。もしわれわれが国際舞台に回帰したいならば、貢献の出し惜しみをしていては台湾の国際参加を支持するよう説き伏せるのは難しいであろう。経済協力開発機構(OECD)では、対外援助経費を国内総生産(GDP)の0.28%と規定しているが、わが国はまだ0.1%と比較的低い水準である。 」[29]<br />
<br />
・「訪問の過程で、解決しなければならない新しい問題が見つかった。帰国した後、プロジェクトチームを成立させて、アフリカの友好国が直面している新困難を克服する。例えば医療援助については、詹啓賢・総統府資政を招いて衛生署と共同研究し、部会を横断したチームを成立させて、医療資源を整合し、我が国の医療管理様式で支援を推進する」[30]</blockquote>
<br />
<br />
今後、台湾はアフリカ諸国のためにどの程度の援助を増額するのか、また、具体的にどのような援助をするのか注目したい。<br />
<br />
<br />
<b>2.日本と台湾の関係</b><br />
<br />
<b>(1)中国に遠慮するなかれ</b><br />
<br />
民主党政権下の日本政府は、中国との関係を悪化させないようにしている。例えば、尖閣諸島中国漁船体当たり事件では、主張すべきことを主張しなかった。また、東日本大震災一周年追悼式において、台湾代表に指名献花の機会を与えず、多大な支援を頂いた台湾の人々に失礼なこともした。日本は主張すべきことは主張すべきだし、また、中国が台湾と関係を拡大しているのと同様に、日本も台湾と関係をさらに拡大すべきである。中国に遠慮していては真の友好関係を築くことはできない。<br />
<b><br />
(2)領土問題への一案</b><br />
<br />
日本と台湾の唯一の政治問題である尖閣諸島については、「先急後緩、先易後難、先経後政」で先送りにしてはならない。政府間で定期的に意見交換の場を作るべきである。ノルウェーが石油資源が期待されるバレンツ海の領海線の設定に40年以上ロシアと粘り強く交渉を重ね、2010年に妥結した事例がモデルになると思う[31]。関係国が意見交換をしている事実を積み上げていけば、国民はその推移を見守るだろうし、紛争が発生する蓋然性は小さくなるはずだ。<br />
<br />
日本人は、相手の機嫌を損ねるだろうと慮って、言うことを躊躇しがちになる傾向がある。そもそも外交とは自国の主張を言い合い、妥協点を探ることである。解決するまで何十年を要するかもしれないが、定期的に話し合うことだ。<br />
<br />
<br />
<b>3.日本の政治</b><br />
<br />
東アジア諸国の元首の任期は以下のとおりであるが、日本政治が脆弱であることを改めて認識した。<br />
・台湾の総統の任期は4年/期(最長2期)。馬英九の任期は2008/5~2016/5(8年間)である。<br />
・中国の国家主席の任期は5年/期(最長2期)。胡錦濤の任期は2003/3~2013/3(10年間)である。<br />
・韓国の大統領の任期は5年(再任不可)。李明博の任期は2008/2~2013/2(5年間)である。<br />
<br />
日本の総理大臣は、安倍(就任時:2006/9)、福田(2007/9)、麻生(2008/9)、鳩山(2009/9)、菅(2010/6)、野田(2011/9)と、1年毎に交代している。外務大臣においては、2006/9から数えると、現在9人目である。首相や外務大臣が国際会議などで一回のみ発言しても、その発言には重みがない。これが国際社会で日本の発言力が低下している要因である。「日本のODAの金額が減少すると、外交上の発言力が低下する」という意見があるが、枝葉末節の話だ。<br />
<br />
低迷する日本経済(図2)を立て直し、外交的に発言力を待つためには、ふさわしい人物が首相に選出されて、十分な任期が与えられていなければできない。<br />
<br />
図2<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEifSks7uY4zpWNmvh0N8Jl8CRtHUsFslMFHHikiBBKZROK2IYZD2eOzJbtKpdSSbkmbDmWMBwU8KYF88TIE-WGZA4a93hL2MERi12SxyiJonFpAbK3U1quSOwZYkKUvxQgDoudOJgZd5FU/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2592%25E5%25AE%259F%25E8%25B3%25AA%25E7%25B5%258C%25E6%25B8%2588%25E6%2588%2590%25E9%2595%25B7%25E7%258E%2587%25E3%2581%25AE%25E6%258E%25A8%25E7%25A7%25BB%25E3%2580%2580%25E4%25B8%25AD%25E5%259B%25BD+%25E5%258F%25B0%25E6%25B9%25BE+%25E9%259F%2593%25E5%259B%25BD+%25E6%2597%25A5%25E6%259C%25AC.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="230" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEifSks7uY4zpWNmvh0N8Jl8CRtHUsFslMFHHikiBBKZROK2IYZD2eOzJbtKpdSSbkmbDmWMBwU8KYF88TIE-WGZA4a93hL2MERi12SxyiJonFpAbK3U1quSOwZYkKUvxQgDoudOJgZd5FU/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2592%25E5%25AE%259F%25E8%25B3%25AA%25E7%25B5%258C%25E6%25B8%2588%25E6%2588%2590%25E9%2595%25B7%25E7%258E%2587%25E3%2581%25AE%25E6%258E%25A8%25E7%25A7%25BB%25E3%2580%2580%25E4%25B8%25AD%25E5%259B%25BD+%25E5%258F%25B0%25E6%25B9%25BE+%25E9%259F%2593%25E5%259B%25BD+%25E6%2597%25A5%25E6%259C%25AC.png" width="320" /></a></div>
<br />
<b style="color: red;">【 参考文献 】</b><br />
<br />
[1] <a href="http://www.economist.com/blogs/dailychart/2011/04/chinese_africa" target="_blank">The Chinese are coming...to Africa (The Economist, 2011/4/22)</a><br />
[2] <a href="http://let-us-know-africa.blogspot.jp/p/residents.html" target="_blank">アフリカのニュースと解説「滞在者リンク集」の検索機能を利用</a><br />
[3] <a href="http://japan.cna.com.tw/Detail.aspx?Type=Classify&NewsID=201204180005" target="_blank">中央通訊社 (2012/04/18)</a><br />
[4] <a href="http://www.mofa.gov.tw/EnOfficial/Regions/AlliesIndex/?opno=f8505044-f8dd-4fc9-b5b5-0da9d549c979" target="_blank">中華民国外交部 </a><br />
[5] <a href="http://www.roc-taiwan.org/JP/mp.asp?mp=202" target="_blank">台北駐日経済文化代表処</a><br />
<a href="http://www.kmt.org.tw/japan/index.aspx" target="_blank">国民党ニュースネットワーク</a><br />
[6] <a href="http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xItem=280792&ctNode=3591&mp=202" target="_blank">馬英九・中華民国第13代総統就任演説 (2012/5/20)</a><br />
[7] 馬英九総統「活路外交」の理念と戦略 (2008/8/6)<br />
<a href="http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xItem=65362&ctNode=1453&mp=202&nowPage=45&pagesize=45" target="_blank">(前半) </a><br />
<a href="http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xItem=65419&ctNode=3591&mp=202&nowPage=10&pagesize=50" target="_blank">(後半) </a><br />
[8] <a href="http://observer.gm/africa/gambia/article/2008/8/18/taiwan-welcomes-allies-developing-relations-with-china-president" target="_blank">Taiwan welcomes allies developing relations with China: president (2008/8/18)</a><br />
[9] <a href="http://www.kmt.org.tw/japan/page.aspx?type=article&mnum=119&anum=7611" target="_blank">ガンビア大統領「いつまでも中華民国を支持」と表明 (2012/4/13)</a><br />
[10] <a href="http://taiwantoday.tw/ct.asp?xItem=177543&CtNode=1776" target="_blank">活路外交が国際社会への扉開くカギ (Taiwan Today、2011/10/10)</a><br />
[11] <a href="http://www.braintrust.tw/uploads/201009_tbt_newsletter_jp_02.pdf" target="_blank">台湾の国連加盟と活路外交 (2010/9)</a><br />
[12] <a href="http://www.icdf.org.tw/np.asp?ctNode=29982&mp=2" target="_blank">Taiwan ICDF > Bilateral Projects > Africa</a><br />
[13] <a href="http://www.chinapost.com.tw/taiwan/foreign-affairs/2012/04/17/338099/Trip-to.htm" target="_blank">Trip to African allies is valuable in establishing stronger relations: Ma(2012/4/17)</a><br />
[14] <a href="http://www.ritouki.jp/data/diplomatic-relations.pdf" target="_blank">中華民国(台湾)と外交関係を持つ国(邦交國・23カ国) 2008年1月15日現在</a><br />
[15] <a href="http://www.ambaburkinataipei.org.tw/spip.php?article62&lang=en" target="_blank">Cooperation with Taiwan (在台湾ブルキナファソ大使館)</a><br />
[16] <a href="http://www.taipeitimes.com/News/taiwan/archives/2012/04/12/2003530152" target="_blank">Africa could illuminate Taiwan's LED sector: Ma (2012/4/12)</a><br />
<a href="http://www.taiwanembassy.org/fp.asp?xItem=143427&ctNode=1453&mp=202" target="_blank">馬英九総統が「気候変動対策会議」を招集、グリーン産業発展強化を提唱(2010/5/27)</a><br />
[17] <a href="http://www.taiwanembassy.org/fp.asp?xItem=62266&ctNode=3591&mp=202" target="_blank">中華週報1970号(2000.9.14) </a><br />
[18] <a href="http://www.taiwanembassy.org/fp.asp?xItem=271358&ctNode=1453&mp=202" target="_blank">馬英九総統がガンビアを公式訪問 (2012/4/19)</a><br />
[19] <a href="http://observer.gm/africa/gambia/article/12-gambian-students-set-to-leave-for-china" target="_blank">12 Gambian students set to leave for China (2012/4/5)</a><br />
[20] <a href="http://www.taiwanembassy.org/JP/OSA/ct.asp?xItem=273328&ctNode=5506&mp=247" target="_blank">馬英九総統がスワジランド王国を公式訪問(2012/4/26)</a><br />
<a href="http://swazilandcommentary.blogspot.jp/2012/04/exploitation-by-taiwan-textiles.html" target="_blank">Exploitation by Taiwan Textiles (2012/4/17)</a><br />
[21] <a href="http://kms1.isn.ethz.ch/serviceengine/Files/ISN/142040/ipublicationdocument_singledocument/d09057dd-4a71-4006-99c4-8cca8ade5a7d/en/902012_VP.pdf" target="_blank">Sao Tome and Principe: The Butterfly Effect from Macau to Taipei</a><br />
[22] <a href="http://www.macauhub.com.mo/en/2010/05/24/9135/" target="_blank">Taiwan donated US$13 million to Sao Tome and Principe in 2009(2010/5/24)</a><br />
[23] <a href="http://english.president.gov.tw/Default.aspx?tabid=491&itemid=23299&rmid=2355" target="_blank">President Ma meets Sao Tome and Principe Prime Minister Patrice Emery Trovoada (2011/01/14) </a><br />
[24] <a href="http://english.president.gov.tw/Default.aspx?tabid=491&itemid=26739&rmid=2355" target="_blank">Office of the President announces President Ma to visit African allies starting April 7</a><br />
[25] <a href="http://www.kmt.org.tw/japan/page.aspx?type=article&mnum=119&anum=7557" target="_blank">馬総統のアフリカ訪問スケジュール サントメ・プリンシペ取消し (2012/3/27)</a><br />
[26] <a href="http://www.macaudailytimes.com.mo/macau/34873-Sino-Lusophone-Forum-promote-Macau.html" target="_blank">Sino-Lusophone Forum to promote Macau (2012/3/29)</a><br />
なお、同フォーラムは、これまで2003/10、2006/9、2010/11に3回の閣僚会議が開催されている。<br />
[27] <a href="http://www.chinapost.com.tw/taiwan/intl-community/2012/04/06/336933/African-ally.htm" target="_blank">African ally Sao Tome and Principe did not attend Macau forum: MOFA (2012/4/6)</a><br />
[28] <a href="http://english.president.gov.tw/Default.aspx?tabid=491&itemid=27397&rmid=2355" target="_blank">President Ma receives congratulatory delegations from Sao Tome and Principe and the Kingdom of Swaziland</a><br />
[29] <a href="http://taiwantoday.tw/ct.asp?xItem=189490&CtNode=1777" target="_blank">全国民の資産「外交」を共に守ろう (2012/4/19)</a><br />
なお、0.28%というのは2007年のOECD諸国の平均値であり、1970年に約束したのはGNIの0.7%である。 <a href="http://www.unis.unvienna.org/pdf/MDG_Africa_backgrounder.pdf" target="_blank">Achieving the Millennium Development Goals in Africa</a><br />
[30] <a href="http://www.kmt.org.tw/japan/page.aspx?type=article&mnum=119&anum=7631&kw=%e3%82%a2%e3%83%95%e3%83%aa%e3%82%ab" target="_blank">アメリカ訪問終了 馬総統:友好関係を固め、台湾に徳を積んだ (2012/4/18)</a><br />
[31] <br />
<a href="http://www.norway.or.jp/news_events/policy_soc/policy/pressrelease_barentssea/" target="_blank">ノルウェーとロシアが大陸棚境界画定交渉で合意 (2010/4/28)</a><br />
<a href="http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3578/1005_b05_miyamoto_Russia_Norway_Boundary.pdf" target="_blank">ノルウェーとロシアがバレンツ海の境界線問題に合意 (2010/5/20)</a><br />
<a href="http://japanese.ruvr.ru/2010/09/15/20612796.html" target="_blank">ロシア・ノルウェー、海の国境画定 40年越し合意(2010/9/15)</a><br />
<br />
<br />
<b>(参考ビデオ)</b><br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=p60bVupp6uE" target="_blank">【仁誼之旅】Part1-馬總統獲頒大十字勳章 </a><br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=mbjPFjNHjoo&feature=relmfu" target="_blank">【仁誼之旅】Part2 -馬總統參訪?保雷國家醫院及職訓中心 </a><br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=DF5JWD2AN-4&feature=relmfu" target="_blank">【仁誼之旅】Part3 - 非洲一盞燈 </a><br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=l337_t_uzCU&feature=relmfu" target="_blank">【仁誼之旅】Part4 - 總統間的約定 </a><br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=5zxz22pD6oY&feature=relmfu" target="_blank">【仁誼之旅】Part5 - 赴賈梅總統家?Kanilai </a><br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=72r3vnljHn4&feature=relmfu" target="_blank">【仁誼之旅】Part6 - 總統款宴駐甘館團員眷及旅甘國人 </a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-34053155960248085802012-06-04T11:47:00.000+09:002012-06-04T11:47:14.038+09:00在外公館(アフリカ)のHP評価 (3回目)アフリカには54ヶ国あるが、32の国に日本大使館が設置されており、全ての大使館がホームページ(HP)を作っている。このブログでは、2010年1月と同年12月に各HPを定性的に評価したが[1]、今回は「サイト解析」ができるソフトウエアを使って定量的に評価してみた。結果を言うと、32のHPの半数以上に落第点をつけざるを得ない。<br />
<br />
調べてみたところ、総務省は在外公館の行政評価を実施していた。今回のブログでは、①最初にそれを紹介し、②次に、私の評価方法と評価結果を説明し、③最後に、コメントを述べる。日本の在外公館のHPが良くなることを期待する。<br />
<br />
<br />
<b>1.総務省による行政評価 及び 外務省の対応</b><br />
<br />
総務省の「在外公館に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」は、2009年から2012年にかけて実施された。2010年5月、「在外公館に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」を発表しているが、調査の1項目である広報文化業務 については以下の勧告がなされた。[2]<br />
<br />
<blockquote class="tr_bq" style="background-color: #cfe2f3;">在外公館が管轄する国・地域の治安状況、通信等各種のインフラの整備状況等の違いを踏まえつつ、次の措置を講ずること。<br />
○在外公館における広報文化業務の実施体制及び実施状況を的確に把握・分析し、他の在外公館に比べ実績が乏しい在外公館に対しては、必要な指導を強化すること。<br />
○在外公館に対し、「在外公館ホームページの運営の手引き」に即したホームページ運営をするよう徹底すること。また、当該手引に新設在外公館におけるホームページの開設までの目安となる期間を定めホームページの早期開設を推進すること。さらに、在外公館におけるホームページの運営状況を定期的にフォローアップし、効果的な取組事例や要改善事項を取りまとめ、在外公館に情報提供・指示すること。</blockquote><br />
一方、外務省は、総務省の勧告を受けて、諸対策を講じた。2012年3月には以下のような報告を総務省に報告している。(下記は抜粋)<br />
<br />
<blockquote class="tr_bq" style="background-color: #cfe2f3;">・在外公館におけるホームページの開設については、平成23年3月末までに、全211公館がホームページを開設。<br />
・各在外公館に対しては、平成23年4月に「在外公館ホームページ(運営状況等フォローアップ:第2回自己評価)」を発出し、ホームページ運営体制の改善、定期的な更新、リンク切れの対処を求めたほか、在外公館における効果的な取組事例も周知。<br />
・第1回自己評価結果と第2回自己評価結果を比較すると、ミニマムコンテンツの記載達成率90%以上の公館が、日本語版では81公館から96公館、現地語版では105公館から127公館に増加。</blockquote><br />
<br />
<b>2.評価方法と評価結果</b><br />
<br />
<b>(1)評価方法</b><br />
<br />
「Website Explorer」というソフト "サイト解析ツール"を使って、HPに収納されているファイルの「総サイズ」(メガバイト)を計測した[3]。<br />
<br />
<b>(2)評価結果</b><br />
<br />
各大使館のHPの「総サイズ」は図のとおりである。(一部の大使館の棒グラフを赤色で表示している理由は、後述する。)<br />
<br />
図:在外公館(アフリカ)のホームページの総サイズ(2012/5/31現在)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhDL-Fxi95Wl0wEszkSk7eIGnY49xZ7g444YhtEGJN6vHd7L5my_zsN3Mby-r-Ugk9jw_ZdgNthj1ZESsq9uGWAP81zo5arrxUSLcfysYSY2ly86r-lgzv6ndlZIsGFD6Z8pPqGvZvWVeg/s1600/%E5%9C%A8%E5%A4%96%E5%85%AC%E9%A4%A8%EF%BC%88%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%EF%BC%89%E3%81%AEHP%E7%B7%8F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhDL-Fxi95Wl0wEszkSk7eIGnY49xZ7g444YhtEGJN6vHd7L5my_zsN3Mby-r-Ugk9jw_ZdgNthj1ZESsq9uGWAP81zo5arrxUSLcfysYSY2ly86r-lgzv6ndlZIsGFD6Z8pPqGvZvWVeg/s320/%E5%9C%A8%E5%A4%96%E5%85%AC%E9%A4%A8%EF%BC%88%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%EF%BC%89%E3%81%AEHP%E7%B7%8F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA.png" width="267" /></a></div><br />
<br />
<br />
<b>3.コメント</b><br />
<br />
<b>(1) 望ましいHP</b><br />
<br />
HPが評価されるかどうかは、リピーターを獲得できるかどうかで決まる。下記の日本大使館は独自のレポートやエッセーなどを定期的に提供していることを評価する。(図の赤色の棒グラフ参照)<br />
<br />
a. 政治経済情報<br />
<br />
日本の新聞などはアフリカ関連の記事が少ないので、大使館が発信する政治・経済ニュースを期待したい。なお、過去のレポートは少なくとも数年間はアーカイブとして読めるように公開して頂きたい。<br />
<br />
b. 大使のエッセー<br />
<br />
また、事実関係だけでなく、大使の意見も読みたい。例えば、在タンザニア大使(岡田眞樹氏)、在ザンビア大使(江川明夫氏)がエッセーを書いている。今は離任したが、在コートジボワール大使(岡村善文氏)はブログを書いて情報発信していた。[4]<br />
<br />
c. 在留邦人のエッセー<br />
<br />
日本にいる読者にとっては在留邦人のエッセーも読み応えがある。在アンゴラ大使館の「アンゴラ奮闘記」、在ケニア大使館の「活躍する日本人紹介」及び「ケニアこぼれ話」など、情報発信しようという意思が感じられる。<br />
<br />
<br />
<div style="background-color: #d9d2e9;">南アフリカ:月刊南ア・ニュース、Fact Sheet、他</div><div style="background-color: #d9d2e9;">エジプト:Information Bulletin - JAPAN</div><div style="background-color: #d9d2e9;">マラウイ:ニューズレター(英文)</div><div style="background-color: #d9d2e9;">タンザニア:大使レター</div><div style="background-color: #d9d2e9;">エチオピア:ニュースレター(年4回)</div><div style="background-color: #d9d2e9;">アンゴラ:アンゴラ経済月報 アンゴラ奮闘記(在留邦人記)</div><div style="background-color: #d9d2e9;">ザンビア:ザンビア便り(大使)</div><div style="background-color: #d9d2e9;">ボツワナ:「ボツワナ情報」「ボツワナでの生活」</div><div style="background-color: #d9d2e9;">ケニア:「『ケニアの現場から』~活躍する日本人」「ケニアこぼれ話」「JOCVの広場」</div><div style="background-color: #d9d2e9;">ルワンダ:ルワンダ月報</div><div style="background-color: #d9d2e9;">モザンビーク:モザンビーク月例報告</div><div style="background-color: #d9d2e9;">リビア:リビアに関する報道</div><br />
<br />
<b>(2) 特に評価したい大使館</b><br />
<br />
今回の評価では、特に3つの大使館を評価したい。在南アフリカ大使館と在エジプト大使館は、情報の量が飛びぬけており、HPを担当された歴代の担当者に敬意を表したい。<br />
<br />
もう1つは、、わずか半年で目覚しく改善した在ジンバブエ大使館である。半年前までは、1年以上更新していない悲惨な内容だった。しかし、新しい大使(福田米蔵氏)が赴任してから、上位に食い込んでいる。HPを良くするもの悪くするのも、大使のやる気次第であることがわかる。<br />
<br />
形式的にHPを作成しているだけの大使館(図の下部にある大使館)は改善し、外務省においては在外公館のHPに期待するミニマムコンテンツのレベルを上げて適切に監督して頂きたい。<br />
<br />
<br />
<b>【 参考文献 】</b><br />
<br />
[1] 過去の評価<br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.jp/2010/01/web-page.html" target="_blank">1回目(2010/1/10)在外公館(アフリカ)のWeb Page評価</a> <br />
<br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.jp/2010/12/hp.html" target="_blank">2回目(2010/12/31)在外公館(アフリカ)のHP評価(2回目)</a> <br />
<br />
<br />
[2] 総務省と外務省<br />
2009/4~2010/5: 総務省による外務省の調査 <br />
2010/5/7: 総務省による外務省への勧告 --- その1<br />
2010/12/10: 外務省からの総務省への回答(1回目)<br />
2012/2/16: 外務省からの総務省への回答(2回目)<br />
2012/3/13: 総務省による2回目のフォローアップ---その2<br />
<br />
(その1)<br />
<a href="http://www.soumu.go.jp/main_content/000064691.pdf">http://www.soumu.go.jp/main_content/000064691.pdf</a><br />
<a href="http://www.soumu.go.jp/main_content/000064692.pdf">http://www.soumu.go.jp/main_content/000064692.pdf</a><br />
<a href="http://www.soumu.go.jp/main_content/000064693.pdf">http://www.soumu.go.jp/main_content/000064693.pdf</a><br />
<a href="http://www.soumu.go.jp/main_content/000064694.pdf">http://www.soumu.go.jp/main_content/000064694.pdf</a><br />
(その2)<br />
<a href="http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/55495.html">http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/55495.html</a><br />
<a href="http://www.soumu.go.jp/main_content/000150378.pdf">http://www.soumu.go.jp/main_content/000150378.pdf</a> <br />
<br />
[3] Website Explorerについて<br />
1.ダウンロード先は <a href="http://www.umechando.com/webex/index.html">http://www.umechando.com/webex/index.html</a><br />
2.料金は、「個人での非商用利用に限り無償」とのこと。<br />
3.具体的な設定方法<br />
(1)ソフトを起動して、[アクション] → [詳細設定] → [フィルタ] → [スタートページのみ解析] する。このようにしないと、リンク先のファイルの大きさまで計測してしまう。<br />
(2)最上部のURLに設定する。<br />
<br />
4.注意点<br />
(1)今回のような分析は、32のHPの相対的な大きさがわかった。しかし次のような問題点があることを指摘したい。<br />
・重い画像ファイルがあるとHPの総サイズが見かけ上、大きくなる。(在ベナン及び在チュニジア大使館のHP)<br />
・古いHPにはそれなりにファイル数が多いので、新しいHPが古いHPと競うのはあまり意味がない。<br />
(2)各HPの大きさの年毎の推移を計測するために適している。<br />
<br />
[4] <a href="http://blog.goo.ne.jp/zoge1" target="_blank">コートジボワール日誌 by 岡村善文氏</a> <br />
<br />
(参考)大使館のHP(図の順番)<br />
<a href="http://www.za.emb-japan.go.jp/index_jp.html" target="_blank">南アフリカ</a> <br />
<a href="http://www.eg.emb-japan.go.jp/j/index.htm" target="_blank">エジプト</a> <br />
<a href="http://www.mw.emb-japan.go.jp/JapaneseSite/index.html" target="_blank">マラウイ</a> <br />
<a href="http://www.bf.emb-japan.go.jp/" target="_blank">ブルキナファソ</a> <br />
<a href="http://www.zw.emb-japan.go.jp/home/index.html" target="_blank">ジンバブエ</a> <br />
<a href="http://www.tz.emb-japan.go.jp/index_j.html" target="_blank">タンザニア</a> <br />
<a href="http://www.bj.emb-japan.go.jp/j/index.html" target="_blank">ベナン</a> <br />
<a href="http://www.tn.emb-japan.go.jp/jp/index.html" target="_blank">チュニジア</a> <br />
<a href="http://www.et.emb-japan.go.jp/index_j.htm" target="_blank">エチオピア</a> <br />
<a href="http://www.sn.emb-japan.go.jp/" target="_blank">セネガル</a> <br />
<a href="http://www.angola.emb-japan.go.jp/" target="_blank">アンゴラ</a> <br />
<a href="http://www.zm.emb-japan.go.jp/indexj.html" target="_blank">ザンビア</a> <br />
<a href="http://www.ma.emb-japan.go.jp/index_j.htm" target="_blank">モロッコ</a> <br />
<a href="http://www.sdn.emb-japan.go.jp/index_j_new.html" target="_blank">スーダン</a> <br />
<a href="http://www.botswana.emb-japan.go.jp/" target="_blank">ボツワナ</a> <br />
<a href="http://www.ug.emb-japan.go.jp/index_j.htm" target="_blank">ウガンダ</a> <br />
<a href="http://www.dz.emb-japan.go.jp/jp/index.html" target="_blank">アルジェリア</a> <br />
<a href="http://www.rdc.emb-japan.go.jp/" target="_blank">コンゴ民主共和国</a> <br />
<a href="http://www.ke.emb-japan.go.jp/j-index.html" target="_blank">ケニア</a> <br />
<a href="http://www.rw.emb-japan.go.jp/index_j.html" target="_blank">ルワンダ</a> <br />
<a href="http://www.mz.emb-japan.go.jp/" target="_blank">モザンビーク</a> <br />
<a href="http://www.ci.emb-japan.go.jp/index_j.htm" target="_blank">コートジボワール</a> <br />
<a href="http://www.ga.emb-japan.go.jp/" target="_blank">ガボン</a> <br />
<a href="http://www.ly.emb-japan.go.jp/" target="_blank">リビア</a> <br />
<a href="http://www.ng.emb-japan.go.jp/j/index.html" target="_blank">ナイジェリア</a> <br />
<a href="http://www.gh.emb-japan.go.jp/j/" target="_blank">ガーナ</a> <br />
<a href="http://www.ml.emb-japan.go.jp/j/index.html" target="_blank">マリ</a> <br />
<a href="http://www.gn.emb-japan.go.jp/j/" target="_blank">ギニア</a> <br />
<a href="http://www.dj.emb-japan.go.jp/j/" target="_blank">ジブチ</a> <br />
<a href="http://www.cmr.emb-japan.go.jp/jp/index-jp.html" target="_blank">カメルーン</a> <br />
<a href="http://www.mr.emb-japan.go.jp/j/" target="_blank">モーリタニア</a> <br />
<a href="http://www.mg.emb-japan.go.jp/j/" target="_blank">マダガスカル</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-65568539555748347412012-05-07T10:16:00.001+09:002012-05-07T10:18:25.547+09:00今のままでは安くならないシェールガス最近 「シェールガス革命」 という用語を頻繁に見聞きするようになった。メディアが注目しだした要因は、停止した原発を補うためLNGの重要性が増したこと、また、日本のLNG輸入価格が米国の天然ガス価格を大きく上回っていることだと思われる。<br />
<br />
シェールガスは米国だけでなく世界中で生産できる可能性がある。その埋蔵量は莫大であるが、生産に伴う環境汚染問題が指摘されており、一部の国は生産を許可していない。<br />
<br />
今回の記事では、<br />
①シェールガスに関する南アフリカのニュースを取り上げ、次に<br />
②シェールガスに関する基本的な解説をして、最後に<br />
③日本のメディアがあまり取り上げていない見解を述べる。<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
南アフリカのシェールガス埋蔵量は世界第5位である。大手石油会社が技術評価を終えており、掘削するための政府承認を待っている。シェールガス開発に関する主な出来事は以下のとおり。<br />
<br />
1.2011年4月、南アフリカ鉱物資源大臣がシェールガス開発のモラトリアムを宣言した。新規に申請を受理しないし、既に受理しているものについては決定の判断をしない、という内容である。[1]<br />
<br />
2.2012年2月の報道によると、<br />
①鉱物エネルギー大臣、科学技術大臣、貿易工業大臣、及び、石油公社社長で構成されるチームが、シェールガス開発に係るリスク評価を実施している。[2]<br />
②鉱物エネルギー大臣は、「2012年3月末迄に評価レポートを内閣に提出する」と発言したが[3]、4月末現在、提出されたという報道はない。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<br />
<b>1.シェールガスの地質構造図、賦存状況、埋蔵量</b><br />
<br />
シェールガスとは、頁岩(けつがん、shale)を人工的に破砕し、割れ目(fracture)をつくり、その中に閉じ込められている天然ガスを採取したものである。<br />
<br />
水平掘りの技術(図1)、割れ目を作る技術(図2)が必要であるが、それらの技術が進歩したため、商業的に生産できるようになった。この割れ目を作る方法が、水圧破砕法(hydrocracking, cracking)である。[4]<br />
<br />
現在は、主に米国で生産されているが、世界中に埋蔵量がある。世界の天然ガスの埋蔵量 1,274TCFに対し、技術的に生産可能なシェールガス 6,622TCFと5~6倍の量である[5]。地域的には、中南米29%、オーストラリア27%、南米18%、アフリカ16%、欧州10%である。南アフリカは世界第5位である。(図3)<br />
<br />
図1:ガス田の地質構造図<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjizq_EkeiZL2N7bhYd9PD4_l7EQ3odnq-Ny4W37QZqMDaMRiG5JxVUrjXMFISCXTXM1eoUcrHKOLo3tk5aY3Jb2QVt1hbbdB-V9cO4nELZ1IGemgzCwG-fVWwy-QXl5noli47wOz7Waqk/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%91%EF%BC%9A%E3%82%AC%E3%82%B9%E7%94%B0%E3%81%AE%E5%9C%B0%E8%B3%AA%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%9B%B3.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="215" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjizq_EkeiZL2N7bhYd9PD4_l7EQ3odnq-Ny4W37QZqMDaMRiG5JxVUrjXMFISCXTXM1eoUcrHKOLo3tk5aY3Jb2QVt1hbbdB-V9cO4nELZ1IGemgzCwG-fVWwy-QXl5noli47wOz7Waqk/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%91%EF%BC%9A%E3%82%AC%E3%82%B9%E7%94%B0%E3%81%AE%E5%9C%B0%E8%B3%AA%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%9B%B3.png" width="320" /></a></div><br />
図2:シェールガス地質構造図<br />
<span id="goog_1896611578"></span><span id="goog_1896611579"></span><br />
<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjtbchZEVGtLFlPQyB2gFybWIRhy6whCS4MOvt19xYQFpqKfV6qvqM7xRXM6Dpnyeu7WylhvamgGkH0Wsi6h8qfx0zAIaFmZluh_ztxL-bqCnvP0hwhNt3U61lIk3xYtNUf0bJxC4Zu8OQ/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%92%EF%BC%9A%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%B9%E5%9C%B0%E8%B3%AA%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%9B%B3.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="226" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjtbchZEVGtLFlPQyB2gFybWIRhy6whCS4MOvt19xYQFpqKfV6qvqM7xRXM6Dpnyeu7WylhvamgGkH0Wsi6h8qfx0zAIaFmZluh_ztxL-bqCnvP0hwhNt3U61lIk3xYtNUf0bJxC4Zu8OQ/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%92%EF%BC%9A%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%B9%E5%9C%B0%E8%B3%AA%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%9B%B3.png" width="320" /></a></div><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"></div>図3:シェールガス埋蔵量<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEivO3Ab3htgVIxK3GvNySmjM0wnp2yFh8lbzlHJrInlJSYY-EBipTgMOuusXT_7ahyphenhyphen9wfsCnWYdBNCMsS1v8kaWKuaz_oShD948g8dvpSkscl0QKOXaPGlCdaeytZr7Yp_GFuOsxGIWp_Q/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%93%EF%BC%9A%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%B9%E5%9F%8B%E8%94%B5%E9%87%8F.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="272" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEivO3Ab3htgVIxK3GvNySmjM0wnp2yFh8lbzlHJrInlJSYY-EBipTgMOuusXT_7ahyphenhyphen9wfsCnWYdBNCMsS1v8kaWKuaz_oShD948g8dvpSkscl0QKOXaPGlCdaeytZr7Yp_GFuOsxGIWp_Q/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%93%EF%BC%9A%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%B9%E5%9F%8B%E8%94%B5%E9%87%8F.png" width="320" /></a></div><br />
<br />
<b></b><br />
<b>2.シェールガス開発の問題点</b><br />
<br />
<b>(1) 危惧されている問題点</b><br />
<br />
水圧破砕には各社秘密の化学物質が、生産層の上部にある岩盤層の小さな亀裂を通って浸透し、飲料水に使われる水を含む帯水層に混入し汚染するのではないか、という危惧がある。また、水圧破砕している最中は坑井内の化学物質は強い圧力下にあるが、それが坑井の壁面(セメントとスチールのケーシングで防護されている)に割れ目を作り、帯水層に漏れることが危惧される。[6]<br />
<br />
このような問題があるため、フランス、ブルガリア、南ア、スイス、オランダでは国全土においてシェールガス開発が禁止されている。また、他国では108地域において禁止されている。[7]<br />
<br />
<b>(2) 米国EPAの調査</b><br />
<br />
米国環境保護局(Environmental Protection Agency: EPA)が2011年12月に発表したドラフト報告書[8]によると、ワイオミング州Pavillion地域におけるシェールガスの水圧破砕法が水質汚染の原因となっていると結論付けた。ただし当該地域に固有な地質は、他の地域のそれとは違うので、因果関係については慎重な立場をとっている。[9] なお、EPAの第一次レポートは2012年末に、そして最終報告書は2014年に発表される予定である。[10] 現在モラトリアム宣言をしている国・地域は、このレポートの結果を待っているはずである。<br />
<br />
<b>(3) 水を使わない方法(GasFrac)</b><br />
<br />
カナダの会社(GASFRAC Energy Services)が開発したLPG破砕法(LPG fracturing technology) という新技術が2つの意味で注目される[11]。第1に、水質汚染の原因である水を使わないので、諸問題の突破口となる可能性がある。第2に、LPGを使うことで、より大きな体積のシェール層を破砕できるとされており、より多くのガスを生産できるという[12]。同社は2011年11月に「World Shale Gas Award for Technological Innovator」という賞を受賞している。[13]<br />
<br />
<br />
<b>3.南アフリカにおける状況</b><br />
<br />
南アフリカでは、Shell、Sasol、Statoilなど大手石油会社が技術評価をするために鉱区を与えられており、実際に掘削する段階にきているが、現在のところシェールガス開発はモラトリアムになっている。<br />
<br />
図4:外国企業の鉱区申請状況<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhbOyeZqycgKWfjvqkUWzI1qrsZhGqOVz8NHjKEWl2Kt85cI4S3Zmg-7I5jw7qgctaF8VjyuPDr3LJz5QMKt5UwEsdPFr9UjYsPMNwosp8w2jcbvsg5lRkSVDqEdagRoJTca1kggFb5VgY/s1600/%E5%9B%B3%EF%BC%94%EF%BC%9A%E5%8D%97%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E9%99%B8%E4%B8%8A%E9%89%B1%E5%8C%BA.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="278" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhbOyeZqycgKWfjvqkUWzI1qrsZhGqOVz8NHjKEWl2Kt85cI4S3Zmg-7I5jw7qgctaF8VjyuPDr3LJz5QMKt5UwEsdPFr9UjYsPMNwosp8w2jcbvsg5lRkSVDqEdagRoJTca1kggFb5VgY/s320/%E5%9B%B3%EF%BC%94%EF%BC%9A%E5%8D%97%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E9%99%B8%E4%B8%8A%E9%89%B1%E5%8C%BA.png" width="320" /></a></div><br />
<br />
冒頭のニュースの欄において述べたように、政府はシェールガス開発の問題点を評価しているところであり、遅かれ早かれ公表するはずである。しかし、この問題が技術的問題だけでなく、政治的な問題になりつつある。<br />
<br />
南アフリカの黒人権利拡大政策(BEE 政策)[14]の一環として、Shellは Thebe Investment Corporationとマーケティング事業と精製事業でパートナーを組んでいる。そして、Thebeの大株主であるBatho Batho Trustは南アの与党であるANC (African National Congress, アフリカ民族会議)と密接な関係にある。野党第一党であるDA(Democratic Alliance, 民主同盟)は、「ThebeはShellとの合弁を解消すべきである」という趣旨の発言をしている。[15]<br />
<br />
政府/ANC が実施しているシェールガス開発の評価の内容が、Shellに都合が悪いのであれば、そのレポートの公表は延期されるかもしれない。あるいは、Shellに都合が良いのであれば、ANCも利益を得ることになる。このように、政治が絡む要素があるのである。<br />
<br />
<div style="color: red;"><b><br />
</b></div><b style="color: red;">【 コメント 】</b><br />
<br />
1.シェールガス開発のリスクを割り引いても、南アフリカのシェールガスに注目する価値があると考える。<br />
<br />
<br />
2.近年、商社などが北米のシェールガス事業に参加するようになり、国は資金的支援するようである[16]。ここで注意しなければならないことは、<br />
①「業界の支援」と「日本国民の支援」は違うし、<br />
②「安定供給の確保」と「低廉な供給」は違う<br />
③石油・ガス開発には「上流」「中流」「下流」という段階がある---ということである。<br />
<br />
商社などが、シェールガスの上流権益を取得して、ガス開発して、LNGを日本に持ち込んで電力・ガス会社に販売する場合、販売価格は、日本が中東などから輸入するLNG価格と同じである。もし大幅に割り引いて販売したならば、株主から訴訟を起こされるのは必須だ。<br />
<br />
国が商社のシェールガス事業を支援するということは、「安定供給の確保」には役立つが、消費者が支払う電力料金やガス料金は下がらないのである。<br />
<br />
要するに、日本の電力・ガス会社が鉱区の「上流権益」を取得して、自らがガス開発しなければ安価なLNGを調達できないのである。(上流権益を取得するということは、リスク度合いが高い探鉱・開発の費用を負担することであり、成功した場合には権益分のガスを引き取ることである。)自由化が進んで競争をせざるを得ない欧州の会社は、ガス田の上流権益を取得しているのである。<br />
<br />
日本の電力・ガス会社が高いLNGを購入している理由は、「総括原価方式」を採用しているため、高価なLNGであっても、消費者に転嫁できる仕組みになっているためである。日本の電力・ガス会社の全てが同じようなLNG価格を支払っているので、「皆で渡れば怖くない」仕組みになっている。制度上、安定供給を求めればよいのであり、上流事業のリスクをとってまで安価なLNGを調達しようという企業努力をする必要がないのである。<br />
<br />
消費者が支払う電力・ガス料金を下げるためには、電力・ガス会社自らがガス田の上流権益を取得して、国際価格以下の安いLNGを調達するしかない。国が資金援助する場合において、商社よりも電力・ガス会社を優遇することで政策誘導することは可能である。<br />
<br />
<b style="color: red;">【 参考文献 】</b><br />
<br />
[1] <a href="http://www.dmr.gov.za/publications/summary/87-media-releases/38-minerals-department-will-neither-accept-nor-finalise-current-applications-for-shale-gas-exploration-29-april-2011.html" target="_blank">Minister of Mineral Resourcesのメディアリリース(2011/4/29)</a><br />
[2] 水・環境大臣はメンバーには入っていない。<br />
<a href="http://www.da.org.za/newsroom.htm?action=view-news-item&id=9346" target="_blank">Gas Exploration: More reasons why a moratorium is in order(2011/4/13)</a><br />
[3] <a href="http://www.businessday.co.za/articles/Content.aspx?id=163804" target="_blank">Bid to keep veil over fracking task team (2012/02/01)</a><br />
[4] <a href="http://www.oerb.com/Default.aspx?tabid=242" target="_blank">掘削ビデオ</a> <br />
[5] <a href="http://www.eia.gov/analysis/studies/worldshalegas/pdf/fullreport.pdf" target="_blank">World Shale Gas Resources:An Initial Assessment of 14 Regions Outside the United States (APRIL 2011)</a><br />
[6] <a href="http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&ved=0CJgBEBYwAA&url=http%3A%2F%2Fwww.joi.or.jp%2Fmodules%2Fdownloads_open%2Findex.php%3Fpage%3Dvisit%26cid%3D13%26lid%3D783&ei=gealT66sHbHHmQW1sYDiBA&usg=AFQjCNFMOLZR0SA_Y8wmTW_yWTxiVy6ENQ&sig2=qamOdd4kfjrg-Z-ygpF0Zw" target="_blank">非在来型天然ガスセミナー ヴィンソン・アンド・エルキンス外国法事弁護士事務所</a><br />
[7] <a href="http://www.iol.co.za/capeargus/fracking-bids-are-fatally-flawed-1.1236820" target="_blank">Fracking bids ‘are fatally flawed’(2012/2/17)</a><br />
[8] <a href="http://www.epa.gov/region8/superfund/wy/pavillion/index.html" target="_blank">EPAドラフト報告書(2011/12/8)</a> <br />
[9] 本件を報じた記事 <a href="http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2011/12/08/143381365/epa-report-links-fracking-to-water-pollution" target="_blank">EPA Report Links Fracking To Water Pollution (NPR、2011/12/8)</a><br />
<a href="http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120418/231149/" target="_blank">「シェールガスの環境問題」の具体的な中身: 地下水汚染やメタンガスの漏洩だけではない (日経ビジネス、2012/4/23、大場紀章)</a><br />
[10] <a href="http://www.epa.gov/hfstudy/">http://www.epa.gov/hfstudy/</a><br />
[11] <a href="http://www.gasfrac.com/">http://www.gasfrac.com/</a> <br />
<a href="http://insideclimatenews.org/news/20120415/waterless-fracking-method-propane-gasfrac-bypass-new-york-ban-hydraulic-fracturing-tioga-county" target="_blank">紹介記事</a> <br />
[12] <a href="http://www.gasfrac.com/operator-advantages.html">http://www.gasfrac.com/operator-advantages.html</a><br />
[13] <a href="http://www.gasfrac.com/assets/docs/PDFS/GASFRACreceivesprestigiousaward.pdf">http://www.gasfrac.com/assets/docs/PDFS/GASFRACreceivesprestigiousaward.pdf</a><br />
[14] <a href="http://www.jetro.go.jp/jfile/country/za/invest_11/pdfs/bee_jpn.pdf" target="_blank">南アフリカ共和国におけるBEE政策</a><br />
[15] <a href="http://www.da.org.za/newsroom.htm?action=view-news-item&id=10546" target="_blank">DA calls for ANC to divest from firm set to gain from fracking (2012/4/10)</a><br />
[16] <a href="http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings/material/zaitoa231115.htm" target="_blank">財政投融資分科会(平成23年11月15日開催)資料一覧</a><br />
<a href="http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings/material/zaitoa231115/1-2.pdf" target="_blank">資料1-2</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-19590752630148464892012-03-27T10:53:00.003+09:002012-05-20T09:56:31.487+09:00アフリカの小型武器問題バナナの貿易より、通常兵器の貿易のほうが簡単だそうだ[1]。その結果、アフリカではAK-47という自動小銃が広範に出回っており、治安が脅かされている。<br />
<br />
2012年7月には、国連で武器貿易条約(Arms Trade Treaty)を議論する交渉会議が開催される。また、2013年6月には、横浜で第5回アフリカ開発会議(TICAD Ⅴ)が開催され、小型武器の問題も議論される。(下記のニュース参照)<br />
<br />
今回のブログでは、両方のイベントに関係することだが、最近発表された武器貿易統計を紹介する。加えて、小型武器に関する日本の支援に対してコメントする。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
<blockquote class="tr_bq" style="background-color: #cfe2f3;"><b>アフリカ開発会議 横浜で開催へ</b> (NHK、2012/3/20) [2]<br />
<br />
日本政府は、来年、アフリカ諸国の首脳級を招いて横浜市でTICAD=アフリカ開発会議を開き、小型武器の廃棄などについて、新たな支援策を示す方針を明らかにしました。<br />
これは、ニューヨークの国連本部で19日から始まった拳銃や機関銃など小型武器の管理強化策を話し合うための会議で、日本の兒玉国連次席大使が明らかにしたものです。<br />
この中で、兒玉次席大使は「アフリカでは、小型武器の不法取引が増加し、紛争の長期化や政治状況の不安定化を招いている。日本は武器の回収や廃棄などの分野で支援を強化する」と述べました。<br />
そのうえで、来年6月に、アフリカ諸国の首脳級の代表を招いて、「TICAD=アフリカ開発会議」を横浜市で開催し、小型武器の管理について、日本としての新たな支援策を示す方針を明らかにしました。<br />
アフリカ開発会議は日本政府の主催で5年ごとに日本で開かれていて、横浜での開催は前回に続いて2度目です。</blockquote><br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 解説 】</b></div><br />
<b>1.武器の種類</b><br />
<br />
武器は次のように分類できる。<br />
<br />
(1) 大量破壊兵器(WMD):核兵器、生物化学兵器など<br />
(2) 通常兵器<br />
①特定通常兵器:戦車、装甲戦闘車両、大口径火砲、戦闘用航空機、攻撃ヘリ、軍艦、ミサイルの7種の通常兵器。<br />
②小型武器(SALW)<br />
a.小火器(Small Arms): 一人で携帯・使用が可能な武器<br />
b.軽兵器(Light Weapons):数名で運搬・使用が可能武器<br />
c.弾薬及び爆発物<br />
<br />
<br />
<b>2.通常兵器の統計</b><br />
<br />
<b>(1)世界レベルの統計</b><br />
<br />
2012年3月19日、ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute) が2011年の通常兵器輸出入の統計を発表した。表1は、世界レベルでの輸出国と輸入国をグラフ化したものであるが、米国、ロシア、ドイツ、フランス英国の順で、輸出が多い。[3]<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg4LU3uhSrtBAm_tjILNTR66HYD6rA72lDavIoVUDFCU6bl3q1HB67A9htZ8CqP1Z8TX8zMFW7Qb5fR1kKNHmUWeCs7aUjLJ4sGFF8YbiUaiFUQSJuG-8SxlfJfqZHvjB_4WkJZAAbqLSA/s1600/%E8%A1%A8%EF%BC%91%E6%AD%A6%E5%99%A8%E8%BC%B8%E5%87%BA%E5%9B%BD.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="260" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg4LU3uhSrtBAm_tjILNTR66HYD6rA72lDavIoVUDFCU6bl3q1HB67A9htZ8CqP1Z8TX8zMFW7Qb5fR1kKNHmUWeCs7aUjLJ4sGFF8YbiUaiFUQSJuG-8SxlfJfqZHvjB_4WkJZAAbqLSA/s320/%E8%A1%A8%EF%BC%91%E6%AD%A6%E5%99%A8%E8%BC%B8%E5%87%BA%E5%9B%BD.jpg" width="320" /></a></div><br />
<b>(2)アフリカに限定した統計</b><br />
<br />
表2は、同じ統計資料を使って、アフリカ主要輸出入国の武器貿易額をマトリックスにしたものである。輸出が大きい順に、ロシア、米国、フランス、スウェーデン、オランダであり、輸入は、モロッコ、アルジェリア、エジプト、ウガンダの順である。南アフリカとナイジェリアは輸出国でもある。個別には、フランスからモロッコ、ロシアからアルジェリア、米国からモロッコの額が顕著である。[4]<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi7eKJkSUHvHKPqiMt4p7sLJhExD5s8P0hW9wZ3gudtty04VvFCqmJ9FQ7zEaZMXUbE7G71w3LdLQMzIZ9VpfFerF08HHG_MH1tkZv91xIVSKABNEZGH_tuNPhNEN9d8ROA5ETVd7-iq1o/s1600/%E8%A1%A8%EF%BC%92%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%AD%A6%E5%99%A8matrix.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="250" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi7eKJkSUHvHKPqiMt4p7sLJhExD5s8P0hW9wZ3gudtty04VvFCqmJ9FQ7zEaZMXUbE7G71w3LdLQMzIZ9VpfFerF08HHG_MH1tkZv91xIVSKABNEZGH_tuNPhNEN9d8ROA5ETVd7-iq1o/s320/%E8%A1%A8%EF%BC%92%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%AD%A6%E5%99%A8matrix.jpg" width="320" /></a></div><br />
参考まで、表3は、2010年軍事費(上位10位)である。10国の合計は、日本の軍事費の39%に相当する額である。[5]<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiFaUsC9FjxfPJ5e1CRxWK14GR95qWM9vxNyfzItgkD9uRv8f3wiuhCUf7NtmaSrx0b7JJ7QVNUglWspM3xRmdamlm0aZzn-NIh5RkOqHx_YzrZPbykPKkzZAXF9nPnlNbyOALxbdwu_ww/s1600/%E8%A1%A8%EF%BC%93%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E8%AB%B8%E5%9B%BD+top+10+%E3%81%AE%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E8%B2%BB%E3%80%802010%E5%B9%B4.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="286" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiFaUsC9FjxfPJ5e1CRxWK14GR95qWM9vxNyfzItgkD9uRv8f3wiuhCUf7NtmaSrx0b7JJ7QVNUglWspM3xRmdamlm0aZzn-NIh5RkOqHx_YzrZPbykPKkzZAXF9nPnlNbyOALxbdwu_ww/s320/%E8%A1%A8%EF%BC%93%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E8%AB%B8%E5%9B%BD+top+10+%E3%81%AE%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E8%B2%BB%E3%80%802010%E5%B9%B4.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
表2には、中国の数字がない。表4は、ストックホルム国際平和研究所が別の統計を2011年12月に発表しているものだが、中国とウクライナが武器市場のシェアを拡大していることがわかる[6]。また、統計には出てこない不法取引の問題がある。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEid46aef91lE4f3Ldjfw_tu6TTCfpkGKViRWFrciC51jc46iwQcLh7PlFd7CNa-1JxFna03xUhxGZjn8TAYWMDtZvf0lWQpO_y6LfHJkP5wa0ru4hlp1GdW4VsB98as2v8uJC0msXXSTBY/s1600/%E8%A1%A8%EF%BC%94%E3%82%B5%E3%83%96%E3%82%B5%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%EF%BC%88%E9%99%A4%E5%8D%97%E3%82%A2%EF%BC%89%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%AD%A6%E5%99%A8%E8%BC%B8%E5%87%BA.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="239" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEid46aef91lE4f3Ldjfw_tu6TTCfpkGKViRWFrciC51jc46iwQcLh7PlFd7CNa-1JxFna03xUhxGZjn8TAYWMDtZvf0lWQpO_y6LfHJkP5wa0ru4hlp1GdW4VsB98as2v8uJC0msXXSTBY/s320/%E8%A1%A8%EF%BC%94%E3%82%B5%E3%83%96%E3%82%B5%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%EF%BC%88%E9%99%A4%E5%8D%97%E3%82%A2%EF%BC%89%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%AD%A6%E5%99%A8%E8%BC%B8%E5%87%BA.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<br />
<b>3.事実上のWMDである小型武器</b><br />
<br />
<b>(1) 小型武器の暴威</b><br />
<br />
<blockquote class="tr_bq" style="background-color: #cfe2f3;">国連では統計はとっておらずあくまでも参考値ではあるが、小型武器の蔓延を示す数字として以下のようなものがある。合法・非合法を問わず世界中に蔓延している小型武器の数は7億5千万から10億。紛争に関連して主に小型武器によって命を落とす人は年間30万人。紛争以外の状況で小型武器によって命を落とす人は年間20万人。小型武器の製造数は年間800万。小型武器の貿易額は年間40億ドル。[7]</blockquote><br />
<b>(2) AK-47</b><br />
<br />
自動小銃AK-47は、単純な構造なため、安価であり、故障しないで長持ちする。そして猿でも扱える操作性を持っているので、少年兵でも扱えるのである。[8]<br />
<br />
<div style="color: red;"><b><br />
</b></div><div style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></div><br />
アフリカでは、住民の多くが銃を保有している地域があり、現地政府は回収して焼却している。日本も支援している。今後、日本人が現地に赴き、「銃は平和をもたらさないので、放棄すべきだ。」というキャンペーンをしても、大半の人々は銃を手放すはずがない。なぜならば、次の3つのシステムが確立されていないからである。「日本で刀狩が成功したのだから、アフリカでも成功するはずである」と考えてはいけない。<br />
①警察あるいは軍が住民を守るシステム。<br />
②対立する部族が均衡をとりつつ武器を放棄するシステム。<br />
③不法武器の流入を阻止するシステム。<br />
<br />
現在のアフリカの状況下においては、「武器は自衛のために必要なものである」と考えた方がよさそうである。なぜならば、アフリカ中部ではレイプ事件が発生しているが[9]、武器で抵抗されるということを知れば、乱暴者はそのような事件を起こさなかったかもしれないからである。<br />
<br />
日本政府がアフリカの小型武器の問題解決をする「姿勢」を示すことは重要である。しかし、大金を使ってもそれは「焼け石に水」であると考えられるので、費用に見合った効果を得られることに限定して支出してもらいたい。ちなみに、日本はアジア・アフリカ等において、2001年から2005年までで総計約305億円(269百万ドル)を武器回収などに使っている。[10] <br />
<br />
上記①~③のシステム構築の内、<br />
①の警察あるいは軍が住民を守るシステム構築: 日本政府が警察官や自衛官を派遣して、現地の人材育成、日本の規律を教えることは、費用対効果が良いと考える。<br />
②の部族間で均衡をとりつつ武器を放棄させるシステム構築: 現地の責任者が実施することである。<br />
③の不法武器が不法武器を流入させないシステム構築: 国際的に取り組むことであり、まさに現在検討されている武器貿易条約が重要な役割を果たすことが期待される。<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1] <a href="http://ipsnews.net/news.asp?idnews=106708" target="_blank">Arms Easier to Trade Than Bananas (2012/2/19, IPS)</a><br />
[2] <a href="http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120320/k10013846031000.html" target="_blank">NHKニュース (2012/3/20)</a><br />
[3] <a href="http://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2012/03/daily-chart-13" target="_blank">Economist (2012/3/20)</a><br />
[4] <a href="http://armstrade.sipri.org/armstrade/page/values.php" target="_blank">ストックホルム国際平和研究所</a><br />
[5] <a href="http://milexdata.sipri.org/files/?file=SIPRI+milex+data+1988-2010.xls" target="_blank">ストックホルム国際平和研究所(エクセル表)</a><br />
[6] <a href="http://books.sipri.org/files/PP/SIPRIPP30.pdf" target="_blank">Arms Flows to Sub-Saharan Africa (SIPRI、2011/12)</a><br />
<a href="http://www.france24.com/en/20120307-china-arms-trade-africa-sudan-usa-uk-business-military" target="_blank">China's presence grows in murky world of arms trading (2012/3/8)</a><br />
[7] 「小型武器問題-国連行動計画の履行と日本の取組み」(2007/7/12) 益子崇、大村周太郎<br />
<a href="http://www.unforum.org/lectures/39.html" target="_blank">議事録</a> <a href="http://www.unforum.org/lectures/39qa.html" target="_blank">質疑応答</a> <br />
[8] <a href="http://www.youtube.com/watch?v=fCpgj6z6h7I" target="_blank">History Of AK-47</a> 必見<br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=cgKHhQFOmXM" target="_blank">Ape With AK-47 (サルでも撃てるAK-47)</a> <span style="color: red;">笑える</span><br />
[9] <a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/110126/mds1101262339048-n2.htm" target="_blank">コンゴ242人レイプ被害 「国連『武装勢力に裁きを」(2010/9/3、産経新聞) </a><br />
[10] <a href="http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/sw/gaiyo.html" target="_blank">小型武器問題について(外務省HP)</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-62114087976651759232012-01-27T10:14:00.002+09:002012-01-27T16:23:50.572+09:00コンゴ回想録TBSテレビ日曜劇場『南極大陸』をご覧になったでしょうか? 1956年秋から1957年春に派遣された第1次南極観測隊は、敗戦国日本の復興を掛けた一大プロジェクトでした。<br />
<br />
それからわずか4年後の1960年、日本は国連の援助要請に応えて、コンゴ共和国(現コンゴ民主共和国)に医療班を派遣しています。外務省のホームページに次のように記載されております。<br />
<br />
<blockquote class="tr_bq" style="background-color: #cfe2f3;">コンゴー(レオポルドヴィル)共和国動乱による医療サーヴィスの窮状を打開するため、国連事務総長の要請でWHO(世界保健機関)を経て赤十字国際委員会が同国の援助に乗り出すことになり、昨年七月末、日赤に対しても医療班のコンゴー派遣方要請があった。日赤は経費につき政府の援助を得て、日赤中央病院内科宮本貴文医学博士、同外科荒木洋二博士および外事部員渡辺晃一(通訳)の三氏をコンゴーに派遣した。同医療班はコンゴー到着後赤十字国際委員会によりレオポルドヴィル州北東部イノンゴ地方に派遣され、八月から三カ月間にわたり同地方住民の治療に当った後、十二月始め無事任務を終了、帰国した。</blockquote><a href="http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1961/s36-contents.htm">http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1961/s36-contents.htm</a><br />
<a href="http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1961/s36-2-2-8.htm#8">http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1961/s36-2-2-8.htm#8</a><br />
<br />
<br />
派遣された宮本貴文医師の回想録を入手しました。当時のコンゴの事情などが詳細に書かれており、歴史的価値がある内容だと考えますので、ご子息の宮本幸夫 慈恵医大教授 のお許しを得て、ここに紹介します。なお、これは1979年~1980年の『水戸医師会報』に掲載されたものです。<br />
<br />
本文は 「アフリカのニュースと解説」のタブページ(コンゴ回想録)でお読み下さい。(↓をクリック)<br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/p/congo.html">http://let-us-know-africa.blogspot.com/p/congo.html</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-48247118774184853692012-01-06T16:33:00.004+09:002012-01-06T16:38:28.944+09:00難民問題:正義だけでは国が滅ぶ2011年6月、米国の公共ラジオ局(NPR)が、日本では難民申請者は困難に直面しているというラジオ番組を放送した。ナイジェリアの女性が成田空港の入国管理事務所で難民宣言をしたところ、直ちに手錠をかけられ、それから4年間も難民収容所に収容されている、---という内容であった。[1] <br />
<br />
難民を支援するボランティア団体は、日本は難民受け入れに消極的である、と批判している。批判があるにも関わらず簡単に解決できないでいる理由は、<br />
①入管が不法移民のなかから難民を見分けることが容易ではないこと。<br />
②入管が複雑な国際政治情勢を理解していなければならないこと。<br />
③その他、政治的問題(日本国内の治安確保、永住権の付与)など様々な問題が絡み合ってこと。<br />
<br />
2011年7月、フジテレビがビルマの難民を題材とした「ザ・ノンフィクション『となりの難民たち』」という番組を放映したが[2]、在日ビルマ難民たすけあいの会 会長の大瀧妙子さんの発言が忘れられない。<br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">難民として認めるハードルが高いために、よその国では認められる難民が日本では認められない。難民の人が命からがら国から逃げてくる時に、自分の本名でパスポートをとったら、飛行場で引っかかるかもしれない。そうすると日本の入管が自分の正規のパスポートで逃げてきた人には、「あなた、自分のパスポートで国を出られたんでしょう。あなた、危なくないですよ。」そう言うんですよ。だから難民ダメですよ。今度は偽のパスポートで逃げてきた人には、「あなた、不法入国でしょ。そんなのはどんでもない。難民じゃない。」と。どちらも認めない、と。</div><br />
<br />
しかし数年以内に大きな変化が訪れるかもしれない。理由は、北朝鮮の政情不安により脱北者が日本にたどり着く可能性があること、及び、民主党が脱北者の難民認定を緩和して日本に定住させようとしているからである。<br />
<br />
今回は、日本の政治家(特に民主党)が、難民や移民問題についてどのように考えているのか、ということを中心に紹介したい。<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 ニュース 】</b></div><br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">2011/12/25: <b>北朝鮮の難民保護に自治体協力 政府検討、米と連携も</b> [3]</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">政府は北朝鮮の金正日総書記死去を受け、同国からの大量難民流入を想定した対策の検討に入った。難民の一時保護などで日本海側の自治体の協力を得るため事前協議を進め、受け入れが可能な施設を選定。朝鮮半島が不安定化した場合の韓国在留邦人輸送に備え、米軍との連携緊密化を図る。政府関係者が24日明らかにした。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">北朝鮮情勢について日本政府は「現時点で特異な事象はない」と分析。だが権力継承が安定的に進む保証はなく、野田佳彦首相は19日に「不測の事態に備えた万全の態勢整備」を指示した。関係府省庁は直ちに、1994年に金日成主席が死去した際に作成された緊急事態に関するシナリオを参照し練り直しに入った。</div><br />
<div style="color: red;"><b>【 解説 】</b></div><br />
<b>1.難民受け入れの統計</b><br />
<b><br />
</b><br />
<b>(1) 主要国の難民受け入れ実績</b> [4]<br />
<br />
図1のとおり日本の難民受け入れ数は少ない。そもそも日本には難民が来ないし、日本の「難民認定率」は西欧並みである。[5]<br />
<br />
図1:<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhpEagdEPHnvrdSAvJvB6Vs33-H936Bz6dAZpaWSzxFbGm6m-LRJbamAURtmGITHyP3iI_0D8rqqMKEyGBWOEmi-_g4vDh95WilkkQvVwyDAKnOIWFHdgaWBTwVSIVXZqJcTxO0rA_sZCM/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2591%25EF%25BC%259A%25E9%259B%25A3%25E6%25B0%2591%25E3%2580%2580%25EF%25BC%25A7%25EF%25BC%2597%25E5%258F%2597%25E3%2581%2591%25E5%2585%25A5%25E3%2582%258C%25E5%25AE%259F%25E7%25B8%25BE.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="161" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhpEagdEPHnvrdSAvJvB6Vs33-H936Bz6dAZpaWSzxFbGm6m-LRJbamAURtmGITHyP3iI_0D8rqqMKEyGBWOEmi-_g4vDh95WilkkQvVwyDAKnOIWFHdgaWBTwVSIVXZqJcTxO0rA_sZCM/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2591%25EF%25BC%259A%25E9%259B%25A3%25E6%25B0%2591%25E3%2580%2580%25EF%25BC%25A7%25EF%25BC%2597%25E5%258F%2597%25E3%2581%2591%25E5%2585%25A5%25E3%2582%258C%25E5%25AE%259F%25E7%25B8%25BE.jpg" width="320" /></a></div><br />
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<br />
<br />
<b>(2) 日本の実績</b> [6]<br />
<br />
「難民条約」による認定以外にも、人道的配慮から滞在を認めている。図2でみると、近年人道配慮による庇護数が大幅に増えている。<br />
<br />
図2:<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhcfmNnYs2RGVPUR60KmM_iW0Rw686yKF6UlAUh15rsvG7kFht8lnXvnegYCWj1hnKfq3hh7BnwYS9VD2BhoTHvC8bji25WGO2fvXMhykEKjJ0b2DETYcYFI1OOP4Qw7QRMXR_rYUyBwdA/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2592%25EF%25BC%259A%25E9%259B%25A3%25E6%25B0%2591%25E3%2580%2580%25E5%25BA%2587%25E8%25AD%25B7%25E6%2595%25B0%25E3%2581%25AE%25E6%258E%25A8%25E7%25A7%25BB.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="305" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhcfmNnYs2RGVPUR60KmM_iW0Rw686yKF6UlAUh15rsvG7kFht8lnXvnegYCWj1hnKfq3hh7BnwYS9VD2BhoTHvC8bji25WGO2fvXMhykEKjJ0b2DETYcYFI1OOP4Qw7QRMXR_rYUyBwdA/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2592%25EF%25BC%259A%25E9%259B%25A3%25E6%25B0%2591%25E3%2580%2580%25E5%25BA%2587%25E8%25AD%25B7%25E6%2595%25B0%25E3%2581%25AE%25E6%258E%25A8%25E7%25A7%25BB.jpg" width="320" /></a></div><br />
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<b>(3) 韓国が受け入れた脱北者の数</b> [7]<br />
<br />
図3は韓国の各年の受け入れ人数であり、累計数では17,000人以上である。韓国にたどり着ける人はごく一部で、中国には数万人から数十万人が中国国内に潜伏しているとみられている。古い数字であるが、2004~2005年の時点において、96%が経済的理由から脱北している[8]。日本には、約150人(2008年頃の数字)滞在している[9]。<br />
<br />
図3:<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgv0QWbL0DHz_I1wML1TzSD3FfKhAhAuXybt3qiN4Td_0VQ2A7CYHcl5Th5eMClyaH1UNTwXVz-Z_goO7bxMIv3gREYuGTg37VIAjB9gp93dtMAV6yhAcoNEAZRfKSNq4d820Lwy-G-vdo/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2593%25EF%25BC%259A%25E9%259B%25A3%25E6%25B0%2591%25E3%2580%2580%25E9%259F%2593%25E5%259B%25BD%25E3%2581%25AB%25E5%2588%25B0%25E9%2581%2594%25E3%2581%2597%25E3%2581%259F%25E8%2584%25B1%25E5%258C%2597%25E8%2580%2585%25E3%2581%25AE%25E6%258E%25A8%25E7%25A7%25BB.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="269" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgv0QWbL0DHz_I1wML1TzSD3FfKhAhAuXybt3qiN4Td_0VQ2A7CYHcl5Th5eMClyaH1UNTwXVz-Z_goO7bxMIv3gREYuGTg37VIAjB9gp93dtMAV6yhAcoNEAZRfKSNq4d820Lwy-G-vdo/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2593%25EF%25BC%259A%25E9%259B%25A3%25E6%25B0%2591%25E3%2580%2580%25E9%259F%2593%25E5%259B%25BD%25E3%2581%25AB%25E5%2588%25B0%25E9%2581%2594%25E3%2581%2597%25E3%2581%259F%25E8%2584%25B1%25E5%258C%2597%25E8%2580%2585%25E3%2581%25AE%25E6%258E%25A8%25E7%25A7%25BB.jpg" width="320" /></a></div><br />
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<br />
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<br />
<b>2.国会の決議</b><br />
<br />
2011年11月、衆参両議院において、全議員による全会一致の賛成で「難民の保護と難民問題の解決策への継続的な取り組みに関する決議案」が採択された。難民保護及び人道支援について日本がリーダーシップをとることが表明された。[10]<br />
<br />
<b>3.国会議員の考え方(難民・移民政策)</b><br />
<br />
<b>(1) 難民問題に深く関与している議員</b><br />
<br />
難民問題に積極的に関与している代表的な議員は、(敬称略)<br />
①裁判官や弁護士出身の議員:江田五月(民主)、千葉景子(民主)、福島瑞穂(社民) 他<br />
②党の勉強会(民主党難民問題WT)などの経験がある議員:中川正春、稲見哲夫、中村哲治、今野東(民主) 他<br />
③「UNHCR 国会議員連盟」に所属している議員:逢沢一郎(自民) 他50名以上<br />
④NGOでの勤務経験がある議員:山内康一(みんな) 他<br />
<br />
<b>(2) 外国人労働者(移民)を増やしたい議員</b><br />
<br />
難民問題と移民問題は切り離せないが、移民問題について提案しているグループが民主党と自民党に存在する。どちらも1,000万人の移民を受け入れることを提案している。ちなみに、日本の人口は約1億2,700万人、就業者数は 6,260万人[11] である。<br />
<br />
a. 2003年9月、民主党の若手6議員が「1,000万人移民受け入れ構想」を発表した。[12]<br />
b. 2008年6月、自民党の「外国人材交流推進議員連盟」(会長:中川秀直、約80人)が、今後50年間で1,000万人の移民を受け入れる提言を総会でまとめた。[13]<br />
<br />
<br />
<b>4.民主党が目指す難民・脱北者 政策</b><br />
<br />
民主党は与党であり、難民問題や北朝鮮問題に積極的に取り組んでいるので、同党の政策を概観してみる。<br />
<br />
(1) 難民に対して大きく門戸を開く国する。[14]<br />
(2) 難民認定行政を法務省から切り離し、難民問題を専門に扱う新しい機関を設立する。[15]<br />
(3) 難民認定申請者や在留難民等の生活の支援に関する法的規定を整備する。[16]<br />
(4) 韓国における脱北者支援施設「ハナ院」のようなものを日本でもつくる。[17]<br />
(5) 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR) が認定した難民は、原則として受け入れる。[18]<br />
(6) 北朝鮮人権法の改正<br />
同法においては、脱北者支援が日本人・特別永住者等に限定されているが、その縛りをとりはずして、脱北者全体を助けるという形に現行規定を改正する。[19]<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></div><br />
<b>1.脱北者の取扱い</b><br />
<br />
日本の海岸に脱北者がたどり着いたならば、原則、韓国に引き渡さなければならない。なぜならば、韓国は憲法第3条において、「大韓民国の領土は、朝鮮半島とその近隣の島々により構成される」と宣言しており、韓国は彼らを「自国民」と想定されるからである。[20]<br />
<b><br />
</b><br />
<b>2.難民の受け入れ</b><br />
<br />
<b>(1) 「理由付け」に注意</b><br />
<br />
①人道的観点を重視する議員は、できるだけ多くの難民を受け入れることを主張するだろう。<br />
②難民問題にそれほど熱心でない議員であっても、前述の2011年11月に衆参両議院において決議した「難民の保護と難民問題の解決策への継続的な取り組みに関する決議案」が難民を受け入れる「お墨付き」だと考え、多くの難民を受け入れることについて積極的に反対はしないだろう。<br />
③老齢化社会対策として移民を受け入れたい議員は、できるだけ多くの難民受け入れることを主張するだろう。<br />
<br />
<b>(2) 人数</b><br />
<br />
難民を受け入れると、彼らの生活費や教育費を何年にもわたって国(国民)が負担し、最終的には永住権や国籍を与えることになり、日本の政治にも影響する。そのため、事前に国民的合意がなければならない。参考になるのが米国のやり方であるが、大統領と議会が協議して、①受け入れる人数の上限、②難民の出身地の割り当人数を決めている[21]。日本は難民申請者の全員(=100%)を受け入れることもできないし、受け入れない(=0%)こともできない。合理的かつ冷静に妥当なレベルの人数を決めなければならない。<br />
<br />
<b>(3)認定方法</b><br />
<br />
民主党のマニフェスト(INDEX2009)では、「国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が認定した難民は、原則として受け入れることとします。」と書かれている[22]。これには少なくとも2つの問題がある。<br />
<br />
①このことは、実質的な審査を国際機関に任せることであり、主権国家の責任を放棄していると同じことである。民主党は、「難民認定行政を法務省から切り離し、難民問題を専門に扱う新しい機関を設立する」ことを主張しているが、その機関は事務的な処理をする形式的な機関になるだろう。<br />
<br />
②UNHCRが年間に認定する数の内、日本に難民申請してくる人数が分からないのに「原則として受け入れる」とするのは無責任である。2010年にUNHCRは、845,800件の難民申請を受領しており、1次審査を認定したのは 96,800件であった[22]。日本を庇護国として申請する人は少ないのだが、それなりの人数が来るであろう。<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1] <a href="http://www.npr.org/2011/06/01/136864374/asylum-seekers-in-japan-face-difficult-obstacles#commentBlock" target="_blank">Asylum Seekers In Japan Face Difficult Obstacles (NPR, 2011/6/1)</a><br />
[2] <a href="http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2011/110620-thenonfx.html" target="_blank">ザ・ノンフィクション『となりの難民たち』</a><br />
[3] <a href="http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011122401001405.html" target="_blank">「北朝鮮の難民保護に自治体協力 政府検討、米と連携も」(2011/12/25、共同通信)</a><br />
[4] <a href="http://www.unhcr.org/4dfa11499.html" target="_blank">「UNHCR Global Trends 2010」</a><br />
(Fig5 Major refugee hosting countriesのdataの箇所をクリックしてエクセルデータをダウンロードして作成した。)<br />
[5] <a href="http://www.unic.or.jp/un-ds/library-course/unhcr_slide.pdf" target="_blank">「UNHCRの歴史と活動、今後の展望. 国連大学ライブラリー連続講座. UNHCR駐日代表 滝澤三郎 2008/3/24」 </a><br />
<a href="http://assets.opencrs.com/rpts/R40133_20090106.pdf" target="_blank">Refugee and Asylum-Seeker Inflows in the United States and Other OECD Member States</a><br />
(Fig 6)には2004~2007年の難民人定率の平均値があるが、日本はドイツより高い。<br />
[6] <a href="http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00077.html" target="_blank">法務省入国管理局 平成22年における難民認定者数等について(平成23年2月25日)</a><br />
別表4 庇護数の推移<br />
[7] <a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B1%E5%8C%97%E8%80%85" target="_blank">Wikipedia 韓国版 (脱北者)</a><br />
[8] <a href="http://www.krp1982.com/questionnaire.html" target="_blank">辺真一のコリア・レポート</a><br />
[9] <a href="http://www.mindan.org/dappokusien/" target="_blank">在日本大韓民国民団</a><br />
[10]「難民の保護と難民問題の解決策への継続的な取り組みに関する決議案」<br />
<a href="http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/topics/ketugi111117.html" target="_blank">衆議院(2011/11/17)</a><br />
<a href="http://www.sangiin.go.jp/japanese/ugoki/h23/111121-2.html" target="_blank">参議院(2011/11/21)</a><br />
[11] <a href="http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm">http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm</a><br />
[12] 6名とは、浅尾慶一郎 (民主党からみんなの党に移籍)、大塚耕平、細野豪志、古川元久、松井孝治、松本剛明。<br />
月刊Voice 2003年9月号 「1000万人移民受け入れ構想」のコピー <br />
<a href="http://www.oh-kouhei.org/library/pdf/voic0309.pdf">http://www.oh-kouhei.org/library/pdf/voic0309.pdf</a><br />
<a href="http://www.asyura2.com/11/senkyo109/msg/766.html">http://www.asyura2.com/11/senkyo109/msg/766.html</a><br />
<a href="http://www.fpcj.jp/old/j/mres/viewsfromjapan/vfj_204.html" target="_blank">報道記事(フォーリン・プレスセンター、2003/9)</a><br />
[13] <a href="http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080617/162440/" target="_blank">「自民党『移民1000万人受け入れ』の実現性」(日経ビジネス2008/6/19)</a><br />
[14] <a href="http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00115.html" target="_blank">2011/1/18 法務大臣就任に関する質疑(江田五月)</a><br />
[15] <a href="http://www.refugee.or.jp/event/2011/06/20-1615.shtml" target="_blank">2011/6/20 法務大臣政務官の発言</a><br />
[16] <a href="http://www1.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/img/INDEX2009.pdf" target="_blank">2009/7 民主党政策集 INDEX2009</a><br />
[17] <a href="http://gogono.net/archives/51931434.html" target="_blank">2011/12/25 中川正春(文部科学相)発言(脱北者支援民団センターが開催した交流会での発言)</a><br />
なお、それより10ヶ月前の2011年2月、政府は浜田和幸議員が提出した質問趣意書に対する答弁書において、「政府としては、御指摘の「日本版ハナ院」のような定着支援施設を設立する考えはないが、(以下略)」と答えている。<br />
<a href="http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/177/touh/t177002.htm">http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/177/touh/t177002.htm</a><br />
[18] <a href="http://www.blogger.com/INDEX2009%20http://www1.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/img/INDEX2009.pdf" target="_blank">民主党政策集</a><br />
[19] <a href="http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=3833&SAVED_RID=2&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=6724&DPAGE=1&DTOTAL=1&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=5021" target="_blank">第174回国会 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会(2010/3/36)中井洽拉致問題担当大臣の見解</a><br />
[20] <a href="http://www.jas21.com/essay/essay5.htm" target="_blank">「日本に北朝鮮「難民」は来ない 韓国国民を韓国に送るだけ」島田洋一</a><br />
<a href="http://www.servat.unibe.ch/icl/ks00000_.html" target="_blank">South Korea - Constitution</a><br />
[21] <a href="http://www.immigrationpolicy.org/just-facts/refugees-fact-sheet" target="_blank">Refugees: A Fact Sheet, American Immigration Council</a><br />
[22] <a href="http://www.unhcr.org/4dfa11499.html" target="_blank">UNHCR Global Trends 2010</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-57118527177595825552011-12-28T00:06:00.008+09:002011-12-28T13:54:31.032+09:00アフリカの森林破壊対策日本の大部分の消費者は、安くて便利なものを求めている。その結果、「竹」の工芸品はほとんどなくなり、放置竹林が増えた。しかし日本で必要とされなくなっても、発展途上国では必要なものもある。<br />
<br />
今回紹介する記事は、アフリカの農業、生活改善、BOPビジネスに関連するものである。<br />
<br />
<b><span style="color: red;">【 ニュース 】</span></b><br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>竹は森林消失のアフリカを救えるか? 中国との連携で燃料化プロジェクトが進展</b> [1]<br />
2011/12/08<br />
<br />
いまでも木炭や薪(まき)を燃料に使うことが多いアフリカ。この習慣は森林破壊の原因の一つと指摘されている。そんななか、竹を代替燃料に利用することを通じて森林破壊を食い止めようとする活動が現地で進んでいる。<br />
<br />
環境保全と竹および藤の公正な貿易を通じた貧困削減に努めている政府間組織、国際竹藤組織(INBAR)は前週(現地2日)、南アフリカ共和国で開催中の第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP17)に合わせ、アフリカの燃料不足と環境破壊の防止策として、竹をかまで焼いて炭にする技術への取り組み状況を発表した。これにはEU(欧州連合)と一次産品共通基金(CFC)が資金を出している。サブサハラ地域(サハラ砂漠以南の地域)の地方の人口の80%が燃料に用いている木炭の替わりに竹を利用するよう促すのが、このプロジェクトの狙いだ。<br />
<br />
INBARが、新興国のために科学技術情報を提供する非営利組織のSciDev.Netに語ったところによると、2009-13年の間に総額200万ドルが投資される計画で、第1弾としてエチオピアおよびガーナでプロジェクトが09年に始動した。INBARは竹の栽培・炭化技術、竹由来のまきの生産法に関して人々を訓練している。INBARでは計画規模の拡大とこの技術の他のアフリカ諸国への移転を目指している。<br />
<br />
竹は生長が速いので、伐採しても環境破壊へのマイナス影響が小さい。中国は竹の燃料利用で世界的にみて進んでおり、かま、(竹用の)粉砕機、ブリケティングマシン(造粒機)などの設備をアフリカ側が取り入れる手助けをしている。最近の中国が南北問題で言うところの“南”に該当するかは疑問だが、INBARの関係者が「これは“南”と“南”の協力の良い実例だ」と話す通り、新興国間ならではの技術協力として注目される。 (由谷順)</div><br />
<br />
<b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<br />
<b>1.アフリカにおける竹の植生</b><br />
<br />
ナイジェリアやエチオピアでは日本を遥かにしのぐ竹林面積がある。タンザニア、ケニア、ウガンダは日本と同様の面積である。<br />
<br />
図1:2005年のFAO統計[2]<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgJBHfYpk7_rN7nZaj8iFgvxk4OvJ3DCnF42M13QGxnpTK2rigMwA5nRKs5Ipd3Hv_zIJMO-dfGZi_3_tTMXPisKbJo6UkfoNciRD1-lv8MTfaN5BDN9i5M-mZjqzDQC7HDlIo07vBuHyA/s1600/%25E7%25AB%25B9%25E6%259E%2597%25E9%259D%25A2%25E7%25A9%258D.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="292" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgJBHfYpk7_rN7nZaj8iFgvxk4OvJ3DCnF42M13QGxnpTK2rigMwA5nRKs5Ipd3Hv_zIJMO-dfGZi_3_tTMXPisKbJo6UkfoNciRD1-lv8MTfaN5BDN9i5M-mZjqzDQC7HDlIo07vBuHyA/s320/%25E7%25AB%25B9%25E6%259E%2597%25E9%259D%25A2%25E7%25A9%258D.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<b>2.竹炭の利用法、作り方、種類</b><br />
<br />
<b>(1)竹炭の利用法</b><br />
燃料、消臭、空気清浄、湿度調整、浄水、土壌改良、食用などに利用される。<br />
<b><br />
</b><br />
<b>(2)竹炭の作り方</b><br />
窯焼き(土窯、機械窯、ドラム缶窯など)と、伏せ焼(野焼き)がある。<br />
<br />
<b>(3)竹炭の種類</b><br />
a. 成形しない方法<br />
竹の丸焼き、平板、粉砕、微粒粉(パウダー)がある。<br />
<br />
b.成形する方法<br />
①オガ炭(ちくわ炭とも言う):アフリカではこの方法を採用すると思われる。もともとは、木工工場ででるオガ屑を成形し、成型機で四角または六角の筒状に圧縮して押しだし、オガライトを作る。それを機械窯で製作する(木のオガ炭)。竹のオガ炭(Bamboo Briquette Charcoal)は、竹を粉状にして、同様に炭にしたものである。焼肉屋などで使われている。<br />
②炭団(たどん)とは炭(木炭、竹炭)の粉末につなぎとなる素材と混ぜ合わせたもの。<br />
<br />
(参考)練炭は石炭を粉末にして成型したもの。豆炭は、石炭を粉末して消臭材をブレンドして製造されるが、木炭を使う場合もある。<br />
<br />
<br />
図2:竹炭の種類<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjX37JRV9OhFYV9h7qo4CwqTu3Pn1UwAieao039UHAswJViPdy0j-JMIGO_t_3QoAXR4c4C_eazvVPRoYDnKgOxX_KH89HHZhKkCMbxtTPZvVpgZrThM_jqs-YfwaFC1hHHLdjPYE4hI0U/s1600/%25E7%25AB%25B9%25E7%2582%25AD%25E3%2581%25AE%25E7%25A8%25AE%25E9%25A1%259E.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="188" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjX37JRV9OhFYV9h7qo4CwqTu3Pn1UwAieao039UHAswJViPdy0j-JMIGO_t_3QoAXR4c4C_eazvVPRoYDnKgOxX_KH89HHZhKkCMbxtTPZvVpgZrThM_jqs-YfwaFC1hHHLdjPYE4hI0U/s320/%25E7%25AB%25B9%25E7%2582%25AD%25E3%2581%25AE%25E7%25A8%25AE%25E9%25A1%259E.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<br />
<br />
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<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
図3:オガ炭の製造工程[3]<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjVwk4XXdgvCYHj1-P54Up_XqRhx8veuNrYatxerkqmJLXcfUU3eCQ0c8ZwJQrIuNPsDocYl0rsWI6VViPy38Jrw21hYjnBdt991fimExLDVzToPgrjq2wASedNaGhLwy72mqkOXMpCFMc/s1600/%25E3%2582%25AA%25E3%2582%25AC%25E7%2582%25AD%25E8%25A3%25BD%25E9%2580%25A0%25E5%25B7%25A5%25E7%25A8%258B.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="184" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjVwk4XXdgvCYHj1-P54Up_XqRhx8veuNrYatxerkqmJLXcfUU3eCQ0c8ZwJQrIuNPsDocYl0rsWI6VViPy38Jrw21hYjnBdt991fimExLDVzToPgrjq2wASedNaGhLwy72mqkOXMpCFMc/s320/%25E3%2582%25AA%25E3%2582%25AC%25E7%2582%25AD%25E8%25A3%25BD%25E9%2580%25A0%25E5%25B7%25A5%25E7%25A8%258B.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;"><br />
【 コメント 】</b><br />
<br />
<b>1.土壌改良</b><br />
<br />
今回紹介したのは、竹を燃料として使うアイディアであるが、竹炭は土壌改良剤としても有効であり、穀物・野菜の生産量を増やすことができる。<br />
①炭を使う方法<br />
放置竹林の竹を使い「野焼き」で消し炭をつくり、畑にまく。アフリカに適した方法であると思うので、農業指導されている方は是非試して頂きたい。[4]<br />
<br />
②生竹を使う方法<br />
特別な機械を使って、粉あるいは繊維にして、畑にまく。ただし、機械が高価なのでこの方法はアフリカでは使えないであろう。[5]<br />
<br />
<b><br />
2.竹林の管理</b><br />
<br />
アフリカ諸国及びNGOなどの関係者は、以下のことに留意する必要がある。<br />
①竹林は管理して初めて資源として利用できること。<br />
②竹細工、建築材としても使用して、付加価値をつけること。<br />
③中国などから安い輸入品(竹炭)と競争できるまで、自国産業を保護すること。<br />
<br />
<br />
<b>3.「調理用かまど」とビジネスチャンス</b><br />
<br />
木炭でなく竹炭を使うことによって、森林破壊の防止に貢献する。また、現在、極めて原始的な調理用かまどが使用されているが、それを改良することによって、薪の量を少なくできるし、女性や子供がかまどの煙を吸わなくなるため、健康問題の解決にもなる。[6]<br />
<br />
日本人はこれまで次のような「かまど」作りに貢献している。たとえば、<br />
①岸田袈裟 氏(ケニア在住の食物栄養学者)の土製のかまど作り[7]<br />
②日本国際民間協力会(NICCO)の改良かまど作り[8]<br />
③本間 徹 氏(JICA国際協力専門員)による豆炭・七輪の開発・普及[9]<br />
<br />
日本の取り組み方は、個人的な援助の意味合いが強く、ビジネス志向ではない。それはもちろん悪いことではないが、たとえば、日本のコンロ・七輪を製作会社が参加すれば、もっと大きな活動ができ、より多くの人々を助けることができるだろう。その会社にとってもビジネスになる。実際、調理用かまどを製作している中国企業は何千、何万のかまどを販売するのである。[10]<br />
<br />
竹炭関連のビジネスでは、竹用鋸やチェーンソーなどが売れるであろう。また、農業関係のコンサルタントにもビジネスチャンスがあるはずだ。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 参考文献 】</b><br />
<br />
[1] <a href="http://www.emeye.jp/disp%2FOAA%2F2011%2F1208%2Fstockname_1208_006%2F0%2F1/" target="_blank">Morning Star EMeye</a> <br />
[2] <a href="ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/010/a1243e/a1243e03.pdf" target="_blank">World bamboo resources --- A thematic study prepared in the framework of the Global Forest Resources Assessment 2005 (FAO)</a><br />
[3] <a href="http://www.naratanka.com/goods/sumi/sumi-sozai-itiran-index.html" target="_blank">奈良炭化工業HP</a> <br />
[4] <a href="http://www.ruralnet.or.jp/gn/201012/kant.htm" target="_blank">月刊 現代農業「農業用に最適!ポーラス竹炭」</a><br />
<a href="http://moki-ss.co.jp/index.php?id=13" target="_blank">モキ製作所「無煙炭化器」</a><br />
[5] <a href="http://www.ruralnet.or.jp/gn/200710/take.htm" target="_blank">月刊 現代農業「竹の生長力と土着菌を呼ぶ力が野菜を変える!?」</a><br />
[6] <a href="http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110216001&expand" target="_blank">National Geographic News「アフリカで普及を目指す高効率コンロ」</a><br />
[7] <a href="http://info.yomiuri.co.jp/yri/k-prize/kp2007.htm" target="_blank">第14回(2007年度)読売国際協力賞 岸田袈裟(けさ)氏 アフリカ民間ボランティア活動家</a> <br />
<a href="http://kibiehon.net/ehon/BC6Over/EKamado/ehon.php" target="_blank">「エンザロ村のかまど」</a><br />
[8] <a href="http://www.kyoto-nicco.org/project/malawi/006.html" target="_blank">日本国際民間協力会(NICCO)</a><br />
[9] <a href="http://www.st.keio.ac.jp/ob_relay/ob_0609.html" target="_blank">本間 徹 経済協力開発機構(OECD)アフリカ投資イニシアティブ</a><br />
[10] <a href="http://youtu.be/hkS6eEHak84" target="_blank">Aprovecho and Shengzhou, mass producing efficient wood stoves - Ashden Award winner</a> <span style="color: red;">★必見★</span><br />
<a href="http://www.envirofit.org/images/products/pdf/Envirofit_Product_Overview.pdf" target="_blank">Envirofit International -Product Overview</a><br />
<br />
<b>参考URL</b><br />
<a href="http://www.inbar.int/" target="_blank">International Network for Bamboo and Rattan (INBAR)</a><br />
<br />
<br />
<b>参考情報</b><br />
<a href="http://www.sumiyaki.jp/07world/index.htm" target="_blank">国際炭やき協力会「世界の炭やき」</a> マリ、カメルーン、ザンビア、ケニアの炭焼きの写真あり。<br />
<br />
アフリカ案内(TAROTAKOさん)<br />
<a href="http://www.rikkyo.ne.jp/web/z5000002/zambia/charcoal.htm" target="_blank">ザンビア</a> <a href="http://www.rikkyo.ne.jp/web/z5000002/malawi/north/charcoal.htm" target="_blank">マラウィ</a> <br />
<br />
<a href="http://www.joy.hi-ho.ne.jp/sumipe/kamado/africa.htm" target="_blank">世界のかまど</a> エチオピア、ニジェール、ガーナ、ケニア、マラウイのかまどの写真あり。Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-50586266198958401692011-12-08T22:53:00.002+09:002011-12-11T02:45:32.046+09:00HIV対策としての包茎手術(その2)<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"></div>12月1日は「World AIDS Day (世界エイズデー)」である。以前「HIV対策としての包茎手術」[1] を書いたが、今回は続報として、数ヶ月前からVOA、NY Times、BBCなどで紹介されている画期的な包茎手術を紹介する。なお、本件は、BOPビジネスの代表例になる案件だと思う。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
いくつかの記事の要点を列挙する。[2]<br />
<br />
・2007年に、WHO(世界保健機関)とUNAIDS(国連合同エイズ計画)は、包茎手術はHIV予防に有効であると発表した。東部及び南部アフリカの14ヶ国で、15才から49才の男性人口の80%が手術受けるならば、2025年までにHIV感染者数を22%減少させる可能性がある、と推定している。<br />
目標は、それらの国で2000万人を手術することだが、まだ60万人しか受けていない。3%以下の進捗率である。<br />
<br />
・PrePexは2つのリングを使って、包皮を締め付けて壊死させる大人ための包茎手術である。処置室は特に消毒されている環境でなくとも良いし、麻酔は不要だし、医者でなくとも実施できる。処置は1週間で終了する。<br />
<br />
・ルワンダでは、今後2年間で、200万人が包茎手術をしてHIV感染を半減させるという国家目標がある。ルワンダの衛生大臣は、「この方法は安全で、効率的で、手術の方法より優れている」と発言している。なお、ルワンダでは 人口1000万人に対し医者は300人。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<br />
<b>1.包茎手術の有効性</b><br />
<br />
米国やフランスの研究者の研究によると、《包茎手術をした男性がHIVに感染する件数は、しなかった男性のそれと比べると、60%以上減少した》 という結果が得られた[3] 。包茎手術をすることで、亀頭の皮膚が厚くなり強度が増すため、摩擦により生ずる細かい傷から感染する危険性が低下と説明されている。[4]<br />
<br />
<b>2.PrePex とは</b><br />
<br />
・PrePexは Circ MedTech社(2009年設立、イスラエルが拠点)が開発した。2011年1月に国際特許出願(PCT出願)されている[5] 。世界保健機関(WHO)は、2012年前半には EU域内で販売を認める予定である。[6]<br />
<br />
<br />
図 [7]<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgjHPp9odr21yk57oCButPBZ_PmTyfIwDpLYw-tOX7ikaVRHizTW8izJ2-JKLBEMOYnP8One4v7JAaCr9Y2xi_Y7bLzsJKcUo25FJJ-4SNStbkZavHT97QYmdQGs0U921BJQ5ONroZx0Vw/s1600/%25E5%258C%2585%25E8%258C%258E%25E6%2589%258B%25E8%25A1%2593.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="309" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgjHPp9odr21yk57oCButPBZ_PmTyfIwDpLYw-tOX7ikaVRHizTW8izJ2-JKLBEMOYnP8One4v7JAaCr9Y2xi_Y7bLzsJKcUo25FJJ-4SNStbkZavHT97QYmdQGs0U921BJQ5ONroZx0Vw/s320/%25E5%258C%2585%25E8%258C%258E%25E6%2589%258B%25E8%25A1%2593.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 コメント 】</b><br />
<br />
PrePexは、麻酔不要、無痛、非手術(non-surgical)であり、必ずしも医者でなくともできる施術なので、アフリカだけでなく世界中に爆発的に普及するだろう。<br />
<br />
困っている人が必要とするもの、人が欲しがるものを提供するのが商売の基本だが、まさに人口が多く、基本的な品物が不足しているアフリカ諸国は市場として無視できないのである。<br />
<br />
私は日本の中小企業に期待している。大企業は、多くの投資案件を持っており、良い案件(利益率が高く、リスクが低い案件)から順番に投資していくので、アフリカを投資先として選択するのは稀である。一方、中小企業は、相対的に機動性があり、低価格の商品であっても利益があれば投資できるからである。<br />
<br />
どんな商品を売るか、ということは重要だ。先進諸国だけに目を向けていると、それ以外の国々の人たちが求めているものが判らなくなる。今回紹介したPrePexは、包茎手術にはそれほど熱心でない日本人にとってあまり魅力的でないかもしれない。しかし HIV/AIDSという問題を抱えているアフリカ諸国にとっては、喉から手が出るほど魅力的な商品であるはずだ。中小企業が積極的にアフリカなどの発展途上国を訪問してリサーチしてもらいたい。<br />
<br />
参考までに、過去の記事で、トイレ用品、安価なPC、偽造医薬品対策サービス、中古車などを紹介したが、飲料水ビジネスも有望であろう。[8]<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 参考文献 】</b><br />
<br />
[1] <a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2010/02/hiv.html" target="_blank">HIV対策としての包茎手術</a><br />
[2] <br />
<a href="http://www.voanews.com/english/news/africa/decapua-aids-circumcision-1dec11-134816113.html" target="_blank">VOA</a><br />
<a href="http://www.nytimes.com/2011/09/27/health/27circumcision.html?_r=1" target="_blank">New York Times</a><br />
<a href="http://www.bbc.co.uk/news/world-radio-and-tv-14231466" target="_blank">BBC</a><br />
<a href="http://globalhealthdelivery.org/2011/02/rwanda-male-circumcision-scale-up-with-new-technology/" target="_blank">GHD Project</a><br />
<br />
[3] <a href="http://www.who.int/hiv/mediacentre/MCrecommendations_en.pdf" target="_blank">New Data on Male Circumcision and HIV Prevention: Policy and Programme Implications (2007/3)</a><br />
[4] <a href="http://www.bbc.co.uk/news/world-radio-and-tv-14231466" target="_blank">BBCのビデオ</a><br />
[5] <a href="http://www.sumobrain.com/patents/wipo/Circumcision-device-method-mass/WO2011007358A2.pdf">http://www.sumobrain.com/patents/wipo/Circumcision-device-method-mass/WO2011007358A2.pdf</a><br />
[6] <a href="http://www.voanews.com/english/news/africa/decapua-aids-circumcision-1dec11-134816113.html">http://www.voanews.com/english/news/africa/decapua-aids-circumcision-1dec11-134816113.html</a><br />
<br />
[7] 医学的関心がある方が更に拡大するには、<br />
①一度クリックすると別画面が表示される。<br />
②右クリックして、「名前をつけて画像を保存」。<br />
③ペイントで保存したファイルを開く。<br />
<br />
[8]<br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2010/04/bop.html" target="_blank">トイレ用品</a> <br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2009/10/blog-post_31.html" target="_blank">安価なPC</a> <br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2010/09/bop.html" target="_blank">偽造医薬品対策サービス</a> <br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2010/02/blog-post_28.html" target="_blank">中古車</a> <br />
<a href="http://www.poly-glu.com/" target="_blank">飲料水(日本ポリグル)</a> <br />
<br />
<b>参考URL</b><br />
<br />
<a href="http://prepex.com/" target="_blank">Circ MedTech のHP</a> <br />
<a href="http://www.circlist.com/instrstechs/prepex.html" target="_blank">PrePexの簡単な説明</a> <br />
<a href="http://journals.lww.com/jaids/Fulltext/2011/12150/Safety_and_Efficacy_of_the_PrePex_Device_for_Rapid.16.aspx" target="_blank">PrePexの詳細な説明(詳しい写真あり)</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-42960404270098066432011-11-28T14:57:00.003+09:002011-12-06T14:47:12.744+09:00日米首脳会談の概要を外務省が修正:野田首相の発言はどの程度伝わったのか?重要な会議に周到な準備をして臨んでも、時間切れになったため、言いたいことを十分伝えられなかったり、また、相手に正確に伝わったかどうかを確認するのが困難なことがある。しかし、日米首脳会談では、会議の内容が両サイドから発表されるので、それぞれの当事者の発言内容が相手にどの程度認識されたかを知ることができる。<br />
<br />
今回のエントリーでは、外務省のHPが修正された事実を伝え、日米首脳会談について野田首相を評価してみたい。なお、本件はアフリカとは直接的には関係ないが、外交に関係するのでこのブログで紹介したい。<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>TPP記述 書き換え 外務省HP 日米会談概要</b><br />
琉球新報 2011/11/21 [1]<br />
<br />
外務省のホームページ(HP)で公開している日本時間13日にハワイで行われた日米首脳会談の概要の中で、環太平洋連携協定(TPP)に関する記述が説明なく書き換えられていることが20日、分かった。会談直後の13日付で掲載されたTPPに関する野田佳彦首相の発言について、18日付で「昨年11月に決定した『包括的経済連携に関する基本方針』に基づき高いレベルの経済連携を進めていく」との文言が追加されている。<br />
<br />
13日付の外務省HPでの会談概要では、TPPに関する野田首相の発言として「(前略)豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り拓くため、自分自身が判断した、今後交渉参加に向けて米国をはじめとする関係国との協議を進めたく(後略)」と記述されていた。<br />
<br />
しかし、会談概要の日付が18日付となり、首相の発言「自分自身が判断した、」の次に「昨年11月に決定した『包括的経済連携に関する基本方針』に基づき高いレベルの経済連携を進めていく、」が書き加えられた。<br />
<br />
首脳会談でのTPPのやりとりをめぐっては、会談直後に米側が「野田首相が『すべての物品やサービスを貿易自由化交渉のテーブルに乗せる』と述べた」と発表。これに対し日本側は、「包括的経済連携に関する基本方針」を説明しただけと訂正を申し入れたが、米側は応じていない。<br />
<br />
閣議決定した「包括的経済連携協定に関する基本方針」は、「センシティブ(微妙)な品目に配慮しつつ、すべての品目を自由化交渉対象とし、交渉を通じて、高いレベルの経済連携を目指す」としている。<br />
<br />
HPの書き換えは、米側の発表を受け、文言を加えたとみられる。ただ、13日付では「すべての品目を自由化交渉対象とする」との基本方針に基づき協議を進める考えを、当初は国内向けに説明していなかったとも言え、今後、国会などでの議論を呼びそうだ。</div><br />
<b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<br />
<b>1.ガセネタではない</b><br />
<br />
筆者は11/13付の外務省のHPの"ウエブ魚拓"を取っていない。しかし以下の事実により、外務省がHPに加筆したのは事実であると考える。<br />
<br />
著者が知る限り、本件が公になったきっかけは、天木直人氏(元駐レバノン特命全権大使)の11/20付のブログ記事「『書き換えられた外務省HPの日米首脳会談概要』疑惑」である[2]。 翌11/21に、上記の琉球新報の記事が掲載された。(なお、本件に関しては、琉球新報が伝えただけで、大手の新聞は伝えていない(11/27現在)。)<br />
<br />
同じ日に、三宅雪子議員(民主党・衆院)が Twitterで次のように発言している。<br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">書き換えられた外務省ホームページ疑惑は調査中です。「慎重な会」山田会長には情報入れました。事実だったら由々しき問題。11月21日 [3]<br />
<br />
外務省から18日にホームページ文書を付け加えた事実確認。理由は理解し難いもの。後程、ツイートします。11月21日[4]<br />
<br />
外務省HP日米首脳会談概要の件。そもそも、HPに一言一句そのまま書いているわけではない、各方面から指摘があったので書き加えた、とのこと。こういう事が今まで日常的に行われていたのだろう(と疑念を持つ)今後、訂正する場合はその理由とともに、訂正の事実を明記するよう求めたい。11月21日[5]</div><br />
<br />
<b>2.修正箇所</b><br />
<br />
上記の琉球新報で書かれているが、見やすくすると図1のとおり。<br />
<br />
図1:外務省のHP修正箇所 (クリックで拡大表示)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgrRtAFU_ecGvxWlmSW4rSNwcREtTYEyvUe6tKUqjHcP9X3wlJPInZe43lXS2z5Chz4xuE1NcpyaTXuwiaL9cW1iEMlW1KDuaW5Ww0E992-EADZRfnMpuisHn_ll45i-Mg4Yg9y7cHGZeM/s1600/%25E5%25A4%2596%25E5%258B%2599%25E7%259C%2581HP%25E4%25BF%25AE%25E6%25AD%25A3%25E6%25AF%2594%25E8%25BC%2583%25EF%25BC%25882011%25E5%25B9%25B411%25E6%259C%258818%25E4%25BB%2598%25EF%25BC%2589.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="228" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgrRtAFU_ecGvxWlmSW4rSNwcREtTYEyvUe6tKUqjHcP9X3wlJPInZe43lXS2z5Chz4xuE1NcpyaTXuwiaL9cW1iEMlW1KDuaW5Ww0E992-EADZRfnMpuisHn_ll45i-Mg4Yg9y7cHGZeM/s320/%25E5%25A4%2596%25E5%258B%2599%25E7%259C%2581HP%25E4%25BF%25AE%25E6%25AD%25A3%25E6%25AF%2594%25E8%25BC%2583%25EF%25BC%25882011%25E5%25B9%25B411%25E6%259C%258818%25E4%25BB%2598%25EF%25BC%2589.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
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<br />
<b>3.経緯</b><br />
<br />
ここで、日米首脳会談の前後の経緯をまとめておく。<br />
<br />
11/11:衆参予算委員会における経済連携等の集中審議。<br />
<br />
11/11(夕刻):野田首相:「私としては、明日から参加するホノルルAPEC首脳会合において、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることといたしました。」と発言。[6]<br />
<br />
11/12早朝 羽田発 (11/14深夜 羽田着)<br />
<br />
11/12:ホノルルで開催されたAPEC首脳会議出席。日米首脳会談。(午後0時過ぎから約55分間:現地時間)<br />
<br />
11/12:ホワイトハウスのプレス発表:「Readout by the Press Secretary on the President's meeting with Prime Minister Noda of Japan」[7]<br />
<br />
11/12(米国): 産経新聞報道[8]<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">米側の報道発表資料には環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「野田佳彦首相が『すべての物品およびサービスを自由化交渉のテーブルに載せる』と述べた」と書かれていた。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">これに対し、外務省は「そのような発言を首相が行った事実はない」として、米側の報道発表を否定する報道発表をして火消しに躍起となった。外務省によると、首相は「昨年11月に策定した『包括的経済連携に関する基本方針』に基づいて高いレベルでの経済連携を進める」と述べただけだという。</div><br />
11/13:外務省が「日米首脳会談(概要)」を発表。<br />
<br />
11/14(米国):産経新聞報道[9]<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への日本の交渉参加表明をめぐり、日米首脳会談での野田佳彦首相の一部発言に関するホワイトハウスの発表内容を日本側が否定していることについて、アーネスト米大統領副報道官は14日、発表を訂正するつもりはないことを明らかにした。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">12日の日米首脳会談後、ホワイトハウスは「全ての物品およびサービスを貿易自由化交渉のテーブルに乗せるとの野田首相の発言を、大統領は歓迎する」との報道文を発表。これに対して日本の外務省は「首相がそのような発言を行った事実はない」と否定するコメントを出した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">しかし、アーネスト氏は記者会見で、「発表は、両首脳が非公開で行った発言と、(これまでの)野田首相と日本政府による公式見解に基づくものだ」と説明した。</div><br />
(参考)11/14アーネスト米大統領副報道官と記者のQ&A議事録(抜粋) [10]<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">報道官:What I can tell you is that the readout that we put out was based on the private consultations that President Obama and Prime Minister had. It was based also on the public declarations from Prime Minister Noda and other members of his administration.(略)</div><div style="background-color: #cfe2f3;">記者:Did the Japanese ask the White House to revise the statement --</div><div style="background-color: #cfe2f3;">報道官:I’ll be honest with you, I don’t know the answer to that. </div><br />
11/16:産経新聞報道 [11]<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">野田佳彦首相は16日午前の参院予算委員会で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる日米首脳会談の両政府の発表の食い違いについて、米政府に訂正を要求したが受け入れられなかったことを明らかにした。その上で、米政府の発表について「自分の発言そのものを引用していないと確認されている」とし、今後も訂正を求めない考えを重ねて示した。</div><br />
11/17:野田首相帰国。衆議院本会議でその報告。<br />
<br />
11/18:外務省が「日米首脳会談(概要)」を発表。(修正版)[12]<br />
<br />
11/20:「天木直人のブログ」で、「『書き換えられた外務省HPの日米首脳会談概要』疑惑」という記事掲載。(上記)<br />
<br />
11/21:琉球新報で、「TPP記述 書き換え 外務省HP 日米会談概要」という記事掲載。(上記)<br />
<br />
11/21: 三宅雪子議員(民主・衆)がTwitterで、外務省HP日米首脳会談概要について書く。(上記)<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 コメント 】</b><br />
<br />
<b>1.挿入部分の意味は?</b><br />
<br />
「昨年11月に決定した『包括的経済連携に関する基本方針』に基づき高いレベルの経済連携を進めていく」という部分が挿入されたが、これは、一年前の2010/11/9、菅内閣が閣議決定した 「包括的経済連携に関する基本方針」)を指している。<br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">FTAAPに向けた道筋の中で唯一交渉が開始している環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については、その情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する。[13]</div><br />
<br />
野田首相と側近は、「TPPの協議に参加するのは、特に新しいことではなく、菅内閣が決めたことを実施しているだけだ」---と言いたいのではなかろうか。<br />
<br />
<b><br />
2.日米首脳会談は成功したか?</b><br />
<br />
野田首相にとって日米首脳会談が成功したのだろうか? 米国のプレス発表と日本と米国のプレス発表がほぼ同じ内容であれば、少なくともお互いの言い分が相手に理解された---と判断できるが、内容は程遠いものであった。正確に伝えたいことや強調したいことについては、何回も繰り返すべきであった。<br />
<br />
<br />
<b>(1)日本の外務省発表</b><br />
<br />
外務省が発表した「日米首脳会談(概要)」によると、主な話題は、①APEC、②TPP、③牛肉、④EAS(東アジア首脳会議)、⑤北朝鮮、⑥ハーグ条約(子の親権)であり、それぞれ、ほぼ同じ比重で説明している。[14]<br />
<br />
<br />
<b>(2)米国のプレス発表</b><br />
<br />
米国が「聞いたこと」あるいは「聞きたかったこと」は、ホワイトハウスがのプレス発表に表れている。図2は、プレス発表を視覚的に表示したものであるが、TPPは65%、牛肉が15%を占めている。拉致問題については全く言及されていない。[15]<br />
<br />
また、外務省が、TPPに関する野田首相の発言内容に関して、米国のプレス発表の修正を求めても(求めたされるが)、米国はこれに応じていない。<br />
<br />
図2:米国のプレス発表 (クリックで拡大表示)<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgi1jofujxNRoVM5dkfSVVge8r2qVt6dOaM3ERCqDXPCZ0F1dp9m6otMNQlCzvXHo_7ZzQgU5fQQ8jeQgrR4L8OUl60mFz0pg1VY7SHVxu6UMozVOJfGMPVzvza3kv4GHnsuN7tpCxj3Oc/s1600/%25E6%2597%25A5%25E7%25B1%25B3%25E9%25A6%2596%25E8%2584%25B3%25E4%25BC%259A%25E8%25AB%2587+20111112+%25E3%2583%259B%25E3%2583%258E%25E3%2583%25AB%25E3%2583%25AB.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="216" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgi1jofujxNRoVM5dkfSVVge8r2qVt6dOaM3ERCqDXPCZ0F1dp9m6otMNQlCzvXHo_7ZzQgU5fQQ8jeQgrR4L8OUl60mFz0pg1VY7SHVxu6UMozVOJfGMPVzvza3kv4GHnsuN7tpCxj3Oc/s320/%25E6%2597%25A5%25E7%25B1%25B3%25E9%25A6%2596%25E8%2584%25B3%25E4%25BC%259A%25E8%25AB%2587+20111112+%25E3%2583%259B%25E3%2583%258E%25E3%2583%25AB%25E3%2583%25AB.jpg" width="320" /></a></div><br />
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<br />
<b>3.国民との信頼関係</b><br />
<br />
野田首相は次のように発言している。<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">今後のプロセスについては、関係国との協議を開始し、各国が我が国に求めるものは何かということをしっかり把握、情報収集し、十分に国民的議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って、TPPについての結論を得る、というプロセスである。[16] </div><br />
外務省が説明なしに文書を挿入したことは、政府がTPPに関して国民に正確な情報を提供してくれるだろうという信頼感を損なうものであった。政府は早急に信頼関係を回復しなければならない。<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1] <a href="http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184288-storytopic-3.html">http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184288-storytopic-3.html</a><br />
[2] <a href="http://www.amakiblog.com/archives/2011/11/20/">http://www.amakiblog.com/archives/2011/11/20/</a><br />
[3] <a href="http://twitter.com/#%21/miyake_yukiko35/status/138442899359670272">http://twitter.com/#!/miyake_yukiko35/status/138442899359670272</a><br />
[4] <a href="http://twitter.com/#%21/miyake_yukiko35/status/138508549037887488">http://twitter.com/#!/miyake_yukiko35/status/138508549037887488</a><br />
[5] <a href="http://twitter.com/#%21/miyake_yukiko35/status/138557300481851392">http://twitter.com/#!/miyake_yukiko35/status/138557300481851392</a><br />
[6] <a href="http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201111/11kaiken.html">http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201111/11kaiken.html</a><br />
[7] <a href="http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/readout-press-secretary-presidents-meeting-prime-minister-noda-japan">http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/readout-press-secretary-presidents-meeting-prime-minister-noda-japan</a><br />
[8] 産経新聞 2011.11.13 17:57<br />
<a href="http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111113/plc11111317580026-n1.htm">http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111113/plc11111317580026-n1.htm</a><br />
[9] 産経新聞 11/15 08:43 <br />
<a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/111115/amr11111508480004-n1.htm">http://sankei.jp.msn.com/world/news/111115/amr11111508480004-n1.htm</a><br />
[10] <a href="http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/14/press-briefing-principal-deputy-press-secretary-josh-earnest-11142011">http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/14/press-briefing-principal-deputy-press-secretary-josh-earnest-11142011</a><br />
[11] 産経新聞 11月16日(水)13時13分配信<br />
<a href="http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111116-00000531-san-pol">http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111116-00000531-san-pol</a><br />
[12] <br />
日本語 <a href="http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html">http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html</a><br />
英語 <a href="http://www.mofa.go.jp/region/n-america/us/meeting1111.html">http://www.mofa.go.jp/region/n-america/us/meeting1111.html</a><br />
[13] <a href="http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2010/1109kihonhousin.html">http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2010/1109kihonhousin.html</a><br />
[14] 日本語 <a href="http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html">http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html</a><br />
英語 <a href="http://www.mofa.go.jp/region/n-america/us/meeting1111.html">http://www.mofa.go.jp/region/n-america/us/meeting1111.html</a><br />
[15] <a href="http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/readout-press-secretary-presidents-meeting-prime-minister-noda-japan">http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/readout-press-secretary-presidents-meeting-prime-minister-noda-japan</a><br />
[16] APEC首脳会議内外記者会見 2011/11/13 @ホノルル<br />
<a href="http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201111/13naigai.html">http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201111/13naigai.html</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-49924384872312330102011-11-08T14:49:00.000+09:002011-11-08T14:49:20.899+09:00大化けする東アフリカの天然ガス事業アフリカの石油・ガスの探鉱開発事業は北部と西部で盛んであり、東部は「処女地」であった。モザンビーク沖合の2鉱区で巨大ガス田が発見されたので、《探鉱が活発化し、新たな油・ガス田が発見され、更に探鉱が活発化する》 という好循環になることが期待される。<br />
<br />
以下の記事は、韓国ガス公社に関する記事だが、本件は三井物産も関係している。<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 ニュース 】</b></div><br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>アフリカで韓国消費1年分のガス田を確保</b></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">韓国ガス公社が出資したアフリカ・モザンビークの海上鉱区で大規模なガス田が見つかり、国内消費量のほぼ1年分の天然ガスを確保した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">ガス公社は20日、モザンビ-ク北部の海上4鉱区で大規模な天然ガス田を発見した、と発表した。 鉱区運営会社のイタリアEni社によると、今回発見された潜在資源量は15Tcf(約3億4000万トン)。 これを受け、鉱区の株式10%を保有するガス公社は約3400万トンのガスを確保できるという評価だ。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">ガス公社の関係者は「これは昨年国内に供給した天然ガス量(3360万トン)とほぼ同じで、金額にすれば約20兆ウォン規模」と明らかにした。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">ガス公社は07年に4鉱区の株式を取得した後、Eni社と共同で探査作業を行ってきた。 今年9月には初めて探査ボーリングに入ったが、5000メートルまで掘る過程で計212メートルのガス層を確認した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">この鉱区にはガス公社のほか、Eni社が70%、モザンビ-ク国営石油会社ENH社が10%、ポルトガルのエネルギー企業が10%出資している。 契約期間は2045年1月まで。 ガス公社は2013年1月までこの鉱区で3カ所を追加でボーリング調査する計画で、ガス発見量はさらに増える可能性がある。 </div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">2011年10月21日 中央日報日本語版 [1]</div><br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 解説 】</b></div><b><br />
</b><br />
<b>1.処女地だった東アフリカ</b><br />
<br />
図1のとおり、東アフリカでは掘削坑数が著しく少なく、その大部分は陸上での掘削である。まさに処女地であった。モザンビークとタンザニア沖合において巨大ガス田が発見されたことにより、探鉱活動が活発になることは間違いない。<br />
<br />
図1:東アフリカの掘削本数[2] (クリックで拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiquDeonekbphguJenxa5v9kzMnrc-YntvAXAJJ-RgHW9JonzmGYiMmLOSMGPh1qNkozvfXMqPuymPLxo3DZdAhC2-jUvtrts1cJt_35pr276NUrqnGItIjxfjgL-9HzAQe-8FWcwy-h8w/s1600/%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E3%2580%2580%25E6%258E%2598%25E5%2589%258A%25E5%259D%2591%25E6%2595%25B0.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="200" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiquDeonekbphguJenxa5v9kzMnrc-YntvAXAJJ-RgHW9JonzmGYiMmLOSMGPh1qNkozvfXMqPuymPLxo3DZdAhC2-jUvtrts1cJt_35pr276NUrqnGItIjxfjgL-9HzAQe-8FWcwy-h8w/s200/%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E3%2580%2580%25E6%258E%2598%25E5%2589%258A%25E5%259D%2591%25E6%2595%25B0.jpg" width="171" /></a></div><br />
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<b>2.探鉱の成果</b><br />
<br />
表1、図2のとおり、最近、モザンビークでは33 TCF (33兆立方フィート)以上、タンザニアでは 10TCFの埋蔵量が発見されている。アフリカのガス埋蔵量は、ナイジェリア(187 TCF)、アルジェリア(159 TCF)、エジプト(78 TCF)、リビア(55 TCF)に次いで、モザンビーク(33 TCF)の順になる[3]。<br />
<br />
なお、上記の記事でENIは15TCFの埋蔵量を発見したと発表しているが、更に掘削したところ、深部で新しい層を発見したため、22.5TCFと上方修正された[4]。22.5TCFというのは、LNG換算約2,300万トン×20年の規模である[5]。<br />
<br />
<br />
表1:モザンビークとタンザニアの探鉱成果<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgCYLTzAeGB2c3yG_8MpJIQPf-NvbxmUJ1CLKpaTqZs6hzKa6f9BwQ_4PCVFbsJL8fVUHg8xEEZ_d3DTpbLSmPYfvUgBPOGuAL5qlLNAYtg247KY7UBKyLTyR-ofMwBqNtqKHQv2MQ-JFo/s1600/%25E8%25A1%25A8%25E3%2580%2580%25E3%2583%25A2%25E3%2582%25B6%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2593%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25AF%25E3%2580%2580%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25B6%25E3%2583%258B%25E3%2582%25A2%25E3%2580%2580%25E3%2582%25AC%25E3%2582%25B9%25E7%2599%25BA%25E8%25A6%258B.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="145" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgCYLTzAeGB2c3yG_8MpJIQPf-NvbxmUJ1CLKpaTqZs6hzKa6f9BwQ_4PCVFbsJL8fVUHg8xEEZ_d3DTpbLSmPYfvUgBPOGuAL5qlLNAYtg247KY7UBKyLTyR-ofMwBqNtqKHQv2MQ-JFo/s200/%25E8%25A1%25A8%25E3%2580%2580%25E3%2583%25A2%25E3%2582%25B6%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2593%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25AF%25E3%2580%2580%25E3%2582%25BF%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25B6%25E3%2583%258B%25E3%2582%25A2%25E3%2580%2580%25E3%2582%25AC%25E3%2582%25B9%25E7%2599%25BA%25E8%25A6%258B.jpg" width="200" /></a></div><br />
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図2:モザンビークの2つの鉱区<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhHGu0SHzn7ZU1QGRuWcZaK1lFXQwt75Z3LbxhIyGeqHMpI9ARiiYKGEireCgA0742bpmBSC0rsWZo8mYfwTSNoOGEo1Rfnhp3zUcBtyolJxJjm_RRidsR6sydeAwAB4_DxALzoTM5RfLc/s1600/%25E3%2583%25A2%25E3%2582%25B6%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2593%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25AF%25E3%2580%2580%25E3%2582%25AC%25E3%2582%25B9%25E3%2580%2580%25E7%2599%25BA%25E8%25A6%258B.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="220" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhHGu0SHzn7ZU1QGRuWcZaK1lFXQwt75Z3LbxhIyGeqHMpI9ARiiYKGEireCgA0742bpmBSC0rsWZo8mYfwTSNoOGEo1Rfnhp3zUcBtyolJxJjm_RRidsR6sydeAwAB4_DxALzoTM5RfLc/s320/%25E3%2583%25A2%25E3%2582%25B6%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2593%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25AF%25E3%2580%2580%25E3%2582%25AC%25E3%2582%25B9%25E3%2580%2580%25E7%2599%25BA%25E8%25A6%258B.jpg" width="320" /></a></div><br />
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<br />
<br />
<br />
<b>3.今後の予定</b><br />
<br />
今後、追加掘削をしてガス田の埋蔵量を確認する作業がある。早いケースでは、2018年~2019年頃にLNGをインド、中国、韓国、日本向けに輸出する計画がある[6]。<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></div><br />
モザンビークがLNGを輸出したとき、収入を管理できないならば富は「呪い」になってしまうが、その対策はとられつつある。<br />
<br />
1.同国政府は、EITI(採取産業透明性イニシアティブ)に参加し、ナイジェリアなどの轍を踏まないようにしている。<br />
<br />
2.石油・ガス会社においても、賄賂など不明朗な支払いをしないようにしなければならない。<br />
(1) 米国では、2010年7月、「Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act」が法律として大統領に承認された。これにより、米国市場に上場している石油・ガス・鉱物資源の会社が米国政府あるいは相手国政府に支払った全費用の詳細を国毎に公開することが義務付けられた。[7]<br />
<br />
(2) 欧州委員会は、2011年10月、Country-by-Country Reporting (CBCR)を提案した。鉱業及び林業の会社は、企業の社会的責任(CSR)として、税金・ロイヤリティ、ボーナスなどの支払いを公開しなければならない、という提案である。[8]<br />
<br />
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<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1] <a href="http://japanese.joins.com/article/847/144847.html">http://japanese.joins.com/article/847/144847.html</a><br />
[2] <a href="http://www.afren.com/afreneax/why-east-africa.html">http://www.afren.com/afreneax/why-east-africa.html</a><br />
[3] BP統計(2011年版)<a href="http://www.bp.com/sectionbodycopy.do?categoryId=7500&contentId=7068481">http://www.bp.com/sectionbodycopy.do?categoryId=7500&contentId=7068481</a><br />
[4] <a href="http://www.eni.com/en_IT/media/press-releases/2011/10/2011-10-27-eni-mamba-south-mozambique.shtml?menu2=media-archive&menu3=press-releases">http://www.eni.com/en_IT/media/press-releases/2011/10/2011-10-27-eni-mamba-south-mozambique.shtml?menu2=media-archive&menu3=press-releases</a><br />
[5] ダイヤモンド・ガス・オペレーション<a href="http://www.dgoweb.com/news/">http://www.dgoweb.com/news/</a> <br />
[6] <a href="http://www.cove-energy.com/communicraft-cms-system/uploads/Presentation_UBS_Conf_-_Update_26_September.pdf">http://www.cove-energy.com/communicraft-cms-system/uploads/Presentation_UBS_Conf_-_Update_26_September.pdf</a><br />
[7] <a href="http://www.revenuewatch.org/news/qa-us-financial-reform-and-transparency-oil-gas-and-mining">http://www.revenuewatch.org/news/qa-us-financial-reform-and-transparency-oil-gas-and-mining</a><br />
<a href="http://www.dir.co.jp/souken/research/report/esg/cg/10092801cg.pdf">http://www.dir.co.jp/souken/research/report/esg/cg/10092801cg.pdf</a><br />
[8] <a href="http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/11/1238&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en">http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/11/1238&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en</a><br />
<br />
<b>その他参考文献</b><br />
「最後?の処女地:東アフリカの石油・天然ガス」 by 石田 聖<br />
<a href="http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/0/666/200605_001a.pdf">http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/0/666/200605_001a.pdf</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-18715268580135351992011-09-03T11:53:00.010+09:002011-09-03T13:53:58.726+09:00新しい段階に入った中国とアフリカ中国とアフリカの関係が新たな段階に入りました。これまで中国政府は、アフリカの資源や市場を確保するため、相手国政府との関係を築き、企業が容易に進出できるようにしてきました。アフリカ諸国からみれば、中国の役人や企業人と交流はあったのですが、個人としての中国人との交流の度合いは小さかったと思われます。これからは、中国政府は中国NGOとアフリカNGO間との交流を促進するように後押し、中国・アフリカの関係を更に密接化させることでしょう。<br />
<br />
<br />
<b><span style="color: red;">【 ニュース 】</span></b><br />
<br />
<div style="background-color: #d9d2e9;"><b>中国・アフリカ民間フォーラム「ナイロビ宣言」を発表</b> [1]<br />
<div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
第1回中国・アフリカ民間フォーラムが30日、ケニアの首都・ナイロビで閉幕し、代表らは2日間にわたる会議で「ナイロビ宣言」を起草、発表しました。<br />
<br />
フォーラム開催期間中、代表らは「中国とアフリカ間の民間対話と協力」、「中国とアフリカの気候変動と食糧安全」、「中国とアフリカの非政府組織の公信力と透明性」、「中国とアフリカの伝統文化の保全と教育の発展をいかに進めるか」などの議題について踏み込んだ交流を行い、出席者らは「第1回中国・アフリカ民間フォーラムは目覚しい成果を収めた。双方の非政府組織の共同努力の下、中国とアフリカの民間レベルの友好交流はより緊密になるだろう」との考えを示しました。<br />
<br />
また、フォーラム後に発表された「ナイロビ宣言」は、フォーラムの成果を全面的に示し、高く評価するものとなりました。宣言は「今後も絶えずメカニズムの健全化を図り、同時にフォーラムの内容を充実化し、実務協力を着実に推進して、中国・アフリカ民間フォーラムを成果ある交流と協力のプラットフォームとして作り上げ、中国とアフリカの友好協力のために活力を注ぐ」とした上で、「新しい時代背景の下、中国とアフリカの伝統的な友情は新しいチャンスと試練を迎えることとなり、双方の民間交流はすでに中国とアフリカの友好交流の重要な一部となっている。中国とアフリカのすべての民間組織は『民間の友好交流と実務協力を促進する』原則に基づき、中国とアフリカの民間交流を進め、中国とアフリカの人民が真の意味で『全天候の友人』になり、『良きパートナー』になるという目標を、実際の行動を以って実現する」としました。</div><div style="background-color: white;"><br />
写真(クリックで拡大)</div><div class="separator" style="background-color: white; clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhA07LxASsKD70ewHs6o4UuSVNtXS7PB5422_3fqYZGtjQPSXwu4Bk9n6mz1row_0mlBmTPqJJv6dZLwARBFNIcLPpLTkhMWBV36A3h2_j4mXL8B7IzwuQ9O5xl0lLjYhrzIGEl8_MFDkA/s1600/%25E4%25B8%25AD%25E5%259B%25BD%25E3%2583%25BB%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E6%25B0%2591%25E9%2596%2593%25E3%2583%2595%25E3%2582%25A9%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25A9%25E3%2583%25A0+201108.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"target="_blank"><img border="0" height="215" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhA07LxASsKD70ewHs6o4UuSVNtXS7PB5422_3fqYZGtjQPSXwu4Bk9n6mz1row_0mlBmTPqJJv6dZLwARBFNIcLPpLTkhMWBV36A3h2_j4mXL8B7IzwuQ9O5xl0lLjYhrzIGEl8_MFDkA/s320/%25E4%25B8%25AD%25E5%259B%25BD%25E3%2583%25BB%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E6%25B0%2591%25E9%2596%2593%25E3%2583%2595%25E3%2582%25A9%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25A9%25E3%2583%25A0+201108.png" width="320" /></a></div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><b style="color: red;">【 解説 】</b></div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">この項においては、フォーラムの概要と背景、そして「ナイロビ宣言」の概要を書く。</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><b>1.「第1回中国・アフリカ民間フォーラム」の概要 </b>[2]</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">開催日:2011年8月29~30日</div><div style="background-color: white;">場所:ケニア、ナイロビ</div><div style="background-color: white;">主催:</div><div style="background-color: white;"> ・中国民間組織交流促進会(CNIE: China NGO Network for International Exchanges) [3]</div><div style="background-color: white;"> ・Kenya Non-Governmental Organizations Coordination Board [4]</div><div style="background-color: white;">テーマ:</div><div style="background-color: white;">中国とアフリカのNGOがパートナーシップを発展させ、友好を促進させること。</div><div style="background-color: white;">参加者数:200名以上</div><div style="background-color: white;"> ・中国から(18のNGO):50名</div><div style="background-color: white;"> ・ケニアから:100名</div><div style="background-color: white;"> ・ケニア以外のアフリカ諸国(18ヶ国)から:50名</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><b>2.経緯</b></div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">(1) 基本的方向性</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">民間交流の重要性は、2006年1月に発表された「中国の対アフリカ政策文書」[5]において示されているので、関連箇所を引用する。</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: #d9ead3;">(三)文化交流</div><div style="background-color: #d9ead3;">アフリカ各国と締結した文化協力協定と関連の執行計画を実行に移し、双方の文化主管官庁の日常的往来を続け、双方の文化人・芸術家及びスポーツ選手の交流を深める。双方の文化交流計画と市場の需要に基づいて、民間団体や機関によるさまざまな形の文化交流イベントを積極的に誘致、推進する。(中略)</div><div style="background-color: #d9ead3;">(八)民間交流</div><div style="background-color: #d9ead3;">中国アフリカの民間団体の交流を奨励するとともに積極的に指導する。特に青年、女性の交流に力を入れ、双方の人民間の理解、信頼と協力を増進する。ボランティアによるアフリカ諸国での奉仕を奨励し、指導する。</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"></div><div style="background-color: white;">(2)最近の動き</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">フォーラムの中国側の主催者である中国民間組織交流促進会(CNIE)は、2009年からアフリカ諸国を訪問し、2010年には数回お互いを訪問し[6]、今年2011年に、このフォーラムの共同主催した。また、China-Africa Brightness Actionという医療プログラム(=20人以上の中国人医師がアフリカ諸国を訪問し、無料で500~1000人白内障の手術をするプログラム)を支援をしている。</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><b>3.「ナイロビ宣言」の概要</b></div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">宣言の全文がChina Dailyに掲載されているが[7]、(1)今回、何が話題になったのか、(2)こらからの対話の枠組みについて、合意された。なお、第2回中国・アフリカ民間フォーラムは2012年に北京において開催される。</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">(1)議題になったこと</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">①民間人の対話と協力</div><div style="background-color: white;">②気候変動と食料安全保障</div><div style="background-color: white;">③NGOの信頼性と透明性</div><div style="background-color: white;">④NGOと政府の関係</div><div style="background-color: white;">⑤組織と社会</div><div style="background-color: white;">⑥伝統文化の保存と、教育開発の促進</div><div style="background-color: white;">⑦開発女性と若者の役割と、HIV/AISとの闘いの経験の共有</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">(2)対話の枠組み</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">農業、衛生、環境、教育、文化、起業、女性・若者の権利拡大の分野について話し合う。</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"><b style="color: red;">【 コメント 】</b></div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">日本にはアフリカに関係したNGOが多数存在しているので[8]、民間の交流に関しては中国のNGOよりは活動している---と言い切っても間違いないであろう。</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">中国はNGOを積極的に資金的に支援することが予想される中で、日本のNGOが今後も活発な活動ができるかどうかは、結局のところ、資金があるかどうかによる。NGOの収入源は、事業収入、個人や企業の寄付金、政府の補助金であるが、事業収入や寄付金の増額は現実的でないので、やはり政府補助金の増額に期待するしかないだろう。</div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">政府がODAなどを実施する政策的目標は、「日本のプレゼンス」を高めて、国際社会における「発言力」を高めることだと思うが、①現地政府へのODA、②国際機関への拠出金、③NGOへの補助金などに資金を配分するにあたっては、費用対効果が高いものを優先することが肝要である。さらに、評価レポートを公表して、透明性を確保すべきであると考える。</div><div style="background-color: white;"></div><div style="background-color: white; text-align: right;"><br />
お役に立ちましたら クリックお願いします。</div><div style="background-color: white; text-align: right;"><a href="http://overseas.blogmura.com/africa/" target="_blank"><img alt="にほんブログ村 海外生活ブログ アフリカ情報へ" border="0" height="31" src="http://overseas.blogmura.com/africa/img/africa88_31.gif" width="88" /></a> <a href="http://blog.with2.net/link.php?907325:3250" target="_blank"><img alt="人気ブログランキングへ" border="0" height="31" src="http://image.with2.net/img/banner/c/banner_1/br_c_3250_1.gif" width="110" /></a></div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;"></div><div style="background-color: white;"><b><span style="color: red;">【 参考文献 】</span></b></div><div style="background-color: white;"><br />
</div><div style="background-color: white;">[1] <a href="http://japanese.cri.cn/881/2011/08/31/241s179814.htm" target="_blank">CRI日本語版 2011/8/31</a></div><div style="background-color: white;">[2] </div><div style="background-color: white;"> ①<a href="http://www.ngobureau.or.ke/" target="_blank">ケニア Non-Governmental Organizations Co-ordination Bordの案内文(2011/8/9付)より</a> </div><div style="background-color: white;"> ②<a href="http://www.chinadaily.com.cn/china/2011-08/23/content_13175228.htm" target="_blank">2011/8/23付 China Daily記事</a></div><div style="background-color: white;">[3] <a href="http://www.cnie.org.cn/" target="_blank">中国民間組織交流促進会(CNIE: China NGO Network for International Exchanges) </a></div><div style="background-color: white;">[4] <a href="http://www.ngobureau.or.ke/" target="_blank">Kenya Non-Governmental Organizations Coordination Board</a></div><div style="background-color: white;">[5] <a href="http://www.china-embassy.or.jp/jpn/zgbk/t230934.htm" target="_blank">「中国の対アフリカ政策文書 二〇〇六年一月」</a></div><div style="background-color: white;">[6] <a href="http://www.cnie.org.cn/english/index.asp" target="_blank">CNIE Activities</a></div><div style="background-color: white;">[7] <a href="http://www.chinadaily.com.cn/china/chinaafricaforum/2011-08/31/content_13241567.htm" target="_blank">2011/8/31付 China Daily記事</a></div><div style="background-color: white;">[8] <a href="http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/db-ngo/index-name.html" target="_blank">「アフリカ日本協議会」が作成したデータベース参照。</a></div></div>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-55871009398453543142011-06-03T21:12:00.015+09:002011-06-04T21:36:05.081+09:00韓国の官民連携:国際標準の確保韓国の政治・経済には目を見張るものがあります。李明博大統領(2008年2月就任)の政治手腕によるところが大きい---と、私は考えております。彼は、金銭的には恵まれていない家庭の出身で、高麗大学校卒業後に「現代建設」という社員数90人会社に入社して、社長、会長を経て退社するまでに16万人の会社に成長させた伝説の人という評判です。その手腕を使って、国の経済を成長させています。<br />
<br />
今回は、韓国とアフリカに関するニュースを紹介します。内容は「国際標準」です。最初に、国際標準に関する韓国の考え方を説明している中央日報の社説を引用します。その次に、最近のニュース2本を紹介します。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
<div style="background-color: #d9d2e9;"><b>国際標準確保が技術競争力の指標</b> (2009/10/19付 中央日報 社説)[1]</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
世界の産業界には「優秀な技術を多く使うのではなく、多く使われる技術が優秀だ」という格言がある。それだけ国際標準は重要だ。国際標準を確保できなければ単純な製造国から決して抜け出せない。全世界が標準規格をめぐり銃声のない戦争を繰り広げているのもこのためだ。国際標準は莫大な付加価値をもたらす。どの企業も標準に基づいて製品を作ろうとするならロイヤルティを支払い標準特許を利用しなくてはならない。例えば韓国企業は1995年以降、数兆ウォンのロイヤルティを支払って米クアルコムから携帯電話チップを買わなければならなかった。韓国のワイブロ(携帯インターネット)技術が国際標準になり、遠からずこうした悲哀もぬぐい去られる見通しだ。</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
先週末に三星(サムスン)電子とLG電子が開発したモバイルデジタルテレビ技術が米国の技術標準に採択されたという喜ばしいニュースが伝えられた。激しく競争してきた両社がともに世界市場を突き破ったという点からその意味も新ただ。北米地域で携帯電話を使ってテレビを視聴する場合、かならず三星とLGが作った受信チップを使うか、技術特許料を支払わなければならない。時を同じくして韓国のタッチフォンに使われる20ピン方式の携帯電話充電方式も国際標準に採択されたという。新しい携帯電話を買うたびに充電池と充電方式をすべて変えなくてはならない不便が消えることになった。このように国際標準は企業には市場支配力を、消費者には便利さをもたらす。</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
国際標準は技術競争力の尺度であり、企業の生存手段だ。しかし韓国企業がこうした事実に目を向けたのはわずか10年前だ。幸い国際標準提案件数が2001年の7件から昨年は212件に大きく増え、具体的な結実もひとつふたつと得られている。まずワイブロに次いで韓国が初めて商用化させた地上波マルチメディア放送(T-DMB)技術も国際標準になった。最近では韓国の造船業界が提案した16件の船舶係留装置が国際標準になり、韓国で開発したサービスロボットの安全と性能測定技術も国際標準になった。韓国は出遅れたものの国際標準会議を誘致し世界の規格機関に進出するため努力した成果が徐々に現れ始めたのだ。</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
しかしまだ先は長い。国際標準機関が最近汎用技術より先導技術に関心を置き、先進国はいち早く動いている。欧米は研究開発費用を支援する際に技術標準化計画書をともに要求している。日本と中国も国レベルの総合戦略をまとめ、世界標準になる見込みがある側に研究資金を集中配分している。これ以上技術の優秀性だけでは国際標準を狙えない冷厳な現実も忘れてはならない。過去にビデオプレーヤーの標準競争でソニーが技術ひとつを信じてベータ方式に固執しVHS陣営にひざまずいた。われわれも政府と企業が協力して国際標準を念頭に置きながら技術開発に着手し、各国の利害関係を考慮した友好陣営もしっかりと構築する知恵を発揮すべきだ。 </div><br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>韓国政府、アフリカ市場攻略へ準備着々</b> [2]</div><div style="background-color: #cfe2f3;">【ソウル1日聯合ニュース】韓国の知識経済部は1日、ソウル市内のホテルでアフリカ市場を積極的に攻略しようと、第1回韓アフリカ標準協力フォーラムを開催した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">フォーラムは有望な市場として急浮上しているアフリカ諸国との貿易を阻む障壁の除去を目指し、対策を講じるため設けられた。アフリカからはアフリカ標準化機構(ARSO)、アフリカ連合などの貿易関連機関が、韓国からは輸出企業関係者ら計200人余りが参加した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">韓国政府とアフリカの貿易機関は貿易拡大に向け、教育やコンサルティングなど協力プログラムを運営し、貿易技術の障壁と関連した情報を交換することにした。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">フォーラムに先立ち、アフリカの代表団はLG電子やサムスン電子などを訪れ、製造施設を視察したほか、韓国技術標準院に対し韓国政府と企業の積極的なアフリカ進出を要請した。</div><br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>アフリカの標準化機関長がLG研究センター訪問 </b>[3]</div><div style="background-color: #cfe2f3;">LG電子は31日、アフリカ標準化機構(ARSO)およびアフリカ8カ国の標準化機関長が同社の加山R&D(研究開発)キャンパス内の「MC規格認証試験所」を訪問、標準化業務や品質対応の事例を見て回ったと発表した。</div><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj6b-UhtyjMjb3hwyV0Vj5LKZHyeHMcVpkg8fPCFscgY7Ehu9ILlRRIbD7VOlrFk_x-37xNDRIKnuwEgp1c_n7w9JYjGaxjf0v6NTjJWUXbeuOMfbaxPWheleBuR4_CONVwwqyYr6zxysQ/s1600/%25E9%259F%2593%25E5%259B%25BD%25E3%2580%2580%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E3%2580%2580%25E6%25A8%2599%25E6%25BA%2596%25E5%258C%2596.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="141" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj6b-UhtyjMjb3hwyV0Vj5LKZHyeHMcVpkg8fPCFscgY7Ehu9ILlRRIbD7VOlrFk_x-37xNDRIKnuwEgp1c_n7w9JYjGaxjf0v6NTjJWUXbeuOMfbaxPWheleBuR4_CONVwwqyYr6zxysQ/s320/%25E9%259F%2593%25E5%259B%25BD%25E3%2580%2580%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E3%2580%2580%25E6%25A8%2599%25E6%25BA%2596%25E5%258C%2596.png" width="320" /></a></div><br />
<b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<br />
<b>1.韓国の対応</b><br />
<br />
標準化をしているのは、アフリカ側はアフリカ標準化機構(ARSO: African Organization for Standardisation)で、韓国側は韓国技術標準院(KATS: Korean Agency for Technology and Standards)である。[3]<br />
<br />
6月1日、韓国において、第1回韓アフリカ標準協力フォーラム(Korea-Africa Standards Cooperation Forum)が開催されたが、参加したのは、エチオピア、ケニア、セネガル、ナイジェリアなど8ヶ国の代表である。[3]<br />
<br />
アフリカの参加者は、LG電子の研究所を訪問したが、特に、EMC (electromagnetic compatibility:電磁両立性)[4] と携帯電話の電磁波の問題に関心をもったとのこと。[3]<br />
<br />
なお、この会合に先立ち、昨年(2010年)12月3日、ARSOとKATSは覚書を締結しており、キャパシティビルディング(組織基盤強化)を約束していた。(英国も同様の覚書を締結している。)[5]<br />
<br />
<b>2.日本の対応</b><br />
<br />
最近のニュースでは、2011年2月、日本とアンゴラは、アンゴラにおける地上デジタルテレビ放送方式の規格として日本方式(ISDB-T方式)の「採用に向けた取組を推進していくことで合意、情報通信技術分野における協力に関する覚書に署名」した。[6]<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 コメント 】</b><br />
<br />
韓国の場合、大統領の権限が強いので、一度目標を設定したら、それを達成するための資金をつけ、政治的にバックアップする。UAEへの原子力発電の売り込みがそうであった。一方、日本の場合、首相が日本製品を売り込むことは極めて稀であるし、また役人が立派な戦略を立案しても予算がつくとは限らない。<br />
<br />
日本は他国と競争していることを認識する必要がある。<br />
<br />
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<b style="color: red;">【 参考文献 】</b><br />
<br />
<b>1.引用先</b><br />
[1] <a href="http://japanese.joins.com/article/699/121699.html?servcode=100&sectcode=110" target="_blank">2009/10/19付 中央日報社説</a><br />
[2] <a href="http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/06/01/0200000000AJP20110601003600882.HTML" target="_blank">聯合ニュース、2011/06/01</a><br />
[3] <a href="http://www.chosunonline.com/news/20110531000058" target="_blank">朝鮮日報、2011/5/31</a><br />
<a href="http://english.etnews.co.kr/news/detail.html?id=201106010001" target="_blank">LG Electronics Provided Tech Standard Expertise to African Nations (ELECTRONIC TIMES INTERNET CO、2011/6/1)</a><br />
[4] EMCとは、"他の機器に妨害を与えず,かつ,他からの妨害に対しても影響されない機器の能力"のことであるが、EMCの国際標準化については、<a href="http://www.jisc.go.jp/international/tokusyuu/tokusyuu0911.pdf" target="_blank">「EMC(電磁両立性)国際標準化活動を推進して」(by 徳田正満)</a>を参照のこと。<br />
[5] <a href="http://www.arso-oran.org/?page_id=394" target="_blank">ARSO signs MoU with British Standards Institute (BSI-UK) and Korea Agency for Technology and Standards (KATS), Korea</a><br />
[7] <a href="http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2011pdf/20110114114.pdf" target="_blank">国際規格の制定プロセスと国際標準化への取組 経済産業委員会調査室 藤田昌三 立法と調査 2011.1 No.312</a><br />
[8] <a href="http://www.jtec.or.jp/2009kouenkai-02.files/2009-02yanagishima.pdf" target="_blank">アフリカにおけるICT国際展開について 2010年1月21日 総務省国際協力課国際展開支援室 柳島智</a><br />
<br />
<b>2.ホームページ</b><br />
・ <a href="http://www.kats.go.kr/english/index.asp" target="_blank">韓国技術標準院(KATS)</a><br />
・ <a href="http://www.arso-oran.org/" target="_blank">アフリカ標準化機構</a><br />
<br />
<b>3.日本のマスコミによる放送</b><br />
・NHK「追跡!AtoZ」2009年 8月8日 「ニッポンは勝ち残れるか 激突 国際標準戦争」<br />
ビデオ <a href="http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/090808.html" target="_blank">http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/090808.html</a><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhZvPAAHrz9N86PSZPgv5GYZEHEuzkJncUEEwN33cLn5vpfSTl1YaFn554fmu_7MEDWgm5zYNBnH0VrF1lrtzwbz6GCrl_IkmprzfqwerTnQg4wlvj4k7M1uuKudJSztXjtXCCUXA9KmUY/s1600/NHK+%25E5%259B%25BD%25E9%259A%259B%25E6%25A8%2599%25E6%25BA%2596%25E6%2588%25A6%25E4%25BA%2589.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="193" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhZvPAAHrz9N86PSZPgv5GYZEHEuzkJncUEEwN33cLn5vpfSTl1YaFn554fmu_7MEDWgm5zYNBnH0VrF1lrtzwbz6GCrl_IkmprzfqwerTnQg4wlvj4k7M1uuKudJSztXjtXCCUXA9KmUY/s320/NHK+%25E5%259B%25BD%25E9%259A%259B%25E6%25A8%2599%25E6%25BA%2596%25E6%2588%25A6%25E4%25BA%2589.png" width="320" /></a></div><br />
・ワールドビジネスサテライト モノづくり覇権~世界規格戦争~ 第三夜 グリーン標準をつかめ!(2011/1/6放送)<br />
<a href="http://datazoo.jp/w/%E6%8A%80%E8%A1%93%E6%A8%99%E6%BA%96%E9%99%A2/5373477" target="_blank">TVでた蔵 (TV DATA ZOO)</a><br />
<br />
<b>4.本ブログの記事(韓国の投資に関する記事)</b><br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2009/12/blog-post_13.html" target="_blank">2009/12/13 韓国のアフリカ政策 </a><br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2009/12/blog-post_26.html" target="_blank">2009/12/26 アフリカに関する日本・中国・韓国の政策協議 </a><br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2011/04/part-2.html" target="_blank">2011/04/12 リビアからの脱出 (Part 2: 会社による社員救出) </a><br />
<br style="background-color: #cfe2f3;" />Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-11447908734573011332011-06-01T21:49:00.010+09:002011-06-01T23:04:35.546+09:00アフリカへの投資: 562社はどうみているのかこのブログの記事の中で、アフリカへの投資に関する記事が多く読まれています。日本企業もアフリカに注目しており、ゆっくりですが、着実に投資を進めております。(「<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/p/japanese-companies.html" target="_blank">日本企業 in アフリカ</a>」のタグ頁参照。)<br />
<br />
ところで、日本企業の競争相手は、アフリカをどのようにみているのでしょうか? 今回の記事は、外国企業(562社)がアフリカ市場をどうみているのかがわかるアンケート結果を紹介します。<br />
<br />
<br />
<b><span style="color: red;">【 ニュース 】</span></b><br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>アフリカ投資の魅力増大、BRICSとの関係も深化</b> (CNN、2011/5/25)[1]</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
ケープタウン(CNN) 投資先としてのアフリカの魅力は高まっているとする調査結果を大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤングが発表し、世界にその魅力を理解してもらう必要があると訴えている。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> 同社は南アフリカのケープタウンで開かれた世界経済フォーラムの会合で、アフリカ諸国を含む世界の企業約500社を対象に、事業環境としてのアフリカ大陸の魅力を語った。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> 調査の結果、アフリカを魅力的な投資先とみなしているのは主にアフリカ諸国や新興国で、それに比べると先進国の関心は低い傾向があることが分かった。同社によると、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカのBRICS諸国とアフリカとの関係が深まっているという。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> 同社アフリカ法人のシータ最高経営責任者(CEO)によると、世界全体への投資に占める外国からアフリカへの直接投資の割合は約4.5%、金額にすると1000億ドル相当にとどまっており、アフリカはもっと効果的にその魅力をアピールする必要があるという。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> シータ氏は、アフリカの魅力として10億もの人口、豊富な天然資源、世界の食料安全保障につながる農業分野などを挙げる一方、50を超える国で多様な言語が話され、国によって規制もまちまちな実態が投資の障壁になっていると指摘。「アフリカにとって真に必要なのは、共通の経済市場と大陸としての単一のビジョンだ」と訴えた。 </div><br />
<br />
<b><span style="color: red;">【 解説 】</span></b><br />
<br />
上記のニュースで述べられているアフリカへの外国直接投資に関する調査書は、アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young)が、2011年5月3日に発表したものであり、『It's time for Africa : Ernst & Young's 2011 Africa attractiveness survey』というものであり、同社のホームページでダウンロードできる[2] 。以下、一部だが内容を紹介する。<br />
<br />
<b>アンケートに答えた562社</b><br />
・国籍は、38ヶ国で、欧州(59%)、北米(18%)、アジア(18%)、その他(5%)。<br />
・アフリカに進出している割合は、62%。<br />
・事業部門は、産業・自動車・エネルギー部門(36%)、サービス部門(25%)、消費部門(25%)、その他。<br />
・アンケートに答えたのは、主に財務部門の責任者。<br />
<br />
<br />
<b>1.過去3年間でアフリカは投資しやすくなったと思うか?</b><br />
<br />
アンケートに回答した会社の68%が投資環境が改善したと考えている。アフリカや発展途上国の会社は、それ以上の評価をしている。一方、北米や欧州の会社は低く評価している。<br />
<br />
(全ての図は クリックで拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhj9Z_nx3IlNYf7rkPaMDBcZtXP2Uo-nhMGsWI2uY_0j8B-rz-xh0NC_G5DqyzXiEAPsc-csuV4MWKQxJiFGmZMBMV6WJkJ3zW1koxD2x6WWgkof0oeoIOIX4eB2FyqTcoj0OwIx2GKrbo/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2591%25EF%25BC%259A%25E9%2581%258E%25E5%258E%25BB%25EF%25BC%2593%25E5%25B9%25B4%25E9%2596%2593.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="180" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhj9Z_nx3IlNYf7rkPaMDBcZtXP2Uo-nhMGsWI2uY_0j8B-rz-xh0NC_G5DqyzXiEAPsc-csuV4MWKQxJiFGmZMBMV6WJkJ3zW1koxD2x6WWgkof0oeoIOIX4eB2FyqTcoj0OwIx2GKrbo/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2591%25EF%25BC%259A%25E9%2581%258E%25E5%258E%25BB%25EF%25BC%2593%25E5%25B9%25B4%25E9%2596%2593.png" t8="true" width="320" /></a></div><br />
<b>2.今後3年間でアフリカは投資しやすくなると思うか?</b><br />
<br />
アンケートに回答した会社の75%が投資環境が改善すると考えている。悪化すると考えている会社は10%以下である。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhvxfDtP-NRQi-NViIVu8hml-ZsfKFcDcH4SAUHBBQDPCMoRGRxHoq58T04OY6Wva47sJPk4uPu1TWK7-vIBsDTRlP8jyUlWvNMUAktCBSbdXV-Bt9agtfGIkw8pqNcjkM8yhGbKqo27AY/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2592%25EF%25BC%259A%25E4%25BB%258A%25E5%25BE%258C%25EF%25BC%2593%25E5%25B9%25B4%25E9%2596%2593.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="177" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhvxfDtP-NRQi-NViIVu8hml-ZsfKFcDcH4SAUHBBQDPCMoRGRxHoq58T04OY6Wva47sJPk4uPu1TWK7-vIBsDTRlP8jyUlWvNMUAktCBSbdXV-Bt9agtfGIkw8pqNcjkM8yhGbKqo27AY/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2592%25EF%25BC%259A%25E4%25BB%258A%25E5%25BE%258C%25EF%25BC%2593%25E5%25B9%25B4%25E9%2596%2593.png" t8="true" width="320" /></a></div><br />
<br />
<b>3.今後2年間で投資の対象となる事業分野は?</b><br />
<br />
鉱物資源の探鉱、石油ガスの探鉱・開発が上位を占めるが、観光、消費財がその次に位置する。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg0sdjJT6QcGJuxRxUh60JVHjfmOgpcNecxWRkcXaer2Uk5WsVeo41EgH8ario3lc9zK845h4fcM3fUXTBcFPL8_F3Qwt9bllOMWyc4SipaGmWsWu-U2U9bjBpZZxDYa-Vjwhjy6OCYcJ0/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2593%25EF%25BC%259A%25E4%25BB%258A%25E5%25BE%258C%25EF%25BC%2592%25E5%25B9%25B4%25E9%2596%2593%25E3%2580%2580%25E6%259C%2589%25E6%259C%259B%25E4%25BA%258B%25E6%25A5%25AD%25E5%2588%2586%25E9%2587%258E.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="225" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg0sdjJT6QcGJuxRxUh60JVHjfmOgpcNecxWRkcXaer2Uk5WsVeo41EgH8ario3lc9zK845h4fcM3fUXTBcFPL8_F3Qwt9bllOMWyc4SipaGmWsWu-U2U9bjBpZZxDYa-Vjwhjy6OCYcJ0/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2593%25EF%25BC%259A%25E4%25BB%258A%25E5%25BE%258C%25EF%25BC%2592%25E5%25B9%25B4%25E9%2596%2593%25E3%2580%2580%25E6%259C%2589%25E6%259C%259B%25E4%25BA%258B%25E6%25A5%25AD%25E5%2588%2586%25E9%2587%258E.png" t8="true" width="320" /></a></div><br />
<br />
<b>4.既にアフリカに進出した会社の今後の事業展開は?</b><br />
<br />
「更に投資する」と「事業を継続する」と応えた会社の合計が62%を占める。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiMs1i-GwLcn67P9dNc-56ZQtQ1EcsFTOYUdjk26pUbMTGNFJFfnjkbVgz7IVskdygBl6phJc-Z8NFo_M79IJi68xOgrVeEulK1MyHl9uupB8A1WXI0Kmsonp3XbSDThc1YZ2i3T1o4k2w/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2594%25EF%25BC%259A%25E4%25BB%258A%25E5%25BE%258C%25E3%2581%25AE%25E4%25BA%258B%25E6%25A5%25AD%25E5%25B1%2595%25E9%2596%258B.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="256" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiMs1i-GwLcn67P9dNc-56ZQtQ1EcsFTOYUdjk26pUbMTGNFJFfnjkbVgz7IVskdygBl6phJc-Z8NFo_M79IJi68xOgrVeEulK1MyHl9uupB8A1WXI0Kmsonp3XbSDThc1YZ2i3T1o4k2w/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2594%25EF%25BC%259A%25E4%25BB%258A%25E5%25BE%258C%25E3%2581%25AE%25E4%25BA%258B%25E6%25A5%25AD%25E5%25B1%2595%25E9%2596%258B.png" t8="true" width="320" /></a></div><br />
<br />
<b>5.アフリカでの事業で障害となることは?</b><br />
<br />
投資環境で問題なのは、政治環境が不安定であり、腐敗、治安が悪いことである。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjR7PIlwWRSuwQqeBUpdb65WDMdBvdqc6jwZ48nV2u1BnFG0znPcbHA0yCn534EfnJy14l2n_zHm8DRjmjCRQdlP5SUnNGGMFkyOCGWaK8QUoCh0Dd3p53n36YDH5RGDYgWdGbmfwiB-HA/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2595%25EF%25BC%259A%25E9%259A%259C%25E5%25AE%25B3.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="222" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjR7PIlwWRSuwQqeBUpdb65WDMdBvdqc6jwZ48nV2u1BnFG0znPcbHA0yCn534EfnJy14l2n_zHm8DRjmjCRQdlP5SUnNGGMFkyOCGWaK8QUoCh0Dd3p53n36YDH5RGDYgWdGbmfwiB-HA/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2595%25EF%25BC%259A%25E9%259A%259C%25E5%25AE%25B3.png" t8="true" width="320" /></a></div><br />
<b>6.外国直接投資の件数が多い国は?</b><br />
<br />
2003年から2010年までの新規の外国直接投資の件数をみると、南ア、エジプト、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、ナイジェリアなどが人気である。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgjqyEW0bfsnd6mg0InFIPMAJkCFbG956yGiKS4ZtIGIFCxxJLsiJ6VnmQ_7HzCu9iAbq_szjTna9e9YWmumF7H1uPlvkTZ725p1FjD_O5wnvTxcCvFzUbfFFrrLNxNt-Qov4Wabp4IQzo/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2596%25EF%25BC%259A%25E5%25A4%2596%25E5%259B%25BD%25E7%259B%25B4%25E6%258E%25A5%25E6%258A%2595%25E8%25B3%2587%25E3%2581%25AE%25E4%25BB%25B6%25E6%2595%25B0%25E5%2589%25B2%25E5%2590%2588.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="230" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgjqyEW0bfsnd6mg0InFIPMAJkCFbG956yGiKS4ZtIGIFCxxJLsiJ6VnmQ_7HzCu9iAbq_szjTna9e9YWmumF7H1uPlvkTZ725p1FjD_O5wnvTxcCvFzUbfFFrrLNxNt-Qov4Wabp4IQzo/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2596%25EF%25BC%259A%25E5%25A4%2596%25E5%259B%25BD%25E7%259B%25B4%25E6%258E%25A5%25E6%258A%2595%25E8%25B3%2587%25E3%2581%25AE%25E4%25BB%25B6%25E6%2595%25B0%25E5%2589%25B2%25E5%2590%2588.png" t8="true" width="320" /></a></div><br />
<b>7.アフリカは他の地域と比べて魅力的か?</b><br />
<br />
旧ソ連諸国とアフリカを比べた場合、60%がアフリカの方が魅力だと答えた。中央アフリカや南米と比べると、それぞれ 52%、南米 49%がアフリカが魅力であるとみている。アジア、北米、西欧、中東、オセアニア、東欧と比べた場合は、アフリカの魅力は低い。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhoJ6OsLz_JDW6HOWcgFI6pVmh87-OkjQfsNrPB0nm68VCRYomuDXhZ7V4AVPGNUUjyIfnmk0XbJM-lnreKaVyJMazfpl_P26BXi5RH1qK4Mdw4Lm-GP5LPXlnsFgRPrKqmbi_jy4LdJQg/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2597%25EF%25BC%259A%25E4%25BB%2596%25E3%2581%25AE%25E5%259C%25B0%25E5%259F%259F%25E3%2581%25A8%25E6%25AF%2594%25E3%2581%25B9%25E3%2581%25A6%25E9%25AD%2585%25E5%258A%259B%25E7%259A%2584%25E3%2581%258B.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="243" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhoJ6OsLz_JDW6HOWcgFI6pVmh87-OkjQfsNrPB0nm68VCRYomuDXhZ7V4AVPGNUUjyIfnmk0XbJM-lnreKaVyJMazfpl_P26BXi5RH1qK4Mdw4Lm-GP5LPXlnsFgRPrKqmbi_jy4LdJQg/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2597%25EF%25BC%259A%25E4%25BB%2596%25E3%2581%25AE%25E5%259C%25B0%25E5%259F%259F%25E3%2581%25A8%25E6%25AF%2594%25E3%2581%25B9%25E3%2581%25A6%25E9%25AD%2585%25E5%258A%259B%25E7%259A%2584%25E3%2581%258B.png" t8="true" width="320" /></a></div><br />
<b><span style="color: red;">【 コメント 】</span></b> <br />
<br />
1.アフリカの人口は大きく増加するので、市場として魅力的である。(下図は、国の人口ではなく、都市の人口である。)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgsDUZi564zBoxaLMf0FysQvqF8JhUyxXL38XKIg1vVnKW_ixzLB7XPba3h5r2v0473cYWb-eJgLGF_AJq8BIE4EM5tZnBN4meDGGbriOjZQ8tWCOFi6CCMvSvpjaQm_5ajnehbis_uhFg/s1600/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2598%25EF%25BC%259A%25E4%25BA%25BA%25E5%258F%25A3300%25E4%25B8%2587%25E4%25BA%25BA%25E4%25BB%25A5%25E4%25B8%258A%25E3%2581%25AE%25E9%2583%25BD%25E5%25B8%2582%25E3%2580%25802010%25E3%2580%25802025.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="247" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgsDUZi564zBoxaLMf0FysQvqF8JhUyxXL38XKIg1vVnKW_ixzLB7XPba3h5r2v0473cYWb-eJgLGF_AJq8BIE4EM5tZnBN4meDGGbriOjZQ8tWCOFi6CCMvSvpjaQm_5ajnehbis_uhFg/s320/%25E5%259B%25B3%25EF%25BC%2598%25EF%25BC%259A%25E4%25BA%25BA%25E5%258F%25A3300%25E4%25B8%2587%25E4%25BA%25BA%25E4%25BB%25A5%25E4%25B8%258A%25E3%2581%25AE%25E9%2583%25BD%25E5%25B8%2582%25E3%2580%25802010%25E3%2580%25802025.png" t8="true" width="320" /></a></div><br />
2.低所得層の市場なので、安価でかつ良質な商品を提供できなければ、韓国や中国、東南アジアなどの企業と競争できない。<br />
<br />
①日本で売れ残った商品を輸出するのも一案であろう。<br />
②デジカメやPCなどのパンフレットを見ればわかるように、日本の企業はあまりにも多くのアクセサリーを作り、頻繁にモデルチェンジをしている。新しいモデルを欲しがる消費者にとってはうれしいことだが、アフリカ向けには、安価な基本モデルが適していると思う。<br />
<div style="text-align: right;"><br />
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<br />
[1] <a href="http://www.cnn.co.jp/business/30002863.html" target="_blank">日本語記事 CNN、2011/5/25</a><br />
<a href="http://edition.cnn.com/2011/BUSINESS/05/24/africa.attractive.investment/?hpt=C2">英語記事(ビデオあり)</a><br />
[2] <a href="http://www.ey.com/ZA/en/Newsroom/News-releases/2011---Press-Release---Africa-Attractiveness-survey" target="_blank">Ernst & Youngプレス発表、2011/5/3</a><br />
<br />
<b>その他の資料</b><br />
<br />
<a href="http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110527/220270/?rt=nocnt" target="_blank">井の中の巨大な蛙 新興国で存在感(日経ビジネスオンライン、2011/5/30)</a><br />
<br />
World Economic Forum on Africa, Background Facts and Figures<br />
<a href="http://www.blogger.com/www.knowledgeconcierge.com/PDFs/briefings/Africa11_FF_final.pdf" target="_blank">PowerPoint資料</a>(図8はここからとった。)<br />
<a href="https://members.weforum.org/pdf/Africa2010/Africa_2010_FastFacts.pdf" target="_blank">39頁資料</a><br />
<br />
World Economic Forumで、世銀が発表した資料「<a href="http://www3.weforum.org/docs/WEF_GCR_Africa_Report_2011.pdf" target="_blank">The Africa Competitiveness Report 2011</a>」の140ページ以降に、経済に焦点をあてたアフリカ35ヶ国のカントリーレポートが記載されている。Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-61370617905185789912011-05-27T09:14:00.007+09:002011-05-27T10:35:25.181+09:00米国がリビア反体制派を全面的に支援できない理由多国籍軍がリビア・カダフィ政権に対し攻撃を開始してから2ヶ月以上が経過しました。米国はフランスやイタリアほど積極的に攻撃に参加していませんが、その理由について日本のメディアはあまり報道していません。<br />
<br />
読売新聞の社説がリビアの現状を良くまとめていますが、米国の軍事介入については、「何より、アフガニスタンとイラクへの関与で余力の乏しい米国自身が消極的だ。」との説明しています。私は、もう1つ重要な理由があると考えています。反政府「暫定国民評議会」[1] の武装勢力にアルカイダが入り込んでいるので、米国は全面的に支援できない---ということです。<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>リビア軍事介入 長引く内戦をどう終わらせる</b> (5月19日付・読売社説)[2]</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
民衆の独裁政権に対するデモが内戦に転じた北アフリカのリビアに、米英仏を中心とする多国籍軍が軍事介入を始めて2か月になる。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> 命運が尽きるとみられたカダフィ氏は、政権の座に居座り、反体制派への攻撃をやめる気配はない。北大西洋条約機構(NATO)が指揮する多国籍軍の作戦の有効性が問われている。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> 作戦の当初の目的は、政権側の攻撃にさらされる市民を守ることだった。そのために、国連安全保障理事会は、地上軍の投入を除く「あらゆる措置」を認めた。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> 政権側の空軍基地や戦車に対する多国籍軍の空爆によって、反体制派の拠点都市ベンガジの陥落や市民の虐殺は回避できた。しかし、その後、政権側と反体制派の攻防は一進一退を続けている。<br />
NATOに対しては、「兵力も装備も劣る反体制派をてこ入れしているに過ぎない」との批判さえある。このまま内戦が長引けば、死傷者は増え続ける。軍事介入の正当性も揺らぎかねない。<br />
膠着(こうちゃく)した戦況を打開するため、地上軍を投入しようとするなら、新たな安保理決議が必要だ。だが、カダフィ政権転覆を目的とする本格的な軍事介入を、拒否権を持つ中露両国が認めるはずがない。<br />
何より、アフガニスタンとイラクへの関与で余力の乏しい米国自身が消極的だ。オバマ米大統領は「カダフィ政権の転覆は目指してはいない」と言い続けてきた。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> 仏英両国は、リビアの体制変革に意欲的だが、米国抜きで作戦を遂行する力はない。<br />
リビア介入に対する欧米諸国の姿勢に大きな温度差がある以上、軍事介入の強化による事態の打開は難しいだろう。<br />
調停による内戦終結の道も残されてはいる。だが、軍事介入の人道目的の性格が薄れ、内戦の当事者の一方に肩入れする構図が日増しに色濃くなる現状では、その展望はなかなか開けそうにない。<br />
国際刑事裁判所(ICC)の検察官が、「人道に対する罪」でカダフィ氏の逮捕状を請求したことも、どう影響するか。カダフィ氏が退路を断たれたと考え、一層の徹底抗戦に向かう懸念もある。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> リビア内戦の長期化は、アラブ諸国に広がる民主化要求の動きにも水を差す。シリアのアサド政権は、反政府デモへの徹底的な弾圧を続けている。リビアへの軍事介入で行き詰まる米英仏は、手を出せないと見ているのだろう。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> 欧米諸国には、対リビア戦略の練り直しが急務である。<br />
(2011年5月19日01時08分 読売新聞)</div><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgnmdz2BrpTJYq7FJX2qgBqpJpQDIPeU1COokFHnF8b67gbuGpWKiYgJAxkbGdpI2HI7q6Obz9_U66nZKd-6ALr_L2QghKR-mDm-bhn6ja0o4TOJVZUTaSvj1CLtGOUO0whZknNzTLsNjo/s1600/Abdel-Hakim+al-Hasidi.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><br />
</a></div><div style="background-color: white;"><b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<br />
<b>1.反政府「暫定国民評議会」は何を求めているのか?</b><br />
<br />
「暫定国民評議会」が求めているのは、NATOの支援と資金援助である。ただし、軍事的支援については、NATOの空爆のみであり、地上部隊の投入は望んでいない。[3]<br />
<br />
資金援助に関しては、米国などはカダフィの資産を凍結(freeze)しているが、それを没収(confiscate)したうえで、暫定国民評議会に渡す(reallocate)することである。ちなみに、凍結されている金額は、全世界で165,000百万ドルで、その内、米国に34,000百万ドルがある。[4]<br />
<br />
5/12~14にかけて、暫定国民評議会のマフムード・ジブリル首相とアリ・タルホウニ財務相はワシントンを訪問し、資金援助を求めたが、米国は「医療物資やテント、制服、土のう、防弾チョッキといった、殺傷能力のある武器以外の物資の支援」[5]などの人道的支援に限定したため、手ぶら[4]で帰ることになった。<br />
<br />
現在のところ、暫定国民評議会は支配下においているリビア東部で国民に給与を支払っている[6]。(後述のとおり、ベンガジの中央銀行の金を配分している。)しかし、その金がなくなったら、民衆の支持を得られるかどうか分からない。<br />
<br />
写真(クリックで拡大)</div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhXetvROa73mYICbmN-GcyHjw5HEnEM6-hupXfO8n4XhdKTB1XRJBujMFdjZ9Eh04LlG5fftLbmMBfEJMBTCmStnmxaI83TcFPJiqAWa0YCrXrwazVaf-oIovNxi0eu3pipCtPuUteMeSY/s1600/%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2593%25E3%2582%25A2%25E3%2580%2580%25E5%258F%258D%25E4%25BD%2593%25E5%2588%25B6%25E6%25B4%25BE%25E3%2580%2580%25E4%25B8%25BB%25E8%25A6%2581%25E3%2583%25A1%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2590%25E3%2583%25BC.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="169" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhXetvROa73mYICbmN-GcyHjw5HEnEM6-hupXfO8n4XhdKTB1XRJBujMFdjZ9Eh04LlG5fftLbmMBfEJMBTCmStnmxaI83TcFPJiqAWa0YCrXrwazVaf-oIovNxi0eu3pipCtPuUteMeSY/s320/%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2593%25E3%2582%25A2%25E3%2580%2580%25E5%258F%258D%25E4%25BD%2593%25E5%2588%25B6%25E6%25B4%25BE%25E3%2580%2580%25E4%25B8%25BB%25E8%25A6%2581%25E3%2583%25A1%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2590%25E3%2583%25BC.png" width="320" /></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgnmdz2BrpTJYq7FJX2qgBqpJpQDIPeU1COokFHnF8b67gbuGpWKiYgJAxkbGdpI2HI7q6Obz9_U66nZKd-6ALr_L2QghKR-mDm-bhn6ja0o4TOJVZUTaSvj1CLtGOUO0whZknNzTLsNjo/s1600/Abdel-Hakim+al-Hasidi.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><br />
</a></div><br />
<b>2.米国がリビア反体制派を全面的に支援できない理由は何か? </b><br />
<br />
2つの理由が考えられる。<br />
①凍結した資金の返済を迫られる。<br />
②アルカイダの問題。<br />
<br />
まず、①については、米政府は暫定国民評議会を「リビア国民の正統で信頼できる代弁者」と位置付けているが、リビアの代表機関としては承認していない。[7] (この点は憶測であるが、暫定国民評議会を代表機関として承認すると、凍結したリビア資産の返却を請求されるであろう。)<br />
<br />
次に、②については、暫定国民評議会の武装勢力に、アルカイダが入り込んでいるため。<br />
<br />
(1) 2011/3、リビア反政府勢力のリーダーの一人Abdel-Hakim al-Hasidiという人物が、イタリアのIl Sole 24 Oreという新聞のインタビューに応えたが、そのなかで、イラクの前線で戦ったジハード戦士が、カダフィの軍隊と戦っていることを認めた。<br />
<br />
彼の素性は、アフガニスタンで戦い、パキスタンで捕らえられた後で、米軍に引き渡された。その後でリビアの刑務所に入り、2008年に釈放された。米国と英国の政府関係者によると、彼はLibyan Islamic Fighting Group(LIFG)のメンバーであり、1955年~1996年にかけてリビアのダーナ(Derna)とベンガジ(Benghazi)でのテロ行為に参加している。[8]<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgnmdz2BrpTJYq7FJX2qgBqpJpQDIPeU1COokFHnF8b67gbuGpWKiYgJAxkbGdpI2HI7q6Obz9_U66nZKd-6ALr_L2QghKR-mDm-bhn6ja0o4TOJVZUTaSvj1CLtGOUO0whZknNzTLsNjo/s1600/Abdel-Hakim+al-Hasidi.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="228" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgnmdz2BrpTJYq7FJX2qgBqpJpQDIPeU1COokFHnF8b67gbuGpWKiYgJAxkbGdpI2HI7q6Obz9_U66nZKd-6ALr_L2QghKR-mDm-bhn6ja0o4TOJVZUTaSvj1CLtGOUO0whZknNzTLsNjo/s320/Abdel-Hakim+al-Hasidi.png" width="320" /></a></div><div style="background-color: white;"><br />
(2) 2011/5/12、米国下院議員(共和党)のBrad Sherman氏(テロなどに関する外交小委員会副委員長)は、リビアの暫定政府の首相Mahmoud Jibril氏に対し書簡を出し、その中でアルカイダや Libyan Islamic Fighting Group(LIFG)に物的に支援した者、あるいは、アフガニスタンやイラクの米国軍に対し敵対的行為を行った者は、暫定国民会議の軍事的にも民事的に従事することを禁止すべきである----と要請した。[9]<br />
<br />
(3) 2011/5/24、EUのテロ対策担当者であるGilles de KERCHOVEは、EU議会の委員会で次のように証言した。「特にリビアにおいて、高性能の武器が予測できない者に渡るリスクがある。リビアとイエメンは脆弱な国家(fragile state)であり、我々が注意しておかないと、失敗国家(failed state)になり、国際的なジハード戦士をひきつけるであろう。」[10]<br />
<br />
<br />
<b>3.暫定国民評議会の財務大臣の任務</b><br />
<br />
前述のアリ・タルホウニ財務相は米国のメディアのインタビューに応じており、極めて面白い裏話を披露している。<br />
<br />
タルホウニ氏は、40年前、反カダフィのデモに参加したため、投獄されるか国外脱出するかの選択肢しかなかった。米国で博士号(経済学)を取得して、シアトルのワシントン大学で教鞭をとっていたところ、リビアで革命がおき、ベンガジに戻った。<br />
<br />
財務大臣として仕事は、金を調達することであった。最初の仕事は、ベンガジにあるリビア中央銀行の金庫に穴をあけることを指示したことだった。金庫には500 百万ディナール(200百万ドル)が入っていた。次の仕事は、カダフィの資産を凍結している国に対し、その資産を担保にして金を借りることであった。そのために、ワシントンを訪問した。 [11]</div><br />
<b style="color: red;">【 コメント 】</b><br />
<br />
6ヶ月から1年後のリビアはどうなっているのだろうか? 4つのシナリオが想定できる。<br />
<br />
<b>シナリオ1:反政府が負ける。</b><br />
<br />
カダフィは、軍事介入に参加した国に対して、損害賠償を要求する。もし支払いが拒否されるのなら、軍事介入に参加した国の会社がリビアに保有している石油利権は没収され、参加しなかった国(中国・ロシアなど)の会社に売却される。<br />
<br />
そのため、仏・英・米・伊などは、カダフィ政権が崩壊するまで攻撃を止めない。最善のケースは、カダフィを殺すことである。あるいは、たとえ停戦交渉するにしても、そのような賠償が請求されないような条件をつけさせる。<br />
<br />
<b>シナリオ2:反政府が勝つ。</b><br />
<br />
この場合、2つの課題がある。①アルカイダを排除することができるか?②国を統一することができるか?<br />
<br />
仏・英・米・伊などは、アルカイダの要素がないことを確認するまでは、新政権を管理下に置くだろう。正統な政府としては認め米国などは、旧政権(カダフィ政権)の資産は凍結したままにしておくだろう。なぜならば、リビアには豊富な石油収入があり、リビアがアルカイダの温床になるからである。しかし、アルカイダの兵士が内戦に参加しているので、新政権が彼らを排除することは困難であろう。たとえ政権に入れない場合、アルカイダがテロを仕掛けてくる可能性がある。<br />
<br />
内戦が終わってから、カダフィ派と反カダフィの2派が「和解」できるかどうか。もしできない場合は、イラクのようにテロ行為が多発する可能性がある。<br />
<br />
<b>シナリオ3:こう着状態が継続する。</b><br />
<br />
内戦が続き、死傷者が増える。<br />
両陣営の資金がなくなっていくが、最初に反政府の資金が底をつく。米国などは、凍結しているカダフィの資産を人道的用途に限定して使う。<br />
<br />
<b>シナリオ4:誰も責任が問われない形での終結。</b><br />
<br />
停戦交渉の結果、内戦が終結する。ただし、少なくとも、以下の条件が満たされる必要がある。<br />
<br />
①軍事介入に参加した国<br />
石油権益などが侵されないこと。戦争の損害補償を求められないこと。<br />
<br />
②暫定国民評議会<br />
カダフィ独裁が終わること。新しい国家の枠組みが(憲法制定、民主化、東部地域の自治権)確保されること。<br />
<br />
③カダフィ政権<br />
カダフィと一族が生命の保障され戦争責任を負わない。(新しい国家の枠組みをつくることについては、内戦が始まる前に、発表されていたので、可能だと考える。)<br />
<br />
--------------<br />
<b>新しい動向</b><br />
<a href="http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/africaandindianocean/libya/8534684/Libya-Allies-soften-demands-for-Gaddafi-to-go.html" target="_blank">Libya: Allies soften demands for Gaddafi to go (2011/5/25)</a><br />
<a href="http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2802492/7265615?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics" target="_blank">リビア首相が停戦用意か、英紙報道(2011/5/26)</a><br />
<div style="text-align: right;"><br />
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<br />
<div style="background-color: white;"><b style="color: red;">【 参考文献 】</b><br />
<br />
[1] 暫定政府の名称はいろいろな呼び方がある。英語の名称が「The Libyan Interim National Council」(http://www.ntclibya.org/english/)なので、ここでは「暫定国民評議会」という。<br />
[2]<a href="http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110518-OYT1T01263.htm?from=ranking" target="_blank">読売新聞社説、5月19日</a><br />
[3] <a href="http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011052401000084.html" target="_blank">NATO地上部隊望まず リビア反体制派が訪ロ(東京新聞、2011/5/11)</a><br />
[4] <a href="http://www.businessweek.com/news/2011-05-13/cash-strapped-libyan-rebels-fly-out-of-washington-empty-handed.html" target="_blank">Cash-Strapped Libyan Rebels Fly Out of Washington Empty-Handed (Business Week、2011/5/13)</a><br />
[5] <a href="http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2801560/7244529?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics" target="_blank">米国、リビア反体制派に食糧支援 12万食 (AFP、2011/5/21)</a><br />
[6] <a href="http://www.npr.org/2011/05/26/136649200/if-gadhafi-falls-could-the-rebels-run-libya" target="_blank">If Gadhafi Falls, Could The Oppostition Run Libya?(NPR、2011/5/26)</a><br />
[7] <a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/110524/mds11052408270004-n1.htm" target="_blank">米高官がベンガジで反体制派要人と会談(産経、2011/05/24)</a><br />
[8]Who Knows it? * Morning Skim<br />
<a href="http://hummingwordiniraq.blogspot.com/2011/04/libya-west-and-al-qaeda-on-same-side.html" target="_blank">2011/4/2「リビア:西欧とアル・カイダが同じサイドに!Libya: the West and al-Qaeda on the same side」</a><br />
<a href="http://washingtonexaminer.com/politics/2011/03/jihadis-who-killed-americans-get-us-support-libya" target="_blank">Jihadis who killed Americans get U.S. support in Libya (Washington Examiner、2011/3/28)</a><br />
<a href="http://www.ilsole24ore.com/art/notizie/2011-03-21/reportage-ribelli-islamici-tolleranti-231527.shtml?uuid=Aa6nhTID&fromSearch">イタリア語</a>(Google翻訳で英訳できる)<br />
[9] <a href="http://bradsherman.house.gov/2011/05/12/Letter%20to%20the%20Libyan%20Interim%20PM%20May%202011.pdf" target="_blank">Letter to the Libyan Interim PM (2011/5/12付)</a><br />
[10] <a href="http://www.europarl.europa.eu/en/media-professionals/content/20110524SHL72759/html/Fight-against-terrorism-and-CSDP-EP-Ref-76805" target="_blank">Fight against terrorism and CSDP EP Ref: 76805</a></div>[11]<a href="http://www.npr.org/blogs/money/2011/05/13/136253486/the-finance-minister-who-robbed-a-bank?ft=1&f=1006" target="_blank">The Finance Minister Who Robbed A Bank(NPR、2011/5/13)</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-62423804784664706082011-05-23T15:14:00.017+09:002011-05-24T10:20:23.650+09:00原油・LNGタンカーが爆破されるリスク過去、「ソマリア沖の海賊」についての記事を書きましたが、今回は「原油・LNGタンカーがテロリストに爆破されるリスク」についてです。日本のエネルギーは原油とLNGに大きく依存していますが、万一、タンカーが爆破された場合の被害は甚大ですし、その発生確率が高くなっています。政府と船舶会社は対策を考えなければなりません。<br />
<br />
過去の記事<br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2010/05/blog-post.html" target="_blank">2010/05/05 ソマリアの海賊 </a><br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2010/08/blog-post_29.html" target="_blank">2010/08/29 ソマリア海賊:法的手続きの統一化 </a><br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2010/10/blog-post_17.html" target="_blank">2010/10/17 ソマリアの海賊対策:今のやり方では永遠に税金が使われてしまう </a><br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 ニュース 】</b></div><br />
最初に記憶を新たにするために、10ヶ月前の出来事を紹介します。それから最新のニュースを2つ紹介します。<br />
<br />
<b>1.M.Star号に対するのテロ攻撃</b><br />
<br />
2010/7/28:ホルムズ海峡で商船三井が保有する大型タンカーM.Star号が攻撃を受けて、船体後部が損傷した。<br />
8/2:アルカイダ系テロリストグループ「アブドラ・アッザム旅団」(Brigades of Abdullah Azzam)が犯行声明を発表し、日本タンカーへの自爆攻撃を敢行したと主張。<br />
8/6:UAE当局がテロ攻撃の痕跡を発見した。[1]<br />
11/19:米運輸省の海事当局は警告書で以下を発表した。<br />
①「アブドラ・アッザム旅団」が犯行声明を出したが、根拠がある(valid)。<br />
②ホルムズ海峡やペルシャ湾南部、オマーン湾西部でさらなる攻撃を実行することが可能である。<br />
③この海域を通行する船舶は特に、夜間に小型船の動きに注意すること。[2]<br />
<br />
<b>2.アルカーイダ、石油タンカー攻撃に関心</b>(2011/5/21、産経新聞) [3] <br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、米国土安全保障省の広報担当者は20日、国際テロ組織アルカーイダが昨年、石油タンカーや海上の石油施設を狙ったテロ攻撃に強い関心を示していたことを明らかにした。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者の隠れ家から押収した資料を分析した結果、判明したとしている。具体的なテロ計画は見つかっていないという。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">同紙は、中東のホルムズ海峡で昨年7月に発生した日本のタンカー損傷に関し「捜査当局はテロ攻撃を受けたと結論付けた」と指摘。アルカーイダとの直接的な関係には言及していない。(共同)</div><br />
<br />
<b>3.国際海事機関(IMO)第89回海上安全委員会(MSC)の結果</b><br />
<br />
IMO・MSCが、2011/5/11~20に開催された。民間の武装警備要員(PCASP: privately contracted armed security personnel)を乗船させることについて議論した結果、リスク評価を実施するという条件つきで、認めた。[4]<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 解説 】</b></div><br />
<b>1.テロリストには原油やLNGタンカーを爆破する「意図」と「能力」があるか?</b><br />
<br />
商船三井のM.Star号がテロリストから攻撃を受けたので、「意図」があることは確実になった。これは憶測だが、M.Star号への攻撃は、外部からの攻撃がどの程度有効なのかを探る実験ではなかったのではなかろうか。ちなみに、M.Star号はダブルハル構造であったため、原油は流出しなかった。(写真1) <br />
<br />
5月21日、FBIとアメリカ国土安全保障省は、警察とエネルギー関係者に対し、内々に警告を発した。ビンラディンの自宅から押収した資料から、アルカイダは「内部から爆破するのが簡単であると考えている。(determined that blowing them up would be easiest from the inside…) 」----との分析を示した。[5]<br />
<br />
海賊がタンカーに乗船できるのだから、テロリストも乗船する「能力」がある。<br />
<br />
写真1 (クリックで拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjXHufdEEvoY-4m7RTasvP56cTYixf-uaxdsciq1_52XpCve5nVVlFGxQIPxlJ9zrYyluto_YaSflY1XowmHJ7uHfmi3rbvP3sQT1eVqWCn_6AlLbqSl3fbXUqoS4rF52uXdpuu7tOl8cc/s1600/M.Star.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="287" j8="true" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjXHufdEEvoY-4m7RTasvP56cTYixf-uaxdsciq1_52XpCve5nVVlFGxQIPxlJ9zrYyluto_YaSflY1XowmHJ7uHfmi3rbvP3sQT1eVqWCn_6AlLbqSl3fbXUqoS4rF52uXdpuu7tOl8cc/s320/M.Star.jpg" width="320" /></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><br />
</div><br />
<b>2.テロ行為を封じ込める方法はあるのか?</b><br />
<br />
海賊は身代金が目的なので、その良し悪しは別にして、身代金を支払えばとりあえず問題は解決する。しかし、テロリストは、爆破することが目的なので、金銭では解決することはできない。<br />
<br />
各国は戦艦をソマリア沖に派遣して警備行動をしているが、海賊の件数は増えるばかりである(グラフ参照)。<br />
<br />
グラフ (クリックで拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjxC8Qqfoz4V5BoFox5_0gRrw8mAlOu8qcuMESEI-V2niadIbF1C27qTKzpdh_AzhReEo0Wfl0faHz-dl5-BrJSX40-Sj8zudYEgySkS3ud2WcAT9IndFi2OIxXeF-IKaclb_bO6h73eP0/s1600/%25E6%25B5%25B7%25E8%25B3%258A%25E7%2599%25BA%25E7%2594%259F%25E4%25BB%25B6%25E6%2595%25B0.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="320" j8="true" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjxC8Qqfoz4V5BoFox5_0gRrw8mAlOu8qcuMESEI-V2niadIbF1C27qTKzpdh_AzhReEo0Wfl0faHz-dl5-BrJSX40-Sj8zudYEgySkS3ud2WcAT9IndFi2OIxXeF-IKaclb_bO6h73eP0/s320/%25E6%25B5%25B7%25E8%25B3%258A%25E7%2599%25BA%25E7%2594%259F%25E4%25BB%25B6%25E6%2595%25B0.jpg" width="248" /></a></div><br />
<b>3.これまでIMOや船舶会社は海賊にどのように対応してきたか?</b><br />
<br />
<b>(1)IMOの対応</b><br />
IMOは、海賊を乗船させないような工夫をするように提案してきた。たとえ、船に武器があったとしても使用しないように指導している。(DO NOT use firearms, even if available. )[6]<br />
<br />
別の資料において、①武器を領海内に持ち込む場合、その国の法律に従うことになること、②可燃性の貨物を運んでいる船舶に武器を持ち込むことは、災害を招くおそれがあることを注意喚起している。[7]<br />
<br />
<b>(2)日本の船舶会社の対応</b><br />
現在、日本の原油タンカーは海賊に対処するための武器を保持していないようだ。<br />
<br />
<div style="background-color: #d9d2e9;">「アデン湾における海賊対処のための手引書」(09年8月 改訂版)が船主、海員組合、石油・LNG 業界や戦争委員会連合等によって作成された。典型的な攻撃事例と教訓が与えられている。船舶側の武器自衛論の是非について、国際海事機関(IMO)は、自衛のための武器持込は民間船にはかえって危険で、海賊側を挑発し、砲火を受けて危険物が爆発すれば油流出事故など2次災害の危険性が高まると警告した。」[8]</div><b><br />
</b><br />
<b>(3)外国の船舶会社の対応</b><br />
2011/5/21付のBBCによると、ソマリア沖で航行する船舶の10%は、武器を携帯している警備員(armed guards)を乗船させている、と報道した。[9]<br />
<br />
<div style="color: red;"><br />
<b>【 コメント 】</b></div><br />
テロリストや海賊の攻撃を防ぐためには、個々のタンカー自らが護衛しなければならないと考える。武装した民間の警備員(傭兵)を乗船させて、自衛のために戦う以外の方法はないのではないか(写真2)。<br />
<br />
将来、民間警備会社に警備を委託するタンカー会社は増えると予想される。テロリストは、攻撃しやすいタンカーを狙うはずだが、タンカーが爆破されて世界経済に影響を与えた場合、その船舶会社だけでなく、指導を怠った国の責任が問われることになるだろう。<br />
<br />
福島原発の事故から学ぶべきことの1つは、『リスクマネジメント』である。あらゆるリスクを想定し、それぞれの発生確率と被害額を予想し、リスクを回避・低減・移転・保有する方法を考えることだ。原油・LNGタンカーがテロリストに襲われる確率は高くなっており、想定被害額も莫大なものになる。「テロリストの攻撃は想定外であった」という言い訳は通じないのである。<br />
<br />
写真2 (クリックで拡大) <br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhWFWU0R9YKjchB6xDD-KQx8e4q_m1tfT7tgbabB5rAv5q8L65roKk94TpU07fpovvTJa4BQMHuBGUwqV3CkfLgo6phBYJUz-MhnM7xC4573vIycYeg33app2p8WgTrl4n3puSMaod-Uqs/s1600/Avanfort.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="275" j8="true" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhWFWU0R9YKjchB6xDD-KQx8e4q_m1tfT7tgbabB5rAv5q8L65roKk94TpU07fpovvTJa4BQMHuBGUwqV3CkfLgo6phBYJUz-MhnM7xC4573vIycYeg33app2p8WgTrl4n3puSMaod-Uqs/s320/Avanfort.jpg" width="320" /></a></div><br />
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<br />
[1]<a href="http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16678420100806" target="_blank">商船三井タンカーの損傷、テロ攻撃と判定=UAE報道(2010/8/6)</a><br />
[2]<a href="http://www.marad.dot.gov/news_room_landing_page/maritime_advisories/advisory/advisory2010-10.htm" target="_blank">VESSELS TRANSITING IN THE STRAIT OF HORMUZ, SOUTHERN ARABIAN GULF, AND WESTERN GULF OF OMAN.</a><br />
<a href="http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010112201000156.html" target="_blank">自爆テロ声明は「根拠ある」 タンカー損傷で米海事当局(2010/11/22)</a><br />
[3] <a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/110521/amr11052112530009-n1.htm" target="_blank">2011/5/21、産経新聞</a><br />
[4] <a href="http://www.imo.org/MediaCentre/PressBriefings/Pages/27-MSC-89-piracy.aspx" target="_blank">Interim guidance on use of privately contracted armed security personnel on board ships agreed by IMO Maritime Safety meeting</a><br />
[5] <a href="http://www.abc3340.com/story/14685115/al-qaida-considered-oil-tankers-as-terror-targets?clienttype=printable" target="_blank">Al-Qaida eyed oil tankers as bombing targets (2011/5/21、ABC3340.com)</a><br />
[6] 40頁、<a href="http://www.dft.gov.uk/pgr/security/maritime/deterpiracy0908bmp3.pdf" target="_blank">「BMP3 Best Management Practices to Deter Piracy off the Coast of Somalia and in the Arabian Sea Area (Version 3 ? June 2010) Suggested Planning and Operational Practices for Ship Operators, and Masters of Ships Transiting the Gulf of Aden and the Arabian Sea」</a><br />
[7] 第59項目<a href="http://www.imo.org/OurWork/Security/docs/Piracy%20and%20armed%20robbery/MSC.1-Circ.1334.pdf" target="_blank">「MSC.1/Circ.1334 23 June 2009 PIRACY AND ARMED ROBBERY AGAINST SHIPS」</a><br />
[8]<a href="http://jime.ieej.or.jp/htm/extra/2010/04/28/itaku01.pdf" target="_blank">「産業振興基盤としての石油供給確保に向けた基礎調査報告書」(平成22年3月)by 財団法人 日本エネルギー経済研究所 中東研究センター</a><br />
[9] <a href="http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-13486015" target="_blank">Piracy: IMO endorses use of armed guards on ships (2011/5/21, BBC)</a><br />
<br />
(その他資料)<br />
<a href="http://www.jsanet.or.jp/pirate/pirate_info2010_2.html" target="_blank">海賊発生件数が4年連続で増加 ―2010年の海賊事件発生状況― (日本船主協会)</a><br />
<a href="http://news.mywebpal.com/news_tool_v2.cfm?show=localnews&pnpID=469&NewsID=999854&CategoryID=20359&on=1" target="_blank">KIRK REPORT: OUT OF CONTROL SOMALI PIRACY HELPING TO FUND LARGEST TERRORIST TRAINING CAMPS ON EARTH (2011/5/10)</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-36764697012007783462011-04-17T09:53:00.016+09:002011-04-17T23:32:52.993+09:00転換期を迎えたリビアへの軍事介入アフリカ諸国に限らないが、発展途上国において政権交代をするには、①選挙、②軍部が非合法的手段で政府を転覆させるクーデター、そして ③反体制派による反乱(革命)のいずれかになると思われます。1960年~1999年の間にアフリカ諸国の大統領選挙とクーデターの回数を調べたレポートによると、1980年代までの政権交代はクーデターが一般的であり、1990年代になってからは選挙による政権交代が広くみられるようになりました。[1]<br />
<br />
選挙制度がない国で、かつ、軍が政権を支持している国において政権交代を実現するには、第三の手段である反体制派による反乱になります。プラカードを持ったデモ行進では政権交代はできないので、武器があれば、民衆はそれを使うでしょうし、一方、政府は暴徒化した民衆を鎮圧するために軍隊を出動させます。<br />
<br />
マスメディアが、リビア軍隊が"一般市民"を殺している映像を伝えました。国際社会は、リビア市民の安全を守るために、いわゆる 「保護する責任」(Responsibility to Protect)という考えの下、軍事介入しました。しかし、2ヶ月が経過してもカダフィ政権は倒れません。もし反体制側が負けて、カダフィ政権が継続することになれば、①軍事行動を起こした仏・英・米などの会社が保有する権益(石油利権など)が取り上げられるし、また、②リビア以外の民主化運動、人権擁護運動に水をさすことになる----と仏・英・米は考えているはずです。そのため、軍事行動を中途半端で終わらすことができなくなり、カダフィ政権を倒すことが目的になってしまったと考えられます。<br />
<br />
今回紹介する2つのニュースでわかるように、国際社会は意見が大きく分かれました。<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 ニュース 】</b></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><style="background-color: #cfe2f3;"=""><b> リビアでの武力行使に反対、BRICSが共同声明 </b>(AFP、2011/4/15) [2] </style="background-color:></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><style="background-color: #cfe2f3;"="">【4月15日 AFP】ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成する新興5か国(BRICS)首脳会議は14日、リビアやアラブ諸国における武力行使に反対する共同声明を発表した。ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は、武力行使は国連に認められていないと述べた。
首脳会議は中国海南(Hainan)省三亜(Sanya)市で開催。閉幕後に「われわれは、武力行使は回避すべきだとの原則を確認した」との声明を発表した。 </style="background-color:></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><style="background-color: #cfe2f3;"="">メドベージェフ大統領は、リビア上空の飛行禁止空域を設定し、市民保護のため「あらゆる必要な措置」を講じることを認める国連安全保障理事会の決議は、軍事力の行使を承認したわけではないと指摘。BRICSはこの点で「完全に見解が一致している」と強調した。 </style="background-color:></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><style="background-color: #cfe2f3;"="">ただし、声明は北大西洋条約機構(NATO)の名指しはしておらず、「リビア問題について国連安保理との協力を続けたい」としている。また、アフリカ連合(AU)が提示した停戦案を支持することも表明した。 </style="background-color:></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><style="background-color: #cfe2f3;"="">首脳会議は今回で3度目。南アフリカが参加するのは初めて。 </style="background-color:></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"></div><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgEE-gjTXXAaiBMKhzFnUl_qwVaMfSu27-_gl012SWp1cgkMDvZE75V85OAHZQAEh8YggiDKbN3C3FkwMXX_MGVuDtOtsJjSJ01EVf9KNUPNc8NXhxHBxjH_rdxemQA_szIRUeeBxUbnwg/s1600/%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2593%25E3%2582%25A2%25E3%2581%25B8%25E3%2581%25AE%25E8%25BB%258D%25E4%25BA%258B%25E8%25A1%258C%25E5%258B%2595%25E3%2580%2580%25E4%25B8%25BB%25E8%25A6%2581%25E5%259B%25BD%25E3%2581%25AE%25E9%25A6%2596%25E8%2584%25B3.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgEE-gjTXXAaiBMKhzFnUl_qwVaMfSu27-_gl012SWp1cgkMDvZE75V85OAHZQAEh8YggiDKbN3C3FkwMXX_MGVuDtOtsJjSJ01EVf9KNUPNc8NXhxHBxjH_rdxemQA_szIRUeeBxUbnwg/s400/%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2593%25E3%2582%25A2%25E3%2581%25B8%25E3%2581%25AE%25E8%25BB%258D%25E4%25BA%258B%25E8%25A1%258C%25E5%258B%2595%25E3%2580%2580%25E4%25B8%25BB%25E8%25A6%2581%25E5%259B%25BD%25E3%2581%25AE%25E9%25A6%2596%25E8%2584%25B3.jpg" width="288" /></a></div><br />
<div style="background-color: #ead1dc;"><b>米英仏、カダフィ氏退陣まで空爆 3国首脳が新聞に寄稿 </b>(東京新聞,2011/4/15) [3] </div><div style="background-color: #ead1dc;"><br />
</div><div style="background-color: #ead1dc;">2011年4月15日 11時01分 【ワシントン共同】オバマ米大統領とキャメロン英首相、フランスのサルコジ大統領は、15日付の英紙タイムズなど3紙に連名で寄稿し、リビアの最高指導者カダフィ大佐に即時退陣を要求、政権にとどまる限り多国籍軍の攻撃を続けると強調した。米ホワイトハウスが寄稿の内容を14日発表した。 「リビア平和への道」と題した記事で3首脳は、国連安全保障理事会の決議を根拠に実施した多国籍軍のリビア攻撃によって「何万人もの命が救われた」と指摘。 </div><div style="background-color: #ead1dc;"><br />
</div><div style="background-color: #ead1dc;">安保理決議が認めているのは民間人の保護であり、カダフィ氏を武力で排除することではないとしながらも、自国民の「虐殺」を続けるカダフィ氏が権力の座にいては「リビアの未来像を描くのは不可能だ」と訴えた。 </div><div style="background-color: #ead1dc;"><br />
</div><div style="background-color: #ead1dc;">カダフィ氏が退陣しなければ「民間人を保護し政権に圧力をかける」ために攻撃を続け、「新世代の指導者の下で、独裁体制から憲法手続きへの移行」を促す考えを示した。 </div><div style="background-color: #ead1dc;"><br />
</div><div style="background-color: #ead1dc;">寄稿記事はフランスのルモンド紙と、国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンにも掲載される。</div><br />
<br />
<b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<b style="color: red;"> </b> <br />
<b>1.最近2ヶ月の主要動向</b> <b> </b><br />
<br />
<b>2/17: </b>市民デモ[4] 「怒りの日」と名づけられ、インターネットなどで参加が呼びかけられた。 <b> </b><br />
<br />
<b>2/26:</b> 国連安全保障理事会決議1970(2011) [5]<br />
対リビア武器輸出禁止、カダフィや側近の資産凍結および渡航禁止、人道に対する罪で国際刑事裁判所に調査を求めることなどが盛り込まれている。<br />
<br />
<b>3/17: </b> 国連安全保障理事会決議1973(2011) [6]<br />
政府軍は、反体制派が拠点とするベンガジに向けて進軍を続けており、反体制派は国連に対し飛行禁止区域設定などの行動を急ぐよう訴えていた。<br />
賛成:10ヶ国 棄権:5ヶ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、ドイツ) 反対:なし <b> </b><br />
<br />
<b>3/19:</b> 軍事介入開始[7] フランスの戦闘機がカダフィ政権側の軍車両を攻撃した。米英軍の艦船や潜水艦から110発以上の巡航ミサイル「トマホーク」がリビア西部の軍事施設に撃ち込まれた。<br />
<br />
<b>3/27: </b>飛行禁止空域の指揮権が米国からNATOに移る[8] <b> </b><br />
<br />
<b>4/11:</b>カダフィ政権がアフリカ連合(AU)と基本合意に達し、共同声明を発表した。[9] <b> </b><br />
<br />
<b>4/11:</b>反政府がカダフィを倒すまで戦うと発表。[10] <b> </b><br />
<br />
<b>4/14:</b>BRICSによる共同声明(上記のニュース) 欧米主導の対リビア空爆への反対などが盛り込まれた。<br />
<br />
<b>4/15:</b>仏・英・米による共同声明(上記のニュース) カダフィの退陣を強く求める共同意見書をまとめた。<br />
<br />
<b>2.石油権益</b><br />
<br />
近年、リビアは積極的に外国企業に鉱区を付与しており、以下のすべての会社は、探鉱鉱区(まだ石油は発見されていない)を保有しており、鉱区を取得した際に、多額のサインボーナスを支払い、探鉱費を使っている。探鉱鉱区だけでなく、生産鉱区も保有している。<br />
<br />
(1)フランス<br />
フランスの石油会社TOTALは、探鉱鉱区だけでなく、生産鉱区も保有しており、2010年には55,000b/dを生産している。[11] ただし、TOTALにとって、アフリカ大陸での石油と天然ガスの生産量は756,000b/dなので、リビアの位置づけは10%以下である。<br />
<br />
(2)英国<br />
ShellとBPはリビアの探鉱鉱区を保有している。[12]<br />
<br />
(3)米国<br />
米国の石油会社で生産中の会社は、ConocoPhillips (47,000b/d)、Marathon Oil (46,000b/d)、Hess (22,000b/d)、Occidental Petroleum (13,000b/d)である。[13]<br />
探鉱中の会社は、ExxonMobilなどがある。[14] <b style="color: red;"> </b><br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 コメント 】</b> <b> </b><br />
<br />
<br />
<b>1.メディアのリビア報道</b><br />
<br />
エジプト・ムバラク政権が崩壊した際は、軍部が中立の立場をとったため、一般市民は武器を取らずして市民革命が成功した。一方、リビアでは、軍部の大部分はカダフィ政権を支援したため、一部の市民が武器を取ったので軍隊が出動した。アルジャジーラ(Al Jazeera)やBBCは、世界中の人々の脳裏に「リビア市民が殺されている」「カダフィは野蛮人」であるとの"印象"植え付けた。国連安保理の決議もテレビやYouTubeの映像に影響されたはずである。しかし、私は、リビア関連の報道は、バランスがとれてなく、恣意的な誤報も含まれていたのではないかと疑っている。(2011/02/25付当ブログ記事 <a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2011/02/blog-post_25.html">「リビア関連のニュースを鵜呑みにするな」</a> 参照。) <b> </b><br />
<br />
<b>2.保護する責任(Responsibility to Protect)</b><br />
<br />
<b> </b> 「保護する責任」とは、国家には虐殺など非人道的犯罪から人々を守る責任があり、国家がその責任を果たせないとき、国際社会がその責任を代わって果たさなければならない---という考え方である。[15]<br />
<br />
1994年にルワンダ大虐殺国際社会があったが、この「保護する責任」という考え方にもとづいて国際社会が迅速にルワンダに介入していれば、ルワンダの悲劇は防げたかもしれないので、私はこの考えを否定はしない。しかし、ルワンダでは「民族 対 民族」の構図があったが、リビアでは「体制派 対 反体制派」の構図であることに注意しなければならない。<br />
<br />
「保護する責任」に基づき行動するためには、4つの要件が必要であるとのこと。[16]<br />
<br />
(a)正しい意図(right intention):介入の主要な目的が、人間の苦痛の排除にあること<br />
(b)最後の手段(last resort):あらゆる非軍事的選択肢が尽くされたこと<br />
(c)比例的手段(Proportional means):軍事規模の行動・期間が必要最低限のものであること<br />
(d)妥当な見込み(reasonable prospects):軍事行動により事態が改善する見込みがあること <b> </b><br />
<br />
私は、今回のリビアへの軍事介入が正しいことだったのか、疑問に思っている。<br />
<br />
<b>理由1:</b>上記の考えの大前提になっている、「市民が虐殺されている」という事実確認(特に軍事介入をした初期の段階において)が果たして正しい情報に基づいてなされたかどうか、疑わしい。 <b> </b><br />
<b>理由2:</b>軍事介入の目的が、市民を保護するという崇高な目的から、カダフィ政権を倒すことに変わってきている。(そしてその背景には、石油権益を確保することが見え隠れしている。)あえてカダフィの立場に立てば理解できると思うが、外国の軍隊が自分を倒すことを目的として攻めて来たならば、戦うしかないのである。どこの国の大統領・首相でも同じことをするであろう。 <b> </b><br />
<b>理由3:</b>軍事介入を開始してから約2ヶ月が経過したが、カダフィを失脚させることができなかった。これから続けたとして、「出口」が見えない。この作戦は成功しなかったのだから、作戦変更すべきである。 <b> </b><br />
<b>理由4:</b>証明することはできないが、仏・英・米の軍事介入が反体制派を勢い付かせて、かえって死者の数を増やしてしまった可能性があるのではないか。<br />
<br />
<br />
「保護する責任」に関する詳しい報道・ブログなどは、下記の参考文献を参照。<br />
<br />
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<b style="color: red;">【 参考文献 】</b><br />
<br />
[1]<a href="http://www.u-keiai.ac.jp/issn/menu/ronbun/no9/067.pdf">「アフリカにおけるクーデタと選挙の動向」 by 落合雄彦</a><br />
[2] <a href="http://www.afpbb.com/article/politics/2795789/7087648?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics">リビアでの武力行使に反対、BRICSが共同声明 (AFP、2011/4/15)</a> <br />
<a href="http://eng.kremlin.ru/news/2071">Press statement by the Russian President following BRICS summit.(2011/4/14)</a><br />
[3] <a href="http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011041501000304.html">米英仏、カダフィ氏退陣まで空爆 3国首脳が新聞に寄稿</a> <br />
<a href="http://www.diplomatie.gouv.fr/en/country-files_156/libya_283/libya-pathway-to-peace-joint-article-by-nicolas-sarkozy-barack-obama-and-david-cameron-15.04.11_15461.html">フランス公式発表 Libya's Pathway to Peace (April 15, 2011)</a> <br />
<a href="http://www.number10.gov.uk/news/statements-and-articles/2011/04/joint-article-on-libya-the-pathway-to-peace-63112">英国公式発表 Joint article on Libya: The pathway to peace</a> <br />
<a href="http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/04/14/joint-op-ed-president-obama-prime-minister-cameron-and-president-sarkozy">米国公式発表 Joint Op-ed by President Obama, Prime Minister Cameron and President Sarkozy: ‘Libya's Pathway to Peace’</a><br />
[4] <a href="http://www.cnn.co.jp/world/30001848.html">リビアのデモ拡大 死者21人との情報 </a><br />
[5] <a href="http://www.cnn.co.jp/world/30001950.html">国連安保理、対リビア制裁決議を全会一致で採択 </a> 国連広報センター 暫定訳 S/RES/1970(2011) 安全保障理事会決議1970(2011) <a href="http://www.unic.or.jp/security_co/res/res1970.htm">2011年2月26日、安全保障理事会第6491回会合にて採択</a><br />
[6] <a href="http://www.cnn.co.jp/world/30002184.html">国連安保理、飛行禁止区域設定の決議を採択 リビア情勢緊迫 </a> 国連広報センター 暫定訳 S/RES/1973(2011) 安全保障理事会決議1973(2011)<br />
<a href="http://www.unic.or.jp/security_co/res/res1973.htm">2011年3月17日、安全保障理事会第6498回会合にて採択</a><br />
[7] <a href="http://www.cnn.co.jp/world/30002201.html">米英がリビアにミサイル攻撃 カダフィ大佐は抗戦の構え </a><br />
[8] <a href="http://www.cnn.co.jp/world/30002273.html">NATO、リビア軍事作戦の全指揮権引き継ぎを了承</a><br />
[9] <a href="http://www.cnn.co.jp/world/30002409.html">カダフィ大佐、AU調停で停戦受け入れ 南ア大統領</a><br />
[10] <a href="http://www.cnn.co.jp/world/30002421.html">リビア反体制派、AU提案を拒否 戦闘で子ども犠牲に </a><br />
[11] <a href="http://www.total.com/MEDIAS/MEDIAS_INFOS/4386/EN/Total-2010-document-reference-va-V1.pdf">http://www.total.com/MEDIAS/MEDIAS_INFOS/4386/EN/Total-2010-document-reference-va-V1.pdf</a><br />
[12]<a href="http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/4509827.stm">Shell forges Libyan gas deal (2005/5/3)</a> <a href="http://www.bp.com/genericarticle.do?categoryId=2012968&contentId=7033600">BP Agrees Major Exploration and Production Deal with Libya(2007/5/29)</a><br />
[13] <a href="http://www.reuters.com/article/2011/02/22/us-libya-usa-oilcompanies-idUSTRE71L5VI20110222">Factbox: U.S. oil companies' interests in Libya</a> <a href="http://www.oxy.com/annualreport/Pdf/Oxy_2010_Annual_Report.pdf">Occidental Petroleumについては、同社の2010年版年次報告書</a><br />
[14] <a href="http://www.businesswire.com/portal/site/exxonmobil/index.jsp?ndmViewId=news_view&ndmConfigId=1001106&newsId=20090716005556&newsLang=en">ExxonMobil Commences Drilling Libya's First Deepwater Well(2009/7/16) </a><br />
[15] <a href="http://www.komei.or.jp/news/detail/20110329_4848">リビア攻撃 重い課題背負った国連 (公明新聞、2011/2/29)</a><br />
[16] <a href="http://blog.goo.ne.jp/kkkmaff/d/20110321">くまくまDays~アデレードな日常~</a> <b> </b><br />
<br />
<br />
<b>■「保護する責任」に関する報道など</b> <b> </b><br />
<br />
<b>1.新聞報道</b><br />
<a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/110227/mds11022701570005-n1.htm">「保護する責任」前面に 苦い教訓生かせるか 国連 (2011/2/27、産経新聞)</a><br />
<a href="http://www.asahi.com/international/update/0321/TKY201103200347.html">国連総長、リビア空爆を擁護 「内政干渉にあたらず」(2011/3/21、朝日新聞)</a> <br />
<a href="http://www.komei.or.jp/news/detail/20110329_4848">リビア攻撃 重い課題背負った国連 (2011/3/29、公明新聞)</a> <b> </b><br />
<br />
<b>2.ブログ</b><br />
くまくまDays~アデレードな日常~<br />
「保護する責任」から見たリビア空爆 <a href="http://blog.goo.ne.jp/kkkmaff/e/000f20e3daea8274ae1415057a6b6117">(その1)</a> <a href="http://blog.goo.ne.jp/kkkmaff/d/20110321">(その2)</a> <a href="http://blog.goo.ne.jp/kkkmaff/d/20110322">(その3)</a><br />
<br />
~異邦人から見た世界と日本~ <br />
<a href="http://in-the-eyes-of-etranger.blogspot.com/2011/03/report2011330.html">REPORT:2011/3/30出演番組『ニュースの深層』で語られたことの全容 </a><br />
<br />
<br />
<b>3.団体</b><br />
保護する責任(Responsibility to Protect)を推進している団体<br />
<a href="http://www.responsibilitytoprotect.org/">International Coalition for the Responsibility to Protect</a> <b> </b><br />
<br />
<b>■国連安全保障理事会による最近のリビアに関する決議事項など</b><br />
2011/2/25:25分間 <a href="http://www.un.org/News/Press/docs//2011/sc10185.doc.htm">Fundamental Issues of Peace, Security at Stake, Secretary-General Warns as He Briefs Security Council on Situation in Libya (25 February 2011)SC/10185</a><br />
2/26: <a href="http://www.un.org/News/Press/docs//2011/sc10187.doc.htm">In Swift, Decisive Action, Security Council Imposes Tough Measures on Libyan Regime, Adopting Resolution 1970 in Wake of Crackdown on Protesters (26 February 2011)SC/10187/Rev.1 </a><br />
3/17: <a href="http://www.un.org/News/Press/docs//2011/sc10200.doc.htm">Security Council Approves ‘No-Fly Zone’ over Libya, Authorizing ‘All Necessary Measures’ to Protect Civilians, by Vote of 10 in Favour with 5 Abstentions (17 March 2011)SC/10200 </a><br />
3/24:17分間 <a href="http://www.un.org/News/Press/docs//2011/sc10210.doc.htm">Secretary-General, Briefing Security Council, Says International Community Must‘Continue to Act with Speed and Decision’for Sake Of Libyan Civilians (24 March 2011)SC/10210 </a><br />
3/28:10分間 <a href="http://www.un.org/News/Press/docs//2011/sc10214.doc.htm">Security Council Briefed by Chairman of Committee Established To Monitor Sanctions Imposed on Libya (28 March 2011)SC/10214 </a><br />
4/4:15分間 <a href="http://www.un.org/News/Press/docs//2011/sc10217.doc.htm">Difficult to Know How Long Resolving Libya Conflict Might Take, but Responsibility for Finding Solution Lay with Libyan People Themselves, Security Council Told (4 April 2011)SC/10217 </a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-63124830692663689312011-04-12T00:25:00.005+09:002011-04-12T08:00:10.710+09:00リビアからの脱出 (Part 2: 会社による社員救出)「東日本大震災」が発生したのは、1ヶ月前の3月11日午後でした。死者・行方不明者は、27,000人と報道されています。お亡くなりになった方々とご遺族の皆様に対しお悔やみを申し上げます。被災された方々が一日も早く活力を取り戻しされることを、心よりお祈り申しげます。<br />
<br />
私も少しですが、地震により損害を被りました。余震(あるいは別の地震の前震?)も不安です。それ加えて、TVで報道される被災地の映像、福島原発の事故、そして公共広告機構(AC)の単調でしつこい広告により、心理的にはひどく気落ちし、その状態が続いております。<br />
<br />
ブログの更新をできずにおりましたが、気持ちを切り替えるため、PCに向かうことにしました。最初の数本の記事は古いニュースを紹介しますが、できるだけ早く、新しいニュースについて書きたいと思います。<br />
<br />
さて、今回は第2回目です。<br />
Part 1: 外国人労働者の内訳<br />
Part 2: 会社による社員救出 (Part 3: 日本政府の邦人救出)を一緒にします。<br />
<br />
北アフリカや中東で起こっている反政府運動・民主化運動は、かつて1960年代後半に世界中で起こった学生運動に似ている気がします。もしこの考えが正しければ、世界中の不満を持っている民衆が共鳴し、広がっていくでしょう。そのような国には選挙がなかったり、あっても不正なものだったにするので、民衆は暴力的行動にでる可能性が高いと思います。<br />
<br />
日本人は世界中に滞在していますが、今回のリビアのような混乱が起こった場合、円滑に脱出することができるでしょうか?前回の記事で紹介したように、リビアでは多く外国人労働者がおりましたが、特に韓国と中国の脱出作戦には学ぶことがありますので、紹介します。<br />
<br />
韓国の建設会社はリビアで韓国人だけで1400人、その他、インド・エジプト・マレーシアなど第3国の作業員を雇用していましたが、その企業に関係していた全員をリビアから脱出させました。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>1.韓国</b></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><b>リビア建設現場、韓国は外国人作業員たちを捨てなかった」</b> [1]</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">2日午後1時40分(以下、現地時間)。リビアのミスラタにギリシャ国籍の大型旅客船1隻(ニソスロドス号)が入港した。大宇(デウ)建設がリビア建設現場の作業員を退避させるために急いで借りた船だ。ロドス号が接岸する瞬間、港に集まっていた作業員は「助かった」「家に帰れる」と言って喜んだ。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">ミスラタで船に乗ったのは計499人。このうち韓国人は55人だけだ。そのほかは大宇建設が雇用したインド・エジプト・マレーシアなど第3国の作業員だ。<span style="background-color: #cfe2f3;"> </span><br />
<br />
<span style="background-color: #cfe2f3;">大宇建設はロドス号のほか、トリポリ・ベンガジにも旅客船1隻ずつを投入した。3隻の船で退避させる大宇建設の作業員は計2772人。このうち韓国人は164人。</span></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><span style="background-color: #cfe2f3;"> エジプト作業員のムハムマド(38)は「会社(大宇建設)が私たちのことまで考えてくれるとは思っていなかった」とし「韓国建設が強国の地位に上がったのには理由があった」と涙を浮かべた。</span></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><span style="background-color: #cfe2f3;"> 大宇建設は第3国の作業員が各自の故郷へ帰れるよう航空券も準備した。航空料と船舶運賃・賃貸料を合わせると60億ウォン(約4億7000万円)を超える。大宇建設の徐綜郁(ソ・ジョンウク)社長は「今はお金が問題ではなく作業員の安全が優先」と述べた。</span></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><span style="background-color: #cfe2f3;"> 大宇だけではない。現代(ヒョンデ)建設も旅客船2隻を借りてスルテから約730人(韓国人94人)を避難させた。現代建設の金重謙(キム・ジュンギョム)社長は「第3国の人も韓国人もみんな同僚。生死をともにするのは当然だ」と語った。</span></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><span style="background-color: #cfe2f3;"> 他国の建設会社の多くは第3国の作業員の面倒を見ない。このためエジプト・チュニジアの国境には外国の建設会社が雇用した第3国の人たちが難民になって集まっている。</span></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><span style="background-color: #cfe2f3;"> 国土海洋部のド・テホ中東対策班長は「外国の建設会社が自国民だけを救出し、(リビア国境には)難民が増えている」とし「第3国の作業員まで避難させる会社は事実上、韓国の建設会社しかない」と説明した。</span></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><span style="background-color: #cfe2f3;"> 現代建設が手配した船に乗ったマレーシアのアリ氏(31)は「(韓国の建設会社に雇用された)私は運がよかった。他国の会社の建設現場で働いている故郷の友人は難民になった」と話した。</span></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><span style="background-color: #cfe2f3;"> 危険な状況であるほど輝きを放つ「家族意識」は‘建設韓流’の原動力だ。海外建設協会のイ・ジェギュン会長は「昨年、韓国の建設は半導体・自動車より多い715億ドルを稼いだ。こうした建設韓流は国内企業が人道主義に基づいて信頼を積み重ねてきたおかげ」と評価した。</span></div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><span style="background-color: #cfe2f3;"> 03年にも前例がある。米軍がクウェートを侵攻したイラク軍隊を爆撃する時、SK建設はチャーター機を動員し、第3国の作業員を安全地帯に避難させた。この時に感動を受けた作業員は戦争が終わっていないにもかかわらず自ら復帰し、工事を適時に終えることができた。</span></div><br />
<div style="background-color: #d9d2e9;"><b>2.中国</b></div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><b>「リビアから中国人救出、国力増強の表れ」 </b>[2]</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
</div><div style="background-color: #d9d2e9;">北京時間3月2日夜までに、帰国を申し込んだ中国人、合わせて3万5860人がすべて救出されました。これは中華人民共和国にとり「建国以来最大規模」の海外での自国民救出活動となります。</div><div style="background-color: #d9d2e9;">2月16日、リビアの治安状況が重大局面に陥って以来、各国は自国民をリビアから引き揚げるようになりました。</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
</div><div style="background-color: #d9d2e9;">中国は自国民の救出においていくつかの困難に直面していました。まず、帰国願望のある人が多く、しかも救出時間が短いこと。10日間以内に3万人以上を安全かつ秩序をもった救出をすることは未曾有のことです。また、救出しようとする人が離れた場所にいること。中国人がリビアのあちこちに散在しており、一部中国系プロジェクトのキャンプは砂漠の奥にあり、これらの人々を安全に集めることは一大事です。さらに、リビアの状況が複雑なこと。リビアは混乱状態にあり、交通機関や公共施設がほとんど麻痺状態に陥っています。</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
</div><div style="background-color: #d9d2e9;">今回の救出活動にあたっては民間航空機や船舶、長距離バスなど様々な手段がとられ、さらに、軍用機や軍艦も用いられました。これは経済力がなければできないことです。</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
</div><div style="background-color: #d9d2e9;">1990年代から、中国外務省は領事保護に関するメカニズムの構築に取り組みはじめました。ここ数年、中国政府は「外交は国民のため、国民を元とする外交」という理念を念頭に、最大の努力を払って海外にいる国民の利益を保護しています。このメカニズムによって、海外にいる中国人が危機に直面した場合、外交、空運、海運、華僑関連事務などの担当部門が歩調をあわせて、速やかに救出活動を進めることができます。</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
</div><div style="background-color: #d9d2e9;">今回の救出活動で、ギリシャ、エジプト、チュニジア、マルタ、トルコなどの周辺国家から、通関手続きや大型フェリーのレンタル、宿泊ホテルの提供、大型旅客機の離発着など多方面にわたる支援が得られました。宋涛外務次官は「関係する国家は中国の救出活動に様々な便宜と協力を提供してくれた」として、「中国も可能な限り12の国の約2100人を助けた」と述べました。</div><div style="background-color: #d9d2e9;"><br />
</div><div style="background-color: #d9d2e9;">今回の救出活動は中国政府が命を尊重し、人権を重視していることの表れでもあります。あるリビアから救出された人は政府の速やかな救出活動によって「中国人としての尊厳と中国人の団結力を感じた」と話しました。 (以下 略)</div><br />
写真<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhLmmIxhW6xkRQYH5BBry_xol4KZc7nik4xpcDj3qHtE5BKh80KcP5lMvbJlOwvA_ImRisIZLrCASfWpa89A5c868SU3tkU5AFDhQYFZdagxV2ve9eHREcC3c7LZlJlWnclg-9Jse8gtZ4/s1600/%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2593%25E3%2582%25A2%25E3%2581%258B%25E3%2582%2589%25E8%2584%25B1%25E5%2587%25BA%25E3%2581%2597%25E3%2581%259F%25E4%25B8%25AD%25E5%259B%25BD%25E4%25BA%25BA.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="239" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhLmmIxhW6xkRQYH5BBry_xol4KZc7nik4xpcDj3qHtE5BKh80KcP5lMvbJlOwvA_ImRisIZLrCASfWpa89A5c868SU3tkU5AFDhQYFZdagxV2ve9eHREcC3c7LZlJlWnclg-9Jse8gtZ4/s320/%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2593%25E3%2582%25A2%25E3%2581%258B%25E3%2582%2589%25E8%2584%25B1%25E5%2587%25BA%25E3%2581%2597%25E3%2581%259F%25E4%25B8%25AD%25E5%259B%25BD%25E4%25BA%25BA.png" width="320" /></a></div><br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 解説 】</b></div><b><br />
</b><br />
<b>1.外国人労働者のリビア脱出</b><br />
<br />
リビアの人口 約650万人の内、混乱の前に、リビアには外国人 150万人~250万人が働いていた。[3] 3月5日の国連発表によると、リビアを離れた外国人は19万人に達した。[4] リビアから陸路でチュニジアとエジプトに脱出した人数は14万人おり、その内相当数は難民状態になっている。[5]裕福な国の労働者は空路・海路で脱出して母国に帰国しているが、発展途上国からの労働者は陸路でチュニジアあるいはエジプトに向かっていると考えられる。<br />
<br />
<b>2.日本人の脱出の状況</b><br />
<br />
(1) 平常時の邦人数は約100名(石油探鉱会社、商社など18社が進出している。)<br />
<br />
(2) 2月22日以降動向<br />
<b>2/22</b>:在留邦人数80人、その他旅行者7~8人 (23日現地発の民間航空機で出国する予定)<br />
外務省は、リビア渡航延期を勧告した。[6]<br />
<br />
<b>2/23</b>:日本政府は邦人救出のため、チャーター船1隻を派遣する方向で検討に入った。[7]<br />
<br />
<b>2/24</b>:52人[8]<br />
<br />
<b>2/25</b>:23人[9]<br />
4人:米国のチャーター船による出国に向け待機中。<br />
7人:トリポリから離れた地域に住んでいる。<br />
3人:大使館員。<br />
9人:現地で結婚するなどしており、出国の意思はない。<br />
<br />
<b>3/1</b>:14人[10]<br />
4人:韓国がアレンジした船で出国予定。[11]<br />
1人:民間企業社員(@ベンガジ)[12]<br />
9人:現地で結婚するなどしており、出国の意思はない。<br />
<br />
<b>3/4</b>:政府は閣議で、「邦人退避支援に係るマニュアルは存在しない」とする答弁書を決定した。(自民党の山谷えり子参院議員の質問主意書に対する答弁。)[13]<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></div><br />
1.今回紹介した韓国の建設会社は、自国民の社員だけでなく、外国人労働者も救出した。大宇建設の社長は「今はお金が問題ではなく作業員の安全が優先」と述べ、また、現代建設の社長は「第3国の人も韓国人もみんな同僚。生死をともにするのは当然だ」と発言している。立派である。日本の建設会社はアルジェリアで高速道路を建設しているが(COJAAL アルジェリア東西高速道路建設工事)、万一、アルジェリアで同じ事態が発生したら、韓国の会社と同じように対処してもらいたい。<br />
<br />
2.海外に滞在している邦人が脱出するケースは今回が最後ではないだろう。政府は、①自衛隊機(艦艇)の派遣について議論し、②「邦人退避支援マニュアル」の作成・法整備をして欲しい。<br />
<br />
3.在外公館においては、当該国独自の避難マニュアルなどを作って、ホームページで公表、あるいは少なくとも在留者には周知させてもらいたい。なお、2月上旬にエジプトで大規模なデモが発生した際、在エジプト日本大使館は、HPやFM放送を使って邦人に情報を提供したが、参考になる。[14]<br />
<br />
<div style="text-align: right;"><br />
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<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1] <a href="http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=137915&servcode=300&sectcode=300">中央日報、2011/03/04</a><br />
[2] <a href="http://japanese.cri.cn/881/2011/03/03/163s171515.htm">CRI、2011/3/3</a><br />
[3] 人口650万人:<a href="http://esa.un.org/unpp/index.asp">http://esa.un.org/unpp/index.asp</a><br />
外国人労働者:<br />
150万人の説 <br />
<a href="http://www.immigrationmatters.co.uk/millions-of-migrant-workers-trapped-in-libya.html">http://www.immigrationmatters.co.uk/millions-of-migrant-workers-trapped-in-libya.html</a><br />
<a href="http://www.trust.org/alertnet/news/un-plans-to-launch-libya-crisis-appeal-on-monday/">http://www.trust.org/alertnet/news/un-plans-to-launch-libya-crisis-appeal-on-monday/</a><br />
250万人の説<br />
<a href="http://www.usatoday.com/news/world/2011-03-05-migrant-workers-libya_N.htm">http://www.usatoday.com/news/world/2011-03-05-migrant-workers-libya_N.htm</a><br />
[4] <a href="http://www.timescolonist.com/business/Over+flee+Libya+unrest/4390127/story.html">Over 190,000 flee Libya unrest: UN (2011/3/5)</a><br />
[5] <a href="http://www.trust.org/alertnet/news/over-140000-flee-libya-to-egypt-and-tunisia-unhcr-steps-up-efforts-to-support-refugees-and-civilians-in-libya/">Over 140,000 flee Libya to Egypt and Tunisia, UNHCR steps up efforts to support refugees and civilians in Libya (2011/3/1)</a><br />
[6] <a href="http://www.jiji.com/jc/zc?k=201102/2011022200254">邦人87人の安全確認=リビア渡航延期を勧告-外務省</a><br />
[7] 日経 2011/2/14 「政府、リビア邦人救出へチャーター船検討」(リンク切れ)<br />
[8] <a href="http://www.asahi.com/politics/update/0224/TKY201102240472.html">リビア在留の邦人退避へ 24日中にも (2/24) </a><br />
[9] <a href="http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1252">7人のリビア邦人 なぜ政府は救えない</a><br />
[10] <a href="http://www.nhk.or.jp/news/html/20110301/t10014377801000.html">リビアの在留邦人4人 出国へ (NHK,3/1)</a><br />
[11] 日本の電機メーカー勤務。韓国企業が手がけている発電所のプラント事業に参加。<br />
[12] <a href="http://www.nhk.or.jp/news/html/20110306/t10014481611000.html">「リビア 最後の在留邦人が出国」(NHK,3/6)</a><br />
[13] <a href="http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110304/plc11030411200006-n1.htm">「邦人退避マニュアルはない」政府が答弁書 国際情勢の悪化時(2011/3/4)</a><br />
[14] <a href="http://www.eg.emb-japan.go.jp/j/index.htm%E3%80%80">在エジプト日本大使館HP</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-41369556055982902902011-03-11T13:25:00.005+09:002011-03-13T11:33:55.010+09:00リビアからの脱出 (Part 1: 外国人労働者の内訳)リビアで働いていた外国人労働者が脱出しています。出身国と人数が判らなかったので、新聞記事の数字を集計してみました。今回は3部作の第1回目です。<br />
Part 1: 外国人労働者の内訳<br />
Part 2: 会社による社員救出<br />
Part 3: 日本政府の邦人救出<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>リビア脱出者は21.5万人に、大半が外国人労働者=国連 </b>(2011/3/9) [1]</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">[ジュネーブ/チュニス 8日 ロイター] 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は8日、混乱が続くリビアから過去2週間に脱出した人の数が21万5000人を超えると発表した。脱出者は主に外国人労働者で、航空便の不足により帰国のめどが立たない状態だという。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">UNHCRのエイドリアン・エドワーズ報道官は、「チュニジアとエジプトの国境付近で待機している人たちの大半はバングラデシュ出身者だ」とし、同国や他のアジア地域などへの長距離航空便が極めて不足していると指摘した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">同報道官は、リビアでは国外脱出を図る人たちを阻止するために軍部隊が道路を封鎖し、携帯電話を没収するなどしていると述べ、ベトナム出身者のグループは脱出までに65カ所のチェックポイントを通過したと明かした。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">国際移住機関(IOM)によると、チュニジアとエジプトの国境にある難民キャンプには現在、それぞれ約1万3000人と約3700人のバングラデシュ出身者が滞在している。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">また、国連の世界食糧計画(WFP)は70トンの栄養補助食品をリビアに向けて輸送中だと発表。8日にベンガジに到着する予定で、リビアで反政府デモが発生してから初めての国連による食糧支援となる。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">一方、国連のエイモス人道問題担当事務次長は7日、リビアでの政府側と反体制派の衝突によって国外に避難した難民と国内に留まっている人道支援が必要な人たちは計100万人以上に上るとの見解を示した。</div><br />
<br />
<b style="color: red;">【 解説 】</b><br />
<br />
<b>1.北アフリカ諸国における外国人労働者</b><br />
<br />
図1の数字は、2008年に予想した2010年の数字である。<br />
<br />
図1 (画像をクリックして拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjvBxyieRZXNHj6FkMk5yhnOFgXHI4ACq-mezt1yDmP4Pqi1LqPdoT-Q_H1o2Sb6HmUfGVmU21WzdYEQAB_jw6EML7AFMos1Rog11y3TUpPbONk58NuRck9XtO1-1hkwdrdRqq0PtdCRc0/s1600/%25E5%258C%2597%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E8%25AB%25B8%25E5%259B%25BD%25E3%2581%25AE%25E4%25BA%25BA%25E5%258F%25A3%25E3%2581%25A8%25E5%25A4%2596%25E5%259B%25BD%25E4%25BA%25BA%25E5%258A%25B4%25E5%2583%258D%25E8%2580%2585.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="156" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjvBxyieRZXNHj6FkMk5yhnOFgXHI4ACq-mezt1yDmP4Pqi1LqPdoT-Q_H1o2Sb6HmUfGVmU21WzdYEQAB_jw6EML7AFMos1Rog11y3TUpPbONk58NuRck9XtO1-1hkwdrdRqq0PtdCRc0/s320/%25E5%258C%2597%25E3%2582%25A2%25E3%2583%2595%25E3%2583%25AA%25E3%2582%25AB%25E8%25AB%25B8%25E5%259B%25BD%25E3%2581%25AE%25E4%25BA%25BA%25E5%258F%25A3%25E3%2581%25A8%25E5%25A4%2596%25E5%259B%25BD%25E4%25BA%25BA%25E5%258A%25B4%25E5%2583%258D%25E8%2580%2585.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<b>2.リビアにおける外国人労働者の内訳</b><br />
<br />
図2の数字は、各種新聞報道の数字を集計したものである。図1の数字との整合性がないところもあり、正確さはあまり保証できないが、ある程度の概要は把握できると思う。リビアの人口 約650万人の内、混乱の前に150万人~250万人の外国人労働者が働いていたようだ[2]。リビアには石油収入があり、インフラ整備を進めているが、人口が少ないため、多くの外国人労働者を受け入れている。<br />
<br />
図2<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgIYtTXEOd0R4bpnrGuKJpbeHe6-KMgBb98y2-3hqzwAEhGuSWUcw6qNxDKOEEdt2F_Ky1OGs0suSDCPUeM-yA1YmOlE-TWy5JkaeIBCsWSkJtlfLClOMPxKn2q4km2XlF50mwGPgH6_bI/s1600/%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2593%25E3%2582%25A2%25E5%25A4%2596%25E5%259B%25BD%25E4%25BA%25BA%25E5%258A%25B4%25E5%2583%258D%25E8%2580%2585%25E5%259B%25BD%25E5%2588%25A5%25E5%2586%2585%25E8%25A8%25B3.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="358" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgIYtTXEOd0R4bpnrGuKJpbeHe6-KMgBb98y2-3hqzwAEhGuSWUcw6qNxDKOEEdt2F_Ky1OGs0suSDCPUeM-yA1YmOlE-TWy5JkaeIBCsWSkJtlfLClOMPxKn2q4km2XlF50mwGPgH6_bI/s400/%25E3%2583%25AA%25E3%2583%2593%25E3%2582%25A2%25E5%25A4%2596%25E5%259B%25BD%25E4%25BA%25BA%25E5%258A%25B4%25E5%2583%258D%25E8%2580%2585%25E5%259B%25BD%25E5%2588%25A5%25E5%2586%2585%25E8%25A8%25B3.jpg" width="400" /></a></div><br />
<div style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></div><br />
<b>1.「難民」の意味</b><br />
<br />
リビアからチュニジアやエジプトに避難している人々は、従来の「難民」とは違う。<br />
<br />
難民問題について、①原因、②当事者、③解決するために要する時間を考えた場合、これまでの「難民」は次のような人々であった。<br />
①原因:紛争・内戦<br />
②誰が:住民が、通常の生活ができなくなり、隣国に避難した人々。<br />
③解決に要する時間:長期間<br />
<br />
一方、今回リビアからチュニジアやエジプトに避難している人々は、<br />
①原因:紛争・内戦<br />
②誰が:外国人労働者。紛争の結果、仕事がなくなり、隣国に避難した。彼らには、帰る国がある。<br />
③解決に要する時間:短期間(飛行機、船などがあれば、帰国できる。)<br />
<br />
<br />
<b>2.援助</b><br />
<br />
「難民」の性格に応じた援助の方法があるはずである。今回の必要なことは、<br />
①リビアから隣国にスムーズに脱出できるようにすること。<br />
②隣国(チュニジア)は入国をスムーズに受け入れること。<br />
③隣国に入国してから、できるだけ短期間で母国へ移動できる手段(飛行機など)を提供すること---である。<br />
<br />
上記①については、バングラディッシュ、エジプト人など3万人を出国させていない、との報道がある。[13]。上記②については、チュニジア側がサブサハラ出身者を容易に入国させないとの報道がある[14]。上記③については、英国、フランス、ロシア、米国などが輸送を手伝っている。<br />
<br />
<br />
<b>3.軍事介入</b><br />
<br />
リビアで働いていた外国人労働者数は100万人以上いたが、上記のニュース記事のとおり、リビアを離れた外国人は21万人である。まだ80万人以上が脱出できないでいることになる。英国、EUなどは軍事介入を考えているようだが、外国人労働者がいなくなったときに、その可能性が高くなると思われる。<br />
<br />
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<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1] <a href="http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-19885420110309" target="_blank">ロイター、2011/3/9</a><br />
[2]<br />
人口650万人:<a href="http://esa.un.org/unpp/index.asp" target="_blank">http://esa.un.org/unpp/index.asp</a><br />
外国人労働者:<br />
①150万人の説 <br />
<a href="http://www.immigrationmatters.co.uk/millions-of-migrant-workers-trapped-in-libya.html" target="_blank">http://www.immigrationmatters.co.uk/millions-of-migrant-workers-trapped-in-libya.html</a><br />
<a href="http://www.trust.org/alertnet/news/un-plans-to-launch-libya-crisis-appeal-on-monday/" target="_blank">http://www.trust.org/alertnet/news/un-plans-to-launch-libya-crisis-appeal-on-monday/</a><br />
②250万人の説<br />
<a href="http://www.usatoday.com/news/world/2011-03-05-migrant-workers-libya_N.htm" target="_blank">http://www.usatoday.com/news/world/2011-03-05-migrant-workers-libya_N.htm</a><br />
<br />
外国人労働者の人数<br />
エジプト [3]<br />
パキスタン [4]<br />
バングラデシュ [4]<br />
スーダン [4]<br />
中国 [5]<br />
フィリピン [6]<br />
トルコ [7]<br />
インド [8]<br />
タイ [8]<br />
ベトナム [9]<br />
ナイジェリア [9]<br />
トルコ [7]<br />
ネパール [4]<br />
ボスニア [10]<br />
ブルガリア [9]<br />
韓国 [11]<br />
スリランカ [12]<br />
[3] <a href="http://www.usatoday.com/news/world/2011-03-05-migrant-workers-libya_N.htm" target="_blank">U.N.: Migrant workers flee violence in Libya (2011/3/5)</a><br />
<a href="http://allafrica.com/stories/201102241107.html" target="_blank">Libya: Economy to Take a Hit From Libya Turmoil (2011/2/24)</a><br />
[4] <a href="http://www.trust.org/alertnet/news/un-plans-to-launch-libya-crisis-appeal-on-monday/" target="_blank">UN plans to launch Libya crisis appeal on Monday(2011/3/3)</a><br />
[5] <a href="http://news.xinhuanet.com/english2010/indepth/2011-03/05/c_13762084.htm" target="_blank">China's evacuation of citizens from Libya is impressive: U.S. observer (2011/3/5)</a><br />
[6] <a href="http://opinion.inquirer.net/inquireropinion/talkofthetown/view/20110306-323747/Leaving-troubled-Libya" target="_blank">Leaving troubled Libya(2011/03/06)</a><br />
[7] <a href="http://www.theoaklandpress.com/articles/2011/02/22/news/nation_and_world/doc4d6388fdedf50519667362.prt" target="_blank">Turkey, Italy try to evacuate citizens from Libya (2011/2/22)</a><br />
[8] <a href="http://www.immigrationmatters.co.uk/millions-of-migrant-workers-trapped-in-libya.html" target="_blank">Millions of migrant workers trapped in Libya (2011/2/23)</a><br />
[9] <a href="http://au.news.yahoo.com/thewest/a/-/world/8903550/factbox-libya-evacuations-by-country/" target="_blank">Factbox - Libya evacuations by country (2011/3/1)</a><br />
[10] <a href="http://www.reuters.com/article/2011/03/04/uk-libya-protests-evacuation-idUSLNE72301S20110304?pageNumber=2" target="_blank">Libya evacuations by country</a><br />
[11] <a href="http://articles.cnn.com/2011-02-23/world/libya.south.korea.evacuations_1_libya-construction-workers-exports?_s=PM:WORLD" target="_blank">South Korea trying to get almost 1,400 workers out of Libya</a><br />
[12] <a href="http://www.news.lk/home/17529-sri-lanka-evacuates-its-labour-force-from-libya" target="_blank">Sri Lanka evacuates its labour force from Libya </a><br />
<br />
[13] <a href="http://www.msnbc.msn.com/id/41973486/ns/world_news-mideast/n_africa/" target="_blank">Red Crescent: Migrants blocked from leaving Libya (2011/3/8)</a><br />
<a href="http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110305-OYT1T00583.htm" target="_blank">治安部隊が妨害?…リビア脱出者、大幅減少 (2011/3/5)</a><br />
[14] <a href="http://mainichi.jp/select/world/news/20110301dde007030029000c.html" target="_blank">リビア:チュニジア国境で明暗 アフリカ人の脱出拒否(2011/3/1)</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-33353680044654276332011-02-25T19:01:00.006+09:002011-03-06T07:55:36.251+09:00リビア関連のニュースを鵜呑みにするなリビアの情勢は、日々、混乱の度合いを深めています。反政府デモ隊(protesters)はカダフィの退陣を迫っています。また、欧米諸国の一部は、これまでのカダフィの言動に対し辟易しており、恨みつらみがありますので、ここぞとばかりに退陣させようとしています。ウォールストリート・ジャーナル紙は「リビア軍による国民の殺りくが続けば、西側諸国はリビアの飛行場を空爆するだろう」と警告しました。[1] <br />
<br />
私は、リビアという国は経済的に大きく離陸(take-off)する---と信じていますので、この数年間、同国の動向、特にカダフィの後継者になるかもしれない次男のSaif al-Islam氏に注目してきました。(このブログでもリビアに関し、5本の記事を掲載しました。)<br />
<br />
Saif氏は、2月21日、40分にわたってテレビ演説し、国民に事態を説明し、冷静になるように求めましたが、それを伝える新聞記事に次のような文がありました。<br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">「最後の兵士、最後の弾まで戦う」。強権体制下で揺るがなかった首都をデモが襲う中、改革者と目された同氏の「別の顔」に人々は怒りを増幅させている。</div><br />
私は、彼はこのようなことを言う人物ではない、と思い、記事の内容を確認するため、実際の映像を探したところ、複数のテレビ局が報道したものをYouTubeで見つけました。<br />
<br />
演説の内容が「事実」かどうかについては、情報が限られており裏をとることはできないので、この大本営発表の内容を鵜呑みにはしません。しかし、少なくとも、彼が何を考えているのかが分かりますので、紹介します。<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 ニュース 】</b></div><br />
<b>カダフィ氏次男、演説で強硬姿勢 諸部族の反攻噴出</b> (産経新聞 2011/2/21) [2]<br />
<br />
<div style="background-color: #cfe2f3;">【カイロ=黒沢潤】リビアの最高指導者カダフィ大佐の後継者として有力視されている次男、サイフルイスラム氏が21日未明、国営テレビで緊急演説した。同氏はリビアの経済・社会改革に積極的とされ、国民からの期待も小さくなかったが、独裁体制放棄への明確な言及もなく、デモを容赦なく弾圧するという強硬姿勢が際立った。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">「怒る国民への対処の仕方に関し、警察や軍に誤りがあった」。サイフルイスラム氏の演説は当初、抑制を効かせながら始まった。だが、デモの犠牲者数が300人以上とも指摘されていることに対し、「84人だ。メディアの誇張だ」と完全否定した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">同氏は「リビアは内戦の危機にある。首長国や小国家を作る陰謀が存在する」とも指摘。政権への徹底抗戦を叫ぶ北東部ベンガジでは、ムスラタ族など諸部族が街の支配権を握ったとされ、東部一帯のズワイヤ族にも欧州への石油輸出をとめる動きがある。演説はこうした“国家内国家”を作る動きに警鐘を鳴らした形だが、強権支配のタガが外れつつある部族の反攻を食い止められる保証はない。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">サイフルイスラム氏は一方、諸外国をも牽制した。リビアに警告を発する国に対しては「(政権崩壊すれば)外国企業はリビアを去ることになる」と脅した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">リビアは国民参加の「直接民主制」を実践するとのカダフィ氏の革命理論を堅持し、憲法や政党が存在しない。サイフルイスラム氏は憲法制定協議を始めると語り、「国歌や国旗を変えたいならそれもやる」と懐柔策も口にした。しかし、ベンガジの弁護士は英BBC放送で「同じ約束の繰り返し。信じない」と一蹴した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">「最後の兵士、最後の弾まで戦う」。強権体制下で揺るがなかった首都をデモが襲う中、改革者と目された同氏の「別の顔」に人々は怒りを増幅させている。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">とはいえ、リビアには政権崩壊後の“受け皿”がない。まがりなりにも野党が存在したチュニジアやエジプトとは異なる。約40年の独裁体制が崩れ去った場合、混乱が国家を襲うのもまた避けられない。</div><br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 解説 】</b></div><br />
<b>Saif al Islam氏の40分間のTV演説の要旨</b><br />
<br />
写真:クリックで拡大<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgIsJ1Qt6ClyjL7lnyJE3jVFFwfP7y7USndOttqNVdeOxhXFJThNPusLB7hTnQctgmjPq6xL0Uiy3ytLiXh_byuoUPCuO2HNUswcobsYK9Ra4_61KuB5gwLMMQjvreUgKUD55hkjXC76HA/s1600/Saif+speaks.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="196" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgIsJ1Qt6ClyjL7lnyJE3jVFFwfP7y7USndOttqNVdeOxhXFJThNPusLB7hTnQctgmjPq6xL0Uiy3ytLiXh_byuoUPCuO2HNUswcobsYK9Ra4_61KuB5gwLMMQjvreUgKUD55hkjXC76HA/s320/Saif+speaks.jpg" width="320" /></a></div>私は、多くの人から、直接国民に話しかけるように言われた。何を言うか事前に書きものにしていない。正統アラビア語ではなく、リビア方言で、リビア人の一人として、皆さんに直接、原稿無しの即興で話しかける。事前に準備をしていない。心に感じたことを伝えたい。<br />
<br />
一連の出来事の経緯を順を追って説明したい。我々は、この地域が地震に襲われ、嵐がふいているということを全員が知っている。それは、発展・変革・民主化・自由化を求める行動である。それは我々が、ずっと昔から望んできたことである。<br />
<br />
この地域では多くの変革を必要としている。変革は政府がもたらすか、あるいは、国民がもたらすかどちらかである。それは多くのアラブ諸国で変化をみている。現在は難しい状況にある。我々は正直であるべきだし、また、真実が重要だ。この演説では真実のみを話す。<br />
<br />
リビア国外には反体制のリビア人がおり、リビア国内に彼らの友人や支持者がいる。リビア国内にも政府に反対の人々がいるが、彼らはエジプトのFacebook革命をまねた。<br />
<br />
2月17日に何が起こったのか?<br />
まず、民衆がイタリア領事館を襲撃した。そして、警官が民衆を射殺した。それを理由に民衆が警官を襲った。外国にいる反体制の人々が、リビアをチュニジアやエジプトのようにするため、この出来事を利用し、インターネットやFacebookで情報を流した。そして、メディアのキャンペーンがあった。<br />
<br />
政府は、チュニジアやエジプトが混乱した時、政府は事前の防御策として、2月17日以前に、危険分子を逮捕した。そのことに対し、小規模なデモが起こった。体制派と反体制派が対立し、何人かの死者が出た。<br />
<br />
警官に対する暴力行為もあった。怒った民衆は、ベンガジでは軍隊を攻撃した。警官は防御し、死者が出た。<br />
<br />
死者の葬式でもいざこざがあった。以上がベンガジで起こったことで、現在、騒乱、分離運動になってしまった。リビアという国の統一が危険にさらされている。<br />
<br />
ベンガジで殺された人がいる。そのことがベンガジの人々を怒らせた。我々は、正直に話し合いをしなければならない。彼らは殺されたが、その理由はなんだろうか?<br />
別の理由がある。<br />
民衆は軍や警察に対し歯向かった。特に、軍にはそのような経験がないので、臆病(nervous)になり、危険を感じて(stress)、民衆に銃口をむけてしまった。軍に非があった。<br />
<br />
私が聞いたことだが、反乱に加わった人々の多くは酒を飲んでおり、何人かは麻薬を使用していた。警察や軍は、彼らを射殺した。このようなことを聞いている。<br />
<br />
死者の数はベンガジでは48人であり(*)、メディアは過大に報道しているし、人々も大げさに話している。リビアにいないであたかもリビアからの報道のように見せかけている、との報告がある。いくつかのテレビ局も彼らと協力している。たとえば、昨日の報道では250人が死亡、180人が負傷したと伝えているが、それは大げさな数字であり、そのような噂を広めるキャンペーンがある。<br />
(*:数字の箇所については、理解できない。)<br />
<br />
政府側と反政府側の両方に間違いがあった。警察、特に軍は、怒れる群衆に対処する準備ができていなかった。彼らは、軍本部、武器弾薬が収奪されないように守ることが精一杯であった。<br />
<br />
民衆は、仲間が殺されたので怒る権利がある。両方に言い分(story)があるが、亡くなった方がいるという事実は悲しいことだ。<br />
<br />
民衆と警察・軍の間にはメディアが存在するが、誇張した記事を流している。それは周知の事実である。さて、我々は、しっかりと現状を把握しなければならない。リビア東部での出来事、そしてそれがリビア全土に広がろうとしている出来事には、3つの原因がある。<br />
<br />
第1のグループは、組織化されたグループであり、労組、弁護士は政治的主張や要求がある。彼らの要求は理解できるし、政府としては対処できる。<br />
<br />
第2のグループは、イスラムグループである。Al Baydaで起こったことだが、彼らは逮捕されており、恩赦で釈放された人々である。彼らは軍のキャンプを襲撃し、軍人・警官を殺しており、軍のキャンプを襲い、兵器を盗んだ。<br />
<br />
Al Baydaで何が起こったのか。私にはその街に家族がおり、電話で知らせてくれた。この数日間で、彼らは武器を盗み、兵士を殺した。街中をうろついており、al Baydaを「イスラム首長国」にすると言っている。彼らは、武装しており、軍事的目的がある。第1のグループとは違う。<br />
<br />
第3のグループは、人数が最も多い。これは広く知られていることだが、その中には麻薬を使用している若者がいる。また、好奇心が強く、熱心にデモに参加する人々だ。デモに参加する理由を数えるならば10以上あるだろう。<br />
<br />
私は事実を話している。好むと好まざるとにかかわらず、事実だ。<br />
<br />
兄弟達よ、政府は新しいリビアを作る計画がある。<br />
<br />
いずれTVで放映するが、保安部隊は何十人ものアラブ人、アフリカ人を逮捕した。反政府勢力が貧しい彼らを金で雇い、国を分割ししようとしている。金持ち・ビジネスマンは彼らを雇い、いろいろなオペレーションに使った。<br />
<br />
その証拠がBenghaziとal Baydaでは、アラブ人とアフリカ人が武装している。これは秘密ではなく、皆知っていることだ。彼らは不法滞在者(illegal immigrants)だ。彼らはこの騒乱に利用された。<br />
<br />
一部のグループは、リビアを統治したいと考えている。リビア東部のBenghaziとal Baydaに別の国をつくりたいと計画している。al Baydaでは「イスラム首長国」と名前を付けたようだ。<br />
<br />
昨日、ある男が「私はイスラム共和国の皇太子だ」と言った。一部のグループはリビアを小さな首長国の集合体にしたがっている。彼らは既に計画を持っている。リビアのメディアが報道していないことに乗じて、アラブのメディアは本当に何が起こっているのかを報じていない。<br />
<br />
黄色い帽子(=傭兵)、何百人も殺された-----アラブのメディア、外国のメディアは、噂を広げたり、誇張したり、嘘を報道したりしている。<br />
<br />
別のグループがこの騒乱で利益を得ている。彼らは刑務所を脱出した囚人であり、Benghazi刑務所などを壊している。国が崩壊すると政府も警察もなくなり、彼らは自由になる。彼らは簡単に混乱状態を作り出せる。<br />
<br />
説明したように、リビアが崩壊すると得をするグループが複数存在する。リビアの一部を統治しようとしたり、都市ごとに皇太子を置くことを認めたりするのは、国家反逆罪(national treason)だ。<br />
<br />
アラブの兄弟達は、リラックスしながらコーヒーや紅茶を飲んで、リビア人がリビアを崩壊させている状況を見ながら、あざ笑っている。負け組はリビアだ。彼らではない。<br />
<br />
道路をうろついている犯罪者がいることは、秘密ではない。家族・友人のみんなが、犯罪者が町を占領していることを知っている。犯罪者は武器をもっており、街中を混乱させている。<br />
<br />
現状は極めて危ないことをわかってもらえたと思う。チュニジアやエジプトを見たリビアの若者が同じような変革を求めているということだけではない。リビアは、エジプトやチュニジアとは違うのだ。<br />
<br />
リビアは違った状況におかれている。もしリビアが小国に分離するなら、3つ、あるいはそれ以上に分かれてしまう。それは60年、70年前にもどるということだ。<br />
<br />
リビアがチュニジアやエジプトとは違う2つ目の理由は、リビアは部族が共同体を作っている国であるということだ。リビアは、政党(parties)があるような都市社会(urban society)ではない。リビアは部族が基礎となっている。人々は部族の中での役割を知っているし、部族の仲間を知っている。内戦(civil war)になってしまう。1936年のような内戦の時代に戻ってしまう。街中で殺し合いをすることになる。<br />
<br />
リビアはチュニジアやエジプトとは違う。リビアには石油があり、石油がリビアを結びつけている。大部分の油田はリビア東部でもなく西部でもなく、中央内陸部にある。500万人が石油収入で生きている。<br />
<br />
もしリビアが分裂するなら、誰が食料や水をくれるのだ?だれがリビアの油田を管理するのだ?<br />
<br />
石油を管理する首都をどこに置く?トリポリか、al Baydaか、それともBenghaziなのか?だれが管理して、石油収入を分配するのか?だれが教育や病院の費用を負担するのか?<br />
<br />
もし内戦が起き、リビアが分割された場合、石油収入の配分方法に合意することができると思うか?もし、できると思う人がいるなら、間違いだ。石油は燃やされ、ギャングや犯罪者、部族の民は、油田を占拠するために戦うだろう。誰も石油の恩恵に与れない。油田は中央内陸部や南部の砂漠地帯にあり、人が住めるようなところにはない。<br />
<br />
リビア人口の4分の3はリビア西部にすんでいるが、そこには油田はない。Barcaにも石油は出ない。どのようにして食料を買うのか?<br />
<br />
兄弟達よ、これからリビアに起こるかもしれないことは危険なことだ。国の統一や各種スローガンよりもっと大きな問題に直面する。教育や福祉が崩壊する。子供達が通う学校がなくなる。小麦粉も無くなる。我々の富は盗まれてしまう。これがBengahziとal Baydaで起こったことだ。<br />
<br />
我々はリビアを離れ、移民することになるだろう。油田を管理できないし、石油収入を分配することができないからだ。産出された石油は燃やされるだろう。これから40年かけて石油収入の分配方法について議論することになる。皆がリーダーや皇太子になりたいからだ。<br />
<br />
リビアはチュニジアでもないしエジプトでもない。今日、我々は非常に難しい歴史的試練に直面している。<br />
<br />
まず話し合おう。正直に話し合おう。我々は皆、武器を持っている。犯罪者は、戦車、機関銃、大砲を持っている。<br />
<br />
私がこうして話している時も、Benghaziでは戦車が酔っ払いを乗せて動き回っている。Baydaでは市民が機関銃を持っている。軍の武器保管庫から多数の武器弾薬が盗まれた。だから我々全員が武器を持っている。軍も武器を持っている。<br />
<br />
多くの人々が武器を持っている。反政府勢力も武器を持っている。<br />
<br />
だから内戦が起きる。リビアは全てのインフラを失うだろう。食料もなくなるだろう。そして現在実施している2,000億ドルの新都市計画に関与している外国企業もリビアを去るだろう。<br />
<br />
誰がリビアに戻って、リビアを再建するのか?これまで作ったものは壊されるだろう。病院も閉鎖されるだろう。<br />
<br />
私の言っているいることを良く聞いて欲しい。我々は岐路に立たされている。歴史的な決断をリビア人が下さなければならない。<br />
<br />
(今まで説明したようになるのか、それとも)我々はリビア人であり、リビアは我々の国であり、我々は変革や自由を求め、真の意味でリビアを変えていようにするのかどちらかだ。変革は目の前にある。<br />
<br />
500万人が武器をとり内戦をする前に、最終的な解決策を決めよう。我々はエジプトでもなくチュニジアでもない。我々全員が武器をもっているし、武器を手に入れられる状況にある。<br />
<br />
84人が死亡したことを悲しむのではなく、これから何千人も死ぬかもしてない事態になっていることを悲しむ。リビアの全ての街で、血が川のように流れることになる。石油が生産されなくなるので、皆がリビアを離れるだろう。<br />
<br />
明日になれば、外国の会社、外国人の全てがリビアを離れるだろう。石油会社もだ。石油は生産されなくなる。国家収入がなくなる。一片のパンもなくなるだろう。<br />
<br />
本日、al Baidaでは、一片のパンは1.5ディナールで買える。来週になれは100ディナールになるだろう。私が皆さんに話すのがこれが最後になるだろう。内戦になれば、リビア人すべてが武器を持ち、内戦状態に入り、国が分断され、完全に混乱状態になる。武器を持ち、自衛するような状況になる前に、街中に血の川が流れるようになる前に、これから数日以内に歴史的なイニシィアチブをとらなければならない。<br />
<br />
小さなことを罰するような古い規制は止めにして、新しい法律(new civil rules and regulations)を作る。そして、憲法制定のために国民の間で話し合い(national dialogue)が始まる。次に開催される国民集会(polular conference meeting)で憲法について議論することが、つい最近開催された会議で決まった。リーダーであるカダフィ大佐が合意した。ジャーナリストもいた。<br />
<br />
もう1つ、リビアは分離するのではなく、地方自治(local government)の時代に戻ることになる。住民は選挙で首長を選ぶのだ。中央政府の権限を小さくする。地方自治体が厨民にサービスを提供するようになる。これまでの開発は継続されるが、2000億ドルを使って、リビア全土に配分され、街造りをする。<br />
<br />
給与は上げる。若者が受けられる融資限度額を上げる。これについては即刻そのようにする。<br />
<br />
我々は、改革する。血は流さない。国を開発する。リビアは発展する。隣の国よりも少ない数の犠牲者と損失で発展する。<br />
<br />
チュニジアとエジプトでは問題が発生した。観光客が来なくなった、仕事がなくなった、そして安定も治安もなくなった。<br />
<br />
リビアは、チュニジアやエジプトよりも、千倍以上悪い状況にある。もし明日にでも国民が合意すれば、流血は防げるし、歴史的な成果を上げることができるだろう。<br />
<br />
我々は第一の共和国(first republic)から第二の共和国(second republic)に移行する。第一の政治体制(regime)を大きく変えて、全く新しい政治体制ができる。国民全員が望み、愛することができるような「明日のリビア」ができる。<br />
<br />
その逆に、国民が対立して、リビアが分割され、内戦に入り、石油収入がなくなる事態にすることもできる。ガス収入もない。リビアは混乱に陥る。<br />
<br />
Barcaで起こったような攻撃があるだろう。それが全土に広がる。子供達の教育はなくなる。病院もなくなる。Barca、Bayda、Shahhat、Benghaziではすでにそれが現実になってしまった。<br />
<br />
私の父は東部出身で、母は国民の大部分と同様に、西部出身だ。<br />
<br />
東部、特にBenghaziに住んでいる人に言いたい。リビアが分割されたら、どのようにしてリビアに入国するのか?リビア入国ビザを取るのか?そんな時代に戻るのか?あなたの奥さんはBenghaziにいて、あなたはトリポリにいるとする。お互い10年間訪問できない。<br />
<br />
家族は分裂する。母親にも姉妹にも会えない。彼らは、国境の向こう側にいるのだ。<br />
<br />
過去10年以上、我々リビア人は異なる地域の出身者と結婚している。Benghaziの人はトリポリの人と結婚してきた。地域間の交流が深まった。もし国が分割されたら、トリポリに来るにはビザが必要になる。<br />
<br />
もし最初のシナリオに合意できないのなら、二番目のシナリオになるという心の準備をしておくがいい。<br />
<br />
イタリア(*)の外務大臣が、リビアの現状を確認するため、私に電話してきた。国民の皆さん、リビアが再び植民地になる準備をしておいてくれ。植民地支配がまた来る。ヨーロッパ人とアメリカ人はリビアに来る、それも武器を使って。<br />
(*二つのトランスクリプトがあるが、1つはイタリア、もう1つはイギリスとなっている)<br />
<br />
ヨーロッパと北大西洋条約機構は、2日間で、2つのイスラム首長国が建国されるのを認めると思うか?1ヶ月後には15の首長国ができるだろう。彼らは地中海沿岸にイスラムの首長国が建国されることを認めると思うか?<br />
<br />
彼らは、ソマリアでイスラム国が建国されることを認めなかった。リビアは、ギリシャのクレタ島にある米軍基地から30分のところにある。イタリアからは1時間で、地中海の中央に位置する。欧州諸国とその他の国は、リビアに介入しないと思っているのか? 正直に言おう、彼らは武力でリビアを占領するだろう。彼らはリビアを崩壊させる。西洋諸国と米国と欧州諸国は、リビアの土地において、犯罪者が支配するようなイスラム首長国を作るのを認めない。<br />
<br />
リビアが産出する石油はどうなるか。西側諸国はリビアで混乱が続きテロ、麻薬、アフリカの不法移民を輸出するようなことは許さない。彼らはリビアに来て阻止するだろう、そしてリビアを占領するだろう。もし別のシナリオを考えているのであれば、間違いだ。<br />
<br />
リビアの地中海沿岸は2000Kmあるが、ヨーロッパに近い。今日から2日間でイスラム首長国になる。彼らはそれを認めない。<br />
<br />
私の話はここで終わる。リビア人、アラブ人が関与している麻薬問題、汚職の問題、不法移民の問題については話さなかった。エジプトでもチュニジアでも同じ問題がある。いずれ、それらの問題について証拠をお見せできる。<br />
<br />
ロンドン、ニューヨーク、マンチェスターに住んでいるリビア人、あるいはドイツやカナダにいるリビア人達は、リビアにいるリビア人を挑発し、家をでて、あれをしろ、これをしろ、と指示している。彼らの子供達はヨーロッパと米国で勉強している。彼らには健康保険もあるし、居住国の国籍も取得している。一方、リビアにいる子供達は死にかけている。<br />
<br />
軍隊から兵器弾薬を盗めと、指示している。彼らは今、ヨーロッパでリラックスしているところだ。リビア人はここで死ねという。それから、彼らはリビアに戻り、リビアを支配する。これが彼らのシナリオだ。リビアの国民同士が敵対し、殺し合った後に、リビアに戻り我々を支配する。イラクの状況と同じだ。海外にいるリビア人は、「わかった、リビアに戻り統治しましょう」と言うだろう。<br />
<br />
我々には2つの選択肢がある。我々は今、変革できる。これは歴史的な瞬間である。変革しないのなら、これから何十年の間、何もないだろう。最初の選択肢を選ばない限り、ユーゴスラビアより悪い状況になるだろう。カダフィはムバラクやベン・アリとは違い、古典的支配者だ、人民のためのリーダーだ。何十万人の人々がカダフィを守るために、集まってくるだろう。沿岸の道を通ってカダフィを支援するために来るだろう。軍隊もいる。彼らは、自身の被害を省みずに大きな役目を果たすだろう。リビア軍はチュニジアやエジプトの軍とは違う。最後の最後までカダフィを支持するだろう。(反体制派は)ガーデン広場にいる人が発砲し、軍隊も発砲する。そのようなシーンを世界に見せたがっている。目を覚まさなければならない。<br />
<br />
これからは、国家防衛隊と軍が出動する。我々はリビアの土地を1インチも明け渡さない。彼らは60年前、植民地主義者からリビアを守った。そして今は、麻薬中毒者から守る。リビアの大部分の人々には知性がある。悪党どもとは違う。(一部不明) 我々は最後の一人まで、最後の弾を使いきるまで戦う。リビアを守り、明け渡すことはない。我々は、アル・ジャジーラ、アル・アラビア、BBCに、罠(trick)を仕掛けさせない。<br />
<br />
<div style="color: red;"><b><br />
</b></div><div style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></div><br />
<b>1.事実を確認すること</b><br />
<br />
国際社会は、リビアで何が起きているのかという「事実」を遅滞なく確認し、事実に基づいて行動しなければならない。万一、国際社会が間違った情報に基づいて行動した場合、より大きな問題(悲劇)を起こしてしまう。特にリビア関係のニュースは鵜呑みにしてはならない。色々調べたが、私は次のことが判らない。<br />
<br />
<b>(1)リビア政府軍は、無防備の市民を殺しているのか?死者の数は?</b><br />
<br />
国連事務総長は、「市民への攻撃は国際法違反で、流血を起こした者は罰せられなければならない」と発言した[3]。また、オバマ大統領も、暴力的なデモ弾圧は「国際的規範に違反する」との声明を出した。[4] <br />
<br />
日本や西欧諸国でデモをする人々は単にプラカードをもって歩くだけで、当然ながら無防備である。<span style="color: red;">しかし、反政府勢力の一部が、政府転覆を目的として武装しているのであれば、話は別だ。米国で同じことをすれば、撃ち殺されるだろう。</span><br />
<b><br />
</b><br />
<b>(2)アフリカからの傭兵(foreign mercenaries)は、だれが、何のために雇ったのか?</b><br />
<br />
1つ目の説は、カダフィが政権を守るために雇った。<br />
2つ目の説は、反政府勢力を支持する人達(=金持ち)が、反政府グループをを守るために雇った。あるいは、リビアを混乱に陥れるために雇った。<br />
3つ目の説は、上記の両方。<br />
<br />
<b>(3)首都トリポリで空爆があったのか?</b>[5]<br />
<br />
空爆するのであれば飛行物体は爆音をたてるはずであるが、イタリア人(教授)がトリポリの親類に電話をかけて確認したところ、そのような音は聞こえなかったという[6]。トリポリには各国の大使館があるのだから、事実関係は容易に確認できると思うが、日本大使館から情報はないのだろうか。<br />
<br />
なお、政府は、武器を反政府勢力に渡さないようにするため、郊外にある武器弾薬庫を空爆したことは事実のようだ。[7]<br />
<br />
<b>(4)反政府勢力の中には、麻薬を使っている者がいたのか?多数いたのか?</b><br />
<br />
エジプトで麻薬が作られており、欧州等に持ち出される際に、リビアが中継点(transit trafficking )になっているようだ。リビアは、UNODC (国際連合薬物犯罪事務所)に加盟している。[8]<br />
<br />
<br />
<b>2.国際社会によるカダフィに対する報復</b><br />
<br />
冒頭に、「欧米諸国の一部は、これまでのカダフィの言動に対し辟易しており、恨みつらみがある」と書いた。いくつかの例を紹介する。詳細はネットで調べて頂きたい。<br />
<br />
①ロッカビー事件:1988年12月に、スコットランドのLockerbee上空で航空機爆破事件で、270人(大部分が米国人)が死亡した。真犯人と背後にいるのは誰かについては、複数の説がある。<br />
②リビア人が犯人として逮捕され、国際裁判を経て、スコットランドの刑務所に収監された。しかし、スコットランド政府(及び英国政府)は、余命3ヶ月という理由で温情的にその囚人をリビアに帰国させた(2009年8月)。しかし彼は現在も生きている。米国人犠牲者が多かったこともあり、米国のメディアや議員はスコットランド・英国の対応を批難している。<br />
③ブルガリア人看護婦6人がリビアで医療活動をしていたが、400人以上の子供達がAIDSに感染した。6人全員が死刑判決したが、結局多額の賠償金で釈放された。<br />
④カダフィの五男をめぐって、スイスと問題になった。<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/2010/02/vs.html" target="_blank">本ブログでも取り上げた。</a><br />
⑤最近では、韓国人2名がスパイ容疑でリビアから数カ月出国できなくなった事件があった。李明博大統領と彼の兄である李相得ハンナラ党議員の尽力で、比較的短時間で解決した。<br />
<br />
とにかく、カダフィは世界の嫌われ者なのである。今回の騒乱で「カダフィは市民を殺害しているので止めさせなければならない」という絶好の口実ができた。今回は、国際社会(国連と米国など)の動きは速かった。例えば、オバマ大統領は、リビアへの経済制裁など具体的な措置に取り組む姿勢を示した。[9]<br />
<br />
アフリカ諸国には、程度の差はあるが、似たようなな元首は他にも存在するのである。リビアの一般市民を保護すること以外に、別の企みあるのではないか? 国際社会の「正義」を疑う。[10]<br />
<br />
<span style="background-color: yellow;">コメント欄もご覧下さい。(2011/3/6記)</span><br />
<br />
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<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1]<a href="http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110223-00000090-mai-int" target="_blank"><米国>リビアに具体的行動を オバマ政権に世論の圧力(毎日 2011/2/23)</a><br />
[2] <a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/110221/mds11022123540025-n1.htm" target="_blank">産経新聞 2011/2/21 </a><br />
[3] <a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/110224/erp11022410110001-n1.htm" target="_blank">「暴力停止せよ」国連事務総長、高官を中東に派遣(産経、2011/2/24) </a><br />
[4] <a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/110224/amr11022409560001-n1.htm" target="_blank">「言語道断で許されない」米大統領が弾圧を非難、制裁示唆(産経、2011/2/24)</a><br />
[5] <a href="http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110223-00000079-san-int" target="_blank">リビア政権崩壊危機 カダフィ氏「私は殉教者」(産経 2011/02/23)</a><br />
[6] <a href="http://www.ansamed.info/en/news/ME.XEF84749.html" target="_blank">LIBYA: ITALIAN-LIBYAN ACADEMIC, SCEPTICAL OVER TRIPOLI BOMBS (2011/2/22)</a><br />
[7] <a href="http://news.smh.com.au/breaking-news-world/libya-jets-bomb-arms-depots-20110222-1b2vj.html" target="_blank">Libya jets bomb arms depots (2011/2/22)</a><br />
[8] <a href="http://www.unodc.org/egypt/en/country_profile_libya.html" target="_blank">UNODC Libya</a><br />
[9] <a href="http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110224-00000018-mai-int" target="_blank"><米国>オバマ大統領、リビア制裁示唆…武力弾圧を非難 (2011/2/24)</a><br />
[10]<a href="http://congonokongo.blog.shinobi.jp/Entry/159/" target="_blank">「リビアのカダフィ大佐:過去の暗殺の公開を求めた」(2011/2/22) by 米川正子</a><br />
<a href="http://congonokongo.blog.shinobi.jp/Entry/160/" target="_blank">「リビアでの「虐殺」のダブル・スタンダード」 (2011/2/23) by 米川正子</a><br />
<br />
<br />
Saif氏のテレビ演説の要約は英訳のトランスクリプトを日本語に翻訳した。ネットで見られるのは、2種類ある。<br />
①<a href="http://www.cnnstudentnews.cnn.com/TRANSCRIPTS/1102/20/cnr.04.html" target="_blank">CNNによるもの。</a>40分の演説のうち、最初の30分の部分のトランスクリプト。同時通訳のテープ起こししていると思われるので、内容が細かい。しかし同時通訳なので、一部正確でない可能性あり。<br />
②<a href="http://www.tweetdeck.com/twitter/exiledsurfer/%7EoJiWX" target="_blank">SultanAlQassemiというブロガーによるもの。</a>40分の演説の要約になっている。要約なので、細かい内容ではないが、こちらの方が正確であると思われる。読者ご自身が確認するのであれば、まずこれを読まれることを勧める。<br />
<br />
YouTubeには、CNN、BBC、AlJajeelaの映像がある。それぞれに英語の同時通訳(あるいは一旦英訳したものをダビングしたもの)がある。当然ならが、それぞれ微妙に違う。<br />
①<a href="http://www.cnn.com/2011/WORLD/africa/02/20/libya.protests/index.html" target="_blank">CNNバージョン(最初の約30分。)</a>(上記のトランスクリプト参照)<br />
②<a href="http://www.youtube.com/watch?v=CLTYR2iK13Y&feature=related" target="_blank">BBCバージョン(約4分半。)</a><br />
③Al Jazeeraバージョン(15+14+10=約40分)<br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=piEslrLNSoQ" target="_blank">Saif al-Islam Gaddafi Addresses the Nation 1 of 3</a><br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=sdr8ay6vtx8" target="_blank">Saif El Islam Gadaffi addresses the nation 2 of 3</a><br />
<a href="http://www.youtube.com/watch?v=9JlB1bHaOm0" target="_blank">Saif al-Islam Gaddafi Addresses the Nation 3 of 3 </a><br />
<br />
<br />
その他参考資料<br />
<a href="http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20110217_202305.html" target="_blank">「コラム:リビア、二つの革命の狭間で」 (2011/2/16 クドゥス・アラビー)</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com6tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-18928315465956158632011-02-13T16:18:00.004+09:002011-02-13T18:05:14.821+09:00マラウイ: 欧米諸国は「援助」で圧力をかけているネットで「マラウイ」を検索すると、「オナラ禁止令」がヒットします。国の品位を保つというのがその理由らしいのですが、国民から強い反対があり、法務大臣は、「オナラは刑罰の対象にしない。公害(pollution)を対象にする」と発表しました。[1]<br />
<br />
マラウイでは日本人の感覚には馴染まないような法律や大統領令が制定されています。たとえば、<br />
①大臣の権限で新聞・雑誌の出版を禁止することができる。[2]<br />
②女性同士が性的関係を持つことを禁止する。(男性同士の関係は既に違法。)[3]<br />
③警察官が泥棒を見つけた時、射殺することができる。(これまでは足などを撃つことはできた。)[4]<br />
④ マラウイの平均寿命は53才なのに、公的年金の支給開始年齢を女性55才、男性60才とする法案をとおそうとしている。[5]<br />
<br />
ドイツ、米国、EUは、上記①と②について強く反感をもっており、マラウイに対して、「good governanceを持たないと、援助しないぞ」と圧力をかけています。good governanceは日本語に訳しづらいのですが、「汚職をなくす。人権を尊重する」を意味します。[6]<br />
<br />
マラウイは、一人あたりの国民総所得(Gross National Income)が280ドルで、国家予算収入の約40%を外国の援助に依存していますが[7]、欧米の圧力にどのように反応するか、日本としても注目する必要があります。<br />
<br />
<br />
<b style="color: red;">【 ニュース 】</b><br />
<br />
マラウイと援助国との関係に関するニュースをまとめてみた。<br />
<br />
<b>1.英国</b><br />
<br />
2010年3月、ムタリカ大統領がプライベートジェット機(9百万ポンド=$13.26 百万)を議会を通さずに購入した。英国は立腹して、援助予算を年間3百万ポンドを5年間減額することにした。(年間の援助額は、予定していた22百万ポンドを3百万ポンド減額して、19百万ポンドとした。)[8]<br />
<br />
写真(クリックで拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgUeBqaltnE4Te8pCxDavqWYWE-pQ5c-HaRdzdEeCgvNRAT1UFmWAlfvMupB2IrXzf8Ise3RG-D1upc4_MUwY1L5_J8Cy1iQZRJZ8gTOoePYhlLVhU4DDVrpkzXPfYfN6S6plMvwENA19Y/s1600/%25E3%2583%259E%25E3%2583%25A9%25E3%2582%25A6%25E3%2582%25A4%25E3%2580%2580%25E3%2583%2597%25E3%2583%25A9%25E3%2582%25A4%25E3%2583%2599%25E3%2583%25BC%25E3%2583%2588%25E3%2580%2580%25E3%2582%25B8%25E3%2582%25A7%25E3%2583%2583%25E3%2583%2588.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"target="_blank"><img border="0" height="197" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgUeBqaltnE4Te8pCxDavqWYWE-pQ5c-HaRdzdEeCgvNRAT1UFmWAlfvMupB2IrXzf8Ise3RG-D1upc4_MUwY1L5_J8Cy1iQZRJZ8gTOoePYhlLVhU4DDVrpkzXPfYfN6S6plMvwENA19Y/s320/%25E3%2583%259E%25E3%2583%25A9%25E3%2582%25A6%25E3%2582%25A4%25E3%2580%2580%25E3%2583%2597%25E3%2583%25A9%25E3%2582%25A4%25E3%2583%2599%25E3%2583%25BC%25E3%2583%2588%25E3%2580%2580%25E3%2582%25B8%25E3%2582%25A7%25E3%2583%2583%25E3%2583%2588.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<b>2.ドイツ</b><br />
<br />
2011年2月1日、ドイツは、援助額を半額にすると発表した。報道の自由(anti-media freedom law)と同性愛禁止法を問題視している。援助として約束した金額は33百万ドルであり、その半額はすでに送金済であるが、残りの半額(現地通貨で 5,000百万Kwacha)については、これらの問題が解決するまでは援助しない、としている。[9]<br />
<br />
<b>3.米国</b><br />
<br />
2011年1月5日、米国の援助庁であるミレニアム挑戦公社(MCC:Millinnium Challenge Corporation)はマラウイの電力インフラを整備するため、約350百万ドル(現地通貨では、52,000百万Kwacha)を援助すると発表した。[10] <br />
<br />
米国とマラウイが正式調印できるタイミングは、当該合意から議会通知期間である15日後であるが、その間に、マラウイでは報道の自由を制限する法律や同性愛に関する法律審議(通過)した。そのため、米国は正式調印することを延期した。<br />
<br />
<br />
<b>4.EU</b><br />
<br />
EUは27ヶ国の加盟国があるので、まだ凍結するという結論に達したわけではない。しかしEUの在マラウイ大使は、「ガバナンスと人権問題を早急に改善しなければ援助を凍結する可能性がある」と示唆した。[11]<br />
<br />
<br />
<b>5.ノルウェー</b><br />
<br />
ノルウェーは、マラウイに援助したお金が援助対象プロジェクト以外に使われたとして、21百万ノルウェークローネ(現地通貨では、588百万Kwacha)の返還を求めた。本件は、ノルウェー外務省の監査部の調査で判明したことであるが、汚職とか、ガバナンスとか無関係のことである。[12]<br />
<br />
ただし、ノルウェーはマラウイの人権問題には注文をつけている。たとえば、2010年3月、ノルウェー国際発展省のエリク・ソルヘム大臣がマラウイを公式訪問した際に、マラウイに対して同性愛者に対してより寛容になること、ゲイ・レズビアンの迫害を止めることを求めた。[13]<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 解説 】</b></div><br />
ビング・ワ・ムタリカ(Bingu Wa Mutharika、1934年2月生まれ、76才 )は、マラウイ共和国の経済学者、政治家。2004年5月から同国大統領(第3代目)である。2010年より1年間、アフリカ連合総会議長(Chairman)を務めている。<br />
<br />
大統領は、援助国との関係に関して、次のように発言している。<br />
<br />
(1) 2010年6月、プライベートジェットを購入した際に一部の国から批判された時、大統領は、「反対するのであれば、マラウイにある事務所を閉鎖すべきだ」と発言した。[14]<br />
<br />
(2)2010年10月、韓国のプレス(聯合ニュース)による書面インタビューの中で、大統領は、「アフリカ諸国と供与国とは平等なパートナーになるべきで、主従関係になってはならないということも非常に重要だ。アフリカ諸国も供与国から抑圧的で退行的な援助条件を取り除き、開発議題を立案しなければならない」と答えた。[15]<br />
<br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></div><br />
<b>1.オナラについてマラウイを笑うなかれ。</b><br />
<br />
・フロリダ州では、公共の場所で木曜日の午後6時以降にオナラをすることは禁じられている。[16]<br />
・多くの国で公共の場所で小便、吐痰、路上喫煙、吸い殻や空き缶などのポイ捨て 等は禁じられている<br />
<br />
<br />
<b>2.欧米の社会規範は普遍的なものではない。</b><br />
<br />
欧米の援助国が被援助国に求めていること(汚職排除、人権尊重など)は、彼らの社会規範からみれば当然のことである。<br />
<br />
私はこの点について、2つコメントしたい。<br />
<br />
1つ目は、「援助国は『上から目線』で援助している」 と 民衆に思われないように 注意しなければしなければならない。<br />
<br />
2つ目は、マラウイ大統領の考えは上述のとおりであるが、私は、大統領の考えにも一理ある、と考えている。(ただし、冒頭に述べた法律の内容から判断すると、大統領が取り組むべき問題の優先順位を取り違えていると思う。)<br />
<br />
①これは日本の例であるが、欧州諸国は死刑制度を野蛮な制度だと信じており、日本に死刑制度の廃止を求めている。しかし、日本人の多数は死刑制度を支持しているので、そのような要求は無視している。マラウイも自国の価値観を守る権利はあるのである。<br />
<br />
②仮定の話であるが、もし、マラウイが国際政治上重要な戦略的な国であったり、あるいは資源が豊富な国ならば、欧米諸国は援助を「圧力」の道具として使う(使える)だろうか? 恐らく欧米諸国は「国益」を優先するだろう。<br />
<br />
<br />
<b>3.欧米諸国だけが援助国ではない。</b><br />
<br />
今後、次のような点に注目したい。<br />
①欧米諸国が援助を凍結することで、国民にはどの程度の影響があるのだろうか?<br />
②マラウイは、欧米諸国のように援助にあまり条件をつけない中国に対し、さらなる援助を求める、中国はその要請に応じるであろう。<br />
<br />
<br />
<b>4.米国ミレニアム挑戦公社(MCC)の評価基準</b><br />
<br />
この記事を書いている中で、MCCが被援助国を評価する方法を知り得たので紹介する。下図が示すように、定量的かつ視覚的に評価している。評価基準は3つの大分類があり、その下にさらに小分類の評価基準がある。詳細は参考文献を参照されたい[17]。<br />
<br />
図(クリックで拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgO0qmub9umk9r2Eash2ABHoteDYyZU7jpIR-FJwEoUc-07Rw6u-HtrqobhkXjWcQ31jYF8unCy6IhT4jHzfloTEMp8LVYhXsp6QAiHJ9cJJzYSAEjW3Ll3KolbZaSgb6ID64NXAiBkEAM/s1600/MCC%25E3%2581%25AE%25E8%25A9%2595%25E4%25BE%25A1%25E5%259F%25BA%25E6%25BA%2596.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"target="_blank"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgO0qmub9umk9r2Eash2ABHoteDYyZU7jpIR-FJwEoUc-07Rw6u-HtrqobhkXjWcQ31jYF8unCy6IhT4jHzfloTEMp8LVYhXsp6QAiHJ9cJJzYSAEjW3Ll3KolbZaSgb6ID64NXAiBkEAM/s320/MCC%25E3%2581%25AE%25E8%25A9%2595%25E4%25BE%25A1%25E5%259F%25BA%25E6%25BA%2596.jpg" width="229" /></a></div><br />
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<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1] <a href="http://www.nyasatimes.com/national/justice-minister-admits-anti-farting-law-gaffe.html"target="_blank">Justice Minister admits anti-farting law gaffe (2011/2/4)</a><br />
[2] <a href="http://www.africanews.com/site/Media_freedom_threatened_in_Malawi/list_messages/37343"target="_blank">Media freedom threatened in Malawi (2011/2/8)</a><br />
[3] <a href="http://sdgln.com/news/2011/02/10/malawi-criminalizes-lesbian-sex"target="_blank">Malawi criminalizes lesbian sex (2011/2/10)</a><br />
[4] <a href="http://www.coastweek.com/xin_110211_03.htm"target="_blank">Malawian president vindicates his "shoot to kill" order (2011/2/11-17)</a><br />
[5] <a href="http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010112001000657.html"target="_blank">マラウイ年金、寿命後支給開始? 政府案に国民反発 (2010/11/20)</a><br />
<a href="http://www.nationmw.net/index.php?option=com_content&view=article&id=14027:pensions-bill-to-benefit-economy&catid=11:business-news&Itemid=4"target="_blank">Pension Bill to benefit economy (2011/2/7)</a><br />
[6] <a href="http://www.grips.ac.jp/forum/britain/21.htm"target="_blank">「援助の流行語はロンドンから」 山本愛一郎</a><br />
[7] <a href="http://www.mw.emb-japan.go.jp/japanesesite/index.html"target="_blank">寒川富士夫駐マラウイ共和国特命全権大使より着任のご挨拶</a><br />
[8] <a href="http://www.newstimeafrica.com/archives/11294"target="_blank">Malawi’s President Secretly Buys a Private Jet (2010/3/13)</a><br />
<a href="http://www.malawivoice.com/latest-news/bingu-accused-of-aid-rip-off/"target="_blank">Bingu Accused Of UK Aid Rip-Off (2010/8/8)</a><br />
[9] <a href="http://www.africareview.com/News/Germany%20cuts%20aid%20to%20Malawi%20over%20homosexuality%20law/-/979180/1101482/-/jkg3ct/-/"target="_blank">Germany cuts aid to Malawi over homosexuality law(2011/2/4)</a><br />
[10]プレス発表 <a href="http://www.mcc.gov/pages/press/release/mcc-board-selects-eligible-countries-approves-350-million-compact-for-malaw"target="_blank">MCC Board Selects Eligible Countries, Approves $350 Million Compact for Malawi</a><br />
[11] <a href="http://www.nyasatimes.com/national/eu-may-freeze-aid-for-malawi.html"target="_blank">EU may freeze aid for Malawi (2011/2/8)</a><br />
[12] <a href="http://norwaypost.no/news/norway-asks-malawi-to-return-aid-funds.html"target="_blank">Norway asks Malawi to return aid funds (2011/02/09)</a><br />
[13] <a href="http://geiro.org/2010/03/08/norwaydemandsmalawi/"target="_blank">ノルウェー、マラウイに対して拘留中のゲイカップルを釈放するよう要求 (2010/3/8)</a><br />
[14] <a href="http://www.maxighana.com/news-a-politics/world/1051-luxury-jet-cheap-for-poor-malawi-mutharika-.html"target="_blank">Luxury Jet 'cheap' for poor Malawi: Mutharika (2010/6/2)</a><br />
[15] <a href="http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101027-00000019-yonh-kr"target="_blank">マラウイ大統領「アフリカの課題、韓国と協議したい」(2010/10/27)</a><br />
[16] <a href="http://socyberty.com/law/25-crazy-laws-from-around-the-world/"target="_blank">25 Crazy Laws From Around the World</a><br />
<a href="http://lawyers-law.com/no-public-farting-after-6pm-and-other-strange-laws-in-florida/"target="_blank">No Public Farting After 6pm And Other Strange Laws In Florida</a><br />
[17] <a href="http://www.nyasatimes.com/columns/how-malawi-can-win-back-donor-confidence-trust.html"target="_blank">How Malawi can win back donor confidence, trust (2011/2/10)</a><br />
<br />
●参考ブログ<br />
<a href="http://www.startthailand.com/startmalawi/"target="_blank">スタートマラウイ (Start Malawi)</a><br />
<a href="http://www.malawivoice.com/"target="_blank">Malawi Voice</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com5tag:blogger.com,1999:blog-5429535355063674142.post-9407938796415279742011-02-05T23:34:00.008+09:002011-02-06T09:53:32.967+09:00エジプト:Enough is enough (もうたくさんだ)エジプトでは何十万人という民衆が集合してムバラク大統領の退陣を要求しています。日本人はエジプトの情勢には無関心ではありませんが、彼らに共鳴したり連帯感を持つ人は少数派でしょう。なぜならば、生きている「世界」が違うからです。<br />
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日本に住んでいると認識しませんが、他国と比べると日本は住みやすい国です。政府を批判しても秘密警察に連れて行かれることもない。公正な選挙も実施されている。住居には物があふれているし、職業を選り好みさえしなければ飢えることもない。公務員や政治家の汚職はあるが、日常的ではない。貧富の差が開いているが、絶望的というまでには程遠い。日本人ははデモ行進をしなければならないほどの不満を社会に対して抱いてはいないのです。<br />
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エジプトと日本は対極にあります。現在のエジプトの民衆は、「堪忍袋の緒が切れた」、英語でいうと「tipping point」(限界点)を越えて元に戻れない状態になっているのではないでしょうか。<br />
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報道では現在の騒乱を「インターネット革命」などと伝えていますが、今回のエントリーでは市民運動に注目してその背景を調べてみました。<br />
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<div style="color: red;"><b>【 ニュース 】</b></div><br />
<div style="background-color: #cfe2f3;"><b>エジプト、ムバラク政権正念場 長期独裁の矛盾露呈 </b>(日経新聞、2011/1/28)[1]</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">【カイロ=花房良祐】エジプトで抗議デモが続き、29年間政権の座にあるムバラク大統領が正念場を迎えている。経済政策への批判をきっかけに長期独裁政権の矛盾が一気に露呈した。親米穏健派のエジプトが揺らぎイスラム原理主義勢力が台頭すれば、中東の不安定要因となる。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">抗議デモは<b>インターネット上で草の根組織「4月6日運動」</b>などが呼びかけた。28日はイスラム教の休日の金曜日。礼拝のため集まったモスク(イスラム礼拝所)から街頭デモに合流した。</div><div style="background-color: #cfe2f3;">カイロのモスク前では市民がエジプト国旗を掲げ、「ムバラクは去れ」などと要求。あるデモ参加者は「政権は国民から血を吸う吸血鬼だ。ムバラクが去るまでデモを続ける」と話した。市内では警察車両やタイヤが燃やされ、黒煙があちこちで上がっている。治安当局がデモ隊を徹底的に弾圧しており、混乱が広がっている。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">国民の怒りの背景には貧富の格差の拡大や若者の高い失業率がある。エジプトは経済自由化路線を進め、ここ数年は5%前後と高い経済成長率を誇る。一方、人口8300万人のうち6割を占める若年層の雇用を吸収しきれず、30歳未満の失業率は約2割に上るとの推計もある。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"> </div><div style="background-color: #cfe2f3;">エジプトは秋に大統領選が予定され、ムバラク大統領か次男ガマル氏の出馬が見込まれている。反体制派はムバラク政権の継続に反発し、民主化を求めている。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">ただ反体制派は長く弾圧されてきたため中核となる指導者が不在だ。焦点はエルバラダイ国際原子力機関前事務局長。27日に帰国し、支持者とともにデモに駆けつけた。反体制派が同氏の下に結集すれば台風の目となる。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">同氏は2005年にノーベル平和賞を受賞するなど国際的な知名度は高く、最近はエジプトの民主化について積極的に発言。ただ海外在住が長く国内での人気はいまひとつ。抗議デモの主導者となれるかは不透明だ。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">イスラム原理主義組織の動向も注目される。憲法上、宗教政党は禁じられているため同胞団は非合法だが、国内で強固な支持基盤を持つ。同胞団はこれまで政府の弾圧を恐れてデモから一定の距離を保ってきたが、AFP通信によると28日のデモの支持を表明。強力な動員力を武器に政権に立ち向かえば影響力はある。</div><div style="background-color: #cfe2f3;"><br />
</div><div style="background-color: #cfe2f3;">ムバラク政権の行方は中東の安全保障環境にも直結する。同国は4回の戦争を経て1979年にアラブ諸国で初めてイスラエルを国家承認。同国と安定した関係を築き、中東和平交渉の仲介などで存在感を示す。政権が転覆するとイスラム原理主義勢力が台頭する可能性があり、地域の勢力図が大きく変わる。原油の産出量は湾岸産油国と比べると少ないが、中東地域の不安定要因となれば原油相場にも影響を与えかねない。</div><br />
<br />
<div style="color: red;"><b>【 解説 】</b></div><br />
<b>1.Facebook</b><br />
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インターネットにFacebookというサービスがあり、個人が自由に情報(コメント・画像・ビデオ)を発信できる。携帯電話からもアクセスできる。アフリカにおけるFacebookの加入者は下図のとおりであり、エジプトの普及度は日本の約2倍である。<br />
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図 (クリックで拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjjhQk5kfhMsEjvuDlvEJgvZUbvdhzNRR_QrpE8nGUFiOfsmM50PztwWfb-H8JL9GHIAS7NldzkAFxxQkJKb-dmgEGYEwOTFiS0YtKgbPWa8wqLTk-SvfOD-02bDKCZvKDwe82j5QiIlhw/s1600/Facebook%25E5%258A%25A0%25E7%259B%259F%25E8%2580%2585.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="262" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjjhQk5kfhMsEjvuDlvEJgvZUbvdhzNRR_QrpE8nGUFiOfsmM50PztwWfb-H8JL9GHIAS7NldzkAFxxQkJKb-dmgEGYEwOTFiS0YtKgbPWa8wqLTk-SvfOD-02bDKCZvKDwe82j5QiIlhw/s320/Facebook%25E5%258A%25A0%25E7%259B%259F%25E8%2580%2585.jpg" width="320" /></a></div><br />
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<b><br />
</b><br />
<b>2.市民運動</b><br />
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<b>(1) 「4月6日若者運動」 「4月6日運動」</b><br />
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英語の名称は、「April 6 Youth Movement」「April 6 Movement」。<br />
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2008年4月6日、エジプト北部の繊維工業の都市 Mahalla El-Kubraにおいて、食料高騰と低賃金を訴えるデモに参加した約2千人が警官隊と衝突した事件があったが[2]、その際、若者がインターネットの交流サイト「Facebook」を立ち上げて治安当局の弾圧や若者の高失業率、労働者の低賃金などに抗議するデモを呼びかたのが発足のきっかけである。代表者(general coordinator)は建築技師のAhmad Maher氏(28才)。[3]<br />
<br />
このグループが求めているのは、大統領の即時退陣、憲法改正、緊急国家安全保障法(Emergency Law)に終止符をうつことなど。元IAEA事務局長・ノーベル平和賞受賞者のエルバラダイ(ElBaradei)事務局長を支持している。運動の基本方針は非暴力的に変化をもたらすこと(non-violent change)[4]。政治団体などには属していなかった人々などがこのグループを支援している。<br />
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写真(クリックで拡大)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg5qLf42-GLcHqE-34EDg8pLrAbisWTXCLG_8Bt17N18yi-t0xvcRDmBYyCC2K8BIGhJS0rlg3vQk0dM2Ce8IKmrlOsJZcgTdmBJNmK2bH4oxskwU9xOSSHvS1zHdZnpD_dE4orGr2fxYU/s1600/April+6+movement%25E3%2581%25AE%25E4%25B8%25BB%25E8%25A6%2581%25E3%2583%25A1%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2590%25E3%2583%25BC.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;" target="_blank"><img border="0" height="305" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg5qLf42-GLcHqE-34EDg8pLrAbisWTXCLG_8Bt17N18yi-t0xvcRDmBYyCC2K8BIGhJS0rlg3vQk0dM2Ce8IKmrlOsJZcgTdmBJNmK2bH4oxskwU9xOSSHvS1zHdZnpD_dE4orGr2fxYU/s320/April+6+movement%25E3%2581%25AE%25E4%25B8%25BB%25E8%25A6%2581%25E3%2583%25A1%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2590%25E3%2583%25BC.jpg" width="320" /></a></div><br />
<br />
<b>(2) 「We Are All Khaled Said」</b><br />
<br />
2010年6月6日、小さな店の店主であるKhaled Said(28才)は、自分のブログにビデオを投稿した。それは、警官が押収した麻薬を分けているビデオだった。数時間後、私服警官がインターネットカフェにいたSaidを連れ出した。20分後、彼は殴打されて死体で発見された。前歯が折れて、アゴが切れている写真ががネットで広がった。[5]<br />
<br />
匿名のエジプト人青年がFacebookに「We are all Khalid Saeed」「私たち全員がKhaled Saidなのだ」というページを立ち上げたところ数週間で22万2000人近くが参加。エジプト内外で抗議のデモが発生した。[6]<br />
<br />
ソーシャルメディア(Facebook, Twitter, ブログなど)が、警察の残忍性と人権侵害を告発する手段として使われたと考えられる。<br />
<br />
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<div style="color: red;"><b>【 コメント 】</b></div><br />
ネットが普及したことにより、一般民衆が得られる情報は量的にも質的にも変わった。<br />
①政府にコントロールされたメディア以外の情報にアクセスできる。<br />
②デモの参加を呼び掛ける情報にアクセスできる。<br />
③殺害された若者の写真なども見ることができ、<span style="color: red;">「明日は我が身」</span>という恐れを感じる。<br />
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まさに、他国の独裁政権が恐れているのはこのことだろう。<br />
<br />
このブログを書いている時点では、ムバラク大統領は退陣していない。デモに参加している反ムバラク派の民衆は、ムバラク大統領の退陣を要求しているが、彼らはムバラク退陣後のリーダーについて明確な考えをもっていないのではないか。エジプトでは政府が承認している政党が24もあるので[7]、合理的に国をまとめていく体制ができるまで、何年もかかると思われる。政治・経済・社会、全てにおいて混乱が続くのではなかろうか。<br />
<br />
米国は、ポスト・ムバラク政権において ①反米政権を樹立させないことこと、②イスラム過激派を台頭させないよういにすること ---に関心があると思われる。私は、もし、エジプトが民主化に成功し、大衆の生活が向上し、失業率が下がれば、イスラム過激派が台頭することはないだろう、と期待している。ただし、混乱が続けば、その逆の結果になるだろう。国際社会の役割は、まずは民衆の生活を安定化させるようにすることである。そのためには、①エジプトの治安が良くなった段階で、観光に行き外貨を落とすこと、また、②企業が予定しているエジプトへの投資を中止しないことである。<br />
<br />
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<div style="color: red;"><b>【 参考文献 】</b></div><br />
[1] <a href="http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819691E0EAE2E2E58DE0EAE2E3E0E2E3E39C9CEAE2E2E2;bm=96958A9C9381959FE0EAE2E6998DE0EAE2E3E0E2E3E39F9FEAE2E2E2" target="_blank">エジプト、ムバラク政権正念場 長期独裁の矛盾露呈 (日経新聞、2011/1/28)</a><br />
[2] <a href="http://news.bbc.co.uk/2/hi/7332929.stm" target="_blank">Clashes in Egypt strike stand-off (BBC, 2008/4/6)</a><br />
[3] <a href="http://egyptelections.carnegieendowment.org/2010/11/08/interview-with-ahmed-maher-co-founder-of-the-april-6-youth-movement" target="_blank">Ahmad Maher氏のインタビュービデオと英訳(2010/11/8)</a><br />
<a href="http://articles.latimes.com/2011/jan/27/world/la-fg-egypt-youth-20110128" target="_blank">Young Egyptians mount unusual challenge to Mubarak (Los Angeles Times, 2011/1/27)</a><br />
<br />
[4]<a href="http://ja-jp.facebook.com/group.php?gid=38588398289&v=wall&ref=share" target="_blank">April 6 Youth Movementの基本方針</a><br />
[5]<a href="http://www.arabist.net/blog/2010/6/14/the-murder-of-khaled-said.html" target="_blank">The murder of Khaled Said </a> <br />
(死者の顔写真があります。クリックする場合は覚悟して下さい。)<br />
<br />
[6]<a href="http://longtailworld.blogspot.com/2011/01/egyptian-uprising-and-khaled-saeed.html" target="_blank">Long Tail World (2011/1/29投稿ブログ by Satomi Ichimura)</a><br />
<a href="http://m.theglobeandmail.com/news/world/africa-mideast/how-a-brutal-beating-and-facebook-led-to-egyptian-protests/article1884156/?service=mobile" target="_blank">How a brutal beating and Facebook led to Egyptian protests (The Globe and Mail、2011/1/28)</a><br />
<br />
[7]<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_political_parties_in_Egypt" target="_blank">List of political parties in Egypt(24党)</a><br />
<br />
<br />
●市民運動家のサイト<br />
(1) 「We are all Khaled Said」<br />
<a href="http://www.facebook.com/elshaheeed.co.uk" target="_blank">http://www.facebook.com/elshaheeed.co.uk</a><br />
<a href="http://www.elshaheeed.co.uk/" target="_blank">http://www.elshaheeed.co.uk/</a><br />
<br />
(2) 「6th of April Youth Movement」「April 6 Youth movement」<br />
<a href="http://www.facebook.com/shabab6april" target="_blank">http://www.facebook.com/shabab6april</a> (アラビア語)<br />
<a href="http://www.facebook.com/group.php?gid=38588398289#%21/group.php?gid=38588398289&v=wall" target="_blank">http://www.facebook.com/group.php?gid=38588398289#!/group.php?gid=38588398289&v=wall</a>(英語)<br />
<a href="http://twitter.com/shabab6april" target="_blank">http://twitter.com/shabab6april</a>(アラビア語)<br />
<a href="http://6april.org/english/" target="_blank">http://6april.org/english/</a> (英語)<br />
<br />
(3) <a href="http://25january.tv/" target="_blank">「25th of January」 </a>ビデオを集めているサイト<br />
<br />
<br />
●ニュース・サイト<br />
<a href="http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12307698" target="_blank">BBC Live Egypt unrest</a><br />
<a href="http://www.bbc.co.uk/news/world/africa/" target="_blank">BBC News Africa</a><br />
<a href="http://edition.cnn.com/AFRICA/" target="_blank">CNN Africa</a><br />
<a href="http://english.aljazeera.net/" target="_blank">Al Jazeera</a><br />
<br />
●ブログ等<br />
<a href="http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/" target="_blank">中東の窓(野口雅昭:京都文教大学、元外交官)</a><br />
<a href="http://www.tkfd.or.jp/blog/sasaki/" target="_blank">中東TODAY(佐々木良昭:東京財団)</a><br />
<a href="http://blogs.yahoo.co.jp/cigvi2006" target="_blank">水口章:国際・社会の未来へのまなざし(敬愛大学)</a><br />
<a href="http://www.energyjl.com/jameef.html" target="_blank">中東・エネルギー・フォーラム(畑中美樹、高橋和夫、江添久義)</a><br />
<a href="http://ameblo.jp/fifi2121/" target="_blank">All about FIFI (テレビでお馴染みのフィフィ、エジプト出身、2月3日以降の記事)</a><br />
<a href="http://let-us-know-africa.blogspot.com/p/residents.html" target="_blank">当ブログ「滞在者リンク集:エジプト」</a><br />
<br />
●インターネット関係<br />
アフリカのインターネットの普及率 <a href="http://www.internetworldstats.com/stats1.htm" target="_blank">INTERNET USAGE STATISTICS FOR AFRICA</a><br />
Facebook ユーザー数 <a href="http://www.socialbakers.com/facebook-statistics/" target="_blank">Facebook Statistics by country</a><br />
<a href="http://speedtest.net/global.php#0,5" target="_blank">インターネットのスピード</a>Miyahttp://www.blogger.com/profile/05762146282670990325noreply@blogger.com0